ベルトサンダーとは
ベルトサンダーとは、ベルト状のサンディングベルトを2つのローラー間で高速回転させ、対象物を研磨する電動工具です。
木材や金属などの表面の錆落とし、塗装剥がし、粗削りなどの強い研磨力が必要とされる作業に向いています。底面には平らな金属のベースがあり、その表面をベルトが動きます。対象物にベルトを押し当てることで、対象物は研磨されます。
ベルトサンダーの使用用途
ベルトサンダーは、DIYなどでさまざまな素材の加工に使用されます。具体的には、木材の面取りや研磨、表面の平滑化、角の削り出し、金属のバリ取り、表面の研磨などです。
研磨力が強いので、仕上げの研磨には適していません。表面状態の悪い素材をベルトサンダーで、粗く研磨した後、仕上げ研磨をランダムサンダーやオービタルサンダーを使用するなどの使い分けが、最終製品の仕上がりを良くするポイントです。
また、DIY以外でも、大工や金属加工業者、自動車整備工場などでも使用されています。
ベルトサンダーの原理
ベルトサンダーの原理は、高速回転するサンディングベルトを対象物表面に当てて、対象物表面を削り取ることによって研磨するものです。ベルトの目の粗さに合わせて、削り取る量や表面の粗さを調整できます。
ベルトサンダーの種類
ベルトサンダーは、次の4種類のタイプから選ぶことができます。本体を持つことで使用するタイプには、アップハンドル型、角型、ベルトが細い細型があり、稼働するベルトを固定した対象物に押し当てることで研磨します。
また、ベルトサンダー本体を固定して、回転するベルトに対象物を当てることで研磨する据え置き型があります。
1. アップハンドル型
本体を手で持って行う作業に特化しています。家具の天板の仕上げや広い床面の研磨を行う場合にアップハンドル型で効率よく研磨できます。
2. 角型
本体を手で持って使い、グリップが本体の前後に付いているのが特徴です。それにより、角型は、サンディングベルトを上面にし、据え置き型のような使い方もできます。小さな材料の研磨や仕上げを効率よく行えます。
3. 細型
ベルトの幅が細いのが特徴です。細型は、狭く、複雑な形状の対象物を研磨するのに向いています。
4. 据え置き型
他のタイプと比べて、本体が大きいので研磨可能な範囲が広いのが特徴です。手作業で回転するベルトに対象物を当てることで、角落としのような細かな成形加工が効率よく行えます。
ベルトサンダーの選び方
ベルトサンダーの選ぶポイントには以下のような点があります。
1. 消費電力
研磨する対象物によって、適切なモーターのパワー が異なります。消費電力 (W) が大きなベルトサンダーは、パワーが大きいモーターです。大きな面積を研磨する場合や、硬い素材を研磨する場合は、消費電力の大きいベルトサンダーを選択する必要があります。
2. ベルト幅と長さ
ベルト幅と長さは、研磨する素材のサイズによって選択します。小さな素材の場合は、幅が狭くてもよいですが、大きな素材を研磨する場合は、幅が広く長さが長いものを選択したほうが作業効率が良くなります。
ベルト幅は、76mmまたは100mmのものが主流です。細型の機種はベルト幅が30mm以下になります。
3. その他
サンダーの回転数調整機能や、粉塵吸引機能、防塵性能など、ベルトサンダーによってはさまざまな機能を持っている場合があります。
自分の作業に合った機能を選択するのが良いです。木工用の場合は、集塵機能があると使用後の掃除の手間が減るため、作業効率が向上します。
ベルトサンダーのその他情報
ベルトサンダーの使い方
以下、アップハンドル型などの、ベルトサンダー本体を持って研磨するタイプの使い方について説明します。
ベルトは、対象物と離した状態で電源を入れ、安定するまで回転させます。ベルトと対象物をゆっくりと接触させると、ベルトは対象物を研磨します。本体自体の重みで、十分削れるため、押し当てる力は必要ありません。ベルトの回転によって、本体には前進する力が加わるため、本体を持つ手には逆方向に軽く力をかけます。
ベルトサンダーは、研磨するスピードを調節可能です。粗削りや塗装の剥離などは高速で、表面の仕上がりを気にする場合は、低速で研磨を行います。サンディングベルトは、研磨後の表面粗さ、本体 (研磨対象) の大きさを考慮して選定します。
ベルトの番手が大きくなれば、表面の目は細かくなります。一般的な加工に使用するベルトの番手は、以下の通りです。
- #60: 木材の荒削り、塗装の剥離
- #80~: 非金属の研磨
- #150~: 木材の仕上げ