ホーニング盤のメーカー14社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
ホーニング盤とは、表面の仕上げ加工に用いる機械の1つで、スティック状に取り付けた複数の砥石で筒状の内面を押しつぶしながら回転し、内面を仕上げていく加工をします。
一度にたくさん削ることができないため、中ぐり盤などで円筒状の切削を行ったあと、最終仕上げとしてホーニング盤を用いることが一般的です。
内面研削盤と似ていますが、ホーニング盤のほうがより精密な穴精度、真円度、さらには高い面粗度で加工することができます。
円筒加工物の最終仕上げを行うため、非常に高い精度が必要なエンジンシリンダーの内面加工によく使われます。
ほぼ鏡面仕上げに近い状態の面粗度で仕上がりますが、よく見ると小さな線状の傷がクロスするようにつき、この小さな傷の中にエンジンオイルを付着させ、オイルの油膜を保つことで、ピストンとの摩擦からシリンダを守る働きがありますので、高圧なオイルを常に循環させているエンジンシリンダーの加工にはうってつけの工作機械です。
多くは立型の機械で、スティック状の先端に取り付けた砥石の上下運動によって内径を加工していきます。
他にも2枚の円盤型砥石でワークを挟み込み、往復運動することで複数のワークを均一の高さに揃える「平行平面ホーニング盤」や、中仕上げと最終仕上げで別々の砥石を使い分ける必要がなく、全行程を自動で行ってくれる「CNC多軸ホーニング版」、水と砥粒を混ぜた混合液をワークに吹きかけて表面の艶消し仕上げを行う「液体ホーニング」などの種類があります。
いずれも切削加工のようにワーク対して熱や負荷をかけにくく、熱に弱いワークに対しても精度に影響しにくい特徴があります。ただし、ホーニング前の研削工程で出来た形状をベースに仕上げていくため、高い精度を出すには前工程の出来具合が重要になってきます。
また、ホーニングは複数の砥石を全て密着させて加工を行うため、砥石を取り付けているスティックの外径を超えての加工は出来ません。よって、それぞれの加工物の内径に合わせたスティックと、そのスティックに取り付ける為の砥石も別々で用意する必要があり、揃えるとかなりのコストがかかってしまうデメリットもあります。
ホーニング加工でできた細かな網目状の傷を「クロスハッチ」と呼びます。
クロスハッチは、回転しているホーン(砥石)の往復運動を繰り返し、下に向かうときの角度と上に向かっていくときの角度の違いにより、細かな網目の傷をつけていくことで徐々に形成されていきます。
最初に荒削りで番手の粗い砥石を用いて比較的遅い回転数で角度の大きな網状を作り、そのあと仕上げ加工として番手の細かい砥石で回転数を上げて加工し、角度の小さな傷を作り、最終的には角度20°から60°ほどの交差する傷を成形します。
こうしてクロスハッチを作ることにより、金属同士が摺動し合う場所においてオイルがクロスハッチの溝に入り込み、油膜切れを防ぐ働きが生まれます。
具体的な加工例を挙げると、各エンジンのシリンダー他、ロッカーアーム、コネクティングロッドなどのエンジン部品に使用されています。
ホーニングと研磨(内面研削)はどちらも仕上げ加工として高い精度で穴加工することができますが、加工方法が異なります。
ホーニングは、円筒状に取り付けられた複数の砥石を押し付けて、往復運動をしながら加工していくのに対して内面研削は、砥石の1点のみをワークに当ててワークと砥石を回転させながら加工していく違いがあります。
ホーニングは内面研削よりも高い真円度、面粗度で加工することができますが、前工程であけた穴に沿う形で加工するので修正が利かないデメリットがあるのに対して内面研削はある程度の修正が可能であり、どちらかといえば芯だし時の精度によって決まります。
また、クロスハッチが作られるのはホーニングならではの特徴ですので、内面研削では作ることが出来ません。
ちなみに、フライス盤でよく使われる穴仕上げ工具の1つに「リーマ」があり、こちらも穴の仕上げ加工に用いられますが、焼き入れ後の高硬度鋼は研削加工に比べて対応しにくいデメリットがあります。
参考文献
https://www.kousakukikai.tech/honing/
https://monoto.co.jp/honing/
https://sakaitec.co.jp/engineering/machinetool/258
http://www.honing.co.jp/smarts/index/45/
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