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静電塗装器についての概要、用途、原理などをご説明します。また、静電塗装器のメーカー4社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
静電塗装器とは、静電塗装をするために使用される装置です。
静電塗装は塗装方式の1種で、塗料の粒子および塗装したいターゲットをそれぞれ帯電させることによって塗装します。通常の塗装と比べて塗装の効率が良いとされており、塗料の使用量を減らすことができるという利点があります。
欠点としては、塗装部分の形状によって塗料の付着しやすさが変わること、溶剤系の塗料を用いる際にスパークが生じて引火する場合があり、引火対策が必要なことなどが挙げられます。
静電塗装は、前述の通り塗装効率が良い塗装方式です。塗料の使用量や作業にかかる時間を削減できるため、費用や作業の効率化の面で優れており、大量生産を行う製品の塗装に向いています。自動車や建材、家電製品などの塗装では、静電塗装器が広く用いられています。
静電塗装において、塗料の付きやすさが塗装部分の形状に左右されるという点は課題の1つです。自動車の塗装ではこの課題を解消するため、エアーを利用して塗装部分の形状に合わせた塗装を行う技術が導入されています。
静電塗装は、静電感応とよばれる現象を利用した塗装方式です。
塗装対象であるターゲットをアースしておき、静電塗装器の負電極を接近させると、ターゲットの表面に正極が現れます。このような現象が静電感応現象です。
静電塗装器にかける電圧を上げていくと、放電電極の先端部ではコロナ放電が生じます。コロナ放電により空気中の酸素がイオン化し、酸素アニオン(オゾン)が大量に生成されます。この酸素アニオンが塗料の粒子に付着することで、粒子が負の電荷を持つようになるのです。
負電荷を帯びた粒子は、酸素アニオンによって形成されたイオン電流に沿って、ターゲットまで運ばれます。ターゲットに到達した塗装粒子は静電的な相互作用により、正電荷を帯びているターゲットの表面に付着します。これが静電塗装器を用いた塗装の原理です。
静電塗装器での塗装は、イオン電流の集中度によって塗料粒子の付着しやすさが異なります。そのため電流が多く集まる凸部は塗装しやすいが、電流が少ない凹部は塗装しにくいといった差が生じるのです。
静電塗装は、大量少品種であれば効率的に塗膜を形成する可能でこれが大きなメリットとして挙げられます。一方で、静電気と粉末を利用すことが逆にデメリットになることもあります。
塗装ムラや特有の欠陥発生
静電塗装は静電感応力を利用した塗装であるため、被塗装物の形状が均一でない場合は電場も不均一になりムラが生じます。凸部では電場が集中しやすいため、そこに塗料が集中するので他よりも厚くなったり、また電場が届く範囲であれば塗装できてしまうことで不要な部分も塗装されることがあるので注意が必要です。
静電気により雰囲気中のゴミや埃も同時に引き寄せられ巻き込み塗装されるため、「ゴミ・ブツ」と呼ばれる塗装の欠陥も生じることがあります。また「ゆず肌」と呼ばれる塗装表面が広い範囲で波打ったような状態なる欠陥で、電圧が高すぎて発生する逆電離現象が原因となります。
薄い膜厚が困難
静電塗装機では粉体を塗料として直接塗装するため、薄い厚みの塗膜を形成することができません。最小値の厚みで30μm程度とされていて、それより塗膜を薄くしようとするとムラなどの欠陥が発生し易くなるため、有機溶剤塗装のような液状塗料による塗装に切り替える必要があります。
少量多品種が困難
静電塗装は塗装前の洗浄に始まり、塗料の密着、高温での焼付乾燥と工程が長く複雑であるため、細かい色調が求められ複数回の塗装が必要とされる少量多品種では、生産性が著しく低下するため対応が困難になります。
専用塗装設備と安全対策が必要
高圧の電気と粉末を使用するため、感電事故や火災に対する安全対策を施した専用の塗装設備が必要なり初期投資費用が大きくなります。また塗装装置だけでなく、塗膜を定着させるための乾燥炉などや油分や錆を落とす前工程の設備も必要となるため、工程全体で見ると設備と作業員のコストも掛かることもデメリットの一つです。
塗料の粉末管理
使用する塗料は粉末であるため、使用だけでなく保管においても粉塵爆発などに対する安全対策が重要になります。また、粉末は表面積が大きく酸化などの汚染が進みやすくこれが欠陥の原因にもなるため、長期間保管する場合は清潔な環境を整える必要があります。
静電塗装と電着塗装の一番の違いは、静電塗装が塗料をスプレーで噴射し電解の力を利用して塗料を付着させるのに対して、電着塗装は塗料が入った浴槽に被塗装物を浸し、そこに電流を流すことで被膜を析出させる点です。電着塗装の特徴は、液状の塗料に浸し塗装することによる、高い均一性にあります。
参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shikizai1937/73/10/73_512/_pdf
https://bikou.cc/201
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sfj1954/9/6/9_6_19/_pdf
https://www.ncc-nice.com/co_mame/vFl20140815154843-327.html
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