塩化鉛

塩化鉛とは

塩化鉛とは、鉛と塩素の化合物です。

鉛の酸化数が+2と+4の塩化鉛が存在します。塩化鉛(II)と塩化鉛(IV)です。単に「塩化鉛」と呼ぶと、一般的に塩化鉛(II)を指します。

塩化鉛(II)はPRTR法で「第1種指定化学物質」に指定されており、労働基準法では「疾病化学物質」です。労働安全衛生法で「名称等を表示すべき危険有害物」「名称等を通知すべき危険有害物」「リスクアセスメントを実施すべき危険有害物」に指定されています。そのほか、毒物および劇物取締法では「劇物」です。

塩化鉛の使用用途

塩化鉛(II)は、ペロブスカイト太陽電池の前駆体の原料や無機単結晶の育成法であるフラックス法の融剤として用いられています。

ペロブスカイト太陽電池は、15%を超える高エネルギー変換効率 (PCE) が特長です。溶液塗布により低コストで製作可能であり、近年盛んに研究されています。半導体材料の有機無機ハイブリッド型のペロブスカイト化合物は、太陽電池の重要な部品である光吸収層として使用可能です。このペロブスカイト化合物の合成に、塩化鉛(II)が利用されています。

塩化鉛の性質

塩化鉛(II)の融点は501°Cで、沸点は950°Cです。常温で白色の固体です。熱分解性があり、加熱によって分解して、有毒な鉛や塩素の煙が生じます。濃塩酸中に塩化鉛(II)を懸濁させて塩素を通じて、塩化アンモニウムを加えると、塩化鉛(IV)を合成可能です。

熱水によく溶解しますが、冷水やエタノールに溶けません。100gの水に対する溶解度は、0°Cで0.6728gで、100°Cで3.342gです。水よりも希塩酸に溶けにくいですが、濃塩酸にはH2[PbCl4]を形成して溶解します。アルカリにより水酸化鉛が沈殿し、過剰のアルカリでは鉛酸塩になって溶けます。アンモニアと付加物を生成し、塩化アルカリと錯塩を形成可能です。

塩化鉛の構造

塩化鉛(II)は二塩化鉛とも呼ばれます。化学式はPbCl2と表され、分子量は278.11g/molです。白色の斜方晶系結晶で、密度は5.85g/cm3です。

固体の塩化鉛(II)では、それぞれの鉛イオンに9つの塩化物イオンが配位しています。9つの塩化物イオンは、中心の鉛原子から等距離にありません。塩化物イオンのうち7つは280~309pmにあり、2つは370pmにあります。

気相で塩化鉛(II)分子は、Cl–Pb–Clの角度が98°で、各Pb–Cl結合距離が2.44Åの曲がった構造を有します。

塩化鉛のその他情報

1. 塩化鉛(II)の合成法

塩化鉛(II)は火山の昇華生成物として産出し、コチュン石 (英: Cotunnite) と呼ばれています。

金属鉛に塩素ガスを作用させると、塩化鉛(II)を合成可能です。硝酸鉛(II)や酢酸鉛(II)のような鉛(II)化合物の水溶液に、HCl、NaCl、KClのような塩化物源を添加すると、固体の塩化鉛(II)が沈殿します。酸化鉛(II)や炭酸鉛(II)などの塩基性鉛(II)化合物と塩酸の反応でも生成可能です。

二酸化鉛は塩酸によって還元されて、塩化鉛(II)になります。塩化銅(II)による鉛金属の酸化によっても得られます。

2. 塩化鉛(IV)の特徴

塩化鉛(IV)は四塩化鉛とも呼ばれ、化学式はPbCl4で表されます。分子量は349.01g/molであり、融点は-15°Cで、沸点はおよそ150°Cです。濃塩酸やクロロホルムのような有機溶媒に溶けます。

徐々に濃硫酸中にヘキサクロロ鉛(IV)アンモニウム ((NH4)2PbCl6) の沈殿を加えると、黄色油状の液体として生成します。黄色の分子結晶で、0°Cでの密度は3.18g/cm3です。

105°C付近まで加熱すると、爆発して塩素と塩化鉛(II)へ分解します。湿気を持つ空気中で加水分解し、塩化水素の白煙が生じます。少量の水と不安定な水和物を形成可能です。多量の水で分解して、塩酸と酸化鉛(IV)になります。

塩化金

塩化金とは

塩化金とは金の塩化物の総称であり、塩化金(Ⅰ)、塩化金(Ⅲ)、八塩化四金などが知られています。また、厳密には化学式が異なりますが、塩化金酸を塩化金と呼ぶこともあります。最も安定かつ一般的に取り扱われる塩化金は、塩化金(Ⅲ)であり、外観は、赤~赤褐色の結晶です。塩化金(Ⅲ)の製造方法としては、金属金に高温で塩化ガスを直接反応させる方法や塩化金酸を加熱して得る方法が知られています。

塩化金は、GHS分類において皮膚腐食性/刺激性、眼刺激性、皮膚感作性に分類されています。

塩化金の法規制は、毒物および劇物取締法において劇物に指定されています。労働安全衛生法、労働基準法、PRTR法においては、いずれも非該当です。

塩化金の使用用途

塩化金の使用用途としては、めっき、写真感光材、金粉の製造などが挙げられますが、近年では塩化金酸など、その他の金化合物が主に用いられています。

塩化金に特有な使用用途として、触媒での利用が特に注目されています。具体的には塩化金を出発原料とするテトラクロロ金酸ナトリウムは、アルキンを含んだ反応における触媒として研究が進んでいます。また、塩化金(Ⅲ)そのものもアルキンのアミノ化触媒として作用することが知られています。

参考文献
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/13453-07-1.html

塩化ルテニウム

塩化ルテニウムとは

塩化ルテニウムとは、塩素とルテニウムの化合物のことです。

一般的に塩化ルテニウム(III)や三塩化ルテニウムと呼ばれています。塩化ルテニウムの無水物は、よく物性が研究されているものの、実用的に用いられることはあまりありません。

通常、RuCl3・xH2Oで表されるような、水和物として存在しています。無水物と水和物は暗褐色~黒色で、3水和物が形成されることもあり、ルテニウム化合物の原料に使用可能です。

塩化ルテニウムの使用用途

塩化ルテニウムの水和物は、さまざまな化合物の前駆体として利用可能です。塩化ルテニウム(III)n水和物はルテニウム触媒の原料として用いられ、有機合成で不斉水素化反応やメタセシス反応などに利用されています。

また、Ruめっき (ルテニウムめっき) の原料にも利用されています。Ruめっきは、従来のロジウムめっきと同等の硬度や耐摩耗性を有しながら、コストが2分の1と安価です。そのため、ロジウムめっきの代替品として期待されています。

そのほか、電極用原料や貴金属触媒としても用いられています。

塩化ルテニウムの性質

塩化ルテニウムの融点は500°Cで、常温で黒色あるいは暗褐色の固体です。

RuCl3・xH2Oは多種多様な化合物の前駆体であり、ルテニウム化合物はさまざまな酸化状態を取ります。+2、+3、+4などの酸化数が安定です。

塩化ルテニウム(II)は二塩化ルテニウムとも呼ばれ、化学式はRuCl2です。

塩化ルテニウムの構造

塩化ルテニウムの化学式はRuCl3と表されます。1:4の割合の一酸化炭素と塩素の雰囲気下で、ルテニウムの粉末を700°Cまで熱してから、冷却すると合成可能です。塩化ルテニウムの水和物には、1水和物と3水和物が知られています。 塩化ルテニウムには、α型とβ型の結晶形があります。

α型は黒色葉状の結晶です。塩化クロム(III)と同様の結晶構造を取っています。ルテニウム間の距離は346pmです。水やエチルアルコールに溶けません。

β型は暗褐色の毛状粉末で、8面体の面と面が重なり合った形の結晶構造を取っています。ルテニウム間の距離は283pmです。エチルアルコールに可溶です。β型の結晶を400〜600°Cに加熱すると、α型結晶へ不可逆的に変わります。

塩化ルテニウムのその他情報

1. 塩化ルテニウムの反応

温和な条件でRuCl3・xH2Oは、一酸化炭素と反応します。ただし塩化鉄は、一酸化炭素とは反応しません。一酸化炭素によって、赤〜茶色のRuCl3を黄色に近いRu(II)に還元します。

例えば、1気圧の一酸化炭素が、RuCl3・xH2Oのエタノール溶液と反応すると、[Ru2Cl4(CO)4]、[RuCl3(CO)3]、 [Ru2Cl4(CO)4]2-などが得られます。さらに配位子を溶液に加えると、RuClxCOyLz (L = PR3) 型の錯体を合成可能です。

亜鉛を用いてカルボニル化した錯体を還元すると、三角形のクラスターを持つRu3(CO)12と表される、オレンジ色のトリルテニウムドデカカルボニルが生成します。

2. 塩化ルテニウムから合成される化合物

原料に塩化ルテニウムを用いて合成できる化合物の具体例として、RuCl2(PPh3)3、[RuCl2(C6H6)]2、RuCl2(C5Me5)2、[Ru(bpy)3]Cl2、Ru(C5H7O2)3などが挙げられます。いずれも水和物であるRuCl3・xH2Oから合成できます。

例えばRuCl2(PPh3)3や[RuCl2(C6H6)]2はチョコレート色で、RuCl2(PPh3)3はベンゼンに溶けますが、[RuCl2(C6H6)]2の溶解度は低いです。[RuCl2(C6H6)]2の配位子には、芳香族炭化水素であるヘキサメチルベンゼンなども使用可能です。Ru(C5H7O2)3はベンゼンに溶解します。

塩化ビニル

塩化ビニルとは

塩化ビニルの基本情報

図1. 塩化ビニルの基本情報

塩化ビニルとは、ビニル基と塩素から構成される有機化合物です。

別名として、クロロエチレン (英: chloroethylene) やクロロエテン (英: chloroethene) が挙げられます。化審法では「第2種監視化学物質」、労働安全衛生法では「特定化学物質第2類物質」「特定第2類物質」に該当します。

また、PRTR法では「第1種指定化学物質」、労働基準法では「疾病化学物質」に該当します。

塩化ビニルの使用用途

塩化ビニルはポリ塩化ビニルとして、身の周りで広く使われています。ポリ塩化ビニルとは、塩化ビニルの重合体です。主な用途として、塩化ビニルパイプが挙げられます。

塩化ビニルパイプは、機械的安定性、耐久性、耐クリープ性、接着性に優れています。また、樹脂製品であるにも関わらず、難燃性であることも特徴です。非常に安定した物性のため、上下水道管のほか、工業資材や農業資材、車や家電、医療機器など、幅広い分野で用いられています。

さらに、財布やソファに用いられている合成皮革やレインコートなどでは、軟質のポリ塩化ビニルが材料となっています。

塩化ビニルの性質

塩化ビニルの融点は−154℃で、沸点は−13℃です。炭素-炭素二重結合が容易に反応し、光や触媒によって重合反応が進行します。

塩化ビニルは発癌性があると勧告されています。1974年に塩化ビニル樹脂を製造していた労働者が、肝血管肉腫によって死亡したためです。そして、疫学調査によって、塩化ビニルの曝露と肝血管肉腫の関連性が確認されました。

それに加えて、ラットを使った動物試験でも用量の増加により、肝血管肉腫の増加が報告されました。以前の日本では、エアロゾルの噴霧助剤に塩化ビニルが使われていましたが、現在では使用禁止になっています。ただし、ポリ塩化ビニルを生産するために、塩化ビニルの製造自体は継続されています。

塩化ビニルの構造

ポリ塩化ビニルの合成

図2. ポリ塩化ビニルの合成

塩化ビニルはビニル基と塩素を持っており、示性式はCH2=CHClで示されます。モル質量は62.5です。塩化ビニルの単量体は、炭素原子が二重結合を有しています。

塩化ビニルが付加重合すると、ポリ塩化ビニルとなります。なお、ポリ塩化ビニルの示性式は、[-CH2-CHCl-]nです。

塩化ビニルのその他情報

1. 塩化ビニルの合成法

塩化ビニルの合成

図3. 塩化ビニルの合成

直接塩素化法によって、塩化ビニルを合成できます。まず、触媒に塩化鉄 (III) を用いて、塩素とエチレンを反応させることで、1,2-ジクロロエタン (英: 1,2-Dichloroethane) が生成します。反応に使用するエチレンはナフサの熱分解によって、塩素は塩化ナトリウムの電気分解によって、それぞれ得ることが可能です。

次に、1,2-ジクロロエタンを500℃で加熱し、15〜30気圧で圧縮します。1,2-ジクロロエタンは分解し、塩化水素とともに、塩化ビニルを生成可能です。工業的生産では、オキシ塩素化法が用いられます。副生成物として生じた塩化水素を空気と混合して、触媒に塩化銅 (II) を使ってエチレンと反応させると、1,2-ジクロロエタンが生成します。

直接塩素化法とオキシ塩素化法を併用すると、反応プロセス全体で副生成物が発生しません。したがって、環境負荷を抑えられます。

2. ポリ塩化ビニルの合成

塩化ビニルの重合反応によって、高分子化合物であるポリ塩化ビニルを得ることが可能です。ポリ塩化ビニルは、塩化ビニール、ビニール、塩ビなどと呼ばれます。

ポリ塩化ビニルを原料の塩化ビニルと区別するため、単量体の塩化ビニルは塩化ビニルモノマー (英: vinyl chloride monomer) と呼ばれています。

参考文献
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/75-01-4.html

リン酸銅

リン酸銅とは

リン酸銅 (英: Copper(II) phosphate) とは、化学式Cu3(PO4)2であらわされる無機化合物です。

無水物の他、一水和物や三水和物などの水和物が知られています。一般的にはリン酸銅(II)と表記され、別名には「りん酸第二銅」「tricopper diphosphate」「tricopper bis (orthophosphate) 」などの名称があります。無水物のCAS登録番号は、7798-23-4です。

リン酸銅の使用用途

リン酸銅の使用用途は、有機触媒、肥料、乳化剤、腐食防止剤、金属保護剤、飼料添加物などが挙げられます。金属保護剤としての用途は、一般にリン酸塩処理と呼ばれる手法ですが、通常は、リン酸亜鉛リン酸鉄を用いることが多く、リン酸銅の使用は限定的です。

その他の用途としては、無機顔料としての使用が挙げられます。金属リン酸塩は、無機顔料として一般に用いられる原料であり、亜鉛マンガンなどのリン酸塩が工業的に用いられています。リン酸銅を用いた顔料についても、その他のリン酸塩と同様に優れた色相を有することが知られており、研究が進められています。

リン酸銅の性質

リン酸銅の基本情報

図1. リン酸銅の基本情報

リン酸銅の無水物は、分子量380.58であり、常温での外観は、明るい青緑色の粉末です。三水和物は、分子量434.63であり、常温において青色またはオリーブ色の結晶です。

水、エタノール及びアセトンに難溶であり、希塩酸、アンモニア水、アンモニウム塩溶液、チオ硫酸ナトリウム溶液に溶解します。

リン酸銅の種類

リン酸銅は、主に研究開発用試薬製品として販売されている物質です。容量の種類には25g、500gなどがあり、実験室で取り扱いやすい容量での提供となっています。通常、室温で保管可能な試薬製品です。試薬製品の場合、大体の組成は推定可能ですが (例えばCu3(PO4)2・3H2Oなど) 、少量の塩基性塩が共存し、また製造ロットによろ変動があるため、正確な化学式、式量は不詳となっています。

なお、類似名称の物質に二りん酸銅やピロリン酸銅がありますが、これらは組成式の異なる別の物質です。

リン酸銅のその他情報

1. リン酸銅の合成

リン酸銅の合成

図2. リン酸銅の合成

リン酸銅の合成反応としては、リン酸水酸化銅との反応や、高温でリン酸二アンモニウムと酸化銅を反応させる方法が知られています。

2. リン酸銅の結晶構造

リン酸銅の構造

図3. リン酸銅の構造

リン酸銅は、特徴的な配位高分子を形成します。これは、大部分の金属リン酸塩に特徴的に見られるものです。

結晶構造中では、リン酸中心は四面体型構造です。無水物では、銅中心は五配位となっており、一水和物では、銅は、6、5、4配位となっています。

3. リン酸銅の反応性

リン酸銅は、推奨保管環境においては安定ですが、高温と直射日光を避けて保管することが必要です。強酸化剤とは反応するため、接触を避けて保管します。分解の際に発生する有害な生成物として、リン酸化物、金属酸化物が挙げられます。

3. リン酸銅の有害性情報

リン酸銅は、GHS分類において急性毒性 (経口) 区分3に分類されており、飲み込むと有毒 (経口) とされている物質です。取り扱いの際は、局所排気装置を使用した環境にて、適切な個人用保護具着用し、皮膚、眼、衣服との接触を避けることが必要です。また、火災時には熱分解によって刺激性で有毒なガスと 蒸気を放出することがあります。

リン酸銅はこれらの有害性により、種々の法規制を受ける化合物です。毒物および劇物取締法では劇物に指定されており、労働安全衛生法においては、「名称等を表示すべき危険物及び有害物」「名称等を通知すべき危険物及び有害物」に指定されています。安全を守るためには、法令を遵守して、正しく取り扱うことが必要です。

参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0103-0438JGHEJP.pdf

リン酸リチウム

リン酸リチウムとは

リン酸リチウムとは、化学式Li3PO4で表わされるリチウムのリン酸塩です。

第三リン酸リチウムとも呼ばれます。無臭の白色粉末です。リン酸リチウムの製造方法として、リン酸水酸化リチウムとの反応によって得る方法が知られています。

リン酸リチウムは、GHS分類において急性毒性 (経口) 、眼刺激性に分類されています。リン酸リチウムの法規制は、労働安全衛生法、労働基準法、PRTR法、毒物および劇物取締法においては、いずれも非該当です。

リン酸リチウムの使用用途

1. オイル添加剤

オイル添加剤とは、一般に増ちょう剤とも呼ばれており、グリースなどの製造時に添加することで、半固体や固体に形状を変化させることができる添加剤です。また、増ちょう剤の種類によってはグリースの性質や性能が変化することから、グリースの性質に関わる重要な添加剤と言えます。

2. 融剤

融剤とは、物質を融解しやすくするための添加剤です。リン酸リチウムは、とくに窯業において広く用いられていることから硝子、陶器、磁器などの製造に使用されています。

3. 電池

リチウムイオン電池やその他のリチウム系二次電池など、様々な高性能エネルギー貯蔵装置の製造原料に使用されています。リン酸リチウムバッテリーは、携帯電話、ノートパソコン、その他のデバイスに広く使用されており、重要なバッテリーの1つです。

また、リン酸リチウムを原料に製造されるリチウムリン酸鉄電池は、他のリチウム電池に比べて寿命が長く、メンテナンスが不要であり、極めて安全で軽量で、放電および充電効率が高いなどのメリットがあります。

4. その他

ポリマー中間体、およびプロピレンオキシドの異性化触媒、発酵塗料原料などに利用されています。

リン酸リチウムの性質

リン酸リチウムは、分子量115.79 g/mol、CAS番号 10377-52-3で表わされる白色の粉末です。水に極めて溶けにくく (0.039g/100g、18℃) 、酸またはアンモニアに可溶です。

標準的な大気条件において化学的に安定しています。融点は837℃で、沸点、引火点に関するデータはなく、可燃性物質ではありませんが、微細に分散し、舞い上がった場合に、粉じん爆発を起こす可能性があります。

混触危険物質に強酸化剤が指定されており、火災時等において、リン酸化物、酸化リチウムなどの危険有害な分解生成物を生じる可能性があるため注意が必要です。

リン酸リチウムのその他情報

1. 安全性

強い眼刺激性があり、飲み込むと有害です。眼に入っ た場合は、水で数分間注意深く洗い、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外し、洗浄を続ける必要があります。飲み込んだ場合は、口をすすぎ、体調が回復しない場合は毒劇物センター、もしくは医師に連絡します。

皮膚に付着した場合は、直ちに石鹸と大量の水を使用して洗浄が必要です。吸引した場合は、新鮮な空気のある環境に移動し、体調が回復しない場合は医師に連絡します。

2. 取扱い方法

作業者は、保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面、保護マスクを着用します。屋内作業場の場合は、発生源の密閉化、または局所排気装置を設置し、取扱い場所の近くに安全シャワー、手洗い・洗眼設備を設け、その位置の明確な表示が必要です。

取扱い中は、飲食、喫煙を禁じ、取扱後は顔、手、皮膚を良く洗います。

3. 保管

高温および直射日光を避け、換気のよい涼しい場所に密閉して保管します。容器包装材料はポリプロピレン、ポリエチレンが適切です。内容物および汚染容器等の廃棄時は、地域、国、現地の適切な法律、規則に則った処理が必要です。

4. 火災時の措置

消火剤は指定されていないことから、現場状況および周囲の環境に応じ、適切な消火剤で消火を行います。リン酸リチウムは火災により、刺激性や可燃性のある有毒ガス、蒸気を放出する危険性があることから、消火活動時は個人用保護具を着用し、消防士は自給式呼吸器および消火装備を着用する必要があります。

参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0112-0126JGHEJP.pdf

リン酸マグネシウム

リン酸マグネシウムとは

リン酸マグネシウム炉は、マグネシウムとリン酸によって構成されるリン酸塩の総称です。

第一、第二、第三リン酸マグネシウム、ピロリン酸マグネシウム、メタリン酸マグネシウムなどが一般的に知られています。最もよく利用されている第三リン酸マグネシウムの製造方法は、アンモニアアルカリ溶液中でリン酸マグネシウムアンモニウムを反応させ、八水和物を得る方法が知られています。

第三リン酸マグネシウムは、GHS分類において、いずれの分類にも該当しません。また法規制についても労働安全衛生法、労働基準法、PRTR法、毒物および劇物取締法において、いずれも非該当です。

リン酸マグネシウムの使用用途

1. 第一リン酸マグネシウム

第一リン酸マグネシウムは、セラミックス原料や歯科用埋没剤に利用されています。また、マグネシウムを供給するための栄養補助食品や、食品のpH調整剤として利用されています。

その他、耐火性バインダーや、金属表面処理剤などの用途でも利用可能です。

2. 第二リン酸マグネシウム

第二リン酸マグネシウムは、耐火物バインダーや石油化学触媒、医薬品添加物、医薬品製剤、塗料添加剤などに使用されています。

3. 第三リン酸マグネシウム

第三リン酸マグネシウムは、歯磨き用安定剤、石油化学触媒、医薬品添加物、医薬品製剤、塗料添加剤に使用されています。

また、食品分野においては、苦みがなく、安定的なリン及びマグネシウムの補給剤として使用可能です。

4. ピロリン酸マグネシウム

ピロリン酸マグネシウムは、リン酸と水酸化マグネシウムを原料に生産されるマグネシウム塩です。主に、セラミックス原料に使用されます。

5. メタリン酸マグネシウム

メタリン酸マグネシウムは、リン酸とマグネシウムを原料に生産されるマグネシウム塩です。セラミックス原料の他、光学ガラス原料に利用されます。

リン酸マグネシウムの性質

1. 第一リン酸マグネシウム

化学式Mg (H2PO4) 2・4H2O、CAS番号15609-87-7で表わされる白色無臭の結晶性粉末です。水に溶けやすい性質を持ちます。

2. 第二リン酸マグネシウム

化学式MgHPO4・3H2O、CAS番号7757-86-0で表わされる白色無臭の結晶性粉末です。水に溶けにくい性質を持ちます。

3. 第三リン酸マグネシウム

化学式Mg3 (PO4) 2・8H2O、CAS番号13446-23-6で表わされる無味無臭の白色粉末です。水、エタノールに溶けにくく、有機酸、無機酸に溶ける性質を持ちます。

4. ピロリン酸マグネシウム

化学式Mg2P2O7、CAS番号13446-24-7で表わされる白色粉末です。

5. メタリン酸マグネシウム

化学式Mg (PO3) 2、CAS番号13573-12-1で表わされる無味無臭の白色粉末です。水、エタノール、および有機酸、無機酸にも溶けません。

リン酸マグネシウムのその他情報

1. 市場

リン酸マグネシウム市場は、2030年までに20億米ドルに成長すことが推定されています。2022年から2031年の予測期間中に、4.3%のCAGR (Compound Average Growth Rate) 拡大すると予想されています。

現在、食品の安全性、および健康的生活に対する関心が集まっていることから、リン酸マグネシウムを摂取するメリットついて人々の意識が高まっていることが、市場成長の一因です。また、発展途上国からの需要増加も予測されており、人口増加、耕作地の増加に伴い、土壌改良剤としてリン酸マグネシウム肥料の使用が増加する可能性があります。

参考:リン酸マグネシウムの市場規模

2. 人体への影響

リン酸マグネシウムは、野菜、骨、全粒穀物、豆類、アボカドの種子、ナッツ類など、自然界に多く含まれています。また、筋肉の弛緩を助け、筋肉の痙攣を制御し、ビタミンE欠乏症を予防する効果がある他、心臓や脳の神経筋の活動をコントロールする働きも持ちます。

一方で、大量摂取は、低血圧、呼吸問題、不整脈などの危険性があることから、適切な量を摂取することが健康上重要です。

参考文献
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/KAG_DET.aspx?joho_no=27523

リンモリブデン酸

リンモリブデン酸とは

リンモリブデン酸 (phosphomolybdic acid, PMA) とは、リン、モリブデンおよび酸素原子で構成されるヘテロポリ酸の総称です。

化学式はH3[PMo12O40]で表されます。ホスホ十二モリブデン酸三水素が代表的な化合物です。別名、モリブドリン酸とも呼ばれます。

リンモリブデン酸は、オキソ酸基のまわりに他のイソポリ酸が縮合した構造をしています。リンモリブデン酸は、水やエタノールに可溶な性質を持つ黄色の結晶です。また、酸性環境下で安定することも特徴として挙げられます。

リンモリブデン酸は、労働安全衛生法にて、「名称等を表示すべき危険物及び有害物」「名称等を通知すべき危険物及び有害物」、化学物質排出把握管理促進法にて「第1種指定化学物質」にそれぞれ指定されており、取り扱いには注意が必要です。

リンモリブデン酸の使用用途

リンモリブデン酸は、そのユニークな性質からさまざまな分野で使用されています。

1. 有機化学分野

有機化学分野では、エステル化反応や水和反応、酸化反応など、さまざまな有機反応の触媒として使用されます。また、薄層クロマトグラフィー (TLC) の染色剤として、有機化合物の検出に使用されます。

2. 分析化学分野

分析化学分野では、アルカロイドと反応して沈殿を生じるため、検出試薬として用いられます。通常、リンモリブデン酸の1 %のエタノール溶液として用いられ、ゾンネンシャイン試薬と呼ばれます。

さらに、リンモリブデン酸は、アンモニア・アミン・タンパク質類と沈殿をつくるといった性質をもつため、これらの検出試薬として有用です。また、リンタングステン酸と共に酸性溶液に溶解することで、フェノール試薬として用いられます。

この試薬はタンパク質を定量するLowry法で用いられており、アルカリ性で、タンパク質中のチロシン・トリプトファン・システインと反応して青色に変化します。

リンモリブデン酸の性質

リンモリブデン酸は黄色の結晶で、水や極性有機溶媒によく溶けます。化学式はH3[PMo12O40]で表され、分子量は1825.25です。

リンモリブデン酸はpKaが約1の強酸であり、また、強力な酸化剤でもあります。共役不飽和化合物によって還元され、青色のモリブデンブルーが生成します。

この反応を利用して、リンモリブデン酸は薄層クロマトグラフィー (TLC) の染色剤として使用され、フェノール、炭化水素、アルカロイド、ステロイドなどを検出することが可能です。このとき、反応相手となる分子の二重結合の数が多いほど、色が濃くなることが知られています。

リンモリブデン酸の構造

ホスホモリブデン酸は、中央のモリブデン原子を12個の酸素原子で取り囲んだポリオキソメタレート化合物です。このとき、モリブデン原子は4つの酸素原子と配位し、残りの酸素原子はケギン構造を形成しています。

リンモリブデン酸のその他情報

リンモリブデン酸の製造方法

リンモリブデン酸は、複数の方法で製造されています。その中でも一般的な方法は、酸化 モリブデン (Ⅳ) とリン酸を用いる反応です。

酸化モリブデン (Ⅳ) とリン酸を水溶液中で反応させると、リンモリブデン酸が生成します。このとき、トリブチルアミンなどのドナー性分子を添加すると、副生生物を抑制し、収率を高めることができます。抽出精製に用いられる溶媒は、ジエチルエーテルが一般的です。

かつては、モリブデン酸ナトリウムとリン酸を水溶液中で酸性化し、エーテル抽出によって得る方法が長く利用されていました。しかし、この方法ではナトリウムの除去が必要になります。煩雑な操作が伴うため、現在では一般的ではありません。

参考文献
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/12026-57-2.html

マンガン酸カリウム

マンガン酸カリウムとは

マンガン酸カリウム (英: Potassium manganate) とは、化学式K2MnO4で表される無機化合物で、酸化数+6のマンガン (VI) を含むマンガンのオキソアニオンのカリウム塩です。

CAS登録番号は、10294-64-1です。汎用される過マンガン酸カリウムKMnO4とは別の物質となります。また、マンガン酸カリウムは過マンガン酸カリウムの合成です。

マンガン酸カリウムと同じマンガン酸塩には、マンガン酸バリウムやマンガン酸ナトリウムなどがあります。

マンガン酸カリウムの使用用途

マンガン酸カリウムの第一の工業的用途は、過マンガン酸カリウムの工業合成における中間体です。マンガン酸カリウムを強塩基性ではない水溶液に溶かすと、過マンガン酸イオンと酸化マンガン (Ⅳ) を生じます (不均化) 。

不均化したマンガン酸カリウムの水溶液は、カメレオン液やカメレオン水と呼ばれる物質です。これは、pHによって水溶液の色が変化するためです。

カメレオン水は酸性になると赤紫色、強塩基性になると暗緑色を示します。また、マンガン酸塩全般は酸化剤として用いることができるため、マンガン酸カリウムも酸化剤としての用途がある物質です。

マンガン酸カリウムの性質

マンガン酸カリウムの基本情報

図1. マンガン酸カリウムの基本情報

マンガン酸カリウムは、分子量197.132、融点190℃であり、常温では暗緑色の粉末状固体です。密度は2.78g/mL、酸解離定数pKa=7.1となります。

マンガン酸カリウムの種類

マンガン酸カリウムは、主に研究開発用試薬製品や、工業用無機塩素材として販売されています。研究開発用試薬製品としては、25gなど実験室で取り扱いやすい容量で提供されています。酸化剤などとして用いられることが一般的です。通常、常温で保管可能な試薬製品として取り扱われます。

工業用無機塩としての購入や容量については、個々のサプライヤーに問い合わせが必要です。通常、最も多い用途は過マンガン酸カリウムの合成中間体です。

マンガン酸カリウムのその他情報

1. マンガン酸カリウムの合成

マンガン酸カリウムの合成法

図2. マンガン酸カリウムの合成法

酸化マンガン (Ⅳ) の鉱石は、パイロルース鉱と呼ばれます。パイロルース鉱を水酸化カリウムと共に融解することにより、マンガン酸カリウムを得ることができます。また、工業的には溶融水酸化カリウムと二酸化マンガンの混合物を硝酸カリウム若しくは空気によって酸化することで合成されます。主には、過マンガン酸カリウムの中間生成物として合成されている化合物です。

実験室的製法では、濃水酸化カリウム水溶液 (5-10 M) と過マンガン酸塩を混合したものを24時間攪拌する、もしくは、加熱することによって合成が可能です。その他の合成方法には、過マンガン酸カリウムをヨウ化カリウムで一電子還元する方法や、過マンガン酸カリウムの熱分解などがあります。ヨウ化カリウムとの反応は、副生成物としてヨウ素を生じる反応です。 

2. マンガン酸カリウムの化学反応

マンガン酸カリウムの化学反応

図3. マンガン酸カリウムの化学反応

マンガン酸カリウムを強塩基性ではない水溶液に溶かすと、過マンガン酸イオンを生じて赤色に呈色します。これは、不均化と呼ばれる現象で、同一種類の化学種が2個以上互いに反応し、2種類以上の異なる種類の生成物を与える化学反応です。

本反応の最終生成物は過マンガン酸塩と二酸化マンガンですが、その動力学は複雑であると言われています。この反応機構にはプロトン化およびマンガン (V) 種の関与が示唆されています。

3. マンガン酸カリウムの有害性情報と法規制情報

マンガン酸カリウムは、酸化性物質であることから火災助長のおそれや人体への有害性として、皮膚刺激、強い眼刺激、呼吸器への刺激のおそれなどが指摘されています。推奨保管条件下では安定とされます。しかし、強還元剤、金属粉体、過酸化物、亜鉛、銅などとは反応する性質があるため、混触を避けるべきです。

これらの理由により、労働安全衛生法では特定化学物質障害予防規則により、第二類物質に指定されているほか、名称等を表示すべき危険物及び有害物に指定されています。また、化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) でも、第一種指定化学物質に指定されている物質です。法令を遵守して正しく取り扱うことが必要です。

参考文献
https://www.sigmaaldrich.com/JP/ja/sds/aldrich/217654

ペンタクロロチオフェノール

ペンタクロロチオフェノールとは

ペンタクロロチオフェノール (英: Pentachlorothiophenol) とは、白色〜灰褐色粉末の有機塩素化合物です。

IUPAC名は2,3,4,5,6-ペンタクロロベンゼンチオール (英: 2,3,4,5,6-Pentachlorobenzenethiol) です。別名として、ペンタクロロベンゼンチオール (英: Pentachlorobenzenethiol) 、PCTPとも呼ばれます。

なお、ペンタクロロチオフェノールは、主な国内法令に該当しません。米国では、有害物質規制法 (TSCA) において難分解性、高蓄積性、毒性 (PBT) 物質に定められています。

ペンタクロロチオフェノールの使用用途

ペンタクロロチオフェノールは、合成ゴムまたは天然ゴムのしゃく解剤として、主に使用されます。しゃく解剤とは、ゴムの素練り行程を効率化するために加えられ、ラジカル分解によりゴムの分子量を低下させるものです。

分子量が低下すると、粘度も低下するため、ゴムのミキシング行程を容易にすることが可能です。機械的なせん断のみでも、ゴムの分子量は低下します。しかし、しゃく解剤を使用すると、混合時の粘度低下が時間や温度の変化に影響されにくくなり、バッチ間の粘度の均一性が得られます。したがって、しゃく解剤は、ゴムの加工性向上に重要な添加剤です。

ペンタクロロチオフェノールまたはペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩は、しゃく解剤として広く使用されてきました。しかし、米国でPBT (難分解性、高蓄積性、毒性) 物質に指定されたことにより、米国では含有する製品を含めた製造、輸入、加工、流通が不可能となりました。このため、現在は、ビス(2-ベンズアミドフェニル)ジスルフィド、通称BASSを主剤とするしゃく解剤への置き換えが進んでいます。

ペンタクロロチオフェノールの性質

化学式はC6HCl5Sで表され、分子量は282.38です。CAS番号は133-49-3で登録されています。融点は231.5°C、常温において固体で、密度は1.7g/mlです。

144.6 °Cに引火点を持つ可燃性の物質で、不快な臭いを持ち、水に溶けません。また、単斜晶の結晶構造を持ちます。ペンタクロロチオフェノールは生分解性が低く、水生生物に対して生物蓄積性と毒性があります。

また、ペンタクロロベンゼンチオールは、ヘキサクロロベンゼンの代謝物です。ラットなどの動物にヘキサクロロベンゼンを投与すると、体内で代謝され、尿や排泄物中にはペンタクロロベンゼンチオールが含まれます。

ペンタクロロチオフェノールのその他情報

1. ペンタクロロチオフェノールの製造法

ペンタクロロチオフェノールは、ヘキサクロロベンゼンをメタノール中で硫化ナトリウムと硫黄で処理するか、硫化水素ナトリウムで処理することにより得られます。

また、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素などの酸性触媒存在下、硫化水素とペンタクロロフェノールを反応させることでも合成可能です。

2. 取り扱い及び保管上の注意

皮膚に付着した場合
ペンタクロロチオフェノールは、皮膚腐食性や刺激性を持ちます。皮膚が暴露しないよう、使用時は必ず保護衣と保護手袋を着用してください。

皮膚に付着した際は、すぐに大量の水と石けんでしっかり洗い流します。衣類が汚染された場合は、すべて脱ぎ、袋に入れるなどして隔離してください。皮膚刺激が続く場合や皮膚に炎症が出た場合は、医師に連絡して診断を受けてください。

保管する場合
ペンタクロロチオフェノールは、光によって変質する性質を持ちます。遮光性のガラス製容器に入れ、密閉して保管してください。保管場所は、換気がよく涼しい場所が最適です。

参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0232-9148JGHEJP.pdf
https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/Pentachlorothiophenol