UWBモジュールとは
UWBモジュールは、超広帯域無線方式を用いて高精度な位置測位やデータ通信を実現する無線通信部品です。
UWB (Ultra Wide Band) は広い周波数帯域を使用し、短距離でありながら高い時間分解能と干渉耐性を備えています
UWBモジュールは、UWB通信に必要なRF回路、アンテナ、信号処理用IC、制御用ファームウェアなどを一体にした通信モジュールで、各種装置に組み込みやすい形で提供される部品です。
従来のBluetoothやWi-Fiでは困難だった数センチ単位での距離測定が可能で、電波の跳ね返りが多い屋内環境でも安定した測位性能を発揮します。また消費電力が比較的低く、多数のデバイスが密集する環境でも通信品質を維持できるため、工場内や物流センターでの活用が進んでいます。
UWBモジュールの使用用途
UWBモジュールの使用用途は下記のようなものがあげられます。
1. 製造装置の位置制御・状態管理
生産ラインに組み込まれた製造装置との相互位置把握、装置間の微小距離調整、搬送ロボットとの干渉回避などに利用されます。特に工場内での設備密集環境でも高い安定性を維持できます。
2. 倉庫管理システム (WMS) との連携
倉庫内資材や製品の所在管理、棚とフォークリフト間の距離把握、ピッキング動線の最適化に活用されます。棚番号単位の細かな位置情報をリアルタイムで反映し、作業効率と安全性向上を支援します。
3. ロボット・AGV・AMRの自律走行支援
ロボット同士の衝突回避、精密編隊走行、近接動作の協調制御に利用されます。UWBによる低遅延な相対測位は、多数ロボットが走行する環境でも高い効果を発揮します。
4. 入退室・資産トラッキングシステム
タグ付き工具、医療機器、重要設備などの所在監視、紛失防止、エリア制限管理に活用され、高精度なトラッキングを可能にします。
5. 建設機械・車両の安全支援
重機と作業員の距離検出、危険接近時の警告連動システムに組み込まれ、安全性向上に寄与します。