マイクロ波加熱装置のメーカー6社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
マイクロ波加熱装置とは、マイクロメートル程度の波長をもつ電磁波により、誘電体を加熱する装置のことです。
他の加熱方法(熱風や電熱による輻射を利用した方法)では、熱が対象の表面から徐々に伝導して加熱されるため、一定の時間がかかります。
しかし、マイクロ波加熱では、物質内部の分子と直接反応するため、より短時間に内部温度を上昇させることができます。
またマイクロ波を対象にほぼ均一に照射することができるため、物質の内部と外部であっても均一に加熱できます。
さらに対象の誘電損失によって発熱効率が変わるため、損失係数に応じて選択的に物質を加熱することも可能です。
マイクロ波加熱装置の利用で良く知られているのは電子レンジですが、食品関係への利用を目的として、工業的にも応用されています。
具体的には、食品の加熱調理や殺菌、乾燥などが挙げられます。
例えば、鶏肉の加熱処理する工程において、マイクロ波加熱装置を利用した場合、従来よりも加熱時間を半減でき、部分的な骨の黒化まで防げたという例もあります。
その他にも木材や印刷物、繊維、紙の乾燥、あるいは医療現場では、温熱療法によるがん治療も取り組まれており、マイクロ波加熱が様々な場面で活用されています。
マイクロ波のような電磁波は、周期的に電界の強度を変化させながら物質に作用します。
水などの絶縁体(誘電体)は、金属のような導電体とは異なり、分子自体が極性を有します。
そのため、電磁波による電界と反応し、誘電体内部の分子には正電荷と負電荷の分布に偏りが生じます。
電磁波の周波数が高くなるにつれて、誘電体を構成する分子が激しく回転・振動したり、分子同士が衝突したりします。
ただ、周波数が高いほど加熱しやすいとは限らず、分子に応じて、加熱に適した電磁波の波長域が存在します。周波数が高すぎると、誘電体内部の分子が応答できないためです。
水の場合には、マイクロ波領域の電磁波(赤外線)とよく反応します。このときの反応により生じたエネルギー(内部エネルギー)が熱へと変換されることで、誘電体が加熱されます。
マイクロ波加熱装置では、マイクロ波を発生させるためのマグネトロンと呼ばれる電子管を備えています。ここで放射されたマイクロ波が加熱オーブンへと誘導され、対象物を加熱します。
参考文献
http://www.vinita.co.jp/pdf/microwave.pdf
https://www.microdenshi.co.jp/microwave/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shikizai1937/44/1/44_27/_pdf/-char/ja
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