全てのカテゴリ
閲覧履歴
ジャイロトロンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ジャイロトロンのメーカー1社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。ジャイロトロン関連企業の2024年12月注目ランキングは1位:キヤノン電子管デバイス株式会社となっています。
ジャイロトロンとは、超電導コイルにて発生させた磁場に電子を巻き付け高速の回転エネルギーにて加速し、空胴共振器にて高出力のミリ波帯のマイクロ波へ変換放出させる真空管装置のことです。
ジャイロは、回転という意味でつけられたもので、CRM現象を利用しています。このCRMとはCyclotron resonance maser (サイクロトロン共鳴メーザー現象) と呼ばれる電磁力で回転させた電子の運動エネルギーがマイクロ波という電磁波へ変換される現象です。
ミリ波帯とは、波長で1mm~10mm、周波数では30GHz~300GHzの電波帯域を指し、直進性が高く多量の情報を載せられる周波数帯域です。
ジャイロトロンは、マイクロ波菅、送信菅のカテゴリーに属します。
ジャイロトロンとよく似た機能のマイクロ波菅にクライストロンや進行波菅があります。両者とジャイロトロンの大きな違いは電子ビームの電子の流れの違いによる発振電磁波の周波数帯です。
クライストロンがその構成機構から一般にミリ波帯35GHz程度までの発振放出が可能なのに比べて、ジャイロトロンは最大250GHz程度までの周波数に対応した電磁波放出が可能です。
ジャイロトロンの使用用途は、以下の通りです。
産業用の使用用途としては、セラミック焼結用の加熱源があげられます。
核融合実験装置のプラズマ関連での加熱や計測用途などがあります。
衛星通信等の非常に高い周波数帯向け電磁波発振源としての応用が期待されています。
ジャイロトロンは、ミリ波帯というこれからの通信用途に向けて増々その活用が期待されている電波の比較的大電力の発信源となることから、各方面で応用の検討が繰り返されています。
ジャイロトロンの原理は、内部の電子銃から放出された電子が、超電導磁場を通過する際にらせん状の回転運動エネルギーを得て、空胴共振器内部でミリ波帯の高出力電磁波エネルギーに変換されるサイクロトロン共鳴メーザー現象にあります。
100kV程度をかけた電子銃から発射された電子を超電導磁石で作られた磁場を通過させることにより、電子に高速の回転エネルギーを与えます。回転エネルギーを得た電子は、らせん状になりながら最終的に電子を取り込む真空管内のコレクターに向かいます。
らせん状になって進む電子は、経路の途中に置かれた共振器を通過することで、電子のエネルギーを共振させます。共振した電子の一部のエネルギーが、運動エネルギーを失い、失ったエネルギーが電磁波に変換されるという仕組みです。
発生した電磁波は、その後反射を繰り返し、最終的に人工ダイヤモンドといったジャイロトロンに設けられた窓を経由して、ジャイロトロンから放射されます。これによって、高出力なミリ波帯の電磁波として使用することが可能です。
未来の発電技術として有望視されている核融合技術ですが、その動作のためには、ジャイロトロンから得た高出力なサブTHz帯のミリ波を約100m先の核融合炉まで伝送し、プラズマに打ち込んでプラズマを加熱します。その結果、核融合反応が始まります。
近未来のクリーンエネルギー発電のために世界各国の研究機関が主導する共同プロジェクトの運転開始も予定されており、核融合施設の実験のために、加熱や各種計測用ジャイロトロンの開発もまた活性化している状況です。
核融合施設で現在有望視されているのが、トカマク型核融合炉です。この炉体の施設では、非常に強力な超電導磁場で内部のプラズマを超高温に加熱しなければなりません。その際、核融合炉体の中心と端部で超電導磁場の磁力の大きさが異なるため、炉体内部をできるだけ広く有効活用するために、ジャイロトロンの共振発振周波数も、複数選択できるような構成が望まれています。
そのような需要に応え、開発ジャイロトロン内部の機器の改良で170GHz/137GHz/104GHzという3つのミリ波帯周波数で1メガW級の300秒連続運転動作が実現されています。
また、ジャイロトロンの発振周波数の高周波数化という観点では1013GHzが実現されており、国内外の様々な研究分野への応用展開に向けた共同研究開発が加速している状況です。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
2024年12月の注目ランキングベスト1
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | キヤノン電子管デバイス株式会社 |
100.0%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2025年1月のジャイロトロンページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社