ダイヤフラムポンプ

ダイヤフラムポンプとは

ダイヤフラムポンプ

ダイヤフラムポンプとは、ダイヤフラムと呼ばれる膜を往復動させることで流体を移送させるポンプです。容積式ポンプに分類されます。

ダイヤフラムポンプは強力な自吸能力を有するので、高い揚程を必要とするものや超高粘度液体の移送も可能です。そのため、化学プラントなどで多く使用されます。

またサニタリー性を追求するために、内部をステンレス鋼で製作したポンプも販売されています。定置洗浄や定置滅菌が可能であるという特徴があり、食品・医薬品業界で重宝されるダイヤフラムポンプです。

ダイヤフラムポンプの使用用途

ダイヤフラムポンプは遠心ポンプなどが使用できないラインなどで使用されます。以下は使用例です。

  • 強力な自吸能力が必要な箇所
  • 超高粘度流体を通すパイプライン
  • 高い吐出圧が必要なパイプライン
  • 食品を扱う食品工場
  • 超高圧の装置を使用する化学プラント

また、ダイヤフラムポンプは基本的にポンプ自体に回転部分が無いため、比較的柔軟に材質を選定できます。そのため、耐食性のある材料で作成し薬品用のケミカルポンプとして使用する場合もあります。

ダイヤフラムポンプの原理

ダイヤフラムポンプはダイヤフラムポンプが往復動することで、吸引と排出を繰り返して液体を移送します。

注射器をイメージしてもらうとわかりやすいです。注射器のピストンを引くと液体が吸入され、ピストンを押すと液体が排出されます。ダイヤフラムポンプではそのピストンの代わりにダイヤフラムという膜を使用しており、吸入側と排出側に逆止弁を設ける事で排出方向を定めています。

ダイヤフラムポンプの原理

図1. ダイヤフラムポンプの原理

この構造上、ダイヤフラムポンプはかならず吸引か排出のどちらかの動作しかせずに液流が断続的になります。これを脈動と言い、脈動を嫌うラインではダイヤフラムポンプを使用不可能です。脈動させずにダイヤフラムポンプを使用したい場合、3連ダイヤフラムポンプなどを検討します。

また、ダイヤフラムを油圧で駆動する際は、ダイヤフラムが破れても問題が無いか確認する必要があります。食品業界では機械油が食品に混入する危険性があるため、ダイヤフラムが破れた場合には警報を発するセンサーなどを取り付けて対策を取ります。

ダイヤフラムポンプのその他情報

1. ダイヤフラムポンプの寿命

ダイヤフラムポンプの寿命は使用条件によって異なります。主な使用条件は使用流体、使用圧力、稼働率などです。

基本的には、ダイヤフラムの破れや消耗部品の摩耗・破損がなければ継続使用が可能です。ただし、電磁弁が付属するダイヤフラムポンプは電磁弁作動回数による寿命も1つの要因として考慮することが必要です。

流体内に異物や固形物が混入する場合、ダイヤフラムを傷をつけ破損につながるため注意が必要です。

一般的な寿命は3~4年ほどです。ポンプの型式や使用環境により変化するため、メーカーとの協議によって整備周期などを決定します。

2. ダイヤフラムポンプの脈動

往復運動を用いて流体を輸送するポンプは「脈動」という現象が発生します。流体が脈を打つように送液されることからこう呼ばれます。脈動は圧力や流量が不定常であるため、配管の摩耗や破損の原因です。

この脈動を低減する方法がいくつか存在します。以下は脈動低減対策の一例です。

  • エアチャンバーの設置
    エアーチャンバーと呼ばれる機構をポンプ出口側に設置します。ポンプ送液時の圧力変動をエアーで吸収することで脈動を抑制し、脈動を抑えることが可能です。
    ただし、エアーチャンバーを使用すると、エアーが流体に溶け込む危険性があります。アキュムレータと呼ばれる、エアーと流体に仕切りを設けた部品などで対策します。
  • 複数ダイヤフラムの採用
    1つのダイヤフラムポンプに複数ダイヤフラムを使用したポンプを採用します。片側のダイヤフラムが吸込みを行っている間にもう一方のダイヤフラムは送液を行い、交互に繰り返すことで脈動を低減することが可能です。

複数ダイヤフラムポンプの構造

図2. 複数ダイヤフラムポンプの構造

参考文献
https://www.yamadacorp.co.jp/products/a1-b02/

ゴム成形

ゴム成形とはゴム成形

ゴム成形とは、ゴムを金型などで特定の形に加工することです。

ゴム成形には、コンプレッション成形、トランスファー成形、射出成形などがあります。

ゴム成形の使用用途

ゴム成形は多くの産業で使用される技術です。成型方法に応じて以下のように使用されます。

1. コンプレッション成形

一般的なゴム成形方法です。自動車、医療機器、産業機械などの部品に幅広く用いられます。

2. トランスファー成形

コンプレッション成形よりも寸法精度が高いので、複雑な形状の成形で用いられます。

3. 射出成形

コンプレッション成形やトランスファー成形よりも加硫時間が短く生産量を大幅に向上できるので、大量生産に向いています。また、複雑な形状や厚肉の形状なども成形可能です。

ゴム成形の原理

ゴム成形の方法に応じて原理が異なります。

1. コンプレッション成形

成形用の金型にゴム材料を入れ、圧力をかけて必要時間保持することで成形します。他の方式よりも低い圧力で成形可能です。

2. トランスファー成形

ポットと言われる部分に加熱軟化させたゴム材料を入れ、圧力をかけると注入口から金型の内部にゴム材料が流れ込みます。その後、必要な時間保持することで成形します。

コンプレッション成形よりも複雑な形状の成形可能です。ただし、ポット内の残存材料を取り除く作業が必要です。金型費用は、射出成形よりも抑えられます。

3. 射出成形

加熱液化させたゴム材料を金型に注入して成形します。小型・複雑形状の成形が可能です。また、大量生産にも向いています。ただし、設備が大きく、金型費用も高価です。

ゴム成形のその他情報

1. ゴム成形の温度

ゴム成形を行う際は、ノズル温度と金型温度を制御する必要があります。

ノズル温度
天然ゴムの場合は70℃に設定することが推奨されます。また、エチレン、プロピレンゴム (EPDM) 、ニトリルゴム (NBR) 、アクリルゴム (ACR) 、クロロプレンゴム (CR) の推奨設定温度は80℃です。

金型温度
天然ゴムの場合は160℃に設定することが推奨されます。EPDM、NBRの場合には175℃に、ACRの場合には180℃に設定します。また、CRの推奨設定温度は170℃です。

2. ゴム成形の不良

ゴム成形において成形条件が不十分な場合には成形不良が生じます。成形不良の主な要因は以下の7つです。

  • 加硫不足
    成形時の化学反応が完了せずに生じます。温度温度が低い場合や加硫時間が短い場合に生じます。
  • エアの発生
    材料が流し込まれる際にエアをトラップした状態で加硫されてしまうと生じます。
  • ヒケの発生
    成形体にへこみができる状態です。加硫中の材料収縮によって生じます。
  • パートライン割れ
    金型の割面 (パートライン) でゴムが割れる現象です。ヒケと同様の原因で発生します。
  • バリ噛み
    成形ショットのバリが金型に残り、次ロットの製品に入り込む現象です。最終充填部において生じやすくなります。
  • 焼けの発生
    加硫が進んだゴム材料が製品に混ざる現象です。射出時間が長い場合などに生じます。
  • ピンホールの発生
    脱型時において成形体を引き延ばした際に小さな穴が開く現象です。カーボン分散不良や材料内への異物混入などが原因で生じます。

3. エラストマのゴム成形

ゴム材料の一つであるエラストマは、熱可塑性樹脂です。常温ではゴム、高温でプラスチックの物性を持ちます。エラストマの成形では、異なった材料同士を組み合わせた成形や型の中に金属などの部品をセットして成形するインサート成形も可能です。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/gomu1944/75/7/75_7_295/_pdf/-char/ja
https://kayo-corp.co.jp/common/pdf/tech_kanagata.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/gomu1944/47/4/47_4_245/_pdf
http://www.naniwagousei.com/
https://plastic-injection-molding.info/

コネクター端子

コネクター端子とは

コネクター端子

コネクター端子とは、電子回路基板・電子部品と電子配線などを容易に脱着ができる形で接続する部品です。

一般的にオスとメスがあり、お互いを接続することで通電します。オスとメスは一対で各専用の組み合わせがあるため、間違ったものを接続すると接触不良の原因になります。コネクター端子に電線を圧着したコンタクトを挿入し、固定した状態で使用します。

コネクター端子の取り付け・取り外しはコネクタ嵌合時のロック形状にもよりますが、容易に脱着できるものから簡単には外せないようなものまで用途に応じて様々です。

コネクター端子の使用用途

コネクター端子の使用用途は、脱着が可能なことやコンタクトの保護・絶縁ができることから機器間の通信や電力供給を行う場面で数多く使用されています。

コネクター端子を使用すると機器のメンテナンス性や利便性、接続点の信頼性を向上させることができます。電子回路基板や電子部品を持つ機器で使われているため、使用用途は多岐にわたります。

1. 自動車

電子部品と電子配線を接続するための接続、ECUなどで使われる電子回路基板と電子基板同士の接続、電気自動車用の大電流接続、自動運転用のカメラなどのセンサー用の高速伝送接続などがあります。

2. スマートフォン

電子回路基板同士の接続、USB接続などがあります。

3. 産業機器

信頼性の高い電源用接続、ソーラパネルの大電流接続、通信用の高速伝送接続などがあります。

コネクター端子の原理

コネクター端子は一般的に一対となるオスとメスが用意されており、コネクター端子の脱着を行うことで容易に電気的な接続と遮断を行うことが可能です。
コネクター端子は主に、

  • 通電させるためのコンタクト
  • コンタクトを保持するためのインシュレータ
  • インシュレータを保護するシェル

上記の3部品で構成されています。

1. コンタクト

コンタクトは実際に通電し電気的な信号を伝えるための金属導体部品です。こちらもコネクター端子と同様、一対のオスとメスの組み合わせがあり、間違ったものを接続すると接触不良の原因となります。

コンタクト同士が触れているだけでも通電しますが、接地面積等によっては電気的な抵抗が上がり伝達ロスが大きくなるなど信頼性が低くなります。そのため、コンタクトのオスとメスそれぞれの嵌合面を工夫し通常は金属のバネ性を使って脱着もできる程度の適度な嵌め合い寸法にすることで、一定の接触圧力をかける構造となっています。

2. インシュレータ

インシュレータは絶縁が可能な樹脂を主成分としており、コンタクトを一定の位置で保持することとコンタクトを外部から絶縁して保護する機能があります。種類は保持できるコンタクトの数が多いものやレバーがついていて簡単に外せないもの、オスとメスの嵌合面にゴム等が入っていて防水性能を有しているものまで多岐にわたります。

3. シェル

シェルは一般的にインシュレータを保護する金属部品で、主に機器の側面や背面に固定する際や電気的なノイズ対策が必要なときに使用されます。種類は金属製のものや樹脂製のもの、防水機能を持つものと多岐に渡るため用途に合わせて選定する必要があります。

コネクター端子のその他情報

コネクター端子の種類

コネクター端子の種類は、接続方法から大きく分けて4つの種類があります。

  • 電子回路基板と電子配線の接続:Board to Wire (B to W)
  • 電子回路基板と電子回路基板の接続:Board to Board (B to B)
  • 電子機器と電子機器の接続:INPUT / OUTPUT (I / O)
  • 電子回路基板と電子部品の接続:短絡コネクタ、ICソケット 等

1.電子回路基板と電子配線の接続
コネクター端子を介して、電子回路基板と電線を接続します。電線の長さによって自由に取り回しができるため、使い勝手が良く最も一般的に使用されています。

2.電子回路基板と電子回路基板の接続
電子回路の基板と基板を直接コネクター端子で接続します。電線を介さないため、電気抵抗が少なく信号の伝達効率が良いのが特徴です。

3.電子機器と電子機器の接続
コネクター端子と電線を介して電子機器と電子機器を接続します。主に、機器間の信号のやり取りをする場合が多いです。

4.電子回路基板と電子部品の接続

主に電子回路基板上で使用される接続で、回路を短絡あるいはICやリレーを差し込む際のソケットとしてコネクター端子が使用されています。

参考文献
https://www.jae.com/column/02-connector-structure/
https://www.omron.co.jp/ecb/product-info/basic-knowledge-series/
https://www.jae.com/column/01-advantages-of-connectors/

キャパシタ

キャパシタとは

キャパシタ

キャパシタとは、2枚の金属板に電気を流さない物質を挟んだ部品です。

コンデンサとも呼ばれます。主にコンピュータ基盤上などで使用され、一般的にキャパシタには電荷をためること及び交流を進相させることという2つの機能があります。

キャパシタの使用用途

キャパシタは、家電製品から産業機器まで幅広く使用されています。電子回路をもつ製品には必ず内蔵される部品です。キャパシタの具体的な使用用途は以下の通りです。

  • エアコンや冷蔵庫などの空調機器制御基盤
  • 給湯器の制御基盤
  • テレビやレコーダの制御基盤
  • 変電所の力率改善用電力装置
  • コンピュータ制御基盤やACアダプタ

キャパシタの原理

キャパシタは、2つの電極となる金属の間に、誘電体をはさんだ部品です。キャパシタの両極間に直流電圧を掛けると、電荷が誘電体を超えられないために電極に蓄えられます。

電荷が蓄えられることにより、初めは見かけ上両極間を導通しているようにふるまいます。徐々に電荷が飽和してくると完全に両極間を開放したように動作します。これがキャパシタの原理です。

キャパシタのこれらの性質により、以下のように使用されます。

  • バックアップ電源
    蓄えた電荷を放出することで、一時的にバックアップ電源の役割を果たすことが可能です。
  • 電圧の平滑化
    電荷を貯め、または放出することで脈流を平滑化することが可能です。ACアダプタなどはこの機能を使用しています。
  • ノイズの除去・一部の周波数電圧の取出
    ノイズとなる周波数帯の電圧を平滑化することで除去します。コイルと共に共振回路を製作すれば一部の周波数帯の信号のみを取り出すことが可能です。

キャパシタの種類

キャパシタには、電解コンデンサフィルムコンデンサ電気二重層コンデンサなどの種類があります。

1. 電解コンデンサ

陽極の金属に表面処理を行い、酸化皮膜を形成して誘電体とします。陰極には電解質水溶液などを使用します。性能と価格面から、一般的な陽極材料はアルミニウムなどです。

2. フィルムコンデンサ

電極は、金属箔や蒸着金属を用います。誘電体材料はプラスチックフィルムです。フィルムコンデンサは極性を持たないために交流回路で使用可能です。

3. 電気二重層コンデンサ

電気二重層コンデンサは誘電体を用いない方式です。代わりに電気二重層と呼ばれる境界層を使用して電荷を蓄えます。

キャパシタのその他情報

1. キャパシタの容量の読み方

キャパシタの性能は静電容量で表します。静電容量の単位はpFまたはμFで、大容量のキャパシタを除くとpFが一般的です。

静電容量の読み方は、100pF以上と100pF未満、表示にRを使用している場合によって変わります。100pF以上の場合、末尾が乗数を表します。例えば、「541」のキャパシタは54×10¹=540pFとなります。

100pF未満の場合は、数字をそのまま読むだけです。Rが使われている場合、Rを小数点に読み換えます。例えば、「4R7」のキャパシタは4.7pFとなります。また、キャパシタの許容差はアルファベットで表します。

「B」の場合、10pF以下は±0.5pF、10pF以上では±0.1%を表します。例えば、「102J」のキャパシタは10×10²±5%=950pF〜1,050pFとなります。

2. キャパシタの寿命

キャパシタは電極と誘電体を交互に重ねた構造です。誘電体には静電容量を増やすための電解液が含まれており、時間が経つと蒸発します。これはドライアップと呼ばれ、内部の電解液が抜けると寿命です。

そのため、キャパシタの寿命は周囲温度が影響します。周囲温度が10℃上がると蒸発速度は約2倍です。逆に温度が10℃下がると蒸発速度は約1/2倍になります。

一般的なキャパシタは105℃、2,000時間で規定されています。周囲の温度が10℃下がると寿命は4,000時間になり、30℃下がると約1.8年です。また、キャパシタは電流によって自己発熱します。この温度上昇も寿命に影響を与えるので考慮が必要です。

そのほかに印加電圧による寿命も存在します。定格電圧では視できる程度ですが、過電圧や逆電圧を印加した時に電極で化学反応を生じて寿命を短くします。

参考文献
https://article.murata.com/ja-jp/article/basics-of-capacitors-1?intcid1=mar_art_xxx_tao_xxx_tao-link
https://contents.zaikostore.com/semiconductor/183/
https://product.tdk.com/info/ja/contact/faq/faq_detail_D/1432773354136.html
https://detail-infomation.com/capacitor-how-to-read-capacitance-and-tolerance/
https://detail-infomation.com/electrolytic-capacitor-lifespan/

ガス濃度計

ガス濃度計とは

ガス濃度計とは、ガスの濃度を測定する機器です。

それぞれ対象とするガスを単独あるいは複数項目測定できます。ガス濃度計で測定できるガスの種類は、二酸化炭素や、窒素酸化物、有害ガスや可燃性ガスなどです。

そのため、機器に用いられている原理も様々です。ガス濃度を測定する主な目的として、生産プロセスにおける管理・制御、環境モニタリング、工場や作業現場における作業員の安全確保などがあります。

ガス濃度計の使用用途

ガス濃度計は、前述した通りガスの濃度を測る際に使用されます。ガスは、二酸化炭素や酸素などの大気に含まれるガスから、燃料となるプロパンガス等、性質は様々です。

これらは、空間の中に一定濃度以上存在すると人体に有害なガスや、人間活動によって大気中の濃度が増加したガスもあります。ガス濃度計はそうした有害ガスの検知に用いたり、環境モニタリングに使用したりすることで活躍をしています。

1. 産業分野

産業環境では、ガス濃度計が労働者の安全を確保するために使用されます。例えば、化学工場や製造工場では、有害なガスや蒸気の濃度を監視し、異常な濃度が検出された場合に警報を発することで、作業現場での危険を防ぐことが可能です。また、鉱業や採掘業でも、有毒ガスや爆発性ガスの検知にガス濃度計が活用されています。

2. 環境分野

環境保護活動においても、ガス濃度計は重要な役割を果たしています。大気中のガスの濃度を監視することで、大気汚染の状況を把握したり、排ガスの検査や測定を行ったりします。具体的な例としては、自動車の排気ガスの成分分析や、工場からの大気汚染物質のモニタリングなどです。

3. 医療分野

医療機器や医療環境においても、ガス濃度計が使用されます。麻酔時の酸素濃度の監視や、呼吸器機器での二酸化炭素の濃度測定など、患者の安全性を確保するために重要な役割を果たします。

また、血液ガス分析器は、動脈血中の酸素や二酸化炭素の濃度を測定し、臨床的な診断や治療に役立てられます。

ガス濃度計の原理

実際の分析は、ガスが持つ屈折率や常磁性、溶液伝導度、熱伝導度といった特徴を応用しています。また、ガス濃度計は、主に「化学的原理」と「物理的原理」の2つの原理が主流です。

1. 化学的原理

ガス濃度計の1つのアプローチは、ガスの化学的反応を利用して濃度を測定する方法です。この方法では、特定のガスとの反応に基づいたセンサーが使用されます。

ガスがセンサーに接触すると、化学的な反応が起こり、その結果電気的な変化が生じます。センサーはこの変化を検出し、それに基づいてガスの濃度を計測されるという原理です。この化学的原理によるセンサーは、酸素濃度計や二酸化炭素濃度計などに広く使用されています。

2. 物理的原理

ガス濃度計のもう1つのアプローチは、ガスとの相互作用に基づいた物理的な原理を利用する方法です。この方法では、ガスの特性や挙動に基づくセンサーが使用されます。

例えば、光の吸収、散乱、伝導率、温度変化などを測定することで、ガスの濃度を推定することが可能です。この物理的原理に基づくセンサーは、赤外線ガス濃度計や電気伝導ガス濃度計などに利用されています。

ガス濃度計の種類

ガス濃度計は様々な応用分野で使用できるよう、いくつかの種類があります。

1. 電気化学式

物質の電気に関連する特性、電気化学的な特徴を利用しています。気体が溶液に溶けた際の電気伝導率を応用したものや、電極を用いたイオン電極式などがあります。

2. 光式

光式は、紫外線や可視光、赤外線などの光を用いて測定するものです。光源と照射した光をキャッチする受光器によって構成されます。

3. 電磁気式

電磁気的性質を利用した方法です。気体に磁界を加えた時に発生する磁力を応用しています。他のガスに比べて、酸素のみが強い常磁性を持つことから、酸素の測定に使われることが多いです。

4. 熱式

熱した金属線とガスが触れた時に生じた温度変化や、熱平衡を元にガス濃度を測定します。熱伝導式、接触燃焼式があります。接触燃焼式は、安価で大量生産が可能であるため、家庭用のガス警報機として広く普及しています。

エアフィルタ

エアフィルタとは

エアフィルタ

エアフィルタとは、空気中の微粒子をろ過する部品です。

空気中にはさまざまな物質がエアロゾルと呼ばれる微細粒子として存在します。これらの物質は産業製品の故障不具合や生産性の低下を招きます。また、肺に吸い込まれると健康に悪影響を及ぼす危険性もあります。

エアフィルタは、このような汚染物質を除去するための部品です。

エアフィルタの使用用途

エアフィルタは空気中の量子をろ過するために使用されます。具体的な使用用途は以下の通りです。

1. 自動車用エアフィルタ

自動車のエンジン内部に空気中のゴミなどを吸い込まないようにするために使用します。

2. 空調用エアフィルタ

空気中に潜む粒子を除去し、クリーンな空気を供給します。カビやウイルスの除去を行う製品も販売されています。

3. クリーンルーム

電子機器の組み付けなどを行うクリーンルームで、目に見えないホコリなどを除去するためのフィルタです。高性能エアフィルタが使用されます。

エアフィルタの原理

エアフィルタは、性能別にいくつかの種類に分類することができますが、種類によって原理は異なります。

1. 粗塵用エアフィルタ

対象粒径5μm以上を捕集するフィルタです。素材は化学繊維の不織布やガラス繊維が使用されます。構造はパネル状のものなどがあります。

2. 中性能用エアフィルタ

対象粒径1μm〜5μmを捕集するフィルタです。ガラス繊維などが素材です。プリーツ状や袋状のものがあります。

3. 準HEPA (High Efficiency Particulate Air) フィルタ

対象粒径0.3μmを90%〜95%以上捕集できる性能を有します。微細なガラス繊維などが素材です。

4. HEPA (High Efficiency Particulate Air) フィルタ

対象粒径0.3μmを99.97%以上捕集できる性能を有します。微細なガラス繊維などが素材です。

5. ULPA (Ultra Low Penetration Air) フィルター

対象粒径0.15μmを99.9995%以上捕集できる性能をもちます。微細なガラス繊維などを素材にします。

エアフィルタの性能

エアフィルタの性能を表す指標として、以下の3つがあります。

1. 圧力損失

フィルタに汚染された流体が通過するとき、汚染物質を取り除くため流体の流れに抵抗が生じます。このとき、フィルタをある風量で通過した空気圧の差が「圧力損失」です。

フィルタの入り口と出口の空気圧の差を測定することにより算出可能です。圧力の損失はエネルギーの損失にもなるため、出来る限り小さく抑える必要があります。

2. 効率

汚染物質の大きさによってフィルタのサイズを変更して除去します。例として、粒径の小さな汚染物質に対しては目の細かい金網を使用し、粒径の大きな汚染物に対しては目の荒い金網を使用します。このように汚染物によってフィルタのサイズや種類を使い分けることがフィルタの「効率」です。

3. 寿命 

エアフィルタのろ材は空気のろ過量に応じて劣化します。捕集した粉塵が一定量蓄積すると目詰まりします。所定量の粉塵を捕集すれば圧力損失値は急増し、集塵性能は低下するため危険です。微細な汚染物をろ過する高性能なフィルタは、定期交換が必要です。これがフィルタの「寿命」です。

エアフィルタのその他情報

エアフィルタとミストセパレータの違い

エアフィルタには空気内の異物や水分・油分も除去する機能があります。それに対して、ミストセパレータは通常のフィルタよりも油分除去能力が優れています。

エアフィルタは電磁弁やシリンダへの異物混入防止のために、レギュレータの前段に設置することが必須です。それに対して、ミストセパレータはレギュレータの間または後ろに設置します。

エアフィルタは異物除去のため必須ですが、ミストセパレータは二次側の機器に応じて設置します。例えば、流量センサが設置される場合は、エアの油分が故障の原因となるためミストセパレータは必須です。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jar/24/1/24_1_4/_pdf/-char/ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jar/4/4/4_4_265/_pdf/-char/ja
https://www.kimoto-proeng.com/report/851
http://www.k-kyoshin.jp/14530179299773
http://www.kankyotec.toyobo.co.jp/business/le/hepa.html
https://www.shinohara-elec.co.jp/pdf/C/C-air.pdf
https://punjabisongspb.com/?p=285

アライメントテスタ

アライメントテスタとは

アライメントテスタ

アライメントテスタとは、車両のホイールアライメントを測定するための装置です。

ホイールアライメントとは、車両のタイヤ間の角度を正確に調整することです。正しいアライメントは、タイヤの均等な摩耗や適切なハンドリングを確保するために欠かせません。

アライメントテスタの使用用途

アライメントテスタの主な使用用途は、自動車のホイールアライメントを正確に測定し、調整することです。ホイールアライメントは、以下のような目的で調整されます。

1. 走行安定性とハンドリングの向上による安全性の確保

適切なアライメントによって、車両の走行安定性とハンドリングを向上させることが可能です。走行安定性の確保は、高速道路や、急な方向転換や制御の難しい状況での事故リスクを減少させます。また、ハンドリングを向上させることで、車両の取り回しがしやすくなります。

2. タイヤの均等な摩耗

タイヤが正しくアライメントされていないと、特定のタイヤが不均等に摩耗し、寿命が短くなる可能性があります。正しいアライメントを保つことで、タイヤの寿命を延ばすことができます。

3. 燃費の向上

不適切なアライメントはタイヤの転がり抵抗を増加させ、燃費が悪化する原因となります。正確なアライメントによって、タイヤが最適な角度で転がることが保証され、燃費の向上が期待できます。

4. タイヤとサスペンションの保護

不適切なアライメントが長期間続くと、タイヤやサスペンションに過度なストレスがかかり、故障や損傷、寿命の低下の可能性が増加します。アライメントを適切に行うことで、これらのリスクを減少させることができます。

アライメントテスタの原理

多くのアライメントテスタは、センサーやレーザーを使用して、タイヤとホイールの位置や角度を計測します。センサーは特定の位置に取り付けられ、センサー間の距離や角度を計測することで、車両のアライメントを判断します。

また、レーザーを使用する場合は、レーザーを反射する反射板がセンサーの場合と同様に取り付けられ、反射板の距離や角度を計測することでアライメントパラメータを測定します。

アライメントパラメータは、キャスター、キャンバー、トーと呼ばれるものが代表的です。キャスターはホイールの垂直軸周りの傾き、キャンバーはタイヤの傾き、トーはタイヤ同士の角度を指します。これらのパラメータを正確に計測することで、所領のアライメントの状態を把握します。

車両は計測台と呼ばれる台に載せられます。センサーやレーザーを車両の異なる部位に取り付けることにより、データを収集します。収集されたデータは、専用のソフトウェアを使用して解析され、車両のアライメント状態を計算します。

アライメントテスタの種類

アライメントテスタの主な種類は、以下の通りです。

1. 光学式アライメントテスタ

レーザーや光ファイバーを使用して、車両のホイールアライメントを計測するタイプのアライメントテスタです。車両の各タイヤに反射板が取り付けられ、レーザー光が反射してアライメントの角度や位置を計測します。比較的高速で計測が行えます。

2. 3Dアライメントテスタ

3次元カメラやセンサーを使用して、車両の各タイヤの位置と角度を正確に計測するタイプのアライメントテスタです。3Dモデルを使用してリアルタイムでデータを解析し、複数のアライメントパラメータを同時に測定します。高い精度と速度が特徴です。

3. センサー式アライメントテスタ

車両のタイヤやホイールに取り付けられたセンサーを使用して、アライメントを計測します。センサーを車両に取り付けるため、精度が高いです。

4. ヘッド式アライメントテスタ

ホイールに取り付けられた「ヘッド」と呼ばれる計測ユニットを使用して、アライメントパラメータを計測します。ヘッドを各タイヤに取り付けて測定するため、比較的精度が高いです。

5. インクリネーション式アライメントテスタ

インクリネーションセンサーやジャイロスコープを使用して、車両の傾斜角や角度を計測します。特にキャンバーやキャスターといったパラメータの測定に適しています。

その他、さまざまな種類のアライメントテスタが存在します。適切なアライメントテスタの選択は、正確なアライメント測定を行う上で重要です。

参考文献
http://www.e-waza.com/whasnew/zijou01/zijou.htm
https://www.cockpit.co.jp/alignment/about_toe_camber_caster.html
https://www.webcartop.jp/2016/08/46339/
https://www.my-starnetwork.com//
https://fserver.sakura.ne.jp/donel.jp/check/ch-061024.html
https://www.itc.city.hiroshima.jp/pdf/l030401h15-08.pdf

USBドングル

USBドングルとは

USBドングル

USBドングルとは、USBポートに刺して使用する小型装置です。

ソフトウェアの不正コピー防止を目的に、ライセンス認証用キーとして使用されることが多くあります。USBドングルをUSBポートでパソコンに接続することで、ライセンスが付いたソフトウェアが使用可能になります。小型で持ち運びに便利で、操作が非常に容易なのが特徴です。

以前はパソコンのパラレルポートやシリアルポートが使われていました。しかし、利便性からUSBのドングルが主流となりました。近年では、ネットワーク認証が主流となりつつあります。

USBドングルの使用用途

主に有料で販売されているソフトウェアに使用されます。USBドングルを用いることで、セキュリティを保ちつつ不正コピーを防止します。

代表例は、CAD、映像処理ソフト、医療系ソフトや数値シミュレーションなどです。USBドングルを用いることでライセンス数を限定し、ソフトウェアの不正使用を防ぎます。

また近年では、ChromecastやFire TV Stickなどのデジタルメディアプレーヤーにも普及しています。USBドングルの外付けWi-Fiポートも販売されており、パソコンに接続して活用されています。

USBドングルの原理

USBドングルは、プログラム内部を一部書き換えることでライセンス認証機能を持つ装置です。

  1. プログラムの一部をUSBドングル内で実行できるようコンパイルし、USBドングル内に格納します。
  2. プログラム本体ではUSBドングルに格納したプログラムを呼び出せるようにプログラムを書き換えます。

プログラム本体とUSBドングルが一体となってはじめてプログラムが正常に動作するようになります。USBドングルで不正利用を防止する原理です。上記により、USBドングルを持つ人のみがソフトウェアを利用できるようになります。

以前はプログラムが完全にコピーされれば、大量に複製される恐れがありました。しかし、USBドングルの出現によりこれらの複製を予防することが可能となりました。

また、USBドングル内部の素子に電圧をかけることでデータを記憶させています。取り扱いには十分注意する必要があり、誤った操作をしてしまうとデータが破損する恐れがあります。

USBドングルの種類

USBドングルには、用途に応じて様々な製品が販売されています。2種類に分けられ、インターフェース変更用ドングルとプロテクトドングルです。

1. インターフェース変更用ドングル

他のインターフェースをUSBに変換するドングルです。PCにsimカードを装着できるようにするためのUSBドングルやwifiを利用できるようにするためのドングルなどが該当します。

また、USBをDVIやHDMI形式に変換するためのドングルなども存在します。製品によっては車載用途で利用され、カーナビにwifi機能やBluetooth機能を付与します。また、スマートフォンからカーナビに画面を転送できるドングルも存在します。

2. プロテクトドングル

セキュリティを担保するためにPCに装着し、ライセンス違反が発生していないかをチェックする機能を持ったドングルです。利便性に欠けることや他のライセンス認証方法が高度化していることなどから、近年では利用されるケースは減ってきています。 

USBドングルのその他情報

USBドングルによる二要素認証

近年のセキュリティ対策の高度化に伴い、USBドングルは二要素認証の要素として用いられるケースが増えてきました。これはパスワード認証に加えてUSBドングルが接続されたPCのみからアクセスを受け付ける制御のことです。

一般的に二要素認証はスマートフォンなどの物理端末を用いますが、安価に二要素認証を実現するための製品としてUSBドングルが用いられることがあります。

USBドングルを用いた二要素認証により利用者や利用目的の制限を厳格に行えるため、情報漏洩対策に有効です。また、共用PCや特定目的の専用PCなどの利用権限を付与する場合においても有効な手段となります。

参考文献
https://ftsafe.co.jp/products/rockey/
https://www.broadbandchoices.co.uk/guides/mobile-broadband/dongles
https://xtech.nikkei.com/it/atcl/column/14/228621/022600012/
https://www.dataclasys.com/function/measures-leakage/usb-dongle-authentication/

PETシート

PETシートとは

PETシートとは、ポリエチレンテレフタレートを原料にしたシートです。

ポリエステルの1種で、主に石油を原料としたエチレングリコールとテレフタル酸を重縮合と呼ばれる化学反応によって作られます。

ガラスに匹敵するクリアな外観とUV (紫外線) の透過性が低いため、光による変質や劣化を防げることから、飲食品の容器などに使われる場合が多いです。

PETシートの使用用途

PETシートの使用用途で身近なものは、ペットボトルです。その他、食品の容器や飲料カップ、クリアホルダなども用途として挙げられます。

飲料や食品の容器に1番よく使用されている素材はA-PET (アミド-PET) ですが、その理由として安定剤や可塑剤を含まないため安全であること、透明性が高いこと、衝撃強さが高いこと、燃焼時に有毒ガスを発生しないことがあります。

また、PETシートは一般的に耐久性があり、熱や化学物質に対しても耐性を持っていることも特徴です。さらに、柔軟性があり成形性にも優れており、複雑な形状にも適用することができることから、産業部品やカバーなどにも使用されています。

PETシートの原理

PETシートの製造は、一般的にポリマーの合成、成形、冷却、引き伸ばしを経てシート状になるという工程です。まず、テレフタル酸とエチレングリコールという原料を反応させ、ポリエチレンテレフタラートという重合体を生成します。PET重合体は、高い耐熱性や耐候性を持つ特徴があり、透明性や強度も優れていることから、PETシートは幅広い用途に適用可能です。

成形工程では、重合体を溶かし、溶融状態にした後、溶融した重合体を射出成形機や押出成形機を用いてシート状に成形します。成形されたシートは、急冷させることで、分子の配列や結晶性の制御が可能です。この工程によって、シートの物理的特性や強度が決まります。

引き伸ばし工程では、冷却されたシートに引張力をかけながら加熱し、一方向に引き伸ばすことで、シートの強度や透明性を向上させます。なお、製造工程は製品の品質や特性に大きく影響を与えるため、適切な品質管理や製造技術の確立が重要です。また、環境への配慮やリサイクルへの取り組みも、PETシートの製造において重要な要素となっています。

PETシートの種類

PET (ポリエチレンテレフタラート) シートは、さまざまな種類があり、幅広い用途に使用されます。

1. 透明PETシート

透明PETシートは、非常に高い透明性を持っています。ガラスのようなクリアな外観でありながら、軽量で耐久性に優れています。この特性は、飲料や食品の包装、ディスプレイ用途、視覚的な表示材料などでの使用も一般的です。

2. 染色PETシート

印刷やラミネート加工に適しています。染色PETシートは、特定の色や透明度を持つPETシートです。異なる色や透明度の要求に応じて、様々なカラーバリエーションが提供されています。これにより、製品のデザインやブランドイメージに合わせたカスタマイズが可能です。例えば、パッケージング、看板、POP広告などで使用されます。

3. 耐熱PETシート

耐熱PETシートは、高温に対して耐性を持つPETシートです。耐熱性が求められる環境や用途に使用されます。例えば、オーブン用トレイ、電子機器の断熱材、自動車のエンジンルーム部品などです。耐熱PETシートは、高温下でも形状や性能を維持し、安定した機能性を提供します。

4. 電気絶縁PETシート

電気絶縁PETシートは、優れた電気絶縁性能を持つPETシートです。この特性により、電気機器や電子部品の絶縁材料として使用されます。

例えば、電子回路基板、太陽電池パネル、電気絶縁シートなどです。電気絶縁PETシートは、信頼性の高い絶縁効果と安全性の提供が可能です。

5. 耐候性PETシート

耐候性PETシートは、屋外使用に耐える耐候性を持つPETシートです。紫外線や湿気、気候変動による劣化や変色を抑制し、長期間の耐久性を発揮することが特徴です。

CMOSカメラモジュール

CMOSカメラモジュールとは

CMOSカメラモジュール

CMOSカメラモジュールとは、CMOSイメージセンサを搭載したカメラです。

具体的には、画像の認識やアプリケーションの検知を行います。信号処理技術など技術が進歩しており、色彩豊かな色の再現や消費電力の低減が可能です。また、モジュールが小型化されており、様々な用途に応じてカスタマイズできます。

近年ではAIや5G技術が盛んであることから、CMOSカメラモジュールの市場規模は年々増加傾向にあります。

CMOSカメラモジュールの使用用途

CMOSカメラモジュールは小型で、様々な用途に応じてカスタマイズが可能です。主に車載用、パソコン・スマートフォン用、工場・住宅用と様々な用途があります。

製品としては、自動車車載の各種カメラ、事故記録装置、インターホン、監視カメラ、バーコードスキャナーや各種検知装置に用いられおり、画像入力装置に最適なデバイスです。また、パソコンカメラやウエアラブルカメラに適用されており、在宅ワークや遠隔でのweb会議を可能としています。

CMOSカメラモジュールの原理

CMOSカメラモジュールではレンズから入光してきた光を電気信号に変換し、画像を取得します。大きく分けると、光電変換からデジタル化処理までを行うセンサ部分と、画像処理を行い人の目に映える画像を作り出す信号処理部分の2つです。

まず、レンズを通して集約された光がCMOSイメージセンサや集積回路によって、電気信号に変換されます。そして、内部の画像プロセッサによってデジタル画像信号に変換されます。このデジタル信号は、DSPと呼ばれるプロセッサで画像処理を行われ、画像データとして出力されます。

レンズ、CMOSセンサー、DSPはカメラの品質を決める非常に重要なコンポーネントです。

CMOSカメラモジュールの構造

CMOSカメラモジュールは、光学系、撮影センサ、信号処理系の部品で構成されています。部品は主にレンズ、CMOSイメージセンサ、レンズ、基板です。使用されている材料は、シリコン、ガラス、金属と様々な材料が用いられています。

CMOSカメラモジュールのその他情報

1. CMOSイメージセンサーとは

デジタルカメラ等で使用されているイメージセンサーは、CCD (Charge Coupled Device) イメージセンサーもしくはCMOS (Complementary Metal Oxide Semiconductor) イメージセンサーです。両者はフォトダイオードを使用する点は共通していますが、製造プロセスや信号の増幅方法が異なります。

CCDは、電極に順に電圧をかけてリレー式に電荷転送し、最後に増幅するセンサーです。CMOSイメージセンサーは各画素ごとにフォトダイオードとCMOSトランジスタから成るスイッチを持ち、画素ごとに信号を増幅しています。

格子状に並んだフォトダイオードにスイッチが取り付いており、スイッチを切り替えて画素単位で次々と読み出すことで電荷の高速転送を実現可能です。

2. CMOSイメージセンサーの特徴

セル単位での電荷信号増幅を行っているため、読み出しノイズがCCDと比較して小さいメリットがあります。また、汎用の半導体製造装置を流用しており、製造コストが低いです。

CCDと比較すると素子が小さいので消費電力が小さく、スミアやブルーミングが発生しづらいメリットもあります。

3. CMOSイメージセンサーの構成

イメージセンサーは表面からマイクロレンズ、カメラフィルター、フォトダイオード、転送回路で構成されています。マイクロレンズで集光した光をカラーフィルターで色ごとに分類しています。その後フォトダイオードにて光変換を行い、電荷に変換した後に電気信号を転送する原理です。

参考文献
https://www.chemi-con.co.jp/e/catalog/pdf/em-e/em-camera-e-2019.pdf
https://www.aelnet.co.jp/cmos-top/cmos-camera/