パウチ加工とは
パウチ加工は、紙や写真などの基材を袋状のラミネートフィルムに封入し、密封する加工技術を利用したサービスです。
基材をフィルムで挟み込み、熱と圧力をかけて完全に密封・一体化させます。これにより、基材の耐久性を飛躍的に向上させ、物理的な保護と美観の保持します。フィルムは、ポリエチレンテレフタレート (PET) などが用いられ、単なる保護だけでなく、耐水性・耐油性・耐薬品性、そして紫外線に対する耐候性といった、多様な機能性を付与することが可能です。
異なる素材を重ねて、熱や接着剤を用いて圧着し一体化させるラミネートには「ラミネート加工」と「パウチ加工」があります。「パウチ加工」は、基材の周囲にフチを作ることで水分の侵入を完全に防ぐ点がラミネート加工と違います。
パウチ加工の用途
パウチ加工の主な用途を以下に示します。
1. 産業・製造現場における安全・管理表示
製造ラインや倉庫内では、安全標識、作業手順書、設備点検記録、製品管理ラベルなど、様々な情報が掲示されます。これらの情報は、油汚れや水濡れ、粉塵、摩擦に常にさらされています。パウチ加工を施すことで、これらの掲示物を恒久的に保護し、内容の劣化を防ぎ、情報の可読性を維持します。
2. 商業・サービス分野でのメニューやPOP
飲食店や小売店で使用されるメニュー表やプライスカード、テーブルPOPなどは、頻繁な手の接触や液体の付着、清掃による摩擦が避けられません。パウチ加工は、これらに耐水性と耐久性を与え、ラミネート後の表面をアルコールなどで拭き取れるようにすることで、衛生管理の向上に貢献します。
3. 公共機関や屋外掲示物
地図、許可証、身分証明書、屋外イベントのポスター、避難経路図など、高い耐候性 (UVカット) と防汚性が求められる用途にも、パウチ加工が利用されます。特に屋外での掲示は、高性能なパウチフィルムを使用することで、長期間にわたり鮮やかな状態を保ちます。