塩化金酸

塩化金酸とは

塩化金酸とは、3価の金を含む黄金色ないし赤黄色の針状結晶です。

塩化金酸は、テトラクロロ金酸 (英: tetrachloroauric(III) acid) や金塩化水素酸 (英: hydrogen aurichloride) とも呼ばれます。通常は、四水和物 (HAuCl4・4H2O) として存在します。

塩化金酸は、腐食性があるなど毒性が強い物質です。劇物にも指定されているため、取り扱いには注意が必要です。

塩化金酸の使用用途

塩化金酸は、金属としての利用の他に、陶磁器の着色、ルビーガラスの製造、金メッキ、インキ、ガラス着色など、装飾用途でも広く利用されています。そのほか、写真感光材や医療品、アルカロイド用試薬、触媒、金粉、金ナノ粒子等の製造なども使用用途の1つです。

金メッキや金ナノ粒子など、塩化金酸を使用した生成物は、導電性や安定性が高いことが特徴です。そのため、電子材料の電極等といった用途に使用されることもあります。

塩化金酸の性質

塩化金酸は、水に極めてよく溶けます。アルコールやエーテルにも可溶です。塩化金酸は水に溶けると、テトラクロリド金 (III) 酸イオンである[AuCl4]を生じます。水溶液中では加水分解して[AuCl3OH]を生じるため、酸性を示します。

塩化金酸には潮解性があり、加熱によって分解して塩化金 (III) と塩化水素が生じます。保管や取り扱いの際には湿度にも注意が必要です。

塩化金酸の水溶液は橙黄色です。塩化金酸の水溶液に光を当てると、分解して紫色の金コロイドが析出します。

塩化金酸の構造

塩化金酸は3価の金のクロリド錯体であり、化学式はHAuCl4です。溶液中のテトラクロリド金 (III) 酸イオンである[AuCl4]は、四配位の平面四角形を取っています。

塩化金酸の四水和物は、オキソニウムイオンを含んだ淡黄色の針状結晶です。化学式ではH3O+AuCl4・3H2Oと表されます。

塩化金酸の無水物のモル質量は339.785g/mol、四水和物のモル質量は411.85g/molであり、四水和物の密度は3.9g/cm3です。

塩化金酸のその他情報

1. 塩化金酸の合成法・反応

塩化金酸は、金を王水に溶かすか、金を塩酸中で塩素と反応させることで生成します。この水溶液を蒸発析出させると、四水和物が得られます。

塩化金酸を加熱すると、塩素 (Cl2) 、塩化水素 (HCl) 、金 (Au)に分解します。具体的には、熱するとAuCl3やAuClを経由して分解し、強熱すると塩素が発生してAuが残ります。

2. 塩化金酸塩の特徴

塩化金酸塩の具体例として、塩化金酸ナトリウムや塩化金酸カリウムなどが挙げられます。それ以外にも、アルカリ土類金属の塩、アンモニウム塩 (NH4) 、コバルト塩 (Co) 、ニッケル塩 (Ni) なども知られています。

3. 塩化金酸ナトリウムの特徴

塩化金酸とナトリウムの塩の化学式は、Na[AuCl4]です。塩化金酸ナトリウムは、金塩とも呼ばれています。通常の塩化金酸ナトリウムは二水和物です。金を王水に溶かして生じたHAuCl4溶液に、塩化ナトリウム (NaCl) を加えると生成します。

塩化金酸ナトリウムの二水和物は、黄色の斜方晶系結晶であり、平面正方形型の[AuCl4]を含んでいます。金-塩素結合 (Au–Cl) の距離は、およそ2.28Åです。塩化金酸ナトリウムは水に可溶です。

加熱するとCl2を失って、Na[AuCl2]が生じます。塩化金酸ナトリウムは、写真、陶器、ガラスなどの着色や電解金めっき液だけでなく、他の金化合物の製造原料として利用されます。塩化金酸カリウムも、塩化金酸ナトリウムに似た性質を有する塩です。

4. 塩化金酸の危険性

塩化金酸を吸入した際には、鼻、喉、気管支などの粘膜を刺激します。皮膚に触れた塩化金酸を放置すると、赤色の斑点が皮膚に残るほか、塩化金酸が眼に入ると、粘膜を激しく刺激します。

それに加えて無機金塩類は、強い酸化作用や腐食性があるため、比較的危険性が高いです。

参考文献
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/16903-35-8.html

プロピオン酸

プロピオン酸とは

プロピオン酸の構造

図1. プロピオン酸の構造

プロピオン酸は炭素数3の飽和脂肪酸であり、特異な臭気をもつ無色透明の液体です。

プロパン酸とも呼ばれ、水やエタノールアセトン等に非常に溶けやすい性質を持っています。プロピオン酸は、プロピオニトリルの加水分解、または1-プロパノールの酸化等により生成されます。

消防法による第4類危険物に分類されており、粘膜刺激、腐食性等の有毒性があるため、取り扱いには注意が必要です。プロピオン酸は、微生物の代謝産物として自然界にも存在しており、味噌や醤油、チーズ等の発酵食品に含まれています。

プロピオン酸の使用用途

プロピオン酸はカルボン酸の一種で、無色で油状の液体です。化学式はCH3CH2COOHで表されます。

プロピオン酸は、医薬品、除草剤、香料、樹脂など、さまざまな産業用途に使用されています。
また、カビや細菌の増殖を抑制する作用を持つため、保存料としても一般的に使用されています。

1. 有機合成分野での利用

プロピオン酸は、溶剤や溶解補助剤、エステル化剤等として非常に有用な化合物であり、様々な分野で利用されています。

例えば、ポリプロピレンやアクリル繊維など、さまざまなポリマーやプラスチックの製造に使用されます。
また、医薬品原料としては非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の製造に使用されることもあります。

2. 香料原材料としての利用

プロピオン酸エチルの構造

図2. プロピオン酸エチルの構造

プロピオン酸は独特の匂いを持つことから、果実香料の原料として用いられます。例えば、プロピオン酸の誘導体であるプロピオン酸エチルは、パイナップルのような独特の香りを有しており、食品香料として用いられています。

3. 抗菌活性と防カビ剤としての利用

天然物としてのプロピオン酸はチーズに多く含まれており、カビの生育を抑える効果が経験的に知られていました。このような背景から、本化合物は静菌効果を期待した食品添加物として利用されています。

現在ではプロピオン酸は化学合成によって得られており、チーズ、パン、洋菓子の添加物として使用されます。

また、プロピオン酸はpH調整剤や防腐剤として、シャンプーなどの添加剤や、家畜の飼料添加物としても幅広く使用されています。

プロピオン酸の性質

1. 名称
和名:プロピオン酸
英名:propionic acid
IUPAC名:propanoic acid

2. 分子式
C3H6O2

3. 分子量
74.08

4. 融点
-20.83℃

5. 溶媒溶解性
水、エタノール、クロロホルム、エーテルに易溶

プロピオン酸の構造

プロピオン酸は、分子式C3H6O2、分子量74.08 g/molの有機化合物で、直鎖状カルボン酸の一種です。

プロピオン酸は、常温常圧下で無色透明な液体であり、特有の酸っぱい臭いを持ちます。水には可溶ですが、油や有機溶媒には不溶です。

プロピオン酸は比較的安定な化合物であり、酸化、還元、熱分解などの反応性は比較的高くありません。しかし、プロピオン酸は強い酸化剤と反応すると引火性を示します。また、高濃度の蒸気は刺激性を示すため、取り扱いには注意が必要です。

プロピオン酸のその他情報 

プロピオン酸の製造方法

プロピオン酸が自然界に存在することは稀であり、多くは化学合成によって得られます。直接的な合成法と間接的な複製法があり、日本においては他の化合物を合成する際の副生成物として得る方法が一般的です。

そのうち、収量が多く一般的なのが、酢酸製造においてナフサを直接酸化する際に副生するプロピオン酸を回収する方法です。

直接的な合成方法としては、n -プロパノールやプロピオンアルデヒドの酸化、プロピオノニトリルの加水分解、あるいはエテンおよび一酸化炭素を原料とする方法がありますが、複雑な工程が必要であるため一般的ではありません。

また、一般にプロピオン酸菌と呼ばれる、Propionibacterium freudenreichiiなどの細菌を用いて炭水化物を発酵させる方法も知られています。

ジエチルエーテル

ジエチルエーテルとは

ジエチルエーテルとは、酸素によって2つのエチル基が結合した化合物です。

エチルエーテルまたは単にエーテルと呼ばれることもあります。IUPAC名では、エトキシエタンとも呼ばれます。

ジエチルエーテルは、特異的な臭気を持つ揮発性の軽い液体です。空気中で徐々に酸化されて、危険な過酸化物を生成します。引火点が極めて低く、消防法にて危険物第4類に分類されているなど、取り扱いには注意が必要です。

ジエチルエーテルの使用用途

ジエチルエーテルは、分析用試薬や有機合成原料、樹脂・ゴム・油脂・香料等に用いる有機溶媒、燃料などに利用されています。ジエチルエーテルは、有機溶媒の中でも沸点が低いため、有機合成で使用する際に、反応系中から容易に除去することが可能です。

他にも医薬用として、主に吸入麻酔剤に多く用いられています。また、ジエチルエーテルは、特定の金属塩化物を塩酸溶液から抽出分離する場合にも利用されています。

ジエチルエーテルの発火点は160℃と低いです。85〜96とセタン価は高く、ディーゼルエンジンの燃焼助剤としても使用できます。

ジエチルエーテルの性質

ジエチルエーテルの融点は−116.3°C、沸点は34.6°Cです。エタノールベンゼンクロロホルムなどに極めて溶けやすく、水にもやや溶けやすいです。

大気中の酸素や直射日光でジエチルエーテルは酸化されて、爆発性のある過酸化物のジエチルエーテルペルオキシド (英: Diethyl ether peroxides) が生成します。そのため、抗酸化剤として、ジブチルヒドロキシトルエン (BHT) が微量添加されている場合があります。

なお、ジエチルエーテルは、2個のエチル基がエーテル結合で繋がった分子構造の有機化合物です。示性式はCH3CH2OCH2CH3または(CH3CH2)2Oと表されます。ジエチルエーテルの分子量は74.12、密度は0.708g/cm3です。

ジエチルエーテルのその他情報

1. ジエチルエーテルの合成法

工業的にジエチルエーテルは、エテンからエタノールを合成する際に、副生物として得られます。アルミナを触媒として、エタノールの気相脱水でもジエチルエーテルを合成できます。

また、ジエチルエーテルは、酸を触媒としてエタノールの脱水縮合によって合成可能です。まずエタノールを硫酸などの強酸に混ぜると、酸が解離しヒドロニウムイオンが生成します。ヒドロニウムイオンはエタノールの持つ酸素原子をプロトン化して、エタノール分子が正電荷を持ちます。プロトン化されていないエタノール分子の持つ酸素原子が、プロトン化したエタノール分子の持つ水分子と置換し、ジエチルエーテルが生成可能です。

ただし、可逆反応なので、ジエチルエーテルの収率を高めるために、反応系からジエチルエーテルを留出させる必要があります。それに加えて温度が高い場合には、エタノールが脱水してエチレンになるため、通常150℃以下で反応を行います。

2. ジエチルエーテルの代謝

ジエチルエーテルの代謝に、酸化還元酵素の総称であるシトクロムP450 (英: Cytochrome P450) が関わっていると考えられています。シトクロムP450によってジエチルエーテルはO-脱エチル化し、エタノールとアセトアルデヒドを生じるとされています。

3. ジエチルエーテルの危険性

エタノールの代替品として、ジエチルエーテルが飲用されたことも過去にありました。しかし、エタノールの数倍程度の経口毒性があり、ヒトにおける最小致死量は260mg/kgです。

ジエチルエーテルの引火点は−45℃であり、非常に引火しやすいです。絶縁性が高いため、静電気が発生しやすく、火花放電によって引火する危険性があります。ジエチルエーテルは発火点が低いので、炎や火花がなくても、高温の器具などにより容易に着火することに注意が必要です。

シクロヘキサン

シクロヘキサンとは

シクロヘキサンの基本情報

図1. シクロヘキサンの基本情報

シクロヘキサンとは、ベンゼンの水素付加等によって生成されるシクロアルカンの一種です。

ヘキサメチレンやヘキサヒドロベンゼンとも呼ばれます。シクロヘキサンはガソリンに似た臭気がある無色の液体です。広く溶剤として利用されています。

シクロヘキサンの分子式はC6H12、分子量は84.16であり、沸点は80.74°C、密度は0.779g/mLです。シクロヘキサンには、いす形、舟形、半いす形、ねじれ舟形と呼ばれる立体異性体が存在し、いす形が最も安定です。

シクロヘキサンの使用用途

シクロヘキサンは、ナイロンの合成中間体であるカプロラクタムアジピン酸の原料として利用されており、ナイロンの製造に最も多く利用されています。シクロヘキサンの日本国内生産量はおよそ300トン、工業消費量はおよそ100トンです。

その他にも、塗料、エーテル、ワックス、ゴム用の溶剤、油脂抽出、ペイントおよびワニスの除去剤、溶剤型接着剤、エアゾール接着剤に使用され、多くの用途があります。溶剤としては、合成・洗浄等の用途の他に、液体クロマトグラフ分析用溶離液等、分析用途としても広く使用可能です。

シクロヘキサンの性質

シクロヘキサンは極性溶媒には溶けにくく、有機溶媒には溶けやすいです。シクロヘキサンは揮発性が強いため、極めて引火しやすいです。麻酔作用を有するため、取り扱いには注意しなければいけません。

例えば、長期間シクロヘキサンが皮膚などに触れ続けた場合には、皮膚炎のような病気を引き起こす可能性があります。吸引した際には、低濃度では頭痛を、高濃度では意識障害を招きます。とくに低濃度では、ほぼ臭いがないため注意が必要です。

シクロヘキサンの構造

シクロヘキサンの立体配座

図2. シクロヘキサンの立体配座

シクロヘキサンの立体配座の中で最も安定なのはいす形で、ねじれ舟形、舟形、半いす形の順です。

置換基を持つシクロヘキサン環の場合には、置換基のかさ高さによって立体障害が起こるため、他の配座の方が安定になることもあります。

シクロヘキサンのその他情報

1. シクロヘキサンの合成法

工業的に大部分のシクロヘキサンは、パラジウム触媒やニッケル触媒を使って、ベンゼンを接触水素添加することで生産されています。石油改質の過程で生じるメチルシクロペンタンは、触媒を使用しシクロヘキサンに転化して、利用することも可能です。

工業的に得られるシクロヘキサンは、シクロヘキサノールやシクロヘキサノンに転化されて、最終的にはε-カプロラクタム、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸などに変えられます。これらの化合物は、6-ナイロン (英: Nylon 6) や6,6-ナイロン (英: Nylon 66) の原料として用いることが可能です。

2. シクロヘキサンの環反転

シクロヘキサンの環反転

図3. シクロヘキサンの環反転

シクロヘキサンやシクロヘキサン型構造を有する環状化合物のいす型立体配座では、環平面に対して平行方向と垂直方向の置換基が区別されます。環平面に対し平行方向をエクアトリアル (英: equatorial) 、環平面に対し垂直方向をアキシアル (英: axial) と呼びます。エクアトリアルは「赤道方向の」を表し、アキシアルは「極、軸位」などの意味です。

環を形成するそれぞれの結合軸で自由回転するため、シクロヘキサンはふね型立体配座を経由して、2つのいす型立体配座が互いに入れ替わります。これを環反転と言います。環反転によって、エクアトリアルはアキシアルの向きに、アキシアルはエクアトリアルの向きに変わることが可能です。

3. かさ高い置換基を持つシクロヘキサン環

置換基同士の距離は、アキシアル型の方がエクアトリアル型よりも接近しています。かさ高い置換基を持つシクロヘキサン環の場合には、立体配座の安定性に影響を与えるため、置換基がアキシアル型を避けて、エクアトリアル型を取る立体配座が優位になることも知られています。

クレオソート油

クレオソート油とは

クレオソート油 (英: Creosote oil) とは、石油から得られる抽出油で、多様な有機化合物の混合物です。

クレオソート油は、石油から得られるコールタールを、さらに約200℃から約400℃で蒸留することによって得られ、トルエン等の芳香族炭化水素やナフタレンアントラセン等の多環芳香族炭化水素、フェノール等のタール酸類、ピリジン等のタール塩基類など、多種類の物質が含まれています。

クレオソート油は、主にカーボンブラックとしてタイヤ等のゴムの原料に用いられるほか、木材の防腐剤・防水材として使用されています。クレオソート油は消防法により、第4類危険物の第3石油類です。

クレオソート油の使用用途

クレオソート油は、主にカーボンブラックとしてタイヤ等のゴムの原料として用いられるほか、黒色インクやコピー機のトナー等、他にも様々な黒色樹脂の補強材料として用いられています。

また、クレオソート油を木材表面に塗布することにより木材への水分の吸着を抑えることができるため、木材の防腐剤・防水材としても知られています。クレオソート油を塗布した木材の使用用途は、桟橋などの水中の建造物、鉄道の枕木、ログハウスなどです。

その他のクレオソート油の用途として、海水中のコンクリート杭への汚れの付着を防ぐための保護剤や、金属部品の潤滑剤、鳥獣の忌避剤、殺虫剤などが挙げられます。

クレオソート油の性質

クレオソート油はCAS番号8001-58-9の有機化合物で、独特の強いにおいを持つ茶褐色の液体です。クレオソート油は芳香族炭化水素類やタール酸類など多種多様な化合物の混合体であるため、分子量は定められていません。

厚生労働省による職場の安全データシートによると、クレオソート油の引火点は66℃以上、沸点は200℃以上です。クレオソート油は水に不溶で、ジエチルエーテルエタノールなどの様々な有機溶剤に良く溶けます。

クレオソート油の別名は、クレオソート、石炭クレオソート、工業用クレオソートなどがあります。厚生労働省による職場の安全データシートや日本国内の大手試薬メーカーのウェブサイトでの名称は、主に「クレオソート油」または「クレオソート」です。

クレオソート油のその他情報

1. クレオソート油の有害性

クレオソート油は、皮膚刺激および眼刺激を有しているため、クレオソート油を使用する際は、保護手袋、保護眼鏡など皮膚と眼を覆う保護具の着用が推奨されています。また、クレオソート油は遺伝性疾患や発がんのおそれも指摘されている化合物であるため、よく換気された場所で取り扱ってください。

クレオソート油は、容器を密閉したうえで換気の良い場所での保管が必要です。

2. クレオソート油の使用上の注意

クレオソート油は、消防法により第4類危険物の第3石油類に定められている引火性の危険物です。引火点は66℃以上と比較的高温ですが、一度クレオソート油に引火すると燃焼温度が高いため消火が困難です。

また、クレオソート油は刺激性・腐食性の有毒なガスを発生させながら燃焼する性質を持ちます。クレオソート油を使用する場合は、周りに熱源や火花を発生する機器がないことを事前によく確認してください。

クレオソート油による火災が発生した場合は、放水や水噴霧は使用せず、必ず泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類などによって対処する必要があります。また。クレオソート油は環境中に放出してはならない化合物です。クレオソート油を廃棄処分する場合は、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼してください。

3. クレオソート油の輸送上の注意

クレオソート油は消防法で定められた危険物であるため、輸送時は消防法の規則に従う必要があり、具体的には、食品や飼料との混載をしない、直射日光を避ける、重量物を上積みしないなどが挙げられます。また、クレオソート油の移送時は、イエローカード (化学物質の輸送時の事故に備えた緊急連絡情報を記載したカード) の保持が必要です。

参考文献
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/61789-28-4.html

クエン酸

クエン酸とは

クエン酸とは、柑橘類の果実などに含まれる有機酸で、3個のカルボキシ基 (-COOH) を持つヒドロキシ酸の1種です。

無色透明または白色の固体で、水分子を含まない無水結晶と1分子の結晶水を持つ一水和物があります。どちらも無臭で、酸味成分の味を持つのが特徴です。

クエン酸は、炭水化物、脂肪、タンパク質などを分解してエネルギー物質とするTCA回路(クエン酸回路) の途中で現れ、重要な働きをします。また、抗菌作用やカルシウムを吸収する性質などもあります。

クエン酸の使用用途

クエン酸は、その精製純度によって医薬用、食用、工業用、化粧品用などの用途に幅広く利用されています。

1. 医薬用

医薬用のクエン酸は、緩衝・矯味・発泡の目的で、調剤の原料として使用されます。クエン酸自体が、日本薬局方クエン酸水和物として薬用に使用されることも多いです。

2. 食用

食用のクエン酸は、フルーツ系の酸味を与える酸味料や、ビタミンCの安定化剤 (酸化防止剤) として、さまざまな食品に添加されています。また、疲労回復、筋肉痛の軽減、食欲増進、肝機能改善などの効果があるサプリメントとしても使われています。

さらに、クエン酸は酸性であることから、pH調整剤としても有用です。食品のpHを調整することで、微生物の増殖を抑制し、保存性を高められます。

3. 工業用

工業用のクエン酸は、カルシウムを吸収する性質から、水垢などの原因となる炭酸カルシウムの清掃用に使用されています。アルカリ性の汚れを中和して落とす性質もあり、石鹸カスなどを溶解し、除去することが可能です。

また、浴用剤やバスボムなどにも利用されています。

4. 化粧品用

化粧品用のクエン酸は、酸性の性質を利用したpH調整剤、pH緩衝や、収れん作用を目的に利用されます。皮膚のpHは弱酸性 (pH4.5-6) であり、pHが変化すると肌への刺激が大きくなります。pH調整剤を製品に加えることで、pHを弱酸性に保つことが可能です。

収れん作用とは、穴を引き締めて、汗や皮脂の過剰分泌を抑制する効果のことです。クエン酸の他に、塩化アルミニウム、ミョウバン、硫酸亜鉛などの酸性物質が一般に利用されています。

クエン酸の性質

1. 物理的性質

クエン酸は、化学式C3H4 (OH) (COOH) 3で表わされ、分子量192.13、白色無臭の結晶または結晶性粉末です。

引火点100℃、融点153℃、沸点がなく、分解温度175℃、発火点1010℃、爆発範囲下限1.9vol/%、上限4.8vol/%の可燃性物質です。密度は1.665g/cm3、2%水溶液のpHは約2.0です。

2. 化学的性質

溶解度59.2g/100g (20℃) であり、水に極めて溶けやすく吸湿性が高いです。また、エタノールに溶けやすい性質を持ちます。

通常の取扱条件においては安定ですが、強酸化剤や強アルカリ剤と接触すると、激しく反応することがあります。また、水溶液は酸性のため、金属を腐食する可能性も高いです。

175℃で分解し、アコニット酸に変化します。粉末状態で空気と一定割合で混合すると、粉塵爆発の恐れがあります。

クエン酸のその他情報

1. クエン酸の安全性

クエン酸は食用、化粧品用途にも利用されることから、非常に安全な化合物です。一方で、強い眼刺激性と多量の吸引による呼吸器への刺激性があるため、取扱いの際は、眼に入らないよう、また多量に吸引しないよう注意が必要です。

なお、労働安全衛生法、毒物及び劇物取締法、消防法、化学物質管理促進法 (PRTR法) には該当しません。

2. クエン酸の取扱方法

クエン酸を取り扱う際は、保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用し、換気設備のある場所で作業を行います。取扱後は、よく手を洗うことが重要です。

保管場所は、製品が汚染されないよう清潔に保ち、直射日光、高温多湿を避けて保管します。また、吸湿性が高いため、容器を密閉し乾燥した場所に保管し、吸湿を避けなければなりません。

強酸化剤、強アルカリ剤、金属は混色危険物質なので接触を避け、ポリエチレン、ポリプロピレン、ガラスなどで保管します。

アルギン酸

アルギン酸とは

アレギン酸の構造

図1. アルギン酸の構造

アルギン酸 (Alginic acid) とは、昆布やワカメ等の褐藻類に含まれている物質で、多糖類の一種です。

ß-D-マンヌロン酸 (β-D-mannuronate) (M) とα-L-グルロン酸 (α-L-guluronate) (G) の2種の単糖からなるブロックが、 (1-4)-結合によって直鎖状に重合しています。純粋なアルギン酸は常温で白~淡黄色の繊維状、粒状又は粉末です。

純粋なアルギン酸は水に不溶であるものの、アルカリ塩は水溶性を呈します。油脂や有機溶媒には溶けません。また、アルギン酸のゲル化能力やゲル強度などの性質は含まれるマンヌロン酸 (M) とグルロン酸 (G) の比率 (M/G比) や配列の仕方によって大きく異なります。

アルギン酸の使用用途

アルギン酸およびその誘導体は、食品・医薬品・化粧品・繊維加工の他、幅広い用途に活用されています。食品分野では、小麦粉製品の品質改良材として利用が可能です。また、その他食品添加剤としても、アイスクリームやシロップなどの増粘剤、安定剤として用いられています。

ゲル化する性質を活かし、人造イクラや、香料や酵素を閉じこめるカプセルなどの加工も可能です。食品以外の生活用品用途は、接着剤、フィルム、繊維、水性塗料の製造やゲル化剤、紙のにじみ止めなどが挙げられます。

その他、錠剤の崩壊剤としても活用されています。これは、水には不溶でありながら、アルカリで中和されると溶解する性質を活かし、目的の消化器の中で薬効成分を放出するものです。医療分野での用途には、手術糸や止血剤、軟膏などが挙げられます。

アルギン酸の原理

アルギン酸の原理を製造方法や性質の観点から解説します。

1. アルギン酸の製造方法

アルギン酸は、全て海藻 (褐藻類) からの抽出によって製造されます。コンブやオオウキモ (ジャイアントケルプ) のような大型の種類が利用されており、天然の海藻の利用が中心です。一部、中国では養殖したコンブを原料としたアルギン酸の製造を行っています。

海藻に含まれているアルギン酸は、海水中のミネラルと塩をつくり、不溶性のゼリー状態で細胞壁間に充填されています。そのため、下記のような工程で、抽出・精製されます。

  1. 抽出
    海藻にアルカリ性のナトリウム塩を加えて加熱し、アルギン酸の不溶性塩を水溶性のアルギン酸ナトリウムに置換して溶出させます。
  2. ろ過
    不溶性成分を除きます。
  3. 析出
    アルギン酸ナトリウムの水溶液に酸を加えて pH を下げ、再び不溶性のアルギン酸として析出させます。
  4. 乾燥
    析出したアルギン酸を脱水した後よく洗浄し、乾燥させてアルギン酸を得ます。

2. アルギン酸の性質

アルギン酸の性質

図2. アルギン酸カルシウムのゲル化

アルギン酸は、天然の海藻から抽出・精製されているため、含まれるマンヌロン酸 (M) とグルロン酸 (G) の比率 (M/G比) や配列の仕方は原料の海藻によって異なります。物性的特徴としては、MとGが交互につながったブロックが最も柔軟性があり、Gからなるブロックは固い構造です。

アルギン酸のナトリウム塩は水溶性を呈しますが、Ca2+などの多価陽イオンを加えると、瞬時にイオン架橋が起きます。この際、架橋の網目構造に溶媒の水を取り込み、ゲル化 (ハイドロゲル化) します。

また、アルギン酸はアルカリで中和されると溶解するものの、低い pH では酸性の繊維状ゲルを形成します。これらのゲルの中で、分子間の結合をつくるのは主にMまたはGの繰り返し構造 (ホモポリマーブロック) ですが、ゲル強度を決めているのはGブロックの含有比率です。

アルギン酸の種類

アルギン酸の種類

図3. アルギン酸塩などの種類

アルギン酸は、アルギン酸及び、その各種の塩として流通しています。流通している主な塩は、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸アンモニウムなどです。

アルギン酸の1価カチオン塩およびアルギン酸エステルは冷水・熱水によく溶けて、粘ちょうな水溶液となりますが、アルギン酸、アルギン酸カルシウムは、水に溶けません。

製品は、食品・医薬品・化粧品・繊維加工その他各種産業に用いられる業務用製品のほか、一般的な化学試薬としても少量より販売されています。

アスパラギン酸

アスパラギン酸とは

アスパラギン酸の構造

図1. アスパラギン酸の構造

アスパラギン酸は、タンパク質を構成する20種類の天然アミノ酸の中の一種です。アスパラガスの芽から発見された事にちなんで、この名前が付けられました。ヒトにおいては体内で合成可能な事から、非必須アミノ酸に分類されます。光学活性な化合物であり、L体とD体が存在しますが、タンパク質構成アミノ酸としてのアスパラギン酸は全てL体です。

アスパラギン酸は、1個のアミノ基(-NH2)と2個のカルボキシ基(-COOH)を持つ両性イオン化合物であり、等電点であるpH2.77の条件下ではその電荷が0となり、それより低いpHではプラスの電荷を、それよりも高いpHではマイナスの電荷を有します。

L-アスパラギン酸の物理化学的諸性質

1. 名称
和名: L-アスパラギン酸
英名:L-aspartic acid
IUPAC名:(2S)-2-aminobutanedioic acid
3文字略号:Asp
1文字略号:D

2. 分子式
C4H7NO4

3. 分子量
133.11

4. 融点
269~271℃

5. 溶媒溶解性
水に難溶、エタノールジエチルエーテルに不溶。酸、アルカリに可溶。

6. 味
うま味、酸味。

アスパラギン酸の生理的役割

アスパラギン酸は、タンパク質の構成物質として広く自然界に存在しています。本化合物は等電点が2.77であるため、生理的pHである中性領域においては脱プロトン化して負に荷電します。これは親水性を示す状態であるため、アスパラギン酸を分子表面に多く持つタンパク質は、一般的に水によく溶ける性質を示します。また、タンパク質中のアスパラギン酸は多段階の代謝を受けてオキサロ酢酸へと変換されます。このようにして生じるオキサロ酢酸はTCA回路サイクルの中間体であり、細胞がエネルギーを作り出すための重要な役割を担っています。

アスパラギン酸の効果・効能と使用用途

1. うま味成分としての特徴とその利用例

うま味成分といえばグルタミン酸がその代表例ですが、アスパラギン酸もうま味受容体と結合するため、ヒトにとってはうま味を感じさせるアミノ酸です。そのため、食品添加物として、調味料、炭酸飲料、清酒、粉ミルクなどで広く使われています。

2. 医薬品、化粧品等への応用

アスパラギン酸は両イオン性化合物であり、水素結合を作る事も可能で、さらには親水性を示します。このような特徴があるため、薬物を安定化、可溶化し、薬物とタンパク質との分子間力を高める目的で、医薬品添加物として使用されます。また、水との親和性が高いことから、化粧品に配合して保湿作用を高めるためにも使われています。 近年では、環境保護の観点から、紙おむつや生理用品などに使われる高吸水性ポリマーを、石油由来原料からアスパラギン酸由来のものに変えるための研究も進められています。

3. アスパルテームの原料としての利用

アスパルテームの構造

図2. アスパルテームの構造

アスパルテームとは、L-フェニルアラニンのメチルエステルとL-アスパラギン酸より構成されるジペプチド誘導体です。スクロースの200倍の甘みを示す事から、人工甘味料として利用されています。

アスパラギン酸が多く含まれる植物・食品の例

アスパラガス、サトウダイコン、ジャガイモ、豆類

アクリル酸

アクリル酸とは

アクリル酸の概要

図1. アクリル酸の概要

アクリル酸は主にプロピレンの直接酸化反応によって得られる、炭素数が最も少ない不飽和カルボン酸で、特有の刺激臭を有する無色透明の液体です。アクリル酸は吸水性高分子であるポリアクリル酸の原料として用いられたり、エステル化したモノマーがアクリル繊維の原料として用いられています。

その他、分散剤や増粘剤などの原料にも用いられています。アクリル酸エステルはアルキル部位の炭素数を変えることで物性を変えることが可能であるため、用途に応じた樹脂、高分子の原料として炭素数の異なる様々なアクリル酸エステルが使われています。

アクリル酸は消防法第4類の第二石油類に該当する引火性液体です。また、熱や光によって重合反応が暴走する可能性もあるため、重合禁止剤や酸素濃度の管理による反応の抑制が必要です。また、アクリル酸は劇物に該当する物質であり、皮膚刺激性等の有害性もあるため、取り扱い時は適切な保護具の着用が求められます。

アクリル酸の使用用途

アクリル酸は主にプロピレンの直接酸化によって製造されています。直接酸化法とはプロピレンを酸化させることでアルデヒドであるアクロレインに変換し、さらに酸化させることでアクリル酸を製造する方法です。

アクリル酸は紙おむつなどに使われる高吸水性樹脂(SAP)であるポリアクリル酸の原料として用いられています。その他、アクリル酸をエステル化したアクリル酸メチルアクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステルはアクリル繊維の原料などに用いられています。その他にもアクリル酸、アクリル酸エステルは、合成樹脂、分散剤や凝集剤、増粘剤などの原料として使われています。

アクリル酸のその他情報

1. アクリル酸を原料に用いた高分子

アクリル酸は上記の通り、様々な高分子の原料として使われています。具体的にはアクリル酸のみを重合させたポリアクリル酸、カルボン酸のプロトンをナトリウムイオンに置換したポリアクリル酸ナトリウム、更にはアクリル酸とアクリル酸ナトリウム塩に架橋剤を加えて重合させた高分子もあります。高吸水性樹脂には三番目に述べた架橋されたアクリル酸、アクリル酸ナトリウム塩共重合体が主に使われています。

アクリル酸と共重合させるモノマーの種類を変えることで様々な高分子を得ることができます。例えばアクリル酸とメタクリル酸アルキルを重合させて得られる共重合体は増粘剤などに使われています。アルキル部位の炭素数を変えることで粘度を変えることが可能であり、化粧品などの粘度調整に使われています。

2. アクリル酸の安全性と法規制

アクリル酸は常温で液体、特徴的な刺激臭を有する物質で、消防法第4類の第二石油類に該当する引火性の物質です。また、アクリル酸は分子内に炭素-炭素二重結合を有しており、重合反応が起こる可能性があります。一般的には酸素濃度の管理や重合禁止剤を添加して重合を抑制していますが、加熱や光などで反応が起こり、反応熱によって反応が促進、暴走する可能性があります。

その他、アクリル酸は毒物及び劇物取締法の劇物に該当する物質であるほか、皮膚腐食性、刺激性がある物質でもあります。また、アクリル酸はPRTR法の第1種指定化学物質であり、労働安全衛生法上のリスクアセスメント対象物質でもあり、適切な管理、評価が求められる物質です。

参考文献
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/0002.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakyoshi/66/8/66_394/_pdf

両口ラチェットレンチ

両口ラチェットレンチとは

両口ラチェットレンチとは、両口スパナやボックスレンチと似たような形状をした、ラチェット機構を持ったねじ回しのための工具です。ラチェット機構とは、回転方向を一方向に限定する機構のことです。回転方向は、レバーなどで締め方向や緩め方向に切り替えができます。

スパナと似たような使い方をしますが、スパナとは違って掛け直しの手間がないため、スピーディにねじ回しができるという利点があります。一方、複雑な機構のため、丁寧に扱わないと破損してしまう恐れがあるので注意が必要です。

両口ラチェットレンチの使用用途

両口ラチェットレンチは、スパナよりも効率よくねじ回しをする目的で使用されます。

スパナを使うときは、横幅が狭く回転角度が浅い場合は、回転限度まで来た時にスパナを掛け替える必要があります。しかし、両口ラチェットレンチの場合は、ねじにラチェットを掛けたまま逆方向に回転させると、口の部分が空回りします。

そして、再び回したい方向へ回転させることで、ねじを締めたり、緩めたりすることができます。また、横幅だけではなく、縦に狭い場合も掛け替えが不要となり便利です。

両口ラチェットレンチの選び方

両口ラチェットレンチは、どれも似たような構造をしています。しかし、口の場所が違ったり、追加機能が備わっているタイプも存在します。それぞれ、どのようなタイプがあるかを紹介します。

  • 口の場所の違い
    通常、両口ラチェットレンチと呼ばれるのは、片側が口で片側が柄になったボックスレンチタイプのことを言います。板状の両端に口があるスパナタイプのものがありますが、これは板ラチェットレンチとも呼ばれます。ボックスレンチタイプは、裏表で口のサイズを変えられるようになっています。これに対して、板ラチェットレンチは、端と端で口のサイズが異なります。
  • 追加機能
    板ラチェットレンチのタイプには、追加機能として首の部分に角度がついたタイプや首振り機構をもったタイプがあります。どちらも、まっすぐに使うことができない時に、持ち手部分を逃がすことができます。ただし、首振り機構は強度的に弱くなってしまうため、あまりに大きな力を加えると破損する恐れがあるので注意が必要です。