キャパシタとは
キャパシタとは、2枚の金属板に電気を流さない物質を挟んだ部品です。
コンデンサとも呼ばれます。主にコンピュータ基盤上などで使用され、一般的にキャパシタには電荷をためること及び交流を進相させることという2つの機能があります。
キャパシタの使用用途
キャパシタは、家電製品から産業機器まで幅広く使用されています。電子回路をもつ製品には必ず内蔵される部品です。キャパシタの具体的な使用用途は以下の通りです。
- エアコンや冷蔵庫などの空調機器制御基盤
- 給湯器の制御基盤
- テレビやレコーダの制御基盤
- 変電所の力率改善用電力装置
- コンピュータ制御基盤やACアダプタ
キャパシタの原理
キャパシタは、2つの電極となる金属の間に、誘電体をはさんだ部品です。キャパシタの両極間に直流電圧を掛けると、電荷が誘電体を超えられないために電極に蓄えられます。
電荷が蓄えられることにより、初めは見かけ上両極間を導通しているようにふるまいます。徐々に電荷が飽和してくると完全に両極間を開放したように動作します。これがキャパシタの原理です。
キャパシタのこれらの性質により、以下のように使用されます。
- バックアップ電源
蓄えた電荷を放出することで、一時的にバックアップ電源の役割を果たすことが可能です。 - 電圧の平滑化
電荷を貯め、または放出することで脈流を平滑化することが可能です。ACアダプタなどはこの機能を使用しています。 - ノイズの除去・一部の周波数電圧の取出
ノイズとなる周波数帯の電圧を平滑化することで除去します。コイルと共に共振回路を製作すれば一部の周波数帯の信号のみを取り出すことが可能です。
キャパシタの種類
キャパシタには、電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、電気二重層コンデンサなどの種類があります。
1. 電解コンデンサ
陽極の金属に表面処理を行い、酸化皮膜を形成して誘電体とします。陰極には電解質水溶液などを使用します。性能と価格面から、一般的な陽極材料はアルミニウムなどです。
2. フィルムコンデンサ
電極は、金属箔や蒸着金属を用います。誘電体材料はプラスチックフィルムです。フィルムコンデンサは極性を持たないために交流回路で使用可能です。
3. 電気二重層コンデンサ
電気二重層コンデンサは誘電体を用いない方式です。代わりに電気二重層と呼ばれる境界層を使用して電荷を蓄えます。
キャパシタのその他情報
1. キャパシタの容量の読み方
キャパシタの性能は静電容量で表します。静電容量の単位はpFまたはμFで、大容量のキャパシタを除くとpFが一般的です。
静電容量の読み方は、100pF以上と100pF未満、表示にRを使用している場合によって変わります。100pF以上の場合、末尾が乗数を表します。例えば、「541」のキャパシタは54×10¹=540pFとなります。
100pF未満の場合は、数字をそのまま読むだけです。Rが使われている場合、Rを小数点に読み換えます。例えば、「4R7」のキャパシタは4.7pFとなります。また、キャパシタの許容差はアルファベットで表します。
「B」の場合、10pF以下は±0.5pF、10pF以上では±0.1%を表します。例えば、「102J」のキャパシタは10×10²±5%=950pF〜1,050pFとなります。
2. キャパシタの寿命
キャパシタは電極と誘電体を交互に重ねた構造です。誘電体には静電容量を増やすための電解液が含まれており、時間が経つと蒸発します。これはドライアップと呼ばれ、内部の電解液が抜けると寿命です。
そのため、キャパシタの寿命は周囲温度が影響します。周囲温度が10℃上がると蒸発速度は約2倍です。逆に温度が10℃下がると蒸発速度は約1/2倍になります。
一般的なキャパシタは105℃、2,000時間で規定されています。周囲の温度が10℃下がると寿命は4,000時間になり、30℃下がると約1.8年です。また、キャパシタは電流によって自己発熱します。この温度上昇も寿命に影響を与えるので考慮が必要です。
そのほかに印加電圧による寿命も存在します。定格電圧では視できる程度ですが、過電圧や逆電圧を印加した時に電極で化学反応を生じて寿命を短くします。
参考文献
https://article.murata.com/ja-jp/article/basics-of-capacitors-1?intcid1=mar_art_xxx_tao_xxx_tao-link
https://contents.zaikostore.com/semiconductor/183/
https://product.tdk.com/info/ja/contact/faq/faq_detail_D/1432773354136.html
https://detail-infomation.com/capacitor-how-to-read-capacitance-and-tolerance/
https://detail-infomation.com/electrolytic-capacitor-lifespan/