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滑り軸受についての概要、用途、原理などをご説明します。また、滑り軸受のメーカー42社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。滑り軸受関連企業の2025年2月注目ランキングは1位:イグス株式会社、2位:ポーライト株式会社、3位:オイレス工業株式会社となっています。
1985年-2014年: アルストム株式会社、ABB 株式会社 およびガデリウス株式会社にて、ユングストローム空気予熱器の設計、 ダイアモンドスートブロワの機械設計に従事。(ABB株式会社: https://new.abb.com/jp)>2014年-2021年: アルヴ
滑り軸受は、軸受の滑り面で直接的に、軸の回転や移動部品の直線運動を支持する軸受です。回転軸もしくは移動部品と滑り軸受の滑り面は、直接接触しているために摩擦力が大きく、摩擦熱が発生します。そのため相互の接触面は、オイルで潤滑させたり、軸受滑り面に潤滑剤を含侵させた金属を使用したり、潤滑性の高い樹脂素材を使用します。
潤滑剤を使用しない滑り軸受は、ドライベアリングと呼ばれています。滑り軸受は、安価で使い勝手が良く材質や大きさは自由度が高く、用途や使用環境によって使い分けられています。
滑り軸受の英語名表記は下記の3種類です。
滑り軸受は、下記の特徴(特に転がり軸受と比較した場合になります)があります。
一般的産業用途で使用する滑り軸受の種類は、「荷重の種類」「材質」「形状・構造」に分けられます。
またISO 4378-1では下記のように分類されています。
図1. 滑り軸受の分類
荷重の種類は、「動圧軸受」「静圧軸受」「ジャーナル軸受」「スラスト軸受」の4種類に分けられます。
動圧軸受と静圧軸受
図2. 動圧軸受と静圧軸受
動圧軸受は、軸の回転により発生する動圧により、軸と軸受滑り面の間に油膜が形成され、軸を支持します。動圧が発生するように、隙間をくさび状にしたり、滑り面に滑り面工したりする方法があります。一般的に、滑り軸受動とは動圧軸受を示すことが多いです。
静圧軸受は、軸受外部の機器や設備から、油(潤滑油)や圧縮空気を軸受へ供給し、軸と軸受間のポケットに充満させることで、軸を支持します。
ジャーナル軸受とスラスト軸受
図3. ジャーナル軸受とスラスト軸受
ジャーナル軸受は、軸の中心線方向(ラジアル方向)に荷重がかかる場合に使用します。スラスト軸受は、軸の中心線と垂直方向(スラスト方向)に荷重がベアリングにかかる場合に使用します。
材質による種類は、「樹脂系」「金属系」の2種類に分けられます。
樹脂系
樹脂系材質の例を下記に示します。
樹脂系滑り軸受は、オイル・黒鉛など添加し、潤滑性を向上させているため、ほとんどの場合は無給油で使用されます。また、機械的強度の向上のために金属と組み合わせて使用する場合もあります。
金属系
金属系材質の例を下記に示します。
潤滑油を使用する金属系材質では、ホワイトメタル、銅系合金、アルミニウム合金などが一般的です。ホワイトメタルは、静荷重や船用エンジンに使用されることが多く、銅系合金は耐摩耗性に優れるため、ブッシュなどに多く使用されます。
一方でアルミニウム合金は、エンジン用、ブッシュなど幅広い用途で使用されます。無給油の滑り軸受は、潤滑材の添加、表面のコーティング、固体潤滑材料を埋め込んでいます。無給油の滑り軸受は、オイルレス軸受と呼ばれています。
形状・構造
図4. 滑り軸受の種類(1)
形状・構造による種類は、「円筒形」「円筒形鍔(フランジ)付き」「円盤形(スラスト軸受) 」「球面形(球面スラスト軸受) 」に分けられます。
図5. 滑り軸受の種類(2)
滑り軸受は、回転軸や移動部品と滑り軸受の滑り面が画接触して支持しています。そのため、相互の面間(摺動面)で発生する摩擦の対処方法が重要になります。
一般的な滑り軸受は、摺動面に潤滑油・潤滑材や空気などを介在させ、摩擦抵抗を低減させています。よって摺動面の潤滑状態は非常に重要になります。この潤滑状態は下記3種類に区分されており、図3 ストライペック曲線にて示されます。
摺動面は、十分な潤滑被膜が形成されてなく摩擦が大きいため、ほぼ固体潤滑で良好な潤滑状態ではなく、焼き付き固着することがあります。
摺動面は、表面粗さと潤滑被膜厚みがほぼ同一で、流体接触と固体接触の混在状態になっていて、完全に十分な状態ではありません。
摺動面は、十分な潤滑被膜が形成されて、相互は直接接触していない状態で、相互が摩耗することなく良好な潤滑状態です。
図6. ストライペック曲線
滑り軸受の潤滑方法は、「強制給油」「油浴」「飛沫給油」「滴下給油」があり、軸受の使用条件により使い分けます。強制給油は、ポンプで軸受給油部に潤滑油を送る方法で、確実に一定量の潤滑油を給油することができます。油浴と飛沫給油は給油装置の必要がなく、シンプルな構造にすることができます。滴下給油は潤滑油の量が少ないので高負荷運転には適していません。
強制給油では、ハウジング側に給油する方法と軸側に給油する方法があります。また、ハウジングや軸に油溝を設けることで冷却効果を上げることも可能です。ただ、潤滑膜が不連続になり軸受の負荷能力の低下が起こることもあり、油溝の設計は十分注意が必要です。
潤滑油が使用できない環境(高温など)は、固体潤滑材を使用する場合もあります。固体潤滑材にはグラファイト、PTFEなどがあります。滑り軸受は、油圧、油膜等の管理を正確に行うことで、長寿命化を実現することが可能です。
滑り軸受に関するJIS, ISO規格を下記に示します。
JIS規格 |
ISO規格 |
||
番号 |
規格名 |
番号 |
規格名 |
JIS B01623-1 |
滑り軸受−用語、定義及び分類 第1部 設計、軸受材料及びその特性 |
ISO 4378-1 |
Plain bearings -Terms, definitions and classification- Part 1: Design, bearing materials and their properties |
JIS B01623-2 |
滑り軸受−用語、定義及び分類 第2部 摩擦及び摩耗 |
ISO 4378-2 |
Plain bearings -Terms, definitions and classification- Part 2: Friction and wear |
JIS B01623-3 |
滑り軸受−用語、定義及び分類 第3部 潤滑 |
ISO 4378-3 |
Plain bearings -Terms, definitions and classification- Part 3: Lubrication |
JIS B01623-4 |
滑り軸受−用語、定義及び分類 第4部 計算パラメーター及びその記号 |
ISO 4378-4 |
Plain bearings -Terms, definitions and classification- Part 4: Calculation parameters and their symbol |
転がり軸受の仕様は、規格で規定されているため、軸受型式によって嵌め合い公差や製作公差、隙間公差などは、全てのメーカーで同じ仕様になっています。したがって互換性があり汎用部品として使用することが可能です。
それに対して滑り軸受は、現状国際的に共通の規格はありません。そのため互換性はなく、汎用性はありません。したがって、使用用途、使用環境、設計仕様によって独自に検討し決定する必要があります。
参考文献
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/machine_design/md05/g0016.html
https://www.ntn.co.jp/japan/products/catalog/pdf/5116.pdf
https://www.skf.com/group/products/plain-bearings
https://engineer-education.com/machine-design-12/
https://www.tribology.jp/outline/shokai.html
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | イグス株式会社 |
13.6%
|
2 | ポーライト株式会社 |
10.2%
|
3 | オイレス工業株式会社 |
10.2%
|
4 | 大同メタル工業株式会社 |
8.5%
|
5 | 大豊工業株式会社 |
5.1%
|
6 | 株式会社YSK |
5.1%
|
7 | 株式会社バルカー |
5.1%
|
8 | THK株式会社 |
5.1%
|
9 | 株式会社レゾナック |
5.1%
|
10 | 千住金属工業株式会社 |
3.4%
|
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
項目別
軸径 mm
150 - 300主要寸法B mm
130 - 160主要寸法D mm
240 - 410主要寸法dk mm
300 - 350 350 - 400動負荷容量Cd N
4,000,000 - 10,000,000静負荷容量Cs N
1,000,000 - 25,000,000取付関係寸法Da最大 mm
200 - 400質量 kg
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