振動ドリル

振動ドリルとは

振動ドリルとは、振動の力を使用してコンクリートやタイルなど、硬い素材に穴をあける工具です。

通常ドリルと聞くと、回転の力を使用するものを想像しますが、振動ドリルでは回転と振動の両方の力を利用します。これにより、硬い素材のものでも早く正確に穴をあけることが可能です。

振動ドリルの使用用途

振動ドリは、硬い材質に下穴を開ける際に使用します。代表的な硬い材質は、コンクリート・石材・タイル・モルタルなどです。

下穴はアンカーやプラグと呼ばれる、構造材や設備機器を固定する際に打ち込む部品のためにあります。回転ドリルでは回転する力しか無いので、いくら押し込んでも穴を掘り進めていく力が弱く、作業ができません。

振動ドリルの特徴

1. 木材には向かない

振動ドリルは、コンクリートなど硬い材質向けの工具です。木材や金属への穴あけは適していません。木材や金属は硬い素材ではないので、振動機能を使わずとも回転のみで穴が開きます。そのため、回転ドリルの方が適しています。

2. ドリルビットの軸にも種類がある

ドリルビットの軸にも色々種類があります。使用する振動ドリルのメーカー、取付口をよく確認しないと、せっかく買ってきても取付できず、作業を行えない場合があります。

3.製品によって機能が異なる

振動ドリルを使用する際に、しっかり持たなければならないため、サイドグリップがついているタイプがあります。ここを持つと本体よりもしっかり掴めるようになるので、正確に作業することが可能です。また、振動機能のみをオフし、回転ドリルとしても使用できるタイプや、正転・逆転機能がついているタイプもあります。

振動ドリルの選び方

振動ドリルを選ぶ際に、注意するべき点として以下の4つが挙げられます。

1. ドリルの穴径

振動ドリルを選ぶ上で最も重要なのはドリルの穴径です。機種によって最大径が決まっています。開けたい穴の大きさが決まっていたり、頻繁に使う径があったりする場合は、対応しているのかカタログなどでよく確認しましょう。

2.打撃・回転数

振動ドリルのスペックに関わってくるのが打撃数や回転数です。これは大きければ大きいほど良いわけではありません。割れやすかったり、欠けやすかったりする素材に対しては、打撃数や回転数を抑えめにして作業する事が望ましいため、打撃数や回転数の調整幅があるものがおすすめです。

3. あける穴の直径

振動ドリルですが、穴をあけられる径が20mm~25mm程と限りがあります。振動ドリルでは対応できない大きさの穴径を開けたい場合、ハンマードリルを検討してみてください。ハンマードリルの方がより強力で素材を選ばず、対応するドリルビットの穴径も大きいからです。

4. コード式・充電式であるか

振動ドリルは一般的にコードタイプがほとんどでしたが、最近では充電式のコードレスタイプも販売されています。充電式でもコードタイプに劣らないパワーがあり、電源の確保がいらないことから使用場所の制限もないため、作業の効率化が期待できます。ただし、充電切れの恐れや、替えの充電池も購入しないといけないデメリットもあります。

振動ドリルのその他情報

振動ドリルの使い方

まず、使用する前にドリルビットを選択します。どの材質でも対応している訳ではなく、コンクリート用、タイル用、石材用などと用途が分かれています。用途を間違えると、穴が開かなかったり、穴の周りがボロボロに欠けしまったりする可能性が高いです。

実際に使用する際は、通常のドリルを使用する時よりもしっかり押し込み、振動ドリルをしっかり持つことが大事です。しっかり持っていないと、振動ドリルの振動が上手く伝わらなかったり、工具がブレて穴があかなかったりします。

振動ドリルを使用する上で、最も重要なのは、ドリルを当てる角度です。角度が曲がっていると、まっすぐ穴が空かず、アンカーやプラグなどが斜めになることもあります。より正確に穴を開けたい場合には、最初は回転を抑えめにしつつ、穴が深くなってきたら回転を早めて、目的の深さまでまっすぐに使用する方法がおすすめです。

なお、穴を開けた後は、開けた際に発生したコンクリートなどの粉が詰まっているので、ブロワーなどで穴の中を綺麗にする必要があります。

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