負荷開閉器

負荷開閉器とは

負荷開閉器とは、負荷電流が流れている電気回路を開閉する装置です。

一般的に、高圧交流負荷電流を開閉する製品を指しています。さらに、その中でもLBS (Load Break Switch) を指す場合が多いです。高圧の電線路で回路の開閉を行う装置には断路器遮断器、負荷開閉器があります。

断路器は負荷電流を開閉できない装置を指し、保守作業時の安全管理などのために使用します。遮断器は負荷電流のみではなく短絡時の事故電流を遮断できる装置を指し、受電設備の主幹や配電などに幅広く使用されます。

負荷開閉器は負荷電流を開閉できますが、短絡事故電流を遮断できません。一般的には限流ヒューズなどと併用して事故電流から、上位回路を保護します。

負荷開閉器の使用用途

負荷開閉器は、高圧送配電開路において幅広く使用される製品です。以下は負荷開閉器の使用箇所一例です。

  1. 高圧受電している商業施設の引込線
  2. 高圧から低圧へ降圧する変圧器の上流側
  3. 高圧の進相コンデンサ上流側
  4. 高圧モーターの上流側

1は電柱上などに設置されることが多く、気中負荷開閉器などが使用されます2や3はキュービクル内部などに設置されることが多く、LBSなどが使用されます。4は一般的に工場やインフラ設備などに設置され、真空電磁開閉器などが使用されます。

負荷開閉器の原理

負荷開閉器の代表例であるLBSは主接点、操作機構、限流ヒューズなどで構成されます。

1. 主接点

主接点は電流の通電・遮断させるための金属部品です。一般的には、接触部分には銀合金などが使用されます。LBSの主接点はブレードとブレード受けで構成される場合が多く、ブレードを受けに差し込むことで通電させます。

また、高圧回路の負荷電流を遮断した場合はアーク放電と呼ばれる現象が発生します。これは細かな気中の金属片などを介して、空気絶縁を破壊しながら放電する現象です。このアークが長く発生すると発熱で周辺装置を故障させるため、LBSのブレード受けにはアークシュートと呼ばれる消弧部品を取り付ける場合も多いです。

2. 操作機構

操作機構は開閉操作のための構造部品です。最も簡単な構造は操作ハンドルがブレードに付属して付いているもので、絶縁性材料で作られた操作棒で開閉させます。インターロックなどを設けたい場合は電動式のLBSも販売されています。

3. 限流ヒューズ

限流ヒューズは、下流配線が短絡した際に回路を遮断する目的で設置される部品です。ヒューズ内部にはヒューズエレメントと珪砂が収められています。短絡時にはヒューズエレメントが断線し、珪砂がアークを消弧することで保護能力を果たします。

厳密言うと限流ヒューズは事故電流を遮断できるため、負荷開閉器の一部ではありませんが、ほとんどの場合は共に設置されます。

負荷開閉器の種類

負荷開閉器はLBSを指す場合が多いですが、気中負荷開閉器、真空負荷開閉器などの種類があります。

1. 気中負荷開閉器

気中負荷開閉器は、高圧回路を負荷開閉するためのスイッチです。PAS (Pole Air Switch) とも呼ばれます。送配電事業者と需要家の責任分界点に設置されることが多いです。

PAS本体は過負荷や地絡の保護機能を持たないため、SOG (Storage Over Current Ground) と共に設置することも多いです。

2. 真空負荷開閉器

真空負荷開閉器は、接点周辺を真空にしてアークを消弧する負荷開閉器です。限流ヒューズを付属することが多く、高圧コンビネーションユニットやVCS (Vacuum Circuit Switch) とも呼ばれます。

原理は真空遮断器と同様で、電磁コイルなどで駆動する製品が多いです。頻繁に負荷電流を開閉しても、原理上アークがほとんど発生しない上にヒューズの溶断速度が遮断器よりも早いため、高圧駆動モーターの運転停止制御などに適しています。

参考文献
https://denki-study.com/

負荷装置

負荷装置とは

負荷装置とは、電気回路やシステムの性能・動作をテストするために使用される装置です。

電気的な負荷を掛けて、システムやデバイスの応答や安定性を評価します。負荷試験装置とも呼ばれます。電気回路やシステムの性能を評価するための有用なツールです。

電流や電圧の変動や応答時間など、さまざまな条件下での動作をテストすることができます。これにより、製品の品質や信頼性を確認し、改善点を特定することが可能です。

また、法定試験など、標準化されたテスト手法に使用されます。特定の電力要件や信号条件を満たすことが求められる場合、負荷装置を使用してこれらの条件を再現することが可能です。

負荷装置の使用用途

負荷装置は主に電気機器に対して使用される装置です。以下は負荷装置の使用用途一例です。

1. 電池・電子デバイス

モバイルデバイスのバッテリー寿命や充電効率を評価するために使用します。負荷装置を使用して、定格電流や充電時間の条件を再現することが多いです。

また、太陽光パネルやインバーターの性能評価にも使用されます。負荷装置を使用して太陽光の電力を再現し、電力出力や安定性を評価します。

2. 発電機

非常用発電機は、停電や緊急時に電力を供給するための重要な装置です。定格負荷テストでは、負荷装置を接続して発電機に定格電力を供給します。これにより、発電機の能力や安定性を確認し、定格負荷下での動作を評価します。

また、発電機が急激な負荷変動に対してどれだけ迅速に応答するかをテストするケースも多いです。負荷装置を制御して負荷を急激に変化させ、発電機の応答時間や安定性を評価します。

3. ヒートシンク

ヒートシンクのテストにも使用されます。負荷装置でコンピュータのCPUに負荷をかけ、熱を発生させます。これにより、ヒートシンクの冷却能力やCPU温度の評価を行うことが可能です。

負荷装置の原理

負荷装置は、電力を消費することで負荷を提供します。電気エネルギーは負荷装置内の素子や構成要素によって変換され、熱エネルギーや光エネルギーに変わります。電力の消費は、負荷装置が所定の負荷を提供するための基本的な原理です。

負荷装置内部では、電流や電圧の変動を制御することが必要です。制御手段には、抵抗素子やインダクタンス素子、スイッチングデバイスなどが使用されます。これにより、外部からの信号や制御に応じて電流や電圧を調整し、特定の負荷条件を提供します。負荷装置は、特定の負荷条件を再現するために設計された装置です。

定格状態や負荷変動など、目的に応じた負荷条件があります。負荷装置はこれらの条件を制御し、電気回路やシステムが実際の応用状況でどのように動作するかを評価することができます。

負荷装置の種類

負荷装置にはさまざまな種類が存在します。以下は代表的な負荷装置の種類です。

1. 抵抗負荷装置

抵抗素子を使用して電力を消費する負荷装置です。電気回路やシステムに対して定格電流を提供するために使用されます。抵抗値に応じて電圧降下が生じ、電流の制御と安定化を行います。

2. 電子負荷装置

電気エネルギーを内部の電子デバイスを通じて熱エネルギーに変換する負荷装置です。一般的な手法としては、抵抗素子やスイッチングデバイスを使用します。これらの素子は電力を消費し、電気エネルギーを熱エネルギーに変換する役割を果たします。

高電力アプリケーションで使用され、電力供給システムの評価やテストに適しています。電力供給の安定性や応答時間の評価に使用されます。

電子負荷装置は高電力を消費するため、熱の発生が問題となります。したがって、効果的な冷却システムが必要です。一般的に、冷却ファンやヒートシンクなどの冷却装置を組み合わせて、熱を効率的に放熱するように設計されています。

3. 水負荷装置

水を利用して電力負荷を再現する装置です。水をモーターによって循環させ、負荷としての抵抗を発生させます。モーターによって駆動される水ポンプが水を循環させ、負荷装置に接続された発電機や電力機器に対して電力負荷をかけます。

実際の運転時の負荷状況を模擬し、機器の性能や信頼性を評価することが可能です。

参考文献
https://www.keisoku.co.jp/pw/support/oyakudachi/dc-load/dcl-01/
https://www.matsusada.co.jp/column/words-eload.html

エアーソー

エアーソーとは

エアーソーとは、空気を動力源として使用する切断工具です。

空気圧を利用して鋸刃を振動させ、さまざまな素材を切断するために使用されます。工業用途や金属加工などの分野で使用されることが多いです。エアーコンプレッサーなどの空気供給装置に接続され、圧縮空気を利用して動作します。

鋸刃が高速で振動することで、素材を効果的に切断することが可能です。一般的に小型で操作性が高く、精密な切断作業に向いています。エアーソーは高速で鋸刃を振動させるため、素材を迅速に切断できる点が特徴です。

これにより、作業効率が向上します。また、比較的シンプルな構造を持ち、少ない部品で構成されているため、耐久性が高い傾向があります。

エアーソーの使用用途

エアーソーはその高速で効率的な切断能力と精密性から、さまざまな産業および作業用途で使用されています。以下はエアーソーの一般的な使用用途です。

1. 金属加工

エアーソーは、金属製品の切断に広く使用されます。鉄やアルミニウムなどの金属シートや配管を切断するのに役立ちます。また、溶接作業の前に金属の形状を整えたり、不要な部分を切り取ったりする際にもエアーソーを使用することが可能です。

2. 建設現場

建設現場では、鉄筋を必要な長さに切断するためにエアーソーが使用される場合もあります。建設工事では木材や金属などの建材を切断する必要があり、エアーソーは多くの種類の建材を切断することができます。

3. 自動車

自動車修理において、エアーソーは排気パイプなどの切断に使用されます。古いパーツの取り外しや新しいパーツを取り付けする際に有利です。また、配管や樹脂、板金などの部品を手軽に切断したい際にもエアーソーが便利です。

4. 林業・木工

エアーソーは林業および木工業界でも使用されることがあります。特に大型の木材パネルや丸太の切断に便利です。木材切断において高速で効率的な切断を実現します。

エアーソーの原理

エアーソーの原理は、圧縮空気を利用して鋸刃を振動させ、切断作業を行う仕組みです。コンプレッサなどの圧縮空気供給装置から高圧の圧縮空気を供給されて動作します。

エアーソーには、圧縮空気を動力源とするエアーモーターが内蔵されています。エアーモーターは、供給された圧縮空気を受けて動力を生成することが可能です。鋸刃はエアーモーターに接続された振動機構に取り付けられ、高速で前後に振動することで切削が行われます。

切断対象の素材にエアーソーの鋸刃を接触させ、振動によって素材を切断します。鋸刃は素材を削り取るように振動し、切断面を形成することが可能です。刃の動作速度は空気圧によって変化しますが、調整つまみなどによってエアーの流入量を調節し、動作速度を変化させることが可能な製品も多いです。

また、切断できる材質はのこぎり刃によって異なります。木材用の刃でステンレスなどの硬い素材を切断すると、刃が劣化するため注意が必要です。

エアーソーの選び方

エアーソーを選ぶ際に考慮すべき要素が存在します。以下はエアーソーの選定要素です。

1. 切断能力

エアーソーの切断能力は、特定の素材をどれだけ深く切断できるかを示す指標です。作業に応じて必要な切断能力を確認し、エアーソーの仕様に注意し選定します。また、切断したい素材によってエアーソーを選ぶことも必要です。

2. 使用空気圧

エアーソーは最小必要空気圧が指定されています。エアーコンプレッサーが必要な圧力を供給できることを確保することが重要です。使用空気圧が不足すると、エアーソーの性能が低下します。

また、使用空気圧を大きく超えた圧力を印加した場合、エアーソーが破損する恐れがあります。エアーソーの最大圧力も確認することが必要です。一般的にはMPaなどの単位で表されます。

3. ストローク数

エアーソーのストローク数は、鋸刃が1分間に何回振動するかを示す指標です。高いストローク数は素材を迅速に切断しますが、低いストローク数のエアーソーは精密な作業に向いています。作業要件に合わせて選択します。

参考文献
https://electrictoolboy.com/media/4925/

表面温度センサー

表面温度センサーとは表面温度センサー

表面温度センサーとは、被測定物の表面温度を測定するセンサーです。

被測定物に接触して測定する接触式と非接触で測定する非接触式があります。様々な分野で利用されているセンサーです。

表面温度センサーの使用用途

表面温度センサーの使用用途は、接触式と非接触式で異なります。

1. 接触式表面温度センサー

接触式の表面温度センサーの代表格である熱電対は、熱電対を温度測定する対象物に接触させるもので、主に研究や試験、設備や機械、生産ラインなどの組込みセンサーなどとして使用されています。もう一つの接触式の表面温度センサーの代表的なものはサーミスタです。これは冷蔵庫やエアコンなどの電化製品にも多用されており、最も量産で使用されている表面温度センサーと言えます。

2. 非接触式表面温度センサー

非接触式の表面温度センサーの代表である赤外線の量を検知するセンサーによる温度測定に関しては、対象物に接触しなくても測定できるので、体温を測定する際など、多くの場面で使用されています。

表面温度センサーの原理

接触式の表面温度センサーとして熱電対とサーミスタを用いたもの、非接触式の表面温度センサーとして赤外線検知センサーを用いたものの原理を解説します。

1. 熱電対を用いた表面温度センサー

熱電対は2種類の金属導体で作られた温度センサーです。2種類の金属導体の両端を接続して閉回路を作った上で、その両端の接点に異なる温度を与えると、異なる金属の間に電圧が生じる現象を利用しています。すなわち、熱電対を用いた温度センサーの原理は、この発生した電圧を温度に換算して温度を検出することです。この熱電対を用いた方式のメリットは、応答が良く、安価で広範囲の温度が測定可能な点です。

2. サーミスタを用いた表面温度センサー

サーミスタを用いた表面温度センサーは、サーミスタと言う素子の特性を生かして測定しています。サーミスタは、温度により抵抗値が変化する特性を持ちます。そこで、その抵抗値を測定して温度に換算することにより、温度を測定します。

3. 赤外線検知センサーを用いた表面温度センサー

非接触方式の赤外線検知センサーによる表面温度センサーでは、被測定物が放射する赤外線量をセンサーで検知して、温度に換算しています。人の体温などを測定する際に多く使用されており、接触しなくても温度が測定可能であるため、非常に便利です。

表面温度センサーのその他情報

1. 表面温度センサーの熱電対の寿命

接触式の表面温度センサーによく使用される熱電対には寿命があり、知らずに使用し続けていると、正確な表面温度を読み取れない現象が生じます。熱電対の寿命は、使用する温度や雰囲気で変化し、金属の種類によっても異なります。

一般的な例であれば、酸化雰囲気中で常温以下の場合、腐食や錆に弱い貴金属は約2,000時間、強い卑金属であれば約10,000時間です。また、各金属の上限温度で使用した場合には、約50時間から250時間と非常に短くなります。

電化製品や工業製品などの表面温度センサーとして、熱電対を使用した表面温度センサーを使用している場合には特に注意が必要です。例えば、炉や窯で熱電対を用いた表面温度センサーを使用しているケースが挙げられます。熱電対が劣化して、温度が低いと間違えて感知すると、炉や窯の温度を上げるべくガスなどを燃焼し、無駄なコストが生じます。

また、誤って高温となった環境下では、熱電対の精度は低くなります。このため、表面温度センサーの熱電対は、定期的なメンテナンス、交換が必要です。

2. 非接触式表面温度センサーの種類

非接触式の表面温度センサーには、以下の2種類があります。

  • 非接触式体温計:人の体温などを測定する。
  • 非接触式温度計:高温で近寄ることが危険な物体や、移動、回転などの動きのある物体を測定する。

非接触式表面温度センサーは、被測定物から放射される赤外線の強度で温度を測定するため、これらの用途に展開可能です。応答が非常に早い上、瞬時に温度が計測できることもあり、工業用途で重宝されています。

また、非接触式体温計と非接触式温度計には±1℃程度の感度の差があり、非接触式温度計の感度は比較的低いです。このため、人の体温は非接触式体温計で測定すべきで、非接触式体温計には、人の骨格の違いや湿度などの誤差を補正する補正機能がついています。

なお、これら非接触式表面温度センサーにも弱点があり、金属などの赤外線を正確に放射しない物質に対しては、正確な温度を測定ができません。また、湿度が高い使用環境においては正確な測定ができない点もデメリットとして挙げられます。これは、湿度が高い環境下では、被測定物が放射する赤外線が水蒸気に吸収され、非接触式表面温度センサーのレンズが赤外線を正確に受光できないためです。

この場合、実際の温度よりも低く計測するケースがあります。レンズで受光していることから、レンズが汚れていても同様の現象が起こります。ただし、非接触式体温計に関しては、先程も述べたように補正機能が設けられています。

参考文献
https://www.keyence.co.jp/ss/products/recorder/lab/thermometry/thermocouple.jsp
https://ednjapan.com/edn/articles/1902/13/news011.html
https://www.keyence.co.jp/ss/products/recorder/lab/thermometry/thermocouple.jsp
https://www.japansensor.co.jp/faq/995/index.html
https://www.daiichi-kagaku.co.jp/blog/labo/?doing_wp_cron=1612597635.1874310970306396484375

表面張力計

表面張力計とは

表面張力計

表面張力計とは、液体や固体が表面をできるだけ小さくしようとして発生する張力 (表面張力) を測定するための装置です。

例えば、コップに液体が入っている状態を想定してみます。コップの中にある液体は周辺分子との分子間力によって互いに引き合いながら打ち消しあうため安定な状態ですが、コップと空気の表面にある液体は空気側から引っ張られる分子間力が小さいため、すこし丸く膨らんだ形状になります。

これが表面張力であり、表面張力が大きい液体ほど大きく膨らみます。この力は比較的大きく、洗剤の洗浄力やインクジェットなどで重要な物性になります。

Fig1 表面張力について

表面張力計の使用用途

表面張力計は、洗剤や食品、はんだなどの品質管理や研究開発の場面で使用されます。インクジェットや塗液、はんだの濡れの調査、被覆やマイクロ流体工学の分野などで重要視されています。

表面張力を測定し、適切にコントロールすることで、製造過程や使用時の泡の発生や撹拌のしやすさの調整、コーティング欠陥の有無などが変化します。表面張力計の選定の際には、評価の精度や計測時間、対応している液体の種類、測定範囲などを考慮することが大切です。

表面張力計の原理

Fig2 表面張力計の種類

図2. 表面張力計の種類

表面張力の測定方法は多く開発されており、液滴から計算する「懸滴法」、プレートを表面が引っ張る力を測定する「プレート法」、液体表面にリングを接触させ、そのリングを引っ張る力を測定する「リング法」、毛細管を上昇する液体の高さを測定する「毛細管法」などがあります。

1. プレート法 (ウィルヘルミー法、懸垂法) 

測定時は、プレートを測定対象の液体と接触している状態から持ち上げます。その時の持ち上げることに必要な力を測定し、別途測定するプレートと液体との接触角、プレートの寸法から、表面張力を測定します。接触角がわからない場合においても、完全にプレートを濡らすことができればθは0になるので測定できます。

プレートを静止してく測定することでもできるため、動的表面張力・静的表面張力の両方を測定可能です。一方、プレートをある程度濡らさなければならないため、通常は30mL以上の液体を用意しなくてはなりません。

2. リング法

測定時はプレート法と同じように、リング状の測定器具を測定対象の液体と接触している状態から持ち上げ、持ち上げるのに必要な力を測定します。プレート法とは異なり、力は随時モニタリングし、リングと液体が離れたときの力を用いて表面張力を測定します。

界面活性剤溶液のような表面張力が経時的に変化する溶液の測定はできません。 また、リング法ではラメラ長も測定することができます。ラメラとは、泡沫内にある薄い泡膜のことです。ラメラ長が長いと伸びても泡が消えないということになり、泡が安定して残りやすくなります。

3. 懸滴法

測定対象の液体を液滴として固定し、その液滴の形状を方程式などを用いて分析することで表面張力を測定する方法です。画像処理などによって測定するため、測定するカメラの性能や使用するアルゴリズムの影響により精度が異なります。

プレート法で測定しにくい粘度が高い液体、溶融ポリマーや油と水など液体と液体間の界面張力測定などに向いています。

4. 毛細管法

毛細管を上昇する液体の高さ、液体の密度を測定することにより表面張力を計算します。毛細管現象を利用しています。

5. 最大泡圧法

サンプル液体中に、挿した細管に気体を流し気泡を発生させます。気泡を発生させるときにかかる最大圧力 (最大泡圧) を計測し、表面張力を算出します。

また、先端で新しい気泡が生成した時から最大泡圧となるまでの時間をバブルライフタイムと呼び、この間に界面活性剤が吸着すると圧力が低下するため、様々なバブルライフタイムで試験することで動的表面張力が測定が可能です。

表面張力計の選び方

Fig3 表面張力計の種類

図3. 表面張力計の比較

それぞれの表面張力計には、必要な液量や得意な液・苦手な液が存在しています。測定したい液の物性や確保できる量を確認して適切な表面張力計を選定してください。

表面張力計のその他情報

静的表面張力と動的表面張力

表面張力には、静的表面張力と動的表面張力があります。一般的に動的表面張力のほうが大きく、時間がたつにつれて値が下がっていきます。これは親水基と疎水基をもつ界面活性剤が時間がたつにつれて気液界面に集まり、表面に吸着されるためです。

水の表面が疎水基が集まるので、表面張力の値が水の高い値から疎水性の油に近い値になります。十分に時間が経ち、一定の表面長力になったときの濃度を臨界ミセル濃度と呼び、動的表面張力が測定できる測定器はこの臨界ミセル濃度を決定することもできます。

参考文献
https://www.face-kyowa.co.jp/science/theory/what_surface_tention.html
https://www.contact-angle.jp/contact-angle/surface-tension/measurement-principle/

タイヤゲージ

タイヤゲージとは

タイヤゲージ

タイヤゲージとは、タイヤの空気圧 (タイヤ内圧) の測定や空気圧を調整する器具です。

エアゲージもしくはマスターゲージとも呼ばれます。交通事故を防止するため、自動車のタイヤ空気圧は日常的に確認および調整することが大切です。

タイヤ空気圧が低下している状態で走行するとスタンディングウェーブ現象が起き、タイヤが異常加熱を引き起こして走行中にバーストします。タイヤの空気圧が低下した状態では走行抵抗が増え、ハンドル操作力が重くなり、燃費にも悪影響を及ぼします。

タイヤゲージの使用用途

タイヤゲージはタイヤの空気圧を測定するために使用され、タイヤ内圧が不十分な場合には空気や窒素ガスを補充します。

タイヤの空気圧は一般にタイヤ自体が完全に冷えている状態の際の空気圧を計測します。真夏と真冬では気温差があるため、真夏に適正な空気圧に設定していたとしても真冬になると空気圧が適正でなくなる場合が多く、冬前に一度はタイヤゲージを使用しての空気圧測定が推奨されます。一般的に推奨される点検頻度は2ヶ月に1度程度です。

自動車のタイヤに空気を充填するにはエアコンプレッサが必要となるため、ガソリンスタンドなどでエア充填装置を借用し補充します。

タイヤゲージの原理

タイヤゲージの空気圧測定方法は、内部の構造としてピストンを使用した方法が主流です。タイヤのエアバルブにタイヤゲージを接続すると、内部に構成されているバネと一体化されたピストンが、タイヤ内部からの空気圧によって押し出されてタイヤゲージ内部を移動し、その移動量により位置を空気圧表示に変換して、数値がメーター表示されます。

また、棒状での簡易的な表示形式のタイヤゲージにも、上記のピストン構造が内部搭載されています。ピストンの位置をそのままゲージに表示することができ、目盛りを読み取ることで空気圧を測定します。

ピストンが内蔵されているダイヤル表示タイプは、ピストンの移動量を回転式のメーターでその位置を変換することにより、空気圧表示を読み取る構造です。いずれの表示方式にも内部ストッパーが内臓され、測定した値の最高値を記憶して読み取る仕組みです。

また、ダイヤル式タイプにはブルドン管式も存在します。ブルドン管式とは、タイヤゲージ内部構造に楕円形をした金属パイプが入っており、空気圧でその金属部品を変形させることにより空気圧を測定し、メーター表示させる方式です。ピストン式よりもブルドン管式の方が測定精度が高い傾向にあります。

タイヤゲージの選び方

タイヤゲージのタイプを大まかに分類すると、計測した値ををダイヤル形式で表示するものや、棒状のゲージで表示するタイプもの、及びデジタル表示式などが存在します。価格は空気圧の測定精度によって上下します。

使用用途に応じてタイヤゲージに精度を求める場合は、価格相応の物を選択し、精度の高いタイヤゲージで計測することが大切です。

日本国内で基準テストをクリアして正規認証を獲得しているタイヤゲージには、日本工業規格であるJISマークが入っています。このマークがない場合は性能・精度の根拠について確からしさが欠けるため、購入時はこの様なマークを判断材料とします。

タイヤゲージのその他情報

1. タイヤ空気圧を調整する際のコツ

タイヤは空気圧によってトレッドの摩耗状態が若干変わります。例えば、タイヤ空気圧を高めに設定すると、タイヤのトレッド中心部分が摩耗しやすくなります。反対に、タイヤ空気圧を低めに設定するとタイヤのトレッド両端部分が摩耗しやすくなります。タイヤの摩耗状態をよく観察して、バランスよく使用するように空気圧を調整すると長持ちさせることが可能です。

2. タイヤゲージの精度

タイヤゲージで正確な空気圧の値を測定するためには、タイヤ本体の状態を良く確認する必要があります。

激しい走行後のタイヤは熱を持っており、内部の空気が膨張しているため走行直後は正確な値が表示されない可能性があります。正確にタイヤ空気圧を測定するためには、自動車を屋内のアスファルトやコンクリート上に移動させ、タイヤを十分に冷ました状態で測定することが重要です。

タイヤゲージの精度は製品によって誤差の大きさが異なります。低価格のタイヤゲージは、空気圧の誤差は大きくなり、競技車両などでは使用が難しいです。インチアップされたタイヤや低扁平率のタイヤを履いている場合はタイヤが引っ張られる傾向があり、空気圧の誤差が走行中のバーストに繋がるため危険です。

3. タイヤゲージの校正

タイヤゲージを長期間使用し続けていると徐々に誤差が発生するため、定期的な校正が必要です。一番正確な方法はタイヤメーカーから校正器材を借りて実施する方法です。

校正機本体にコンプレッサからのエアホースを接続して一定の値になる空気圧に調整します。次にタイヤゲージを校正機のバルブに接続し、校正機側とタイヤゲージ側の数値が同じかどうかを確認します。誤差がある場合は校正機側の数値と同じ値になるようにタイヤゲージ側を調整します。一致するまでこの工程を繰り返すことで校正が完了します。

参考文献
https://www.goo-net.com/pit/magazine/110286.html
https://www.diylabo.jp/column/column-878.html
https://carby.b-engineer.co.jp/car_100503/car_100515/1031754

蒸気発生装置

蒸気発生装置とは

蒸気発生装置

蒸気発生装置は、水を加熱することによって蒸気を生成する装置です。

電気を使用して水を加熱して蒸気を得る方法と、タービンや燃焼炉などがある場合は、そこから発生する熱を使用して水を加熱し蒸気を得る方法があります。電気を使用して蒸気を得る方法としては、電極式と電熱式があります。飽和蒸気をさらに加熱することによって、過熱蒸気を生成する装置もあり、加熱蒸気は蒸気機関や発電の動力源や殺菌や乾燥などに使用されます。

蒸気発生装置の使用用途

蒸気発生装置は、食品の生産工場、セラミックス製品の製造工場、化学製品の製造プラント、医療機器の製造現場などで使用されます。主な使用例としては、蒸気発生器から発生させた蒸気を使用して、食品の加熱や殺菌、セラミックス製品や化学製品の加熱、威力機器の殺菌などになります。

蒸気発生装置の選定の際には、発生させる蒸気量や蒸気の圧力、発生させる蒸気の種類、蒸気の温度、消費電力やサイズ、メンテナンス性などを考慮する必要があります。

蒸気発生装置の原理

蒸気発生装置は、給水部と蒸気生成部、蒸気の吐き出し部で構成されています。蒸気生成部では、生成方法の違いによって、電極式と電熱式、外部からの熱供給式に分類することができます。それぞれの動作原理について説明します。

電極式

水が入っている容器、2つの電極で構成されています。使用する水は、蒸留水ではなく、不純物が含まれている水を使用する必要があります。動作時は、電極にそれぞれ電圧を印加すると、不純物が移動することによって、エネルギーが生じ、そのエネルギーによって、水が蒸発することで、蒸気を得ます。使用する水の種類によっては、電極に塩が付着する可能性があるため、注意が必要です。

電熱式

電熱式は、電源に接続された電熱棒と水が入っている容器で構成されています。動作時は、電熱棒に電気が流れると電熱棒が発熱し、その発熱によって水を蒸発させ、蒸気を得ます。

外部からの熱供給式

ガスタービンや蒸気タービン、燃料炉などがある工場においては、それらから発生する熱を回収し、水を加熱することで蒸気を得ます。外部からの熱が蒸気を発生させる熱に満たない場合は、追加で加熱などを行います。 

参考文献
https://www.wetmaster.co.jp/about/knowledge/formula/steam_formula/
https://kita-boiler.co.jp/business/vs/

クラックスケール

クラックスケールとは

クラックスケール

クラックスケールとは、その名称通り、RC建造物やコンクリート塀、庇などのひび割れを測定する定規である。構造物における耐震補強のための補修、修繕の目安は解離幅が0.5cm以上とされているが、ひび割れの走行が大きい場合は、このクラックスケールを用いて修繕の必要性を検討する。

他、ペン型スケールや超音波診断測定器、CTスキャンなどと組み合わせることによって、老朽の度合いを検証でき、更なる詳細な測定診断が可能になります。

クラックスケールの使用用途

使用例では、塗り壁などのモルタル収縮で起きる収縮クラックの測定、塗膜の劣化から起こるヘアークラック、構造物の不同沈下から起こる構造クラックの測定に使用されています。

巨大な貯水水槽などのRC構造物においては、水分やイオンの勾配でコンクリートのPhが狂い中性化してしまうものです。コンクリートの経年劣化は避けられませんが、決壊、崩落の恐れがあることを念頭に、このようなクラックスケールを用いて定期点検を実施しています。

クラックスケールの原理

用具の特徴として、クラックスケールの材質はプラスチック製、ステンレス、アルミ材などが多く出回っており、専門店でなくとも大抵のDIYショップで購入が可能です。安価なものでは300円位~からと手頃な価格です。

測定メモリも特徴的で0.05幅から2mm程度までの線幅が順番に印刷されています。10~15cm前後の長さで作業着ポケットにしまえるサイズのものが主流で、ステンレスなど金属スケールでは中ごろに透かし穴が開けてあるのが特徴です。

クラックを計測し警鐘する基準mmは、対象物により一概には決められません。床打ちのモルタルに1cmの幅があっても緊急補修するかは自由です。しかしマンション修繕のタイミングを考慮するとしては3mm幅でも大問題であるし、水槽ならば0.3mmでもモルタル修繕はいち早く検討したいところです。

そのような事例では、見つけたときにこまめに測定できるクラックスケールは大変利便性があるスケール用品です。

参考文献
https://concrete-mc.jp/crack-measurement/

かしめ工具

かしめ工具とは

かしめ工具かしめ工具とは、金属などの物体を塑性変形させることで2つの部品を密着させる工具です。

かしめ工具の「かしめ」は、加締めに由来すると言われています。例えば、電気配線において、圧着端子と電線を密着させる際に、圧着端子のバレルの部分に電線をあててバレルを塑性変形させて、電線を包み込むように密着固定させます。この際に使用する工具は圧着工具とも言われる、かしめ工具の一種です。

その他のかしめ工具には、リベットを用いて2つの部品をつなぎ合わせるリベッターなどがあります。

かしめ工具の使用用途

かしめ工具は電線と端子を圧着して接続する作業や、リベットなどの接合部品を塑性変形させて2つの部品を固定する作業などに使用されています。

1. 圧着端子用

圧着端子には、バレルのサイズや形状、スリーブの有無など様々な種類の端子があります。その端子の使用に適さないかしめ工具を使用して端子を圧着してしまうと、圧着が不十分となり電線が端子から抜けやすくなります。従ってかしめ工具を使用する際には圧着端子の形状にあった工具を選ぶ必要があります。

2. リベット留め用

リベット留めに使用する手動の工具もかしめ工具に含まれます。リベット留めには、接合する2つの部品の両面からアクセスできる場合と、片面からしかアクセスできない場合があります。片面からしかアクセスできない接合に使用するリベットのことをブラインドリベットと言い、ブラインドリベットを使用した接合作業に使用する工具をリベッターとも言います。

なお、手動ではかしめできない大きなリベットを使った接合や、多数のリベットを高速でかしめる工程などでは、カシメ機という電力サーボや油圧、空気圧等を利用した機械が使用されます。

かしめ工具の原理

かしめ工具は、金属や樹脂などの接合部品を塑性変形させることで、対象となる部材どうしを接合させます。塑性変形とは、強い圧力を加えることで、圧力を加えられた物体の形状が変化して元の形に戻らない変形のことを言います。

圧着端子の塑性変形では、バレルと呼ばれる円筒形の部分に、電線を通してからバレルを小さく潰してしまうことで、圧着端子と電線が密着します。

リベットのかしめでは、接合する2つの部材に穴を開けて、その穴を重ね合わせます。その穴を貫通させる形でリベットの胴体を通します。そして、穴の反対側に出てきたリベットの胴体に強い圧力を加えて、リベットの頭と同じように、穴の直径よりも大きくしてしまうことで、リベットが抜けなくなります。

かしめ工具の構造

1. 圧着端子用のかしめ工具

圧着端子用のかしめ工具はペンチに似た形をしています。

かしめ工具を使用して電線に圧着端子を圧着する際には、まず電線の被膜を剥く必要があります。この作業にはワイヤストリッパなどと言われる専用の工具が使用されます。かしめ工具にはこのストリッパの機能や電線を切断する機能が付いているものもあります。ストリッパの機能を備えたかしめ工具は、電工ペンチとも言われます。

圧着端子のバレル部分に電線の金属部分を差し込んでかしめ工具にセットします。セットした後に片手でかしめ工具を握ることで圧着できます。かしめ工具は一度握ると元に戻らないようにできていますので、圧着に失敗しても途中でやり直しはきかずに最後まで握り込まなければなりません。最後まで握り込むとリリースされて持ち手がフリーになり元の位置に戻るようになっています。このため、失敗すると失敗した部分を切り捨てて初めからやり直さなければなりません。

2. リベット用のかしめ工具

リベットのかしめ方法には、プレスカシメ、スピンカシメ、ブラインドカシメなどの種類があります。このうち、プレスカシメとスピンカシメは比較的大きなリベットをかしめるときに使用され、強い圧力や回転力を必要とします。

手動のかしめ工具を使用したかしめは、主にブラインドカシメで行われます。ブラインドカシメは、2つの部品を接合させる際に、片方からしか作業出来ない場合に用いる方法です。ブラインドリベットを、接合させる部材の穴に通した後で、リベットの円筒形状になった胴体に貫通しているマンドレルを手元側に引き抜き、リベット胴体の端部を変形させることによってカシメます。

ブラインドリベットの胴体部分は比較的細くて薄いため、小さな力でも変形できます。従ってハンディタイプのリベッターが多く使用されています。

参考文献
https://diytools1.com/2016/04/10/post-13890/
https://www.diylabo.jp/basic/basic-87.html
https://sewingschool.hapimade.com/hook/

荷重測定器

荷重測定器とは荷重測定器

荷重測定器 (英: load measuring instrument) とは、物体を引張る力や押す力を測定する機器です。

代表的な荷重測定器は、フォースゲージロードセルトルク計などの種類があり、それぞれの測定器で検出できる力の種類が異なります。

例えば、フォースゲージは押し引きなどの動作時に発生する力を測定し、ロードセルは力の変換器として使用され、また、トルク計は回転やねじれの力を測定します。

荷重測定器の使用用途

荷重測定器は、材料の硬度や機器を操作する際に発生する力の大きさや様々な物体にかかる力の大きさなどを数値で表すために使用されます。

1. フォースゲージ

フォースゲージは、主に手で持って、測定対象に直接押し引きの作用を行う場合に使用されます。例えば、ファスナーやシャッターの開閉などの動作時にかかる力の測定です。

また、フォースゲージをスタンドに固定して測定を行うことで、均一で再現性のある測定が可能です。そして、測定対象の硬度試験や開閉試験などの用途にも使用されます。

2. ロードセル

ロードセルは、主に装置などに取り付けて荷重測定のための変換器として使用されます。測定対象によって、使用するロードセルの大きさや形が異なり、小型から大型の形状まで幅広くあります。

3. トルク計

トルク計は、回転トルクやひねり力などを測定する際に使用します。測定対象か、トルク計のどちらかを手で持って、持っていない方に締め付けや開閉動作を行って測定します。

キャップの開け閉め力の測定や、ねじ締め動作力の測定などに用いられるケースも多いです。そのほか、エンジンなどの出力トルクの測定や、回転機械の負荷トルクの測定用途もあります。

荷重測定器の原理

フォースゲージは、押し引きの動作力や、剥離・摩擦などで生じる力を測定します。ばねを利用するタイプと、ロードセルを内蔵するタイプがあります。

ばねを利用するタイプは、荷重によるばねの変形量を機械的に指示する方式です。ロードセルは、計測した力を電気信号に変換することで数値化します。変換する方式はいくつかあり、中でもひずみゲージ式がもっとも多く使用されています。

力がかかることで変形した量からひずみを測定することができるひずみゲージを用いる方法です。この他、ピエゾ圧電式・金属薄膜式・静電容量式・光ファイバー式などが使われるケースもあります。

トルク計は、回転動作における力を測定するため、回転軸のねじれ角度の変化を位相差として感知し、これを電気信号に変換して測定します。

荷重測定器のその他情報

1. 荷重測定器とロードセル

デジタル表示をする荷重測定器は、ロードセルを使って荷重を検出します。ロードセルとは、金属にひずみゲージを貼った荷重センサーです。ロードセルの金属部は荷重容量によって設計されており、荷重により金属が変形する量をひずみゲージの伸縮で抵抗値の変化に置き換え、それを電気的に増幅して荷重値に変換します。増幅した荷重をデジタルの表示計に表示します。

ロードセルを使った荷重測定器は、荷重値の表示精度が高いです。ただし、衝撃や過荷重により金属が塑性変形を起こしやすく、荷重測定器のロードセル部分の取扱いには注意が必要です。落下させない、衝撃を与えない、過荷重が加わえないなどが重要になります。

2. テンションゲージ

テンションゲージは、駆動ベルト、チェーンなど、伝動するために張られた張力を計測する荷重測定器です。張力は、2点間に引っ張られた力を言い、2点間の距離・引張方向に対し垂直方向へ加えた荷重と、この荷重によるベルトなどの「たわみ」を使用して計算で算出します。

伝動ベルト以外にも、印刷用輪転機の用紙が張られる力や、機織りでの糸の張られた力、鋼板ロールからプレス機に送られる鋼板の引っ張られる力なども同様に計測します。テンションゲージと呼ばれるものは、アナログタイプとデジタルタイプの2種類です。

たわみ量が同時に計測できるもの、規定された2点距離をゲージの機構として保持して、張力を独自の規格で表示するものがあります。また、デジタル・アナログのフォースゲージそのものを指す場合もあります。

参考文献
https://www.forcegauge.net/faq/56788.html
https://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/category/h_torque2.htm
https://www.unipulse.tokyo/techinfo/loadcetthowto/
https://www.forcegauge.net/mesurement/used/top
https://www.forcegauge.net/know-how/measurement
https://tml.jp/knowledge/transducers/load_cell-example.html
https://www.toyo.co.jp/files/user/img/product/mecha/pdf/MAG_TMTFRTLB.pdf