ペンチ

ペンチとはペンチ

ペンチとは、線材を掴んで曲げたり、切断したりする工具のことです。

薄い鉄板なども掴んで曲げることができます。「てこの原理」を利用しているため、小さな力で材料を強く掴むことが可能です。

ペンチには、複数の種類があります。それぞれに主とする使用目的が違うため、その作業に一番適したペンチを選択することが大切です。作業の効率が上がり、正確かつ安全に作業できます。

ペンチの使用用途

ペンチは、一般的なDIYから専門的な現場まで幅広く使われる工具です。主に針金などの線材を掴んで、「曲げる・ねじる・引っ張る・切断する」作業で使用します。素手やハサミなどで行うよりも、強力かつ安全に作業を行うことが可能です。

似た工具として、ニッパーやプライヤなどが挙げられます。しかし、それぞれ用途に違いがあるので、作業目的に合ったものを選ぶことが大切です。

ペンチの原理

柄部を握ることで、先端同士が噛み合う構造になっています。「てこの原理」が用いられており、柄部と先端が交差して合わさっているところが「支点」、柄部が「力点」、先端が「作用点」になっています。

支点から作用点の距離より、支点から力点までの距離の方が長いことで、小さな力で大きな力を生み出せます。先端の掴む部分は「くわえ部」と呼ばれる金属からできており、ギザギザが付いているため、掴んだものをしっかりと保持することが可能です。

くわえ部の根元には刃がついているため、電線や針金などであれば切断することができます。

ペンチの種類

1. 標準ペンチ

一般的な家庭にも1本は置いてあるような標準タイプのペンチです。先端の「くわえ部」が平たくなっており、ギザギザになっています。

また、くわえ部の一部に丸く窪んだ部分があり、ナットなどの丸い材料を掴むこともできます。くわえ部の根元に刃部があり、針金程度の線材を切断することができます。

2. ラジオペンチ

ラジオの組み立てに使用されていたために、ラジオペンチと呼ばれています。先端の「くわえ部」が先細りになっています。

電子機器の修理や組み立てなど、細かい作業に使用されるものです。くわえ部の後ろの刃部は、細めの針金やケーブルを切断することができます。先端が曲がっているタイプもあります。

3. 圧着ペンチ

圧着ペンチは、電線の端子を圧着することに特化したペンチです。端子を軽く挟んで固定した状態で、端子の間に電線を通したらペンチを握って端子を圧着します。

圧着に特化したペンチなので、他のものを掴んだり切断したりといった作業には適しません。

4. 丸ペンチ

ラジオペンチに似た形をしていますが、先端のくわえ部にギザギザがついておらず、刃部がありません。ギザギザがないので、材料を傷つけることなく作業ができます。趣味やクラフトなどにも使用されます。

ペンチのその他情報

1. ペンチ・ニッパー・プライヤー

プライヤーとは英語で「掴む・挟む・切る」を目的とした工具のことを指します。英語ではペンチやニッパーも全てプライヤーの一種です。しかし、日本では一般的にペンチ、ニッパー、プライヤーは用途別に分類されて呼ばれています。

ニッパーは、主に切断するために使用される工具、プライヤーは主に開口部がスライド構造になっており、広く広げられるものです。太いものや厚いものを「掴む」ための工具を指します。

2. ペンチの使い方

ペンチは、柄の部分を握って使います。片方の柄に親指をかけて、もう片方で人差し指と中指をかけて握りこみます。ペンチを開く場合は、小指や薬指を使うとスムーズに開けます。柄の部分は閉じた状態でもぴったりと閉まらず、空間が空いているので、指を挟む心配はありません。

てこの原理を利用しているため、素手で掴むよりも数倍強い力で対象を掴むことが可能です。握る部分が柄の先端にいくほど、掴む力は強くなります。薄い鉄板であれば、曲げることも可能です。厚い鉄板を保持したい場合は、ペンチだと柄を握りきれずしっかりと掴めないため、先端部分が大きく開くプライヤーを使用します。

電線やハリガネを切断するときは、くわえ部の根元についている刃を使います。切断専用の工具ではないので、あまり太いものは切断できません。切断時に破片が飛んでくる可能性があるので、保護メガネの着用を推奨します。

ドライバービット

ドライバービットとは

ドライバービット

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ドライバービット (ビット) とは、電動工具の一種であるドリルドライバーやインパクトドライバーに取り付けて、穴あけやネジの締め付けに使用するアタッチメント工具のことです。

本体に取り付けたビットは、本体の動力により高速回転させて使います。ドリルドライバーは、穴あけやネジの締め付け、研磨の用途で使われ、ビットはその用途に対応するかたちで、複数の種類があります。

ビットの先端は、プラス、六角、リード (尖った形状) のように様々な形状をしています。インパクトドライバーは、ドリルドライバーとほぼ同じ用途で使用されますが、より高いトルクをかけて一気にネジ締めを行う場合に使用されることが多いです。

ドライバービットの使用用途

ドライバービットは、主に電動工具を用いてネジ締めやドリルによる穴あけ作業を行うときに使用されます。

ドライバービットを交換することで、様々なサイズのネジや穴径サイズに対応できます。そのため、複数のドライバービットを持っていると、1つの電動工具で幅広い作業への対応が可能となります

ドライバービットの原理

ドライバービットは電動工具へ差し込んで使用します。電動工具の差込口を汎用のサイズにしておくことで、ドライバービットを交換するだけで、様々な作業に対応できるようになります。

電動工具の差込口のサイズは主に以下の3種類です

  • Aタイプ: 13mm
  • Bタイプ: 9.5mm
  • Bタイプ: 9mm

Bタイプは主にエアーツールメーカーが使用している特殊なサイズになるため、一般的な電動工具であればAタイプとなります。

そのため、ホームセンター等でドライバービットを購入する際は、差込口のサイズをあまり気にせずに購入しても問題ありません。

ドライバービットの選び方

ドライバービット (ビット) の選び方のポイントは、用途に応じて、ビットの特徴を知り、最適なものを選ぶことです。穴あけ用では、ドリルビットが使われます。

ドリルビットは、尖った形状をしていて、軸にらせん状の切り込みがあります。切りくずを効率よく排出しながら穴あけすることが可能です。

ドリルビットのサイズは、空けたい穴の径をもとに決めます。用途に応じて (木工用、鉄工用、プラスチック用等) 、対応しているビットを選ぶのが良いです。ネジの締め付け用のビットは、プラスとマイナスの2種類の形状があります。

ビットのサイズは、ネジのサイズをもとに決めます。締め付け用のビットは、以下のような機能をもつものがあります。

  • 両頭ビット
    ビットの両端にプラスとマイナスがついており、用途に応じて入れ替えて使うタイプ。
  • マグネット付きビット
    ネジが落ちないようにマグネットが入っているタイプ。

研磨用では、軸に砥石が付いたビットが使われます。材質は、金属、ガラス、プラスチック等、様々な材料に対応したものがあります。

ドライバービットのその他情報

ドライバービットの使い方

ドライバービット (ビット) をドリルドライバーやインパクトドライバーへ取り付けて使用します。ビットの取り付け方法は、各工具によって固定方法が異なり、大きく分けて3種類あります。

1. ワンタッチスリーブ
ワンタッチスリーブは、主にインパクトドライバーで採用されています。本体先端のスリーブを引っ張るとロックが解放される構造になっており、ビットを差し込んだ後にスリーブを戻して固定します。

メリットは、スリーブを引っ張って離すだけでビットの脱着が容易に行える点です。デメリットは、ビットを完全に固定できていないため使用するビットの長さによっては使用時に中心軸がブレたりすることがある点です。

2. ドリルチャック
ドリルチャックは、専用のキーを使って3本の爪を開閉させビットを本体先端に固定します。爪の隙間を開閉させて固定するため、幅広いサイズや太さのビットを使用することができます。

メリットは、爪の開閉に専用のキーが必要なため作業時に手で緩めるのが難しく、人為的ミスによるビットの脱落を防ぐことができる点です。デメリットは、ビット交換時に専用キーが必要なため使い勝手が悪い点です。

3. キーレスチャック
キーレスチャックは、ドリルチャックの専用キーを本体先端の送りネジに代替し、本体先端を回すことで3本の爪を均等に開閉しビットを固定します。ドリルチャック同様、幅広いサイズや太さのビットを使用することができます。

メリットは、専用キーがいらなくなったため使い勝手が向上した点です。デメリットは、ビット交換時は毎回送りネジを回して3本の爪を開閉する必要があるため、ビット交換に少々時間がかかる点です。

エアーグラインダー

エアーグラインダーとは

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エアーグラインダーとは、エアコンプレッサと接続し、圧縮空気を動力として、研削や研磨、場合によっては切断を行うための空圧工具を指します。

バリ取りや面取り、金型などの研磨作業、平面研削、ビード取りなど様々な作業において用いられています。

空圧工具は、通常、同じ能力の電動工具と比較すると小型でありながらパワーがあります。
切れ味がかなり良く、刃が鋭いのが特徴なので、安全面において十分に注意しながら慎重に扱う必要があります。

エアーグラインダーの使い方

エアーグラインダーの使い方をご紹介します。

本体にプラグを取り付け、エアコンプレッサのソケットと接続します。各種砥石等の先端工具を先端部に装着します。
本体を握って安全ストッパーがある場合は解除して、加工を開始します。

加工の際は、加工物をしっかりと固定すること、保護メガネを着用することが安全面で必要になります。加工後、ワークが高熱になっていますので、加工直後に素手で触ると火傷等の怪我の原因となります。

エアーグラインダーの選び方

形状

エアーグラインダーの形状は、主にペン型とアングル型の2種類があります。ペン型はストレートの形状で、アングル型は先端が下を向いた形状になります。ペン型は小物のワークを加工するのに適しており、アングル型は比較的大きなものを加工するのに適しています。加工するワークによってエアーグラインダーを使い分けることで作業性の向上に繋がります。

砥石

切断砥石や研削砥石など加工するワークに合わせた砥石を装着できるエアーグラインダーを選びます。その中でもエアーディスクグラインダーはダイヤモンドホイール・多羽根ディスク・フェルトディスク・カップブラシなどを装着することができ、様々なワークに対して作業をすることができます。

安全性

空圧工具は、通常同等能力の電動工具に比べて小型でパワーがありますので、不意に動作することを防止する安全装置付きのエアーグラインダーもあります。作業環境や作業者のスキルに応じて、安全性も考慮して選定すること重要となります。

リューター

リューターとは

リューター(ハンドグラインダー)は、軸の先端に付いた砥石を回転させて、研磨を行う電動工具です。

リューターの小さな砥石は、複雑な形状や狭い場所で細かな作業をするのに向いています。そのため工業用のリューターは、曲面の研磨、バリ取りに使用されます。工芸用の小さなリューターは、木やガラス表面への彫刻といった用途で使われます。

リューターの軸付きの砥石は、ビットと呼ばれます。ビットは、リューター先端のチャックで固定されます。作業内容に応じて様々な種類のビットが使い分けられます。

リューターの使い方

作業前の準備として、リューター先端には、ビットが取り付けられます。ビットは、対応しているコレットチャックでリューター先端へ固定されます。

リューターを起動させ、回転が安定するまで対象物から離して待ちます。回転が安定したところで、対象物にビットを押し当てると対象物が研磨されます。

使用時は、以下の内容に注意が必要です。

  • バリや火花の飛散から目や身体を守るため、保護メガネ、保護手袋を着用しましょう。
  • 回転しているビットへ、手や身体が近づきすぎないように注意しましょう。

リューターの選び方

リューター(ハンドグラインダー)の選定で重要なポイントは、作業環境と使用するビットについて検討することです。

リューターの電源は、「AC電源式」と「充電式」があります。作業場所や時間を考慮して、電源方式は決めるのが良いでしょう。

  • AC電源式は、コードで給電するため、作業場所が制限されます。
  • 充電式は、作業場所の制限はありませんが、バッテリーが重いため、長時間の作業には向きません。

ビットとそれを固定するためのコレクトチャックは、軸径が対応していなければいけません。コレクトチャックとリューターが、使用するビットに対応しているか仕様を確認しましょう。

リューターには、取り付けることができる最大の工具径(ビットの外径)があります。25~49mmのものがあり、使用するビットが対応しているか確認が必要です。

また、リューターの回転数は、1分間に7000~29000回転で調整可能なものがあります。様々な用途で使用する場合は、スピード調整機能があるリューターが良いでしょう。

ディスクサンダー

ディスクサンダーとは

ディスクサンダーとは、表面を研磨して滑らかにするために使用する電動工具です。

一般的なディスクサンダーは、サンディングディスクを機械のスピンドルに装着し、ディスクに材料を当押し当てて研磨します。作業台の上に設置して使用するもの、作業台と一体になっているもの、DIYでも簡単に使用できるポータブルタイプのものなど、種類はさまざまです。

類似品としてディスクグラインダーが挙げられますが、これは砥石を回転させて「研磨」「研削」「切断」などを行う工具です。

ディスクサンダーの使用用途

ディスクサンダーは、金属加工、木工、自動車などの工場や家庭の作業場で多く使われています。曲面や不規則な面の仕上げ、金属や木材のバリ取り、整形、材料除去などに有用です。

ディスクサンダーの原理

ディスクサンダーは、スピンドルに装着されているサンディングディスクを高速に回転させ、そこに材料を押し当てることで研磨します。サンディングディスクは、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、ダイヤモンド砥粒など、さまざまな材料で作られています。作業内容に応じて適切な砥粒を選択可能です。

ディスクサンダーの種類

ディスクサンダーにはいくつかの種類があり、それぞれに特有の用途やデザインがあります。一般的なタイプは、以下の6種類です。

1. ID ディスクサンダー

ID (inside deiameter) ディスクサンダーは、サンディングディスクを機械のスピンドルに装着し、ディスクに材料を押し当てて研磨するものです。

2. ODディスクサンダー

IDディスクサンダーに対して、OD (外径:outside deiameter) ディスクサンダーは、本機の外周にサンディングディスクを装着し、外からディスクに材料を押し当てて研磨します。

3. コンビネーションディスクサンダー

内径と外径のサンディングディスクを搭載し、作業に応じて使い分けることができます。

4. ポータブルディスクサンダー

ディスクサンダーを小型化したもので、小規模なサンディング作業や狭い場所での作業によく使用されます。

5. 定置型ディスクサンダー

産業用として使用され、傾斜テーブルや集塵システムなどの機能を持つことが多いディスクサンダーをより大きく、より強力にしたものです。

6. ベルトディスクサンダー

サンディングベルトとサンディングディスクを一体化したサンダーで、サンディングベルトとサンディングディスクを切り替えて使用することができます。

ディスクサンダーの選び方

ディスクサンダーを購入する際、考慮すべき重要な要素がいくつかあります。

1. サイズ

ディスクサンダーには、小型のポータブルモデルから大型の産業用マシンまで、さまざまなサイズがあります。サンディングする材料の大きさと、マシンを置くスペースを考慮する必要があります。

2. パワー

ディスクサンダーのパワーは、電圧 (V) によります。より強力なモーターは、より大きな材料や強力な研磨が必要な作業に対応できます。

3. 速度

ディスクサンダーの回転数は通常、1分間あたりの回転数 (RPM) で測定され、設定されています。回転数を上げると、より速く研磨できますが、熱がこもりやすくなり、木材や他の材料が燃える危険性が高まります。

4. ディスクの大きさ

サンディングディスクのサイズは、サンディングに使用できる表面積を決定するため、考慮すべき重要な要素です。ディスクのサイズが大きいと、より大きな材料を扱えるので、一度に多くの面積を研磨することができます。

5. 集塵機能

サンディングは多くの粉塵を発生させるので、集塵システムは考慮すべき重要な機能であると言えます。ダストポートが内蔵されているもの、または集塵機能を取り付けることができるものがあります。

6. テーブルの傾斜

ディスクサンダーの中には、テーブルを傾斜させて角度をつけて研磨できるものがあり、特定の作業で便利です。

ディスクサンダーのその他情報

ディスクサンダーを使用する上での注意点

ディスクサンダーを使用する際は、以下のポイントを抑えることが大切です。

1. 保護具を着用する
ディスクサンダーを使用する際は、必ず保護メガネ、防塵マスク、耳あてを着用します。機械に巻き込まれないように、服はたるみのないもの、装飾品は外し、髪は縛っておく必要があります。

2. 材料を固定する
材料が滑ったり、機械から飛んだりしないように、研磨の前に材料がしっかりと固定されているかを確認します。

3. マシンを稼働させる
ディスクサンダーを始動し、全速力になるまで待ってから、材料をサンディングディスクに接触させます。

4. 適切な研磨材を使用する
作業内容に応じて適切な研磨材を選びます。粗い砥粒は早く削れますが、深い傷が残ります。一方で、細かい砥粒はゆっくり削れますが、滑らかな仕上がりになるのが特徴です。

5. 適切な圧力をかける
ディスクの回転が遅くなり、サンディングの効率が悪くなることがあるので、サンドペーパーによって効率よく研磨されるように、材料を強く押しつけないようにします。

6. 材料を均等に動かす
サンディングディスクの上を滑らかに、均等に動かし、軽い力で水平を保つようにします。

7. 過熱を避ける
材料やサンディングディスクを加熱しすぎると、火傷の原因となり、機械とワークピースの両方にダメージを与える可能性があります。機械が熱く感じ始めたり、煙や焦げ臭いにおいがしたら、一旦作業を止め、熱を冷まします。

8. 終了したら、機械の電源を切る
ディスクサンダーの電源を切り、サンディングディスクが完全に停止するのを待ってから、材料を取り外したり、サンドペーパーを交換します。

コーナーサンダー

コーナーサンダーとは

コーナーサンダーとは、狭いコーナーや手の届きにくい場所の研磨に使用する電動工具です。

高速回転する三角形のサンダーパッドが特徴で、壁や天井、床など、従来のサンダーでは難しかった面を効率よく研磨できます。コーナーサンダーは、通常さまざまなサンドペーパーが付属しており、必要に応じて簡単に交換することが可能です。

電気やバッテリーなどさまざまな電源に対応しているうえ、軽量で取り回しが良いので、DIYやプロ向けの研磨作業に最適です。

コーナーサンダーの使用用途

コーナーサンダーは、さまざまな用途に使用できる汎用性の高い工具であり、一般的なDIYから専門的な現場まで幅広く使われます。

コーナーサンダーの主な用途は、従来のサンダーでは容易に研磨できない狭いコーナーや手の届きにくい部分を研磨することです。コーナーサンダーの一般的な用途には、以下のようなものがあります。

1. 壁や天井の研磨

コーナーサンダーは、壁や天井、特に狭いコーナーや手の届きにくい場所の研磨に最適です。

2. 床の研磨

通常のフロアサンダーでは、届かないコーナーや幅木に沿った床の研磨に使用します。

3. 家具や棚の研磨

通常のサンダーでは、届かない狭いコーナーやエッジの家具や棚の研磨に使用します。

4. ドライウォールの研磨

乾式壁の継ぎ目、エッジ、コーナーなどをサンドして、滑らかに仕上げることができます。

5. 自動車部品の研磨

自動車部品のコーナーやエッジなど、手の届きにくい部分の研磨に使用します。

コーナーサンダーの原理

コーナーサンダーは、三角形のサンディングパッドを高速で振動させることで、狭いコーナーや手の届かないところを効率よく研磨できます。サンディングパッドは通常、サンドペーパーや研磨材でできており、サンダーの土台に取り付けられています。

サンダーを起動すると、サンディングパッドが振動し、研磨材が表面の層を削り取ります。サンダーを表面上で前後に動かし、一定の圧力を加えることで、滑らかで均一な仕上がりにすることが可能です。

また、コーナーサンダーは一般的に集塵システムを搭載しており、研磨中に発生する粉塵や破片を回収することで、作業エリアを清潔に保ち、呼吸器系の問題のリスクを軽減します。

コーナーサンダーの種類

コーナーサンダーにはいくつかの種類があります。代表的な種類は、以下のとおりです。

1. 電動のコーナーサンダー

最も一般的なタイプのコーナーサンダーで、電気で駆動し、通常はコードが付属しています。非常に効果的で、さまざまな速度設定が可能なため、より高い制御性と精度が可能です。

2. コードレスコーナーサンダー

バッテリー駆動のコーナーサンダーで、移動が多い場合やコンセントがない場所での作業に適しています。軽量で機動性に優れていますが、バッテリーの寿命により使用時間が制限される場合があります。

3. ハンディタイプのコーナーサンダー

マイクロコーナーサンダーと呼ばれる狭い場所での使用や、小さな作業用に設計されたコンパクトな片手で操作するコーナーサンダーです。片手で操作するため、電動サンダーやコードレスサンダーに比べると力が必要です。

4. エアー式コーナーサンダー

圧縮空気を動力源とするもので、工業用としてよく使用されます。強力なパワーがあり、高負荷な作業にも対応できますが、操作にはエアコンプレッサーが必要です。

コーナーサンダーの選び方

コーナーサンダーを選ぶ際には、目的と作業スペースを考慮し、効率的かつ効果的に研磨の目標を達成できるようなコーナーサンダーを選ぶことが大切です。

1. 動力源

コーナーサンダーは、電気、バッテリー、またはエアコンプレッサーで駆動することができます。作業スペースや電源の有無などを考慮し、コーナーサンダーを選びます。

2. スピード

コントロールと精度を高めるために、速度設定が調整可能なものが便利です。

3. 集塵機

作業スペースを清潔に保ち、呼吸器系疾患のリスクを軽減するために、集塵システム付きののコーナーサンダーが望ましいです。

4. サイズと重量

作業する場所や材料に合わせたサイズと、作業時間を考慮した重量のコーナーサンダーを選びます。

5. 付属品

コーナーサンダーを選ぶ際には、さまざまなサンドペーパーの粒度や、キャリングケースなどの付属品の有無も確認します。

ランダムサンダー

ランダムサンダーとは

ランダムサンダーとは、サンドペーパーの付いたパッドを楕円運動で振動させて、広い範囲の研削と研磨を行うことができる電動工具です。

木材の削り、仕上げや、金属のさび落としで、ランダムサンダーは使われます。

ランダムサンダーの使用用途

ランダムサンダーは、木材や金属、プラスチックなどの表面を研磨する際に使用されます。DIYや家具製作、自動車や船舶の塗装前の下地処理など、幅広い用途で活躍します。

また、古い塗装やサビを除去する際にも有用です。ランダムサンダーによって、手作業では難しい均一で美しい仕上がりになります。

ランダムサンダーの原理

回転と偏心の両方を組み合わせた楕円運動を行うことで、ランダムサンダーは強力な研削が可能です。また、取り付けるサンドペーパーの目の粗さによって、さび落とし、塗装剥がし、傷消し、表面仕上げ、鏡面加工など幅広い表面処理に対応できます。

ランダムサンダーは強力な研削、研磨ができることが特徴ですが、回転運動はそこまで高速ではないため、研磨痕はつきにくいです。使用開始前に、ランダムサンダーのベースプレートには、サンドペーパーを取り付けます。

ベースプレート部の粉塵吸引用の穴とサンドペーパーの穴があうように、取り付ける必要があります。これによって、粉塵が排出されやすくなり、目詰まりが起こりにくくなります。

ランダムサンダーは、サンドペーパーと材料が接触していない状態で起動します。サンドペーパーは、材料と点ではなく、面で接触するように押し当てます。使用時は粉塵が発生するため、防塵マスクを装着してください。

ランダムサンダーの構造

ランダムサンダーの一般的な構造は、以下のとおりです。

1. モーター

ランダムサンダーには、回転運動を生み出すモーターが含まれています。モーターは、研磨盤または研磨シートを動かし、表面を研磨するために必要な回転力を生み出します。

2. ベースプレート

ランダムサンダーには、研磨盤または研磨シートを保持するベースプレートが含まれています。ベースプレートは、研磨盤または研磨シートを固定し、正確な研磨作業を行うための安定性を提供します。

3. 研磨シート

サンドペーパーなどの対象物と接触し、研磨する部分です。一般的に交換前提での使用になります。研磨作業中に発生する粉塵を吸引するため、穴が開いた専用のものも販売されています。

4. ダストバッグ

ランダムサンダーには、研磨作業中に発生する粉塵を収集するためのダストバッグが含まれています。これは、清潔な研磨作業を行うために非常に重要です。

5. バッテリー

充電式と電気コード式のランダムサンダーがあり、充電式のものは、モーターに電力を供給するためのバッテリーを備えています。

ランダムサンダーの選び方

ランダムサンダーの選定で重要なポイントとしては、以下のような点が挙げられます。

1. 回転数

ランダムサンダーの回転数は、研磨作業の効率に直接影響します。回転数が大きなものを選ぶことで、より短時間で作業を完了できるようになります。大きなプロジェクトで使用する場合は、回転数が高い、より高いパワーと速度を持つものを選ぶ必要があります。

また、回転数の調整機能は、作業効率を上げるだけでなく騒音対策で作業環境がよくなるので、あったほうが良い機能です。

2. 研磨面のサイズ

ランダムサンダーの研磨面のサイズは、作業の速さに直接影響します。大きな研磨面を持つものを選べば、作業効率を上げられますが、反面細かい部分の研磨は作業しにくくなります。平らな板を削る場合は、回転数が高く、研磨面のサイズが大きいランダムサンダーを選ぶのが良いです。

また、家具のような曲率がある対象物を研磨する場合は、小さいものが向いています。使用するサンドペーパーのサイズが対応しているかも重要なポイントです。サンドペーパーの径は、115~150mmのものがあり、一般的に125mmが最も普及しています。広範囲の平面を削る場合は、150mmの径が大きいものを使うと作業効率が上がります。

3. 集塵パック

ランダムサンダーには、集塵パックが付いているものもあります。集塵パックがあると、作業中に発生する粉塵を減らせるため、作業場所をより清潔に保つことができます。

現在販売されているほとんどのランダムサンダーは、集塵パックが付いていて粉塵を吸引する機能を持っています。

4. 動力源

バッテリーを備えた充電式かコード式かは製品選択の大きなポイントです。充電式は取り回しがコード式に比べて、各段に良いメリットがありますが、その反面、同型のコード式と比べて、本体が重くなる、パワー不足気味、使用時間が限られる、価格が高いなどのデメリットもあります。

オービタルサンダー

オービタルサンダーとは

オービタルサンダーとは、四角いパッドを小刻みに振動させて研磨する電動工具です。

平面を研磨し滑らかに仕上げられるため、仕上げサンダーとも呼ばれます。パッドの面積が広く、大きなものを研磨するのに適しています。

市販の紙ヤスリを使用することが可能です。強い力は必要なく、癖のある動きもないので、DIY初心者でも扱いやすいと言えます。手で研磨するよりも綺麗に早く仕上げられるのが大きな魅力です。

オービタルサンダーの使用用途

オービタルサンダーは、一般的なDIYから専門的な現場まで幅広く使用される工具です。通常の紙ヤスリを使って、手作業で研磨することもできますが、作業範囲が広い場合などはオービタルサンダーが適しています。作業効率が向上するだけでなく、均一な仕上がりも期待できます。

そのため、主に木材や金属の平面の研磨、仕上げ研磨、木工家具のパテの研ぎ作業向けです。木材は切り出したばかりでは、表面が粗く、傷や汚れがある場合があります。それをオービタルサンダーで研磨し、表面を滑らかに仕上げることによって、その後の塗装や仕上げ材のノリがよくなります。

カンナは木材の表面を薄く切り取ることによって、表面を滑らかに仕上げますが、オービタルサンダーは、木材の表面をヤスリで細かく擦ることによって滑らかにします。仕上がり表面は液体が染み込むので、塗装や仕上げ材を塗る必要があります。

オービタルサンダーの原理

オービタルサンダーは基本的に、底面に紙ヤスリ (サンドペーパー) や布ヤスリを取り付け、そのヤスリを「回転」「往復」または「振動」させて材料を研磨します。動力源は電動なので、手作業に比べ、作業労力の大幅な軽減が可能です。

モーターの回転軸にプーリーが固定されています。プーリーとはいわゆる滑車のことで、動力源であるモーターからベルトを利用して動力を伝える部品です。プーリーはモーターの回転軸から中心を外した (偏心) 位置にあるので、小刻みに振動 (偏心運動) しながら回転します。

オービタルサンダーは、1分間に1万回近くの偏心運動を行うことができます。それにより、サンドペーパーは、安定して平面に密着し、きれいな研磨が可能です。

オービタルサンダーの選び方

オービタルサンダーを選ぶポイントには、研磨の精度や、対象の面積の広さなども考慮する必要があります。

1. 電源

電源コードで電源に接続するタイプと、バッテリータイプがあります。長時間使用するなら電源コードタイプ、取り回しを重視するならバッテリータイプが向いています。

2. 集塵機能

オービタルサンダーは、木や金属の細かな粉塵がたくさん出ます。ゴーグルやマスクをして使用することで、粉塵を吸い込んだり、目に入ったりすることを防ぎます。最近では、集塵機能付きモデルも多いです。

3. サンドペーパーの取り付け方法

サンドペーパには、「クランプ式」と「マジックテープ式」があります。クランプ式は、サンドペーパーを本体のクランプレバーで留めます。マジックテープ式は、パッドにマジックテープがついており、サンドペーパーを貼るだけで交換が可能です。

両方を装着できる兼用タイプもあります。市販の紙ヤスリには集塵用の穴が空いていないので、付属または別売りのパンチプレートで穴を開ける必要があります。

4. スピード調節機能 (静音機能) 付き

モーターの駆動音と振動音は、モーターの回転数によるので、スピード調節機能があれば、騒音の調節ができます。騒音に気を使う環境で使用する場合はスピード調節機能 (静音機能) がついているモデルがおすすめです。

オービタルサンダーのその他情報

オービタルサンダーの使い方

オービタルサンダーのパッド部には、サンドペーパーを取り付けます。サンドペーパーには、サンダーに対応している専用品があります。市販の紙やすりを使用する場合は、ベースプレートの大きさにあわせてカットし、たるまないように張るのがポイントです。

ヤスリの粗さを変えることで、粗削りから仕上げの研磨までをオービタルサンダー1台で行えます。なお、オービタルサンダーを使用する際は、強く振動します。事故を防ぐために、スイッチを入れる時は、必ず両手で保持した状態で行う必要があります。

ベルトサンダー

ベルトサンダーとは

ベルトサンダーとは、ベルト状のサンディングベルトを2つのローラー間で高速回転させ、対象物を研磨する電動工具です。

木材や金属などの表面の錆落とし、塗装剥がし、粗削りなどの強い研磨力が必要とされる作業に向いています。底面には平らな金属のベースがあり、その表面をベルトが動きます。対象物にベルトを押し当てることで、対象物は研磨されます。

ベルトサンダーの使用用途

ベルトサンダーは、DIYなどでさまざまな素材の加工に使用されます。具体的には、木材の面取りや研磨、表面の平滑化、角の削り出し、金属のバリ取り、表面の研磨などです。

研磨力が強いので、仕上げの研磨には適していません。表面状態の悪い素材をベルトサンダーで、粗く研磨した後、仕上げ研磨をランダムサンダーやオービタルサンダーを使用するなどの使い分けが、最終製品の仕上がりを良くするポイントです。

また、DIY以外でも、大工や金属加工業者、自動車整備工場などでも使用されています。

ベルトサンダーの原理

ベルトサンダーの原理は、高速回転するサンディングベルトを対象物表面に当てて、対象物表面を削り取ることによって研磨するものです。ベルトの目の粗さに合わせて、削り取る量や表面の粗さを調整できます。

ベルトサンダーの種類

ベルトサンダーは、次の4種類のタイプから選ぶことができます。本体を持つことで使用するタイプには、アップハンドル型、角型、ベルトが細い細型があり、稼働するベルトを固定した対象物に押し当てることで研磨します。

また、ベルトサンダー本体を固定して、回転するベルトに対象物を当てることで研磨する据え置き型があります。

1. アップハンドル型

本体を手で持って行う作業に特化しています。家具の天板の仕上げや広い床面の研磨を行う場合にアップハンドル型で効率よく研磨できます。

2. 角型

本体を手で持って使い、グリップが本体の前後に付いているのが特徴です。それにより、角型は、サンディングベルトを上面にし、据え置き型のような使い方もできます。小さな材料の研磨や仕上げを効率よく行えます。

3. 細型

ベルトの幅が細いのが特徴です。細型は、狭く、複雑な形状の対象物を研磨するのに向いています。

4. 据え置き型

他のタイプと比べて、本体が大きいので研磨可能な範囲が広いのが特徴です。手作業で回転するベルトに対象物を当てることで、角落としのような細かな成形加工が効率よく行えます。

ベルトサンダーの選び方

ベルトサンダーの選ぶポイントには以下のような点があります。

1. 消費電力

研磨する対象物によって、適切なモーターのパワー が異なります。消費電力 (W) が大きなベルトサンダーは、パワーが大きいモーターです。大きな面積を研磨する場合や、硬い素材を研磨する場合は、消費電力の大きいベルトサンダーを選択する必要があります。

2. ベルト幅と長さ

ベルト幅と長さは、研磨する素材のサイズによって選択します。小さな素材の場合は、幅が狭くてもよいですが、大きな素材を研磨する場合は、幅が広く長さが長いものを選択したほうが作業効率が良くなります。

ベルト幅は、76mmまたは100mmのものが主流です。細型の機種はベルト幅が30mm以下になります。

3. その他

サンダーの回転数調整機能や、粉塵吸引機能、防塵性能など、ベルトサンダーによってはさまざまな機能を持っている場合があります。

自分の作業に合った機能を選択するのが良いです。木工用の場合は、集塵機能があると使用後の掃除の手間が減るため、作業効率が向上します。

ベルトサンダーのその他情報

ベルトサンダーの使い方

以下、アップハンドル型などの、ベルトサンダー本体を持って研磨するタイプの使い方について説明します。

ベルトは、対象物と離した状態で電源を入れ、安定するまで回転させます。ベルトと対象物をゆっくりと接触させると、ベルトは対象物を研磨します。本体自体の重みで、十分削れるため、押し当てる力は必要ありません。ベルトの回転によって、本体には前進する力が加わるため、本体を持つ手には逆方向に軽く力をかけます。

ベルトサンダーは、研磨するスピードを調節可能です。粗削りや塗装の剥離などは高速で、表面の仕上がりを気にする場合は、低速で研磨を行います。サンディングベルトは、研磨後の表面粗さ、本体 (研磨対象) の大きさを考慮して選定します。

ベルトの番手が大きくなれば、表面の目は細かくなります。一般的な加工に使用するベルトの番手は、以下の通りです。

  • #60: 木材の荒削り、塗装の剥離
  • #80~: 非金属の研磨
  • #150~: 木材の仕上げ

セーバーソー

セーバーソーとはセーバーソー

セーバーソー(レシプロソー)は、片手で持つことができる大きさで、主に配管、木材、薄い鋼板を切断するための電動工具です。ノコギリと同じような切断が、効率的に行うことができます。

セーバーソーは、替刃(ブレード)を本体に取り付けて使います。ブレードは、往復運動によって、対象物を切断します。専用の刃に交換すれば、ステンレス、ALCなど、様々なものの切断が可能です。

セーバーソーの切断面は、粗いので、精密なカットには向きません。

セーバーソーの使い方

セーバーソー(レシプロソー)のブレードは、切断する対象物にあわせて交換します。ブレードは、本体先端のスリーブを緩め、ブレードを奥まで差し込み、取り付けます。

セーバーソーは、本体先端にあるシューという部位を対象物に押し当てて使います。ブレードは、対象物に軽く接触させ低速で動かします。ブレードの位置が決まったら高速にしていきます。

セーバーソーの使用時は、以下について注意が必要です。

  • ブレードの取り付け、取り外し時は、必ずスイッチ、電源を切る必要があります。
  • シューを対象物から離すことは、反動によってブレードが破損する原因となります。

セーバーソーの選び方

セーバーソー(レシプロソー)の選び方のポイントは、切断能力と使用環境について検討することです。

セーバーソーの切断能力は、切断できる最大の寸法で表されます。また寸法は、パイプ、木材、軟鋼板といった材質・材料ごとに表されています。既存のセーバーソーは、パイプの切断能力が25~350mmまで対応したものがあります。予定している対象物の大きさに合わせて、選ぶのが良いでしょう。

使用環境は、セーバーソーの電源を検討する際に重要なポイントです。セーバーソーには、「充電式」と「AC電源式」があります。

充電式は、使用場所が制限されず、コードの取り回しが作業の邪魔になりません。

AC電源式は、使用場所が制限されますが、電源を心配せず作業できます。切断能力が175mmより大きい場合は、充電式がないためAC電源式を選ぶことになります。

ブレードは、対象物にあったものを使用します。それにより、切断の効率が向上し、刃が破損しにくくなります。