リン酸マグネシウム

リン酸マグネシウムとは

リン酸マグネシウム炉は、マグネシウムとリン酸によって構成されるリン酸塩の総称です。

第一、第二、第三リン酸マグネシウム、ピロリン酸マグネシウム、メタリン酸マグネシウムなどが一般的に知られています。最もよく利用されている第三リン酸マグネシウムの製造方法は、アンモニアアルカリ溶液中でリン酸マグネシウムアンモニウムを反応させ、八水和物を得る方法が知られています。

第三リン酸マグネシウムは、GHS分類において、いずれの分類にも該当しません。また法規制についても労働安全衛生法、労働基準法、PRTR法、毒物および劇物取締法において、いずれも非該当です。

リン酸マグネシウムの使用用途

1. 第一リン酸マグネシウム

第一リン酸マグネシウムは、セラミックス原料や歯科用埋没剤に利用されています。また、マグネシウムを供給するための栄養補助食品や、食品のpH調整剤として利用されています。

その他、耐火性バインダーや、金属表面処理剤などの用途でも利用可能です。

2. 第二リン酸マグネシウム

第二リン酸マグネシウムは、耐火物バインダーや石油化学触媒、医薬品添加物、医薬品製剤、塗料添加剤などに使用されています。

3. 第三リン酸マグネシウム

第三リン酸マグネシウムは、歯磨き用安定剤、石油化学触媒、医薬品添加物、医薬品製剤、塗料添加剤に使用されています。

また、食品分野においては、苦みがなく、安定的なリン及びマグネシウムの補給剤として使用可能です。

4. ピロリン酸マグネシウム

ピロリン酸マグネシウムは、リン酸と水酸化マグネシウムを原料に生産されるマグネシウム塩です。主に、セラミックス原料に使用されます。

5. メタリン酸マグネシウム

メタリン酸マグネシウムは、リン酸とマグネシウムを原料に生産されるマグネシウム塩です。セラミックス原料の他、光学ガラス原料に利用されます。

リン酸マグネシウムの性質

1. 第一リン酸マグネシウム

化学式Mg (H2PO4) 2・4H2O、CAS番号15609-87-7で表わされる白色無臭の結晶性粉末です。水に溶けやすい性質を持ちます。

2. 第二リン酸マグネシウム

化学式MgHPO4・3H2O、CAS番号7757-86-0で表わされる白色無臭の結晶性粉末です。水に溶けにくい性質を持ちます。

3. 第三リン酸マグネシウム

化学式Mg3 (PO4) 2・8H2O、CAS番号13446-23-6で表わされる無味無臭の白色粉末です。水、エタノールに溶けにくく、有機酸、無機酸に溶ける性質を持ちます。

4. ピロリン酸マグネシウム

化学式Mg2P2O7、CAS番号13446-24-7で表わされる白色粉末です。

5. メタリン酸マグネシウム

化学式Mg (PO3) 2、CAS番号13573-12-1で表わされる無味無臭の白色粉末です。水、エタノール、および有機酸、無機酸にも溶けません。

リン酸マグネシウムのその他情報

1. 市場

リン酸マグネシウム市場は、2030年までに20億米ドルに成長すことが推定されています。2022年から2031年の予測期間中に、4.3%のCAGR (Compound Average Growth Rate) 拡大すると予想されています。

現在、食品の安全性、および健康的生活に対する関心が集まっていることから、リン酸マグネシウムを摂取するメリットついて人々の意識が高まっていることが、市場成長の一因です。また、発展途上国からの需要増加も予測されており、人口増加、耕作地の増加に伴い、土壌改良剤としてリン酸マグネシウム肥料の使用が増加する可能性があります。

参考:リン酸マグネシウムの市場規模

2. 人体への影響

リン酸マグネシウムは、野菜、骨、全粒穀物、豆類、アボカドの種子、ナッツ類など、自然界に多く含まれています。また、筋肉の弛緩を助け、筋肉の痙攣を制御し、ビタミンE欠乏症を予防する効果がある他、心臓や脳の神経筋の活動をコントロールする働きも持ちます。

一方で、大量摂取は、低血圧、呼吸問題、不整脈などの危険性があることから、適切な量を摂取することが健康上重要です。

参考文献
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/KAG_DET.aspx?joho_no=27523

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