ハンマー

ハンマーとは

ハンマー

ハンマーとは、物を打ち付ける時に使う工具で、建築現場などでは欠かすことのできない道具です。

日本語では用途や素材などにより、槌 (つち) 、玄翁 (げんのう) 、とんかち、殴り (なぐり) 、掛矢 (かけや) などとも呼ばれます。「つち」は漢字でも明確に区別されていて、打撃部が金属製のものを鎚 (金偏) 、木製のものは槌 (木偏) と書きます。

ハンマーは古くから使われており、道具としての基本的な機能を提供するため、多くの文化や産業で重要な存在です。

ハンマーの使用用途

ハンマーは、様々な目的で使用される便利な道具で、プロの職人から一般の方まで幅広く使用されています。

一般的な使用例は以下の通りです。

  • 木材や壁などの釘打
  • 釘の引き抜き
  • 金属を叩いて伸ばしたり曲げたりする金属加工
  • 石割り、はつり作業などの石工作業
  • コンクリート構造物の強度確認
  • 車両点検
  • 溶接作業のバリ取り、カス取り

ハンマーの原理

ハンマーは、持ち手部分 (柄) と打撃部分 (頭) で構成され、頭部の重量が重いほど打撃力が強く、対象物を変形させることができます。ハンマーを使用するとき、柄を握る手の部分から肘までが回転の中心となり、柄から腕の部分がスイングします。

腕で振ることで発生する回転運動に、打撃部分 (頭) の重さが加わることで、対象部に力を加えることが可能です。ただし、柄の部分が長くなれば打撃力が大きくなりますが、頭部のコントロールが難しくなるため、正確な作業をするには、ある程度慣れる必要があります。

ハンマーの選び方

ハンマーには多くの種類があり、目的に応じた材質や重さのものがあります。それぞれの特徴を把握し選ぶことが重要です。

1. 種類

ネイルハンマー
西洋から入ってきたハンマーの一種で、片面が平らになっており、反対側に釘抜きが付いたタイプです。重心が打撃面に偏っているため、安定した状態で作業することができます。

片手ハンマー
打撃部分が、片側が平面に近い緩やかな曲面、反対側は球状になっています。釘やピンの打ち込みなどに使われ、打撃部が球状の方は鉄板などの曲げ加工などを行うことができます。

両口ハンマー
打撃部分が、片側が平面で、もう片方が少し膨らんだ曲面になっています。主に木材への釘打ちに使われますが、鉄工作業、土木作業、解体作業などでも使用されます。

仮枠ハンマー
仮枠ハンマーは、建築作業においてコンクリートを流し込む型枠を組み立てる、仮枠作業に使われるハンマーです。さまざまな障害物がある場所での仮枠作業を行いやすいよう、柄は長く、打撃面は柄に近くなるほど細くなるラッパのような形状をしています。

板金ハンマー
鉄板やアルミニウム板などを叩いて加工するときに使用するハンマーです。自動車の車体補修、屋根やダクトの板金、電気工事、金属製の工芸品制作などの現場で使われます。

電工ハンマー
電気工事に適したハンマーで、頭部の片側が打撃面で反対側が尖っている先切タイプと、両側とも打撃面のゲンノウタイプがあります。電工ハンマーは、柄の先端がソケット状になっているのが一番の特徴で、この部分でナットの付け外しを行うことができます。

コンビハンマー
ハンマー頭部の片側に金属を使い、もう片側には素材を傷めない樹脂素材を使ったハンマーです。1本で金属製ハンマーと樹脂製ハンマー両方の特性を兼ね備えており、非常に使い勝手が良いハンマーです。

ペグハンマー
ペグを地面に打ち込んだり、引き抜く時に使用するハンマーで、 金属製やプラスチック製のものがあります。片面が平らな打撃部になっており、反対側はペグに引っ掛けやすい形状をしています。

2. 素材

金属製
金属製は、ハンマーの素材の中では一番高い強度を誇り、釘などの打ち込みや板金加工などで使われます。

木製
材質が木製のハンマーで、金属製のハンマーと違い軽量なのが特徴です。主に木工製品の組み立てや、部品などに傷をつけたくない作業時に使用されます。

プラスチック製
ヘッド部分がプラスチック素材を使用しているハンマーです。対象物にキズ付けることなく打ち込めるのが特徴で、主に自動車やバイクの整備などで使用されます。重心部が金属製なのでしっかりと衝撃を与えることができます。

ゴム製
頭部がゴム製のハンマーです。叩いた箇所の傷や凹みを気にすることなく、強く打つことができるのが特徴で、家具の組み立てなどで使用されます。同様の特徴を持つ木製と比べた場合、ゴムハンマーの方が材料に傷をつけずに作業ができます。

3. 重さ

ハンマーは、製品ごとに形状やサイズ、重量が異なるため、一般的にはヘッド部の重さで分類されます。

標準的なサイズは375gで、日本で昔から使われていた重さの単位の100匁 (もんめ) に相当します。女性の方であれば、コンパクトで軽量なものがおすすめですが、石を割るときなどは重量があるハンマーでなければなりません。

目的に応じ使用するものが異なるため、実際に振ってみるなど確認し、最適な重さのハンマーを選ぶことが大事です。

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