ノズル

ノズルとは

ノズルとは、気体や液体の流れの向きや流速、圧力などを制御するパイプ状の部品のことです。

気体や液体を放出するのに用いることが多いですが、吸引するためにも用いられます。身近なところでは、お風呂についているシャワーヘッドや接着剤の先端などがあります。また、吸引ノズルのしては掃除機の吸引口もノズルです。気体や液体を出す、吸う装置、器具の先端は、大抵の場合ノズルの一種がつけられています。

ノズルの用途

ノズルの用途を、気体用ノズル、液体用ノズルに分けて代表的なものを紹介します。

1. 気体用ノズル

  • 塵などの異物の吹き飛ばし
  • 水気の吹き飛ばし
  • 冷却
  • 乾燥
  • 部品の圧送
  • 部品の吸着

2. 液体用ノズル

  • 異物や汚れの洗浄
  • 冷却
  • 加湿
  • 殺菌消毒
  • 薬品や水の散布

ノズルの種類

ノズルの種類は非常に多種多様ですが、その中でも代表的なものを紹介します。

1. 直進ノズル

液体を一点に集中させて放出することで、強い衝撃を与えます。主に高圧洗浄機などで使われます。一点だけでなく、多数の点放出をする多孔直進ノズルもあります。また超高圧の水圧を、金属など硬い物質に当てて切断するカッター用のノズルもあります。

2. 扇形ノズル

気体や液体を扇上に放出するノズルで、主に洗浄用に使われます。線状に流体を当てて、なぞるように洗い流すことを得意とします。

3. 円錐ノズル

気体や液体を円錐状に放出するノズルで、主に洗浄や冷却に使われます。面で流体を当てることで、広い範囲をカバーすることを得意とします。防火装置のスプリンクラーも、多くがこのタイプになります。

4. シャワーヘッド

低圧の液体を多数の穴から放出するノズルで、主にお風呂で使われます。最近では水の中に泡を含ませることで、洗浄力や保湿力を高めた、マイクロナノバブルと呼ばれるシャワーヘッドも登場しています。

5. 散水ノズル

農業や家庭菜園、車の洗車などで使われるノズルです。放出する水の形状を直進状、円錐状、シャワー状などに切り替えられるものがほとんどです。トリガーを引くことで水を放出するので、放出するタイミングや量を調節することが可能です。

端末

端末とは

端末 (英: Terminal, Device) とは、電路における電流の出入り口のことです。

一般には、回線やネットワークなどの通信の末端にある機器・装置を指し、これを構成する電子部品や、これに接続して使用する周辺機器も含めて扱われます。

端末の種類

インターネット通信の末端でデータの出入力などを行う端末には、パソコンやスマートフォン、タブレットなどがあります。

近年ではこうした端末に加えて、オーディオ機器や時計、家電、自動車、ビルや工場など、様々なものがインターネットに接続されるようになり、端末と呼ばれるものの範囲も広がってきました。インターネットに接続が可能な機器は、IoT (Internet of Things) と呼ばれ、とくに産業分野での成長が見込まれています。

産業用端末の種類

産業分野で用いられる端末で代表的なものは、産業用パソコン (PC) です。

工場のオートメーションのほか、医療や流通分野、デジタルサイネージなど、幅広い分野で活用されています。産業用PCは、衝撃や振動、静電気、粉じんに対する耐性や、不安定な電源環境などといった使用環境への即応・適応性、また長期に渡ってメンテナンス可能な供給の安定性などが求められます。産業用PCの利用頻度が高い工場のオートメーション制御においても、ファンレスPCBOXPCなど、民生用PCに比べて耐久性や可用性、保守性の高い端末が使用されています。

産業用モバイル端末の利用も急速に拡大しており、あらゆる業界でタブレットなどのパネルPCの導入が進んでいます。病院や駅、小売店、飲食店、自動販売機など、生活に身近な分野でもパネルPCが活用されています。

物流業界や製造業、小売業界などでは、在庫管理、入出荷検品、納品、集荷などにハンディターミナルが使用されているほか、腕などに装着して持ち歩けるウェアラブル端末の利用も拡大しています。

冷凍庫

冷蔵庫とは

冷蔵庫とは10℃以下の低温空間を作り出し、主に食品を保存する用途で使用される電化製品です。

-18℃以下の低温にして食品などを冷凍保存するものは冷凍庫として区別されます。冷蔵庫と冷凍庫は温度が違うだけで仕組みは全く同じです。

冷蔵庫の仕組み

冷蔵庫の原理はエアコンとほとんど同じで、「ヒートポンプ」という仕組みが利用されています。ヒートポンプとは、温度の低い場所と温度の高い場所の熱を交換する仕組みです。冷蔵庫の内部の熱を吸収して冷蔵庫の外部へ放熱することで庫内の冷気を保っています。

冷媒と呼ばれる物質が熱の交換の媒介に用いられ、物質の「気化するときに周囲の熱を奪う」「液化するときに放熱する」といった物理法則を利用しています。ヒートポンプの機能は主に「圧縮機」「凝縮器」「膨張弁」「蒸発器」の4つの機器によって構成されています。これら4つの機器はそれぞれ以下のような役割を持っています。

1. 圧縮機 (コンプレッサ

圧縮機は気体冷媒を圧縮します。圧縮時には熱が発生するため、圧縮機は冷蔵庫の外に設置されています。多くの冷蔵庫では圧縮機は冷蔵庫の背面に取付けられており、背面のスペースが充分ではないと熱が逃げきらないので、冷却効率が下がり消費電力があがってしまいます。

2. 凝縮器 (コンデンサー) 

凝縮器は、圧縮機によって圧縮された高温・高圧の気体冷媒を液化する役割を持っています。凝縮器も冷蔵庫の外に設置されます。

3. 膨張弁 (エキスパンションバルブ)

膨張弁は、コンデンサーによってが液化された液体冷媒の圧力を低下させて、沸点を下げる役割を担っています。膨張弁は冷蔵庫内に設置されます。

4. 蒸発器 (エバポレーター) 

蒸発器は、膨張弁から送られてくる沸点の低下した液体冷媒を気化させます。液体は気化する際に、周囲の熱を奪うので庫内の冷気を保つことができます。その後気化した冷媒は圧縮機に送り込まれ、圧縮機によって熱を外部に放出し、このサイクルを繰り返すことで冷蔵庫は庫内を冷やし続けることができます。

冷蔵庫の種類

冷蔵庫は一般的に冷却方式によって分類され、「直冷式」「ファン式」「ペルチェ式」の大きく3種類があります。

1. 直冷式

冷蔵庫内に蒸発器が設置されており、自然対流によって庫内を冷却する方式です。冷却効率がよく電気代が安いというメリットがあります。各室ごとの温度設定ができないことや、霜取りをする必要があるというデメリットがあります。

2. ファン式

冷蔵庫外に蒸発器を設置し、ファンによって冷気を送る方式です。各室ごとの温度設定が可能であり、霜取りも不要というメリットがあります。ファンを設置するので本体サイズが大きくなることや動作音が大きいというデメリットがあります。

3. ペルチェ方式

電流を流すことで熱の吸収と放出を行う「ペルチェ素子」を利用した冷却方式です。5~15℃の冷却が可能です。起動音や振動音がなく静音であり、小型かつ霜取りが不要というメリットがあります。直冷式やファン式と比較して、5℃以下の低温を保つことはできないというデメリットがあります。

ステージ

ステージとは

産業用製品でステージとは、一般的に可動テーブルのことを指します。

例えば、マイクロスコープの場合、拡大した物体を手で動かして観察するポイントに移動させるのが難しくなります。そのため移動をX方向Y方向あるいはピントを合わせるZ方向それぞれを少しずつ移動させるためにダイヤル式で微調整する事ができるものが多いです。

また別の例としては、旋盤のような加工機では被切削体であるワークを刃物に近づけていき、所定の切込み量になるように移動することで、回転している刃物に接触させて切り込んで最終的な狙い通りの形状にします。

ステージの種類

可動テーブルでも目的に応じていろいろな種類があります。ステージの種類は大きく分けて2種類あり、自動か手動かで分かれます。

自動のものはモータなどの動力を使い、制御ソフトなどにより指定した位置に特定のタイミングで移動するような可動テーブルであります。手動は、各軸においてハンドルを回転させながら送り機構によりテーブルの位置を調整します。

位置決め精度の度合いによる区分や、1軸から6軸程度までの自由度の選択もあります。

ステージの構造

通常はガイドレールにより案内されてネジを回転させる事で達成する送り機構で構成されています。

また、長いストロークでの移動が必要な場合ではネジ送りでは移動させる事に時間を要してしまうため一時的にネジ送り機構を解除して一度に長いストロークをスライドさせる構造を同時に所有しているステージもあります。

解析ソフトウェア

解析ソフトウェアとは

解析ソフトウェアとは、複雑な力学方程式をコンピュータで計算することで物理現象を予測するソフトウェアです。CAEと呼ばれこともあります。

理論式が確立されている現象であれば構造物にかかる力、熱・流体、粉体、電磁場、分子など様々な現象を計算することが可能です。適用できる対象の大きさも、分子などナノレベルから高層ビルなど大型構造物まで幅広いです。

この解析ソフトウェアを用いることで、試作・開発のコストを削減できます。例えば、解析ソフトウェアで部品性能を検証する場合、部品の形状データ・部品材料情報を入力してコンピュータで計算するだけなので、試作費用もなく試験にかけていた時間も節約できます。

また、解析ソフトウェアを用いることで設計・開発工数の短縮が期待できます。解析ソフトウェアは現象をコンピュータで計算しているため、現実では可視化できない構造物にかかる力、温度や空気の流れなどを可視化・定量評価することができます。結果、設計の良否やその改善方法などを効率よく検証することができるのです。

近年ではこの解析ソフトウェアを応用して、製造現場や稼働している製品から収集したデータをベースにシミュレーションを行い、不具合を予測する「デジタルツイン」という取り組みが進んでいます。

解析ソフトウェアの種類

解析ソフトウェアは種類に応じて、計算できる対象が異なります。

1. 構造解析ソフト

力が構造物内部にどう伝わるのかとそれに基づく構造物の変形を解析します。

2. 熱流体解析ソフト

流体の流れる向きや速度、熱の移動などを計算可能です。格子法と粒子法という手法に分かれます。

3. 電磁場解析ソフト

電場と磁場の計算を行い、電磁場の分布や電波伝播を予測解析します。

4. 音響解析ソフト

構造物の振動から生じる音、伝播してきた音の反射や吸収を解析します。

5. 多変量解析ソフト

主成分分析、クラスター分析など複数の独立変数でデータを統計分析する手法が実装されています。

6. 振動解析ソフト

物体の振動データを用いて、共振周波数とその周波数におけるモード形状を解析するソフトです。

7. 点群処理ソフト

スキャナなどで得られた点群データを、3次元座標値を持つデータに変換するソフトです。

8. 運動解析ソフト

人の身体の動き (速度、加速度、移動距離など) を、撮影した画像などから解析します。製品によっては複数の問題を同時に計算できるものもあります。

無料解析ソフトウェアの種類

一般に解析ソフトウェアはソフトウェアベンダーなどから保守サービスも含めて有償で導入することが多いです。しかし、大学などの公的機関が開発した無償の解析ソフトウェアも利用できます。下記はその一部です。

1. 構造解析無料ソフト FrontISTR

東京大学が開発しているソフトウェアです。静解析・大変形解析、非線形材料の取り扱いも可能な汎用性が高いオープンソースソフトウェアです。

2. 熱流体解析無料ソフト OpenFOAM

有限体積法をベースとした流体解析オープンソースです。拡張性が高く、C++言語で自由に計算機能をカスタマイズすることが可能です。

3. 分子動力学無料ソフト GROMACS

並列計算対応している分子動力学ソフトウェアで計算の速さが特徴。GPUの計算などにも対応している珍しい無料ソフトウェアです。

4. 電磁場解析無料ソフト FEMM 4.2

2次元の有限要素法ベースの電磁場解析ソフトです。静電場、磁場、熱解析を同時に行うことができます。これらのソフトウェアは、ネット上でダウンロードすることができます。

接着剤・補修材

接着剤・補修材とは

接着剤とは、物と物とを接着する物質です。ほとんどは粘着性を持った液体を接着したい面に塗布し、もう片方を接着して乾燥させて固形化し、離れなくする働きがあります。ペンキなどの塗料も片面に接着することから接着剤の一種とされることがあります。

補修材とは、接着剤と使い方はあまり変わりませんが、物同士を接着するだけではなく、穴の開いた個所や凹みを埋めるなどの使い方もあります。例えば、車のキズや凹みを補修する際や、家の壁紙が剥がれたり、壁にヒビが入った時などにも使用します。

接着剤の種類

1. 木工用ボンド

木工用ボンドで使用できる材質は木材です。取り扱いは容易ですが、乾燥後は半固形化で柔らかく、思いっきり引っ張ると接着剤自身がちぎれて外れてしまいます。強度の必要な部分には向きません。

2. 瞬間接着剤

代表例としてアロンアルファがあります。使用できる材質は、金属、プラスチック、ゴムなど、幅広いです。数秒で固まってしまうため、取り扱いには注意が必要です。取り扱い中に指が接着してしまった時は、無理やり剝がすのではなく、剥離剤を使って剥がしましょう。

補修材の種類

1. シリコーン

シリコーンは、カバーの隙間から液が漏れるような状況で隙間を防ぎ、液漏れを防止するために使われることが多いです。また、液漏れとは逆に、液の侵入を防ぐ使い方もあります。

他にも剥がれた壁紙を張り付けや、壁の隙間を埋めるのに使用する、コーキング材と呼ばれる補修材もシリコーンの一種です。ゲル状の液体で、乾燥するとゴム状に固まります。強度は高くないので取り扱いには注意が必要です。

2. パテ

キズや凹みを補修するために隙間を埋める、または厚みを持たせるために使う補修材です。粘土状で乾燥すると固形化します。

クランプ・固定器

クランプ・固定器とは

クランプ・固定器とは、何かを保持・圧縮するために用いられる装置のことです。

例えば、のこぎりで木材を切断する場合は手で固定して切断することもできますが、手を痛めないように器具を使って木材を固定し切断する事もできます。何度も切断したり削ったりする場合は、生産効率も考え器具や装置を使いしっかりと固定し加工を行うことが大切です。

クランプ・固定器の種類

クランプ・固定器の種類としては、しっかり固定する場合と軽く固定 (ソフトクランプ) して整理や整列させる場合があります。

例えば、配電盤の中は色々なケーブルが絡み合いメンテナンス性や見た目が悪くなります。そのため、設計の段階から固定箇所を位置決めしておき、クリップの様にソフトクランプできるようにします。クランプ・固定器は動力が不要なものと動力が必要なものに分けることもできます。

クランプ・固定器の例

クランプ・固定器の例として、代表的なものは万力があります。万力は被加工体をハードに固定する器具です。ソフトクランプの種類としては、薄い金属板を加工したクリップであり、バネの力を利用したクランプです。結束バンドもその一種です。

マグネットチャックは磁石を用い動力を必要としないものと、電気を使い電磁力として使うものがあげられます。マグネットチャックは固定されるものが磁石にある程度吸付くような鉄系などの強磁性体でなければ使用できません。

電磁力以外で動力が必要なものとしてはエアーグリッパーやエアーチャックがあります、エアーグリッパーやエアーチャックはコンプレッサからの圧縮空気を利用しますが、エアーチャックの中にはバキュームジェネレーターにより負圧を発生させ吸着パッドなどを使い被固定物を吸着による固定する方法もあります。

クリーンルーム用品

クリーンルーム用品とは

クリーンルーム用品とは、空気清浄度を担保されたクリーンルームで用いられる物品のことです。

半導体関連製品は、わずかな塵の混入で致命的な製品欠陥が生じます。バイオの研究では、わずかな細菌などの混入で研究結果に大きな影響が生じます。そのような異物の侵入を徹底的に阻害するためにクリーンルームが使用されます。

クリーンルーム用品の種類

異物を排除するように設計されていクリーンルームの清浄な環境を維持するために、様々なツールが導入されています。

1. クリーンロッカー

オゾン、紫外線などによる殺菌・脱臭で収容した衣類や靴などを衛生的に保管できるロッカーです。

2. クリーンウェア

クリーンルームに白衣など外気にふれた衣服で入ると、付着している塵が室内に入るため、クリーンルームに入る前に使い捨てのクリーンウェアを着用します。

3. クリーンルーム用掃除機

クリーンルーム内は無塵に近い環境ですが、月日が経つにつれて埃などが発生するため、クリーンルーム用掃除機を使って掃除をします。吸気した空気を何重にも濾過することで再度のコンタミネーションを防ぐ構造になっています。

4. パスボックス

外部からクリーンルームにマテリアルを持ち込む際には、付着した異物を持ち込まないため、一度ボックスに入れて処理したのちに中に入れます。このボックスをパスボックスと呼びます。このパスボックスの中では、塵の吸引、UV照射など対象を清浄にする処理が施されます。

5. ネットキャップ

クリーンウェアのフードを被っただけでは、フードの隙間から髪の毛が落ちてしまうため、使い捨てのクリーンウェアのネットキャップを被り、髪の毛の混入を防ぎます。

6. クリーンテープ

クリーンテープとは、クリーンルーム内での使用に適した接着テープです。一般的なテープは芯などから発塵しますが、クリーンテープはプラスチックの芯で発塵が抑えられています。

7. クリーンルームシューズ

クリーンルーム専用の履き替え靴です。塵などが生じないように縫い目などの隙間や飛び出した構造が一切ない構造になっています。種類によってはオートクレーブによる消毒、殺菌処理も可能です。

8. クリーンルーム用ウエス

クリーンルーム内で使用することができる布です。代表的なものがキムワイプです。不織布など、発塵が少ない素材からできていることが多いです。

9. クリーンフード

クリーンフードは、吸気機構付きの作業設備のことです。クリーンルーム内で作業する際には、生じた塵やエアロゾルが作業台以外の場所に飛び出さないように、常に作業場が負圧になっている必要があるため、クリーンフードによって調整します。

ホース・チューブ

ホース・チューブとは

ホースとチューブに明確な違いはありませんが、接続部を金属にしたり、補強材として合成樹脂繊維や金属繊維を使用したものをホース、材質単一のものをチューブと呼称されることが多いです。

ホース・チューブの使用用途

ホース・チューブの使用用途は多種多様ですが、主に下記の3つが挙げられます。

1. 流体の運搬

基本的にホース・チューブは中に流体を通すことを目的としています。その流体の性質がどうあれ、流体をA地点からB地点まで運ぶ、という用途であることに変わりはありません。

2. 圧力の伝達

空圧機器、油圧機器を作動させる際、動力源から送られる圧力を持ったエアーや作動油をホース・チューブを経由しアクチュエータまで供給し、アクチュエータに仕事をさせます。

3. 流体の放出

例えば、車を洗うときは蛇口にゴムホース取り付けて水を流し、先端から水を放出させて車に当てて汚れを洗い流します。同じように、圧縮空気をホースの先端から放出させて埃やゴミを吹き飛ばすエアブローという作業工程もあります。

ホースの種類

ホース・チューブの種類は、その使用用途により材質、補強材や接続口の形状を選定する必要があります。ここではその一例を紹介します。

1. 圧縮空気用

空圧機器を作動させる圧縮空気の通り道として使用されます。供給圧力が低圧であればプラスチックやポリウレタンのチューブが使用され、高圧になると合成樹脂繊維を編み込み、金属金具で接続するホースが使われることが多いです。

2. 作動油用

油圧機器を作動させる作動油の圧力は基本的に高圧なので合成樹脂を編み込んだホースが多く採用されています。また、接続部は金属金具でしっかり締め付ける必要があります。

3. 水、油用

水や油を流すときはナイロンチューブが一般的に使われます。一般的に接続は、低圧の場合はそのまま差し込むだけのものがありますが、供給圧力が高い場合は金属金具で接続を行うことがあります。

4. 化学物質、薬品用

フッ素チューブは耐薬品性に優れ、アルコールなどの化学物質や薬品を流しても変質しません。また、耐熱性にも優れています。

保護材・保護機器

保護材・保護機器とは

保護材とは、角部や尖った部位などケガをする可能性のある部位に着けられるクッションや、商品の運搬時などに商品が故障、破損しないように保護する緩衝材などのことです。

保護材の材質には、スポンジ状のものから、空気の入ったシートのエアキャップ (プチプチ) などがあります。

保護機器とは、主に設備や装置が異常を起こした時に、故障や破損に繋がらないように衝撃を逃がしたり動力を遮断したりする機能を持った機器のことです。

保護材の種類

保護材は、主に衝撃から人や物を守るために使われます。代表的なものに以下のような物があります。

1. 安全カバー

角部や鋭利な部分に取り付けるカバーで、人がぶつかってもケガをしないようにする保護材です。材質にはスポンジやゴム、樹脂などがあります。安心カバーや安全ガードなどと呼ばれることもあります。

2. エアキャップ

物を運搬する時に多く採用される緩衝材で、ビニールの中に空気の入ったシートです。プチプチとも呼ばれます。配送関係全般で、広く使われています。

3. 紙パッキン

細切れの紙を敷き詰めて商品などを衝撃から守る緩衝材です。華やかさがあるため、ギフト品の梱包などに使用されます。

保護機器の種類

保護機器は、設備や装置を故障や破損から守るために使われます。代表的なものに以下のようなものがあります。

1. 遮断機

電気回路において、一定以上の電流 (過電流) が流れた時や、漏電が発生したときに、電気回路を遮断することで電気機器の故障を防ぐ保護機器です。

2. サージ保護機器

瞬間的に大電圧、サージ電圧が発生したとき、サージ電圧から電気機器を保護するための機器です。

3. トルクリミッタ

コンベアなどに使用され、コンベアに一定以上の負荷 (過負荷) がかかった時、モーターとコンベアの連結を外すことでモーターが過電流で焼損するのを防ぐ機器です。