オービタルサンダーとは
オービタルサンダーとは、四角いパッドを小刻みに振動させて研磨する電動工具です。
平面を研磨し滑らかに仕上げられるため、仕上げサンダーとも呼ばれます。パッドの面積が広く、大きなものを研磨するのに適しています。
市販の紙ヤスリを使用することが可能です。強い力は必要なく、癖のある動きもないので、DIY初心者でも扱いやすいと言えます。手で研磨するよりも綺麗に早く仕上げられるのが大きな魅力です。
オービタルサンダーの使用用途
オービタルサンダーは、一般的なDIYから専門的な現場まで幅広く使用される工具です。通常の紙ヤスリを使って、手作業で研磨することもできますが、作業範囲が広い場合などはオービタルサンダーが適しています。作業効率が向上するだけでなく、均一な仕上がりも期待できます。
そのため、主に木材や金属の平面の研磨、仕上げ研磨、木工家具のパテの研ぎ作業向けです。木材は切り出したばかりでは、表面が粗く、傷や汚れがある場合があります。それをオービタルサンダーで研磨し、表面を滑らかに仕上げることによって、その後の塗装や仕上げ材のノリがよくなります。
カンナは木材の表面を薄く切り取ることによって、表面を滑らかに仕上げますが、オービタルサンダーは、木材の表面をヤスリで細かく擦ることによって滑らかにします。仕上がり表面は液体が染み込むので、塗装や仕上げ材を塗る必要があります。
オービタルサンダーの原理
オービタルサンダーは基本的に、底面に紙ヤスリ (サンドペーパー) や布ヤスリを取り付け、そのヤスリを「回転」「往復」または「振動」させて材料を研磨します。動力源は電動なので、手作業に比べ、作業労力の大幅な軽減が可能です。
モーターの回転軸にプーリーが固定されています。プーリーとはいわゆる滑車のことで、動力源であるモーターからベルトを利用して動力を伝える部品です。プーリーはモーターの回転軸から中心を外した (偏心) 位置にあるので、小刻みに振動 (偏心運動) しながら回転します。
オービタルサンダーは、1分間に1万回近くの偏心運動を行うことができます。それにより、サンドペーパーは、安定して平面に密着し、きれいな研磨が可能です。
オービタルサンダーの選び方
オービタルサンダーを選ぶポイントには、研磨の精度や、対象の面積の広さなども考慮する必要があります。
1. 電源
電源コードで電源に接続するタイプと、バッテリータイプがあります。長時間使用するなら電源コードタイプ、取り回しを重視するならバッテリータイプが向いています。
2. 集塵機能
オービタルサンダーは、木や金属の細かな粉塵がたくさん出ます。ゴーグルやマスクをして使用することで、粉塵を吸い込んだり、目に入ったりすることを防ぎます。最近では、集塵機能付きモデルも多いです。
3. サンドペーパーの取り付け方法
サンドペーパには、「クランプ式」と「マジックテープ式」があります。クランプ式は、サンドペーパーを本体のクランプレバーで留めます。マジックテープ式は、パッドにマジックテープがついており、サンドペーパーを貼るだけで交換が可能です。
両方を装着できる兼用タイプもあります。市販の紙ヤスリには集塵用の穴が空いていないので、付属または別売りのパンチプレートで穴を開ける必要があります。
4. スピード調節機能 (静音機能) 付き
モーターの駆動音と振動音は、モーターの回転数によるので、スピード調節機能があれば、騒音の調節ができます。騒音に気を使う環境で使用する場合はスピード調節機能 (静音機能) がついているモデルがおすすめです。
オービタルサンダーのその他情報
オービタルサンダーの使い方
オービタルサンダーのパッド部には、サンドペーパーを取り付けます。サンドペーパーには、サンダーに対応している専用品があります。市販の紙やすりを使用する場合は、ベースプレートの大きさにあわせてカットし、たるまないように張るのがポイントです。
ヤスリの粗さを変えることで、粗削りから仕上げの研磨までをオービタルサンダー1台で行えます。なお、オービタルサンダーを使用する際は、強く振動します。事故を防ぐために、スイッチを入れる時は、必ず両手で保持した状態で行う必要があります。