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減圧蒸留装置についての概要、用途、原理などをご説明します。また、減圧蒸留装置のメーカー8社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
減圧蒸留装置とは、大気圧よりも低い圧力環境下で原油を効率的に分離する石油精製装置です。
減圧蒸留装置の特徴は、大気圧よりも低い圧力環境下で蒸留を行うことにあります。特に、常圧蒸留装置から得られる常圧残油をさらに分離するために使用されます。常圧蒸留では圧力を下げることで沸点が低くなり、熱分解を防ぎながら分離を進めることが可能です。
通常、石油系炭化水素は約350℃を超える温度で熱分解が始まるため、高温での分離が困難です。しかし減圧蒸留装置は塔内の圧力を約30-100mmHgに下げることで沸点を低下させ、効率的な分離を実現します。
減圧蒸留装置の使用用途として減圧軽油の製造、減圧残油の利用の2つを解説します。
減圧蒸留装置の主な使用用途の1つは、減圧軽油 (Vacuum Gas Oil: VGO) の製造です。VGOは沸点が約350-550℃の炭化水素から成り、用途に応じて軽質減圧軽油、重質減圧軽油に細分化されます。
軽質減圧軽油
沸点が約450℃以下の成分で、接触分解装置で軽質化されて灯油や軽油などの原料になります。また潤滑油の原料としても活用されることがあり、製品の品質向上を実現します。
重質減圧軽油
沸点が約450℃以上の成分で、重油や高粘度潤滑油の原料として重要な役割を果たします。このような中間製品はさらに細分化され、様々な産業用途に対応しています。
減圧蒸留装置では減圧残油も重要な生成物として扱われます。沸点が約550℃以上の極めて重質な留分であり、アスファルト製造、高粘度潤滑油の原料の用途があります。
減圧残油は道路舗装に必要なアスファルトの主成分として使用されます。高粘度で耐久性が高いため、道路建設や建材用途で広く利用されています。
減圧残油を精製することで、高粘度潤滑油であるブライトストックの原料になります。こうした用途により重機や産業機械向けの高性能潤滑油を製造することが可能です。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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