スクリューメータ

スクリューメータとは

スクリューメータは、粘度の高い液体やスラリー状の流体を安定して測定するための容積式流量計です。主に内部に配置されたネジ状のローター (スクリュー) が回転し、その回転速度やトルクの変化から流量を算出しパルス信号にします。

一般的なタービン式や超音波式では測定が難しい、高粘度・高濃度・固形分を含む流体に対応できる点が特徴です。スクリューの回転運動によって流れを安定化し、断続的な流体でも比較的均一な測定値を得られるため、製造現場において信頼性の高い計測が可能となります。

さらに、圧力損失が小さく、配管内での設置スペースが比較的少なく済む点も利点です。スクリューメータは、食品製造や化学プラント、石油・ガス関連など、多様な産業分野で重要な役割を果たしています。

スクリューメータの使用用途

スクリューメータは下記のような目的で使用されます。

1. 食品製造ラインにおける粘性材料の定量供給

スクリューメータは、シロップ・ジャム・ソースなど粘度が高い食品原料の計量に適しています。固形分や繊維を多く含む食材にも対応でき、加熱・冷却による粘度変化が大きい場合でも安定した測定が可能です。定量供給の精度向上により味のばらつき軽減や製造歩留まり改善に貢献します。

2. 化学・素材製造での高濃度液体・スラリー流量制御

樹脂原料、顔料スラリー、接着剤、薬液など、高濃度・高粘性の化学材料に適しており、濃度や温度変化が大きい場合でも安定した測定性能を発揮します。ラインごとに流量を可視化することで、配合精度や品質再現性が期待できます。

3. 石油・ガス設備における高粘度媒体の流量管理

原油、潤滑油、添加剤といった粘性の高い流体の計測に活用されています。圧力損失が少ないため長距離配管に適し、エネルギー消費の抑制にも寄与します。潤滑剤の供給ラインなど、設備内部の信頼性維持に役立ちます。

4. 建材・塗工ラインでの粘性液・塗布剤の管理

塗料、シーリング材、防水材、建材用樹脂など、粘性流体の連続供給に用いられています。膜厚や塗布量の安定化、生産ライン速度の最適化を図るうえで重要な装置として運用されています。