ペンチ

ペンチとはペンチ

ペンチとは、線材を掴んで曲げたり、切断したりする工具のことです。

薄い鉄板なども掴んで曲げることができます。「てこの原理」を利用しているため、小さな力で材料を強く掴むことが可能です。

ペンチには、複数の種類があります。それぞれに主とする使用目的が違うため、その作業に一番適したペンチを選択することが大切です。作業の効率が上がり、正確かつ安全に作業できます。

ペンチの使用用途

ペンチは、一般的なDIYから専門的な現場まで幅広く使われる工具です。主に針金などの線材を掴んで、「曲げる・ねじる・引っ張る・切断する」作業で使用します。素手やハサミなどで行うよりも、強力かつ安全に作業を行うことが可能です。

似た工具として、ニッパーやプライヤなどが挙げられます。しかし、それぞれ用途に違いがあるので、作業目的に合ったものを選ぶことが大切です。

ペンチの原理

柄部を握ることで、先端同士が噛み合う構造になっています。「てこの原理」が用いられており、柄部と先端が交差して合わさっているところが「支点」、柄部が「力点」、先端が「作用点」になっています。

支点から作用点の距離より、支点から力点までの距離の方が長いことで、小さな力で大きな力を生み出せます。先端の掴む部分は「くわえ部」と呼ばれる金属からできており、ギザギザが付いているため、掴んだものをしっかりと保持することが可能です。

くわえ部の根元には刃がついているため、電線や針金などであれば切断することができます。

ペンチの種類

1. 標準ペンチ

一般的な家庭にも1本は置いてあるような標準タイプのペンチです。先端の「くわえ部」が平たくなっており、ギザギザになっています。

また、くわえ部の一部に丸く窪んだ部分があり、ナットなどの丸い材料を掴むこともできます。くわえ部の根元に刃部があり、針金程度の線材を切断することができます。

2. ラジオペンチ

ラジオの組み立てに使用されていたために、ラジオペンチと呼ばれています。先端の「くわえ部」が先細りになっています。

電子機器の修理や組み立てなど、細かい作業に使用されるものです。くわえ部の後ろの刃部は、細めの針金やケーブルを切断することができます。先端が曲がっているタイプもあります。

3. 圧着ペンチ

圧着ペンチは、電線の端子を圧着することに特化したペンチです。端子を軽く挟んで固定した状態で、端子の間に電線を通したらペンチを握って端子を圧着します。

圧着に特化したペンチなので、他のものを掴んだり切断したりといった作業には適しません。

4. 丸ペンチ

ラジオペンチに似た形をしていますが、先端のくわえ部にギザギザがついておらず、刃部がありません。ギザギザがないので、材料を傷つけることなく作業ができます。趣味やクラフトなどにも使用されます。

ペンチのその他情報

1. ペンチ・ニッパー・プライヤー

プライヤーとは英語で「掴む・挟む・切る」を目的とした工具のことを指します。英語ではペンチやニッパーも全てプライヤーの一種です。しかし、日本では一般的にペンチ、ニッパー、プライヤーは用途別に分類されて呼ばれています。

ニッパーは、主に切断するために使用される工具、プライヤーは主に開口部がスライド構造になっており、広く広げられるものです。太いものや厚いものを「掴む」ための工具を指します。

2. ペンチの使い方

ペンチは、柄の部分を握って使います。片方の柄に親指をかけて、もう片方で人差し指と中指をかけて握りこみます。ペンチを開く場合は、小指や薬指を使うとスムーズに開けます。柄の部分は閉じた状態でもぴったりと閉まらず、空間が空いているので、指を挟む心配はありません。

てこの原理を利用しているため、素手で掴むよりも数倍強い力で対象を掴むことが可能です。握る部分が柄の先端にいくほど、掴む力は強くなります。薄い鉄板であれば、曲げることも可能です。厚い鉄板を保持したい場合は、ペンチだと柄を握りきれずしっかりと掴めないため、先端部分が大きく開くプライヤーを使用します。

電線やハリガネを切断するときは、くわえ部の根元についている刃を使います。切断専用の工具ではないので、あまり太いものは切断できません。切断時に破片が飛んでくる可能性があるので、保護メガネの着用を推奨します。

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