クリーンルーム用掃除機についての概要、用途、原理などをご説明します。また、クリーンルーム用掃除機のメーカー9社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。クリーンルーム用掃除機関連企業の2024年2月注目ランキングは1位:株式会社日立製作所、2位:日本精密株式会社、3位:日本クレア株式会社となっています。
図1. クリーンルーム用掃除機のイメージ
クリーンルーム用掃除機 (英: Clean Room Vacuum Cleaners) とは、各分野で使用されているクリーンルーム内部において使用されている専用の掃除機です。
クリーンルームは高度に清浄な環境であることから、通常の掃除機よりも特殊な超高性能フィルターなどが搭載されています。一般の掃除機に比べて、排気が清浄であることや、粉塵を巻き上げない構造になっていることなどが特徴です。
医療関係、精密機器関連施設など、清浄な環境に対する需要が増加しており、現在ではクリーンルームは多くの分野で使われている設備です。具体例には、食品や工業製品の工場、研究、実験施設、病院や医療関係、半導体素子、集積回路など精密機械の製造工場、コンピューター関連施設、バイオテクノロジー研究所、原子力発電所などがあります。
クリーンルーム用掃除機は、これらのクリーンルームにおいて使われます。その他にも人の集まる施設で衛生管理のために使われることもあり、興行場、集会場、図書館、博物館、美術館、旅館などの使用施設があります。
代表的な使用例は以下の通りです。
クリーンルーム用掃除機も、基本的には掃除機の一種であるため一般の所謂バキュームクリーナと同じ構造をしています。ほこりが含まれた空気が入ってくる空気吸入口、ほこりをキャッチし浄化された風だけを通すフィルター素材の紙パック、そしてモーター回転を通じて弱い水準の真空状態を作り出す送風装置部分に分けられます。
図2. クリーンルーム用掃除機に使用されているHEPAフィルターのイメージ
クリーンルーム用掃除機が一般の真空掃除機と大きく異なっている点は、高性能なフィルターや高密度紙パックなどにあります。クリーンルーム用掃除機で採用されているフィルターは、微粉じん、バクテリア、カビ胞子など、あらゆる微粒子を高精度で捕集することが可能です。
具体的には、吸入フィルターは、ULPA (ウルパ) フィルター、HEPAフィルタなどが用いられます。ULPAフィルターとは、0.15μmの粒子を99.9995%捕集できるフィルターであり、HEPAフィルターとは0.3μmの粒子を99.97%捕集できるフィルターです。
これらのフィルターは主に直径1~10 µm以下のガラス繊維でできています。ULPAフィルターの欠点は、濾材密度が高く、空気抵抗を減らすために薄くなっているため、HEPAフィルターよりも強度は弱いことです。製品によって、3段階濾過フィルター構造を使用しているもの、紙パックに極細強力帯電層を採用してごみがごみを引き寄せて立体的に捕集する3種3層構造としているものなど様々な工夫が見られます。
図3. クリーンルーム用掃除機のフィルターに使用されるナノチタンのイメージ
クリーンルーム用掃除機では、清浄空間で使用されることから、排出される空気もきれいな状態で排出させることが必要であり、高性能な排気フィルターを採用しています。中には、排気フィルターにはナノチタンを使って除菌や消臭効果を上昇させた製品もあります。
ナノチタンは、従来触媒の約1/200の大きさであり、ニオイの原因となる分子を効率よく捕捉する効果のある物質です。多くの製品で、低風速排気システムを採用しており、床面などのホコリが舞い上がらないような構造になっています。
クリーンルーム用掃除機には、乾式の他、液体も吸引することができる乾湿両用などの種類もあります。乾湿両用では、モーター保護機能、水位計、排水ドレンバルブ、特殊コーティング撥水フィルターなどの機能が搭載されています。ただし、液体のみを大量に吸引する場合、ドラムアダプターの併用などが推奨です。
エアー駆動タイプ、水銀回収、液体・酸回収ユニットなどの様々なタイプがあり、また加圧滅菌処理可能な回収タンクや筐体及びツールキットなどのオプション品が豊富な機種もあります。大きさ・容量等も含め、多様な製品が展開されているため、用途に合わせたものを適切に選択することが必要です。
参考文献
https://www.hitachi-ies.co.jp/products/cln/gyomu/cvg104c.htm#cvg12ct
http://www.c-w-d.jp/
https://www.webshiro.com/syouhinsetumei/as100m.htm
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
2024年2月の注目ランキングベスト9
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社日立製作所 |
19.2%
|
2 | 日本精密株式会社 |
18.1%
|
3 | 日本クレア株式会社 |
12.4%
|
4 | ヤマト科学株式会社 |
9.6%
|
5 | 東浜工業株式会社 |
9.0%
|
6 | 株式会社フォンシュレーダー・ジャパン タイガーバック事業部 |
9.0%
|
7 | 日本クリーナー販売株式会社 |
9.0%
|
8 | ニッシン産業株式会社 |
7.3%
|
9 | 株式会社入江商会 |
6.2%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2024年2月のクリーンルーム用掃除機ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
Metoreeに登録されているクリーンルーム用掃除機が含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
充電・蓄電機器向けのパンフレットです。弊社Luci(ルーチ)では、バッテリや容量・規格取得・サイズなど ご希望に合わせた、充電器・内蔵電源をカスタムで製造...
2022年10月11日