セリン

セリンとは

セリンの構造式

図1. セリンの構造式

セリンとは、人間のタンパク質を構成している20種のアミノ酸の1つです。

体内で合成できる非必須アミノ酸の一種で、1865年にシルクに含まれるたんぱく質のセリシンの加水分解から発見されました。セリンという名称はラテン語で「絹」を意味する「sericum」に由来します。

セリンは、脳の神経細胞を構成する成分で、細胞膜の構成成分のホスファチジルセリンの原料となる大変重要な成分です。また、角質層では最も多いアミノ酸成分であり、肌の水分量を保つために重要な保湿成分の1つです。

セリンの使用用途

セリンは化粧品、食品、医薬品原料として幅広く使用されています。

化粧品分野ではセリンが保湿成分を持つことから、化粧水、ボディクリーム、ハンドクリーム、ヘアトリートメント、洗顔料など様々な製品に使用されています。食品分野では、風味改良目的で各種食品に用いられている他、栄養強化目的で他のアミノ酸類と併用して栄養ドリンクなどに用いられることがあります。

医療用としては、肝不全用アミノ酸製剤など低栄養状態等におけるアミノ酸補給等を目的として用いられています。また、セリンは神経系において重要な働きをすることから、睡眠の質を高める効果やアルツハイマー病を予防する効果が期待されています。

セリンの性質

ラセミ化

図2. ラセミ化

セリンは側鎖にヒドロキシ基を持つため、アシル化反応を含めて、求核攻撃を受けやすい性質があります。求核攻撃とは、酸素や窒素などの非共有電子対が他の原子や分子の電子欠損部位を攻撃して反応する性質のことです。セリンのヒドロキシ基は、タンパク質やペプチドの構造中で重要な機能を持ちます。アシル化は、有機化合物にアシル基を導入する反応であり、セリン側鎖のアシル化は、蛋白質の修飾や代謝に関与することが知られています。

タンパク質を加水分解するとき、セリンはラセミ化しやすいという特性があります。ラセミ化とは、光学異性体の一方の成分が鏡像関係にある他方の異性体に変化することによって光学不活性な物質 (ラセミ体) になる現象を指します。セリンのラセミ化は、光の照射や酸やアルカリの添加など、物理的または化学的な影響によって起こります。

セリンのその他情報

1. セリンの生体内での働き

ホスホセリン

図3. ホスホセリン

セリンプロテアーゼやアセチルコリンエステラーゼなどの酵素において、セリンは活性中心アミノ酸として極めて重要な役割を担っています。セリンプロテアーゼは、タンパク質の分解に重要な役割を果たしている一連の酵素であり、タンパク質を分解する活性部位に共通してセリンが存在しています。一方、アセチルコリンエステラーゼは、4量体のセリン加水分解酵素であり、アセチルコリンを速やかに酢酸とコリンに加水分解します。

乳たんぱく質の一種であるカゼインには、セリンの水酸基がリン酸化されたホスホセリンが含まれています。このホスホセリンは、牛乳に含まれるカルシウムの利用効率を高める働きがあります。具体的には、ホスホセリンがカルシウムイオンを水に溶けやすくするため、体内でよりカルシウム効率的に吸収されるようになります。

セリンは、O型糖鎖と呼ばれるタンパク質中の糖鎖結合アミノ酸の一つです。近年、タンパク質と結合した糖鎖の機能がより注目されるようになってきています。糖タンパク質は、粘液、分泌液、結合組織成分として存在するだけでなく、細胞表層組織や情報伝達、酵素作用の発現においても重要な役割を果たしています。

2. セリンの製造方法

セリンは、天然に存在するアミノ酸ですが、工業的にも生産されています。セリンは、微生物の発酵によって生産されることが一般的で、年間推定100〜1,000トンが生産されています。また、研究室ではアクリル酸メチルからいくつかのステップを経て、ラセミセリンを調製することができます。

3. セリンの安全性情報

セリンは医薬品や栄養補助食品として広く用いられており、これまでに安全性に関して特段の問題は確認されていません。一般的な使用範囲であれば、人体に対して有害な影響を与えることはないと考えられています。

システイン

システインとは

システインの基本情報

図1. システインの基本情報

システインとは、側鎖にチオール基を有する非必須アミノ酸の1つです。

略号はCysで、天然に存在するのはL-システインのみです。皮膚の色素沈着をもたらす原因である黒いメラニン色素の生成を抑え、体外への排出を促進する働きがあります。

また、L-システインはタンパク質の構成物質で、二日酔いの主な原因とされるアセトアルデヒドと直接反応し、毒性を中和可能です。二日酔い改善の効果があるため、健康食品などに利用されています。

システインの使用用途

システインのL体であるL-システインは、医薬品や食品添加物などに使用可能です。 L-システインには、体内で坑酸化作用や肝臓の解毒作用があります。

これらの特性から、抗アレルギー薬、皮膚疾患、放射線などによる白血球減少を抑制する医薬品等に用いられています。さらに、しみ、そばかす、日焼けなどの対策としてビタミンCなどの成分とともに、美白・美容のサプリメント等に有用です。

その他、二日酔い薬としても広く利用されています。

システインの性質

システインは、タンパク質を構成するアミノ酸の1つであり、糖原性を有します。比旋光度[α]Dは+9.4°で、240°Cで分解します。

システイン持つチオール基は、求核性触媒として働き、非常に反応性が高いです。チオール基のpKaはおよそ8で、反応性は環境や条件により変化します。

システインの構造

システインの構造

図2. システインの構造

システインは、2-アミノ-3-スルファニルプロピオン酸を指します。分類上は、疎水性アミノ酸や中性極性側鎖アミノ酸です。

多くのアミノ酸と同じく、中性では両性イオンになっています。システインは不斉炭素原子を持っているため、R-システインとS-システインが存在します。R-システインはL-システイン、S-システインはD-システインのことです。

順位則の関係上、他のアミノ酸とは異なり、L-システインのみがR配置となります。なお、システインの化学式はC3H7NO2S、モル質量は121.16g/molです。

システインのその他情報

1. システインの生合成

動物による生合成でシステインの原料になるのは、アミノ酸のセリンです。まず、メチオニンが中間体のS-アデノシルメチオニンを経由して、ホモシステインに変換されます。

次に、シスタチオニンβ合成酵素によって、ホモシステインとセリンが結合して、非対称チオエーテルシスタチオニンが生じます。そして、シスタチオニンγ-リアーゼによって、α-ケト酪酸とともにシステインを生成可能です。

植物や細菌による生合成の場合にも、セリンから作られます。セリントランスアセチラーゼにより、O-アセチルセリンに変換され、システインシンターゼによりO-アセチルセリンからアセテートが脱離し、スルフィド源によりシステインが生成可能です。

2. システインの酸化

システインのジスルフィド結合

図3. システインのジスルフィド結合

システインは酸性条件下では安定ですが、中性やアルカリ性では、微量の重金属イオンによって空気酸化されやすく、シスチンが生成します。シスチンとは3,3’-ジチオビス (2-アミノプロピオン酸) のことで、システインの2つの分子が、チオール基 (–SH) の酸化で生じるジスルフィド結合 (S–S) で繋がった構造を有します。

天然に多く存在するシスチンは、L体 (R,R’体) です。酸化型のシスチンと区別するために、還元型を強調して、システインをCySHと表記する場合もあります。システインがシスチンに酸化されると、求核剤としての能力を失います。

3. システインの生化学

システインの持つチオール基は、分子間でタンパク質を架橋します。システイン同士のジスルフィド結合は、タンパク質ジスルフィド異性化酵素により生成可能です。細胞内では、デヒドロアスコルビン酸が小胞体に輸送されて、酸化的な環境が生じます。

システイン同士のジスルフィド結合によって、分子の安定性が細胞外でも増して、タンパク質が分解しないための抵抗性が向上します。タンパク質の三次構造も、細胞内でポリペプチドに含まれているシステイン間のジスルフィド結合により維持可能です。

例えばインスリンは、システインにより架橋されたペプチドです。独立した2個のペプチド鎖が、1組のジスルフィド結合で繋がっています。システインのジスルフィド結合の配列によって、毛髪の巻き毛の度合いが決定されます。

シアン酸

シアン酸とは

シアン酸とは、分子式 CNHOで表される化合物です。構造異性体として、イソシアン酸 (H-N=C=O) と雷酸 (HO-N=C:) の存在が知られています。

化学式はHOCNであり、分子量は43.025です。
沸点が23.5℃であり、室温に近いため、常温では液体または気体として存在しており、液体の場合は酢酸に似た臭いを持ちます。

水にわずかに溶解し、酢酸よりやや強い酸です。
シアヌル酸を不活性ガスの雰囲気で加熱し、発生する気体を急冷捕集すると得られます。

シアン酸の使用用途

シアン化水素は、殺虫剤の他にも、化学兵器として使用されてきました。

シアノ基は、非常に反応性が高く、炭素鎖を成長させる、生物学的に重要な有機化合物の出発物質と考えられています。
シアン化ナトリウムなど無機シアン化物の合成やメタクリル酸メチル、ヘキサメチレンジアミン、乳酸および乳酸エステル、α(アルファ)‐アミノ酸その他EDTA(エチレンジアミン四酢酸)などポリアミノカルボン酸の合成に用いられ、殺虫剤などにも使われています。

シアン化ナトリウム

シアン化ナトリウムとは

シアン化ナトリウム (英: Sodium cyanide) とは、特徴的な臭気を持つ白色の水溶性固体です。

シアン化ナトリウムの化学式はNaCN、分子量は49.0072、CAS登録番号は143-33-9です。別名、青酸ナトリウムもしくは青酸ソーダとも呼ばれます。

酸と反応することで、シアン化水素 (青酸ガス、分子式HCN) を発生させます。シアン化水素は猛毒であり、毒物および劇物取締法の毒物に指定されています。

シアン化ナトリウムの性質

シアン化ナトリウムの融点は564℃、沸点は1,496℃、密度は1.595g/cm3です。シアン化ナトリウムは水に溶け易く、水溶液は強アルカリを示します。さらに、アンモニアメタノールエタノールなどに溶解し、DMFや二酸化硫黄にもわずかに溶解します。

シアン化ナトリウムの使用用途

シアン化ナトリウムは、酸と反応させることでシアン化水素を発生させるため、金属などのメッキに使用されています。また、鋼の焼入れ、金・銀の冶金、有機合成の中間体の製造、シアン化物・シアノ錯塩の製造、農薬などに広く用いられています。

農薬として散布すると、有効成分は速やかに二酸化炭素とアンモニアに分解されます。また、シアン化ナトリウムは浸透移行性がないため、作物体への移行がありません。

アルカリ性浴のシアン化銅浴、ピロリン酸銅浴は均一電着性に優れ、その特性を利用して広く利用されています。シアン化銅浴は、複雑な形状の亜鉛、アルミニウムダイカストの下地としてメッキに利用されています。

シアン化ナトリウムは毒性が強いため、昆虫学者が使用する瓶への収集など、急速に殺したり気絶させたりするために使用されます。

シアン化ナトリウムのその他情報

1. シアン化ナトリウムの製法

シアン化ナトリウムは、シアン化水素を水酸化ナトリウムで処理することによって生成されます。水溶液中ではシアン化物イオンとナトリウムイオンに電離しています。

   HCN+NaOH→NaCN+H2O

以前は、ナトリウムアミドと炭素を高温で反応させるカストナー法によって調製されていました。

   NaNH2+C→NaCN+H2

2. シアン化ナトリウムの反応

シアン化物プロセスとしても知られる金シアン化反応は、金を抽出するための主要な技術であり、低品位の鉱石から金を得ることができます。この方法は、金とシアン化物との高い親和性を利用し、空気 (酸素) と水の存在下で金を酸化および溶解させ、ジシアノ金酸ナトリウムを生成します。

   4Au+8NaCN+O2+2H2O→4Na[Au(CN)2]+4NaOH

同様に、シアン化カリウム (KCN) を使用すると、ジシアノ金酸カリウム (KAu(CN)2) を生成します。

3. 法規情報

シアン化ナトリウムは、労働基準法で「疾病化学物質」、労働安全衛生法で「名称等を表示・通知すべき危険有害物」、「リスクアセスメントを実施すべき危険有害物」「特定化学物質第2類物質」などに該当します。化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) では「第1種指定化学物質」、毒物及び劇物取締法では「毒物」、消防法では非危険物質ではありますが「消防活動阻害物質」に指定されており、使用の際には注意が必要です。

4. 取扱いおよび保管上の注意

取扱い及び保管上の注意は、下記の通りです。

  • 保管容器は、換気の良い冷暗所で保管する。
  • 屋外や換気の良い区域のみで使用する。
  • 使用時は保護手袋、保護眼鏡、保護衣、保護面を着用する。
  • 水溶液は塩基性で酸と激しく反応するため、接触を避ける。
  • 空気中の二酸化炭素や湿気、または酸、水、アルカリ性炭酸塩と接触すると有毒なシアン化水素ガスを発生するため、接触を避ける。
  • 取扱い後はよく手を洗浄する。
  • 吸入した場合、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させ、医師に連絡する。
  • 皮膚に付着した場合は、多量の水と石鹸で洗い流し、医師の手当を受ける。
  • 眼に入った場合は、水で数分間注意深く洗う。

参考文献
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/0028.html

サリチル酸

サリチル酸とは

サリチル酸の基本情報

図1. サリチル酸の基本情報

サリチル酸とは、皮膚疾患の外用薬や鎮痛内服薬として用いられている化合物です。

ただし、そのままサリチル酸を服用すると、消化器障害の副作用により、腹膜炎の原因になる場合があります。ベータヒドロキシ酸の1種であり、植物ホルモンの1つです。

サリチル酸は、化学合成が比較的容易な物質です。天然にも広く存在しており、具体的にはシモツケやシモツケソウに多く含まれています。サリチル酸のエステルであるサリチル酸メチルの形でも、冬緑油や白樺油などの植物精油に存在しています。

サリチル酸の使用用途

サリチル酸には、殺菌作用、消炎鎮痛作用、皮膚の角質軟化作用があります。そのため、医薬の分野で主に皮膚疾患の外用薬として利用される場合が多いです。また、サリチル酸の誘導体であるアセチルサリチル酸は、サリチル酸の鎮痛効果を保ちつつ、内服時の副作用が軽減されているので、鎮痛内服薬として広く使用可能です。

さらに、角質除去を目的として洗顔料などにも配合されているほか、染料中間物や防腐剤としても利用されています。かつては食品にも防腐剤として使われていましたが、現在は食品添加物としての使用はできません。

サリチル酸の性質

サリチル酸は常温常圧で固体で、昇華性のある無色の針状結晶です。融点は159℃で、2.6kPaでの沸点は約211℃であり、引火点と発火点はそれぞれ157°Cと545°Cです。

エタノール、エーテルに溶けやすく、水に溶けにくいです。無臭でわずかな酸味があります。

サリチル酸の構造

サリチル酸は、ベンゼンの持つ1個の水素原子がカルボキシ基に置換され、カルボキシ基のオルト位にある1個の水素原子が水酸基に置換された構造をしています。

化学式はC7H6O3で、モル質量は138.12g/molです。示性式はHOC6H4COOHで、密度は1.443g/cm3です。

サリチル酸のその他情報

1. サリチル酸の合成法

サリチル酸の合成

図2. サリチル酸の合成

サリチル酸は比較的簡単な化学構造を有するので、ヤナギから抽出する必要はなく、全合成が容易です。工業的には、高温高圧下でナトリウムフェノキシドに二酸化炭素を反応させた後、さらに硫酸塩酸を加えることでサリチル酸を遊離させています。

この一連の反応を利用したサリチル酸の製法は、コルベシュミット法 (英: Kolbe-Schmitt reaction) と呼ばれています。それに対して、同条件でカリウムフェノキシドと二酸化炭素を反応させると、カルボキシ基をパラ位に導入可能です。

パラヒドロキシ安息香酸が、およそ90%生成します。メチルエステルからブチルエステルまではパラベンと呼ばれており、防腐剤として利用されています。

2. サリチル酸の反応

サリチル酸の反応

図3. サリチル酸の反応

フェノール性の水酸基を有するサリチル酸は、塩化第二鉄の水溶液により青~赤紫色の呈色反応を起こします。無水酢酸との反応によってアセチル化して、アセチルサリチル酸が生成します。アセチルサリチル酸は代表的な解熱鎮痛剤の1つです。

非ステロイド性抗炎症薬の代名詞と言われる医薬品であり、消炎、解熱、鎮痛、抗血小板作用などを有しています。

3. サリチル酸の作用

サリチル酸の作用の1つは、AMP活性化プロテインキナーゼ (英: 5′ adenosine monophosphate-activated protein kinase) の活性化です。サリチル酸やアスピリンの一部の効果を、説明できると言われています。

4. サリチル酸の代謝

ヒトに投与されたサリチル酸は、代謝されずにそのまま腎臓から尿中に排泄される場合もあります。例えば、大量のアセチルサリチル酸を服用した中毒時など、ヒトの血中にサリチル酸が多く含まれている状態になっても、尿中に大量のサリチル酸を排泄可能です。

特に尿のpHがアルカリ側に傾いた場合には、尿中のサリチル酸の排泄量が増加します。尿中に50μg/ml以上のサリチル酸が存在する場合には、塩化第二鉄水溶液によって呈色反応が起きます。

ゲルマニウム

ゲルマニウムとは

ゲルマニウム (英: Germanium) とは、灰白色の硬くもろい固体です。

ゲルマニウムの元素記号はGeで、原子番号は32番、CAS登録番号は7440-56-4で、金属と非金属の中間的な物質「半金属元素」に分類されます。自然界の鉱石や土などから抽出される物質で、1885年、ドイツの科学者ウィンクラーによって発見されました。地球上に約0.00014%しか存在せず、採掘量が限定されるため、レアメタル (希少金属) に分類される、希少性の高い物質です。

ゲルマニウム化合物は、大別すると、有機ゲルマニウム化合物と無機ゲルマニウム化合物の2つがあります。

ゲルマニウムの使用用途

ゲルマニウムの使用用途は主に下記の2つです。

1. 無機ゲルマニウム

酸化ゲルマニウム等の無機ゲルマニウムは、工業用原料としてダイオード、トランジスター、暗視カメラ用の赤外線レンズ、光ファイバーや、ペットボトル製造においての触媒として利用されている他、ブレスレットなどの健康アクセサリーやゲルマニウム温浴剤に利用されています。

特に、酸化ゲルマニウムは、高い屈折率と低い光学分散という特徴を持ち、広角カメラや顕微鏡、光ファイバーのコア部分のドーパントとして有用です。ゲルマニウムは、シリコンと合金化することができ、ゲルマニウムとシリコンのヘテロ接合の特性を活かした回路は高速なため、シリコン-ゲルマニウム合金は高速集積回路の重要な半導体材料になります。また、単結晶高純度ゲルマニウム製の半導体検出器は、空港のセキュリティで放射線源を発見するために活用されています。

2. 有機ゲルマニウム

無機ゲルマニウムが水に溶けにくく、体内に蓄積して害になるのに対し、有機ゲルマニウムは水溶性があり、朝鮮人参やアロエなど体によいと言われている植物にも含まれていることから、主に健康食品や化粧品に使われています。

ゲルマニウムの性質

ゲルマニウムは、融点が937℃、沸点が2,850℃であり、常温では固体として存在し、固体状態での密度は5.35g/cm3です。希酸およびアルカリに不溶ですが、高温の濃硫酸および硝酸にはゆっくりと溶解し、溶融アルカリとは激しく反応してゲルマン酸塩を生成します ([GeO4]4-)。ケイ素よりも狭いバンドギャップ (0.7eV) をもつため、半導体として有用な元素でもあります。

ゲルマニウムの構造

ゲルマニウムの結晶構造は、温度や圧力により3種類あります。常温・常圧では、α-ゲルマニウムと呼ばれるダイヤモンドと同様の立方晶構造をとり、高圧にするとβ-スズと同様の正方晶構造のβ-ゲルマニウムとなります。さらに、グラフェンと同様のプロセスで作成される、高真空と高温を使用して基板上にゲルマニウム原子の層を堆積させた、ゲルマネンという構造も存在し、グラフェンよりも豊富な物性を示す物質とされています。

ゲルマニウムのその他情報

1. ゲルマニウムの製法

ゲルマニウムは、主に閃亜鉛鉱から生産されていますが、銀、鉛、銅の鉱石にも含まれています。鉱石に含まれるゲルマニウムは、ほとんどが硫化物であり、それらは空気下で加熱することによって酸化物に変換されます (GeS2+3O2→GeO2+2SO2)。高純度の酸化ゲルマニウムは、水素で還元する (GeO2+2H2→Ge+2H2O) と赤外線光学や半導体製造に適したものが得られるのに対し、コークスで還元する (GeO2+C→Ge+CO2) と鉄鋼生産や工業製品向けのものが得られます。

2. 法規情報

ゲルマニウムは、毒物及び劇物取締法、消防法、化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) など、主要な法規制のいずれにも該当していません。

3. 取扱いおよび保管上の注意

取扱い及び保管上の注意は、下記の通りです。

  • 容器を密栓し、乾燥した冷暗所に保管する。
  • 屋外や換気の良い区域のみで使用する。
  • 強酸化剤との接触は避ける。
  • 使用時は保護手袋、保護眼鏡を着用する。
  • 取扱い後はよく手を洗浄する。
  • 皮膚に付着した場合は、速やかに水で洗い流す。
  • 眼に入った場合は、水で数分間注意深く洗う。

参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/jp/product/detail/W01W0107-0025.html

クロロベンゼン

クロロベンゼンとは

クロロベンゼンの基本情報

図1. クロロベンゼンの基本情報

クロロベンゼンとは、ベンゼン環の1つの水素が塩素に置換した芳香族ハロゲン化物です。

かつてはクロロベンゾール (英: Chlorobenzol) と呼ばれ、今でもその名が使用される場合もあります。通常クロロベンゼンは、一置換体のモノクロロベンゼンのことを指します。

クロロベンゼンは無色の液体で、多くの有機化合物の原料中間体として、多種多様な用途で使用されています。主にジフェニルエーテルやクロロニトロベンゼンの原料に利用できます。消防法で第四類第二石油類に分類されている危険物です。

クロロベンゼンの使用用途

クロロベンゼンは、有機化合物、医薬中間体、染料中間体などの原料に使用されています。求電子置換反応での反応性がベンゼンより高いため、多くの化合物の原料として有用です。

クロロベンゼンは、かつて有機塩素系の殺虫剤であるDTT (ジクロロジフェニルトリクロロエタン) の原料として、大量に使用されていました。日本でもシラミなどに対する防疫として積極的に使われていましたが、現在ではDTTは環境汚染物質として使用禁止になっています。

クロロベンゼンの性質

クロロベンゼンの融点は−45.2°Cで、沸点は131°Cであり、引火点は-19°Cです。

半数致死量 (LD50) は2.9g/kgであり、低〜中程度の毒性を示します。クロロベンゼンを扱う労働者の8 時間加重平均で、75ppm (350mg/m3) に許容暴露限界 (英: Permissible exposure limit) が設定されています。

クロロベンゼンの構造

クロロベンゼンはハロゲン化アリール (英: Aryl halide) の一種です。分子量は112.56で、化学式はC6H5Clと表されます。20°Cでの密度は1.1066で、屈折率 (nD) は1.525です。

クロロベンゼンのその他情報

1. クロロベンゼンの合成法

クロロベンゼンの合成

図2. クロロベンゼンの合成

1851年に初めてクロロベンゼンは、五塩化リンとフェノールの反応によって合成されました。2014年には火星の岩石中に、クロロベンゼンが含まれていると報告されています。

現在では工業的に、鉄や塩化鉄を触媒として、塩素によるベンゼンの置換反応で合成されます。塩素の置換が進むと、ジクロロベンゼンが生じる場合もありますが、冷却して再結晶化によって容易に分離可能です。

実験室では、ザンドマイヤー反応 (英: Sandmeyer reaction) を用いて、アニリン (英: Aniline) から塩化ベンゼンジアゾニウム (英: Benzenediazonium chloride) を経由して合成できます。ザンドマイヤー反応とは、芳香族ジアゾニウムイオンから触媒に銅塩を使用して、ハロゲン化アリールを得る化学反応のことです。

2. クロロベンゼンの反応

クロロベンゼンの反応

図3. クロロベンゼンの反応

クロロベンゼンをニトロ化すると、2-ニトロクロロベンゼンと4-ニトロクロロベンゼンの混合物が生成します。これらのモノニトロクロロベンゼンを分離して、それぞれ塩化物の求核置換反応に使用可能です。例えば2-ニトロクロロベンゼンから、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、二硫化ナトリウム、アンモニアによって、2-ニトロフェノール、2-ニトロアニソール、ビス(2-ニトロフェニル)ジスルフィド、2-ニトロアニリンに変換されます。4-ニトロクロロベンゼンも同様に使用可能です。

フェノールの合成法の一つに、ベンゼンを塩素化して得られたクロロベンゼンを、水酸化ナトリウム水溶液とともに高温下で加熱する合成法があります。この反応では塩化ナトリウムが副生成物として生じます。ただし、フェノールの工業的製造法には、クメン法 (英: Cumene process) が使用される場合が多いです。

カルシウム

カルシウムとは

カルシウムとは、原子番号20番のアルカリ土類金属元素です。

1800年代初頭、イギリスの化学者、ハンフリー・デービーの「電気分解法」により、初めて単離されました。自然界にカルシウムは化合物として存在します。

イオン化傾向が高いため、反応性が高いです。生体内に最も多く存在するミネラルで、体内には1~2%の重量で存在しています。その99%はリン酸と結合したリン酸カルシウム (ハイドロキシアパタイト、HAP) として骨や歯に、残り1%は血液中や細胞に存在します。

カルシウムの使用用途

カルシウムは、各種カルシウム塩として、さまざまな用途に用いられています。塩化カルシウムは道路の凍結防止剤に、炭酸カルシウムはチョーク、排煙脱硫、飼料等に利用されます。

酸化カルシウム (生石灰) は、乾燥剤や土壌改良剤として、さらに欧米等ではパン生地調整剤やイーストフード等として使用されている食品添加物です。また、水酸化カルシウム (消石灰) は、酸性土壌の中和剤やこんにゃくの凝固剤など、食品添加物として用いられています。

カルシウムの性質

カルシウムの融点は842°C、沸点は1,484°Cであり、室温付近での密度は1.550g/cm3、融点における液体密度は1.378g/cm3です。

酸化数はほぼ+2です。空気中に単体のカルシウムを放置すると、水、酸素、二酸化炭素などと反応します。そのため、不活性ガスを充填するか、鉱油中に保存します。

カルシウムの構造

カルシウムは第2族元素で、アルカリ土類金属の1種です。元素記号はCaで、原子量は40.08です。温度によって、3つの結晶構造があります。250°C以下では立方最密充填構造が、250〜450°Cでは六方最密充填構造が、450〜839°Cでは体心立方格子が最も安定な構造です。

カルシウムには、安定同位体が4種あります。40Ca、42Ca、43Ca、44Caです。割合は40Caが96.94%、44Caが2.086%、42Caが0.647%、43Caが0.135%です。それ以外にも、地球上には46Caと48Caという2種の長寿命の放射性同位体が存在します。

また、宇宙線由来の中性子を40Caが捕獲すると41Caが生じるため、天然に微量放射性同位体として存在しています。さらに、人工的にカルシウムの同位体を作ることも可能です。

カルシウムのその他情報

1. カルシウムの反応

空気中でカルシウムを加熱すると、炎を出して燃焼します。カルシウムに水を加えると水素が発生し、水酸化カルシウム水溶液 (石灰水) が生成します。水酸化カルシウム水溶液に二酸化炭素を加えると、炭酸カルシウムの白色沈殿を得ることが可能です。ただし、二酸化炭素を過剰に通すと沈殿は溶解します。

可逆的な反応なので、加熱によって再び炭酸カルシウムの沈殿に戻ります。1,170°C以上に炭酸カルシウムを熱すると、酸化カルシウムを生成可能です。酸化カルシウムを水と反応させると、水酸化カルシウムになります。

気相中でカルシウムとハロゲンの反応によって、ハロゲン化物を得ることも可能です。カルシウムをアルコールに溶かすと、カルシウムアルコキシドが生成されます。カルシウムが液体アンモニアに溶けると溶液は青色になり、アンモニアの蒸発によってヘキサアンミンカルシウムが得られます。

2. 天然におけるカルシウム

主にカルシウムは炭酸カルシウムとして、世界中の大理石や石灰岩などの塊状鉱床に含まれています。現在カルシウムは、地球温暖化の原因とされている二酸化炭素を、炭酸カルシウムの形で封じ込めるため、注目を集めています。

その一方でカルシウムは、ヒトなどの生物に必要となる、代表的なミネラルです。例えば、真核細胞生物には必須元素で、植物にも肥料として必要です。ただし、カルシウムのサプリメントによって、認知症になる可能性が高まると報告されています。

カリウム

カリウムとは

カリウムとは、原子番号19番の元素で、1属のアルカリ金属です。

1807年にイギリスの化学者ハンフリー・デイビーによって、初めて単離されました。カリウムは植物の成長に必要な必須元素であり、窒素やリンとともに肥料の三大要素の1つです。

また、人体に必要なミネラルの1種であり、細胞内液の浸透圧の調整などの働きをしています。極めて反応性に富んでいるため、自然界では化合物の形で存在しており、単体の形では存在しません。

カリウムの使用用途

カリウムはあらゆる物質と塩を形成し、そのカリウム塩は広く利用されています。例えば、硫酸塩 (硫酸カリウム) と塩酸塩 (塩化カリウム) はカリ肥料として用いられ、硝酸塩 (硝酸カリウム) は石鹸になります。

また、炭酸塩 (炭酸カリウム) は、ガラス (ブラウン管、光学ガラスなど) 、かんすいに使用可能です。その他、写真の製版 (臭化カリウム) 、花火、マッチ棒 (クロム酸カリウム、塩素酸カリウム) に用いられています。

カリウムの性質

カリウムは、軟らかい金属です。比重は0.86であり、水よりも軽く、リチウムの次に比重の軽い金属です。融点は63.7°Cで、沸点は774°Cであり、炎色反応は淡紫色を呈します。

電気陰性度が小さいルビジウムやセシウムより反応性が低く、電気陰性度が大きいリチウムやナトリウムより反応性が高いです。空気によりすぐに酸化されて灰色に変色し、水やハロゲン元素とも激しく反応します。

そのため、金属カリウムは鉱油やケロシンなどの炭化水素中やアルゴンで、満たされたガラスアンプル中で保管する必要があります。

アルコールとの反応ではアルコキシドが生成し、高温では水素と反応して水素化カリウムを得ることが可能です。水や液体アンモニアには、非常によく溶けます。

カリウムの構造

カリウムの元素記号はKで、原子量は39.10です。銀白色の金属であり、常温常圧では体心立方構造を取っています。

電子配置は[Ar] 4s1で、1個の電子を放出するとアルゴンと同じ安定な希ガス型の電子配置になります。そして、第1イオン化エネルギーは418.8kJ/molと低いため、電子を1個失って、陽イオン (K+) になりやすいです。電子を2個失うと希ガス型の電子配置が崩れるので、第2イオン化エネルギーは非常に高く、3052kJ/molです。その一方で、アルカリドイオンのKも知られています。

カリウムには、24種の同位体が知られています。最も多いのは39Kです。40Kや41Kも天然に生成します。39Kと41Kは安定同位体ですが、40Kは半減期が1.250×109年と長い放射性同位体です。

カリウムのその他情報

1. 自然界に存在するカリウム

単体のカリウムは、自然では産出されません。ただし、多種多様な化合物の形で、地殻の約2.6 %をカリウムが占めており、地殻で7番目に存在量が多い元素です。

工業原料のためのカリウム資源は、ほとんど塩化カリウムとして採取されます。

2. カリウムの生産

純粋な金属カリウムは、水酸化カリウムの電気分解によって得られます。カリウムを多く含むカーナライト、ラングバイナイト、ポリハライト、カリ岩塩のような鉱石を使用して、カリウム塩類の抽出も可能です。カリウム塩類は、マグネシウムやナトリウムの化合物から分離されます。

海も主要なカリウム源の1つですが、ナトリウムと比較して、カリウムの含有量は非常に低いです。カリウムが土壌に吸着されて、植物が吸収することが理由として挙げられます。

3. 金属カリウムの危険性

金属カリウムと水は激しく反応し、発生した水素を引火させるほどの熱量を持っています。酸素存在下では、爆発する可能性もあり危険です。

空気中でカリウムの微細粒子は発火し、塊状金属も加熱すると発火します。金属カリウムを取り扱う場合には、完全に目や皮膚を保護して、防爆壁を間に置くことが望ましいです。

カドミウム

カドミウムとは

カドミウムとは、元素番号48番の金属元素で、鉱物中や土壌中などの自然環境中に広く存在する物質です。

地殻中に分布しているカドミウムが岩石の風化などの自然現象によって環境中に放出されるため、土壌や水中に天然由来のカドミウムが含まれています。亜鉛と化学的性質が似ていて、カドミウム単独ではなく、亜鉛鉱物、特に閃亜鉛鉱 (ZnS) や菱亜鉛鉱 (ZnCO3) と一緒に産出されます。動植物が育つ過程で土や水から取り込まれることにより、様々な食品や水は、微量のカドミウムを含んでいます。

カドミウム濃度の高い食品を長年にわたり摂取すると、腎機能障害を引き起こす可能性があります。そのため、国内では、食品衛生法において米、清涼飲料水及び粉末清涼飲料にカドミウムの基準値が設定されています。

カドミウムの使用用途

カドミウムは銀白色の光沢を有し、展延性に富み、加工しやすい金属です。その用途は、金属として合金材料、鉄などの電気メッキ、蓄電池の電極板、原子炉制御棒、ハンダ、銀ロウ、テレビのブラウン管などとして利用されております。また、化合物としては、顔料の原料に、例えばゴッホの「ひまわり」にはカドミウムイエローが使用されております。この他にも、触媒、電池、塩化ビニル樹脂安定剤、陶磁器着色剤などの用途があります。

カドミウムの性質

カドミウムの原子量は112.411、融点は321 ℃、沸点は765 ℃です。比重は25 ℃で8.65で、水には溶けません。汚染のない河川水中で、0.02~0.1 μg/L、海水で0.05~0.11 μg/L程度含まれているといわれています。カドミウムの結晶構造は六方晶です。

カドミウムのその他情報

1. カドミウムの化合物

カドミウムの化合物としては、以下のようなものがあります。

酸化カドミウム (CdO)
茶色の固体で、分子量は128.41、比重は8.15、CAS番号は1306-19-0です。用途はカドミウムメッキ浴添加剤、顔料、触媒、アルカリ電池などがあります。

塩化カドミウム (CdCl2)
固体で、分子量は183.32、融点は568 ℃、CAS番号は10108-64-2です。用途はメッキ、触媒などです。

硫酸カドミウム (CdSO4)
白色の固体で、分子量は209.47、比重は4.691、融点は1000 ℃、CAS番号は10124-36-4です。用途は分析用試薬、カドミウム電池などです。

硫化カドミウム (CdS)
黄色の固体で、分子量は144.48、CAS番号は1306-23-6です。カドミウムイエローと呼ばれる顔料として知られています。

テルル化カドミウム (CdTe)
黒色の固体で、分子量は240.00、比重は6.2、融点は1041 ℃、CAS番号は1306-25-8です。太陽電池などに用いられます。

セレン化カドミウム (CdSe)
黒色の固体で、分子量は191.37、比重は5.81、CAS番号は1306-24-7です。用途は顔料などです。

2. カドミウムの製造方法

カドミウムの一般的な製造は以下の手順で行われます。

  1. 亜鉛・鉛の焼結工程における除外設備より発生するガス洗浄液を、シックナー等を用いて固液分離します。
  2. 得たオーバーフローをイオン交換樹脂と接触させてカドミウムを濃縮し、カドミウムを含む再生液を得ます。
  3. 再生液を炭酸ナトリウム等で中和し、固液分離してカドミウムを炭酸カドミウムとして回収します。
  4. 炭酸カドミウムを硫酸で溶解し、不溶解分を除去した後、硫酸カドミウム溶液に粗カドミウムや電気亜鉛を投入し、セメンテーション反応によりスポンジカドミウムを得ます。
  5. スポンジカドミウムを溶解し、粗カドミウムを得、粗カドミウムを蒸留して蒸留カドミウムを得ます。

3. カドミウムの健康影響

カドミウムの人に対する経口致死量は、350~3,500mgと推定されます。骨軟化症を起こすイタイイタイ病の主な原因は、カドミウムの慢性中毒であるとされています。発がん性に関しては、国際がん研究機関 (IARC) による分類では、2A (人に対して発がん性を示す可能性が非常に高い) にランクされています。

参考文献
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/7440-43-9.html
https://www.mlit.go.jp/river/shishin_guideline/kasen/suishitsu/pdf/s06.pdf
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/1306-19-0.html
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https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/1306-23-6.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shikizai1937/31/7/31_300/_pdf/-char/ja