ラジアルボール盤

ラジアルボール盤とは

ラジアルボール盤

ラジアルボール盤とは、工作物を加工するためのボール盤型の機械の1種です。

テーブルが機械の中心から離れた位置に配置され、工具をラジアル方向に動かせます。ラジアルボール盤は大型の工作物を加工するのに適しており、高精度の加工が可能です。

専用のアタッチメントや工具を使えば複雑な形状を加工できる場合もありますが、一般的に他の加工機器に比べて精度が劣ります。したがって、加工物の形状や材料に応じて、適切な加工機器を選択する必要があります。

ラジアルボール盤の使用用途

以下はラジアルボール盤の代表的な使用用途の一部です。

  • 穴あけ
    自動車のフレームやエンジン部品などの穴あけ
  • リーマ加工やタップ加工
    エンジンのシリンダーヘッドやボルト穴などへのリーマ加工やタップ加工
  • 研削や研磨
    歯車や軸受けなどの金属部品の研削や研磨作業
  • 仕上げ加工
    家具や木製工芸品の表面仕上げ
  • 形状切削
    プラスチック製の部品の形状切削
  • 彫り込み
    指輪やネックレスなどの宝飾品に細かな彫り込み
  • 補修作業
    自動車のボディパネルの穴あけ

ラジアルボール盤の原理

ラジアルボール盤による加工物 の切削過程は以下の通りです。

1. 加工物の固定

まず加工物を、クランプやバイスを使用してラジアルボール盤のテーブルに固定します。

2. 切削工具の選択と取り付け

適切な切削工具 (エンドミルやドリルなど) を選択し、ラジアルボール盤の主軸に取り付けます。

3. 切削条件の設定

加工物の材料や切削工具の特性に基づいて切削条件を設定します。切削条件とは、回転速度や送り速度、切削深さなどです。加工物を効率的かつ精密に切削するために、切削条件を設定します。

4. 切削開始

切削条件が設定されたら切削を開始します。ラジアルボール盤の主軸を回転させながら、切削工具を加工物側へ進めていきます。

5. 切削の継続と進行

切削していくことで、加工物の形状や寸法が変化し、目的の形状や寸法に近づいていきます。切削工具の進行速度や切削深さは、切削条件に基づいて調整されることがあります。

6. 切削の終了と仕上げ

目的の形状や寸法に達したら、切削工具を停止させます。加工物の表面仕上げが必要な場合は、切削工具を交換して仕上げ工具 (研磨ヘッドやバフなど) を使用し、表面を滑らかに仕上げます。

ラジアルボール盤の構造

構造は製品によって異なる場合がありますが、基本構造は以下の通りです。メーカーによって名称が異なる場合があります。

1. ベース

ラジアルボール盤の基本的な構成要素であり、その重量によって機械を安定させます。また床面に固定するためのボルト用の穴があります。

2. コラム (支柱)

ベースから垂直に立ち上がる柱のことです。工具の上下移動に必要な精度と剛性を確保します。通常使用される材料は、鋳鉄などの剛性の高い材料です。

3. アーム  (ラジアルアーム)

コラムに沿って前後に移動できるアームがあり、工具の位置変更が可能です。アームには、工具を固定するための工具ホルダーが備えられています。

4. テーブル

工作物を固定する平板です。テーブルには、工作物を固定するためのクランプや固定用のボルト穴があります。

5. ドリルヘッド

工具を固定する部分であり、アームの先端に取り付けられています。ドリルヘッドには、回転する切削工具を固定するための工具ホルダーがあり、その位置は調整可能です。

工具ホルダーは切削工具を固定する部品で、モーターからの回転運動を切削工具に伝えるために必要な構成要素の1つです。

6. モーター

ドリルヘッドを回転させるための電動モーターです。モーターの回転速度は、切削工具の種類や工作物の材料に応じて調整できます。

7. 主軸 (回転軸・スピンドル)

ラジアルアームには、主軸があります。この部分は、工具を取り付けて回転し、素材を加工するために必要な部分です。

ラジアルアームの主軸は、通常は円筒形のシャフトとして設計されていて、このシャフトはラジアルアームの中心線上に配置され、モーターまたはハンドルを介して回転できます。主軸には、工具を取り付けられるチャックやクランプが備わっている場合があります。

 

上記ではテーブルは固定されていて動かない構造を説明していますが、製品によってはテーブルがコラムを中心に回転する場合もあります。また、テーブルがなく、ベースがテーブルの代わりをしているものもあります。

ラジアルボール盤のその他情報

1. ラジアルボール盤の長所

ラジアルボール盤の長所は、大型・重量物の加工が可能であることです。ベースとコラムによって安定性が確保されており、大型・重量物の加工にも対応可能で、またアームの長さを調整して加工物の大きさに応じて工具を調整できます。

操作が容易であることも長所の1つです。ラジアルボール盤は主に穴あけ加工に使用されます。工具を垂直に下ろせるため正確な穴あけ加工が可能であり、またドリルヘッドを移動させて複数の穴を正確に均等にあけられます。

さらに、多様な素材にも対応可能です。ラジアルボール盤の切削工具は様々な素材に対応し、例えば金属やプラスチックや木材などの加工もできます。また、アームやテーブルの調整が容易であるため、正確な加工品質を保てます。

2. ラジアンボール盤の短所

ラジアンボール盤の短所は、切削能力が限定的であることです。穴あけ加工や面取り加工に最適化されており、他の切削加工には向いていません。また、大型・厚板の加工には限界があります。

精度に限界があることも短所の1つです。ラジアルボール盤は、ラジアルアームやテーブルの精度によって加工精度が左右されます。よって高精度な加工には限界があり、他の加工機器に比べて精度が劣る場合があります。

さらに、切削時に騒音や振動が発生するため、作業環境に影響を与えることがあります。特に大型の加工物を扱う場合には、振動が大きくなりがちです。また、ラジアルボール盤は大型の機械であるため、スペースの制約がある場所では使用しづらいことがあります。大型の加工物を扱う場合には、より広いスペースが必要です。

3. 応用範囲

ラジアルボール盤は、穴あけ加工や面取り加工のほかにも、溝切りやネジ切りなどの加工にも使用できます。また彫刻や模様刻みなどの細かな作業にも利用されることがあります。

4. 切削工具の種類

ラジアルボール盤には、ドリルビットやエンドミルなどの切削工具が使用されますが、切削工具の種類によって、加工する素材や目的に合わせた切削が可能です。

5. 切削速度と送り速度

ラジアルボール盤の切削速度と送り速度は、素材の種類や切削工具の種類に応じて調整することが必要です。適切な速度に設定して高品質な加工が可能になります。

リニアシャフト

リニアシャフトとは

リニアシャフト

リニアシャフトは、直線(往復)運動を行う際にガイドとして使用される耐摩耗性に優れた高精度な丸棒です。

軸の外径ははめあいになっており、一般的にf8、g6、h5から選ぶことができます。

材質は鉄(硬質クロム処理などの表面処理)やステンレスがあり、高周波焼き入れを行うことで強固な表面状態にすることができます。

形状はストレートだけでなく、パイプや段付きをつけたり、端面にタップをあけたりD面取りやキー溝加工して使うこともあります。

リニアシャフトの使用用途

直線往復運動でのガイドとして使用します。

エアシリンダーやモーターによる直線駆動では、直線度がでないため、リニアシャフトとドライベアリングリニアブッシュなど摺動性の高い部品とセットで使用し、動きの直線度を高めます。

万力など人の手で直線に動かす治具などでもよく使われています。

最近では、静止時の振動が極めて小さく高速移動が可能なリニアシャフトを使ったリニアシャフトモーターも発売されており、加工装置の位置精度が必要な箇所などで使われています。

リニアシャフトの原理

リニアシャフトは安価に高精度な直線駆動や静止位置精度を実現するためには欠かすことができない機械機構部品です。

標準化が進んでおり、標準品の中から選択すれば非常に安く手軽に高精度な直線運動を実現することができます。

リニアシャフトは対象物が常にこすれるため摩耗します。耐久性を高めるために、表面を強固にするために焼き入れなどを施すことが多いため、実際に購入後に追加工を使用と思っても硬くて、本格的な加工機を使わないと加工できないので注意が必要です。

同じように高精度な直線度を実現する手法としてリニアガイドがあります。リニアガイドは支持点を負荷がかかるところにおけるのに対して、リニアシャフトは負荷から離れたところに支持点があるため、強度ではリニアガイドに劣ります。高精度、高強度が必要な場合はリニアガイド、安価で簡略化したい場合はリニアシャフトと目的にあわせて使い分けするのが一般的です。

参考文献
https://www.smri.asia/jp/yskaxxel/products/1167/
https://www.aperza.com/catalog/page/12/14664/

リファレンスIC

リファレンスICとは

リファレンスIC(英語: Reference integrated circuit)とは、電子回路を動作させる際に基準となる電圧を出力する電子部品のことです。また、そのような電子回路のことをリファレンス回路や基準電圧源と呼ぶこともあります。

リファレンスICの性能には、出力される基準電圧の初期精度、ラインレギュレーションと呼ばれる電源電圧の変動に対する安定性、ロードレギュレーションと呼ばれる負荷の変動に対する安定性、温度ドリフトと呼ばれる周囲温度の変化に対する安定性、長期ドリフトと呼ばれる長期間の使用に対する安定性などがあり、ppm(0.0001%)オーダーの高い精度で安定した電圧出力を維持することが求められています。

リファレンスICの使用用途

リファレンスICは、基準電圧を必要とするさまざまな電子回路に用いられています。電源の制御回路では出力電圧を基準電圧と比較することで出力電圧を一定に保つように制御しています。ADコンバータDAコンバータでは入力電圧と基準電圧の比較によって適切な出力に変換されます。電圧検出器では基準電圧との比較で検出判定を行います。

そのため、これらの電子回路の性能はリファレンスICの性能に影響されます。特に、科学、医療、車載、軍事、航空、宇宙などの分野においては高い精度のリファレンスICが要求されます。

リファレンスICの原理

リファレンスICの構成にはシャント型と直列型の2種類があります。

シャント型はリファレンス出力とグラウンドの2端子で構成されており、2端子間に流れる電流によらず一定の電圧降下を保つように制御されます。使用する際には、ICを負荷に対して並列に接続し、電源とリファレンス出力の間に外部抵抗を接続します。電源電圧や負荷の変動によってICに流れる電流が変動しますが、ICの制御によってリファレンス出力の電圧は一定に保たれます。

直列型は電源入力とリファレンス出力とグラウンドの3端子で構成されており、使用する際には電源と負荷の間にICを直列に接続します。電源電圧や負荷の変動に対して、ICの内部抵抗を変化させることで、リファレンス出力が一定電圧を保つように制御されます。

現在よく用いられるのは、バンドギャップリファレンスという方式です。正の温度係数を持つ電圧と負の温度係数を持つ電圧を合わせることで、温度の変化に対しても安定した電圧出力を維持することができます。

リファレンスICを使用する際には、用途に応じて必要な性能が得られるように、精度や安定性だけでなく、起動時のセトリング時間やノイズ特性なども含めて、適切に選ぶ必要があります。

参考文献
https://ednjapan.com/edn/articles/1102/01/news110.html
https://www.maximintegrated.com/jp/design/technical-documents/app-notes/2/2879.html

曲げ試験機

曲げ試験機とは

曲げ試験機とは、材料や製品の曲げに対する強度や特性を評価するための精密な装置です。

試験片を固定する治具、特定の荷重を適用するための圧子、そしてその結果の変位や反応を測定する検出器から成り立っています。単に強度のみならず、材料の挙動や性質を詳細に分析するための重要なツールです。

多くの産業や研究分野での安全性や品質確認の一環として、曲げ試験機の使用は不可欠となっています

曲げ試験機の使用用途

曲げ試験機は、製品や材料の曲げ特性を詳細に評価するための重要な機器です。その用途は多岐にわたり、様々な産業分野での安全性や品質を確認するために活用されています。

例えば、電子機器部品の頑丈さを確認するための半導体製品や基盤の試験、歯科インプラントや骨折治療具のような医療機器の耐久性を検証する場面などです。さらに、大型の試験機を利用して、鉄道のレールや建築用のコンクリート、鉄筋の強度を測定することも行われているのです。

このように、曲げ試験機は幅広い用途で要求される性能を検証するために使用されています。

曲げ試験機の原理

曲げ試験機は、試験片の曲げ特性を明らかにするための精密な装置です。主に「3点曲げ試験」と「4点曲げ試験」の2つの方法が採用されます。

1. 3点曲げ試験

3点曲げ試験は試験片の中央に単一の荷重を加え、両端を支持する方式です。これは一様な荷重分布を持たず、主に材料の曲げ加工の特性を探る工業試験に利用されます。

2. 4点曲げ試験

4点曲げ試験は2つの荷重を等距離で加え、その間の荷重分布が一様で、材料の基本的な曲げ強度を評価するのに適しています。試験中、試験片のたわみが測定され、このデータを解析して曲げ応力や曲げひずみの情報を得ることが可能です。これにより、材料や製品の品質や性能が評価されます。

曲げ試験機の原理

1. 電動式曲げ試験機

電動式の曲げ試験機は、電気モーターを利用して試験片に対する荷重を制御します。電動式の最大の特長はその精密さであり、微細な荷重の変動や繊細な測定が必要な場合には電動式が最適です。

また、電源さえあればどこでも使用可能という利点もあります。実験の再現性や連続的なデータ取得にも優れています。

2. 油圧式曲げ試験機

油圧を活用して荷重を調節するタイプの曲げ試験機です。油圧式は、特に大きな荷重が要求される試験、例えば建築材料の試験などに適しています。

その強力なパワーと頑丈さから、多くの産業現場で信頼されて使用されています。一方で、維持管理が電動式に比べてやや煩雑になることが考えられます。

3. 卓上型曲げ試験機

小型でスペースを取らない卓上型の曲げ試験機は、研究所や学校の教育現場など、限られた場所での利用を想定しています。主に小さな試験片のテストや基本的な試験に適しており、使いやすさや移動の容易さが魅力です。

4. 大型曲げ試験機

大型の試験片、例えば建設材料や大型の機械部品などの試験には、大型の曲げ試験機が要求されることが多いです。これらの試験機は、高い荷重を安定して加える能力を持っています。ただし、専用の設備や場所が必要となることもあり、設置や移動には注意が必要です。

曲げ試験機の構造

1. 試験片保持装置

曲げ試験機の中心となる部分は、試験片を確実に保持するための装置です。この保持装置は、試験片が曲げ試験中に位置を変えることなく、安定して荷重を受け止められるようにデザインされています。材質や形状に応じて、さまざまなタイプの保持具が存在します。

2. 荷重加える部分 (圧子)

圧子は試験片に直接荷重を加える部分であり、特に強度や精度が求められる部分です。材料の特性や試験方法に応じて、圧子の形状やサイズが異なることがあります。荷重の均等な加え方や、特定の点に対する集中的な力の加え方など、多様な圧子が設計されています。

3. たわみ測定装置

曲げ試験では、試験片にどれだけのたわみが生じたかを正確に測定することが重要です。このための専用の測定装置が、曲げ試験機に組み込まれています。光学的なセンサーや物理的な計測器具など、さまざまな技術が用いられており、測定の精度は機器の性能によって大きく異なります。

4. 制御ユニット

曲げ試験機の動作を制御するためのユニットです。デジタル化された最新の機器では、タッチパネルや専用のソフトウェアを使用して、試験条件の設定やデータの解析、保存が行えます。

また、安全機能やアラーム機能もこのユニットに組み込まれており、異常が発生した際には速やかに対応が可能です。

参考文献
https://shimizutech.co.jp/archives/stblog/20201015-4
https://www.keyence.co.jp/ss/products/recorder/testing-machine/material/bending.jsp

光スイッチ

光スイッチとは

光スイッチは光回線切替装置とも呼ばれ、光信号から電気信号に変換することなく、特定の信号を分岐したり、行き先を変えることができる光通信用デバイスです。

電気信号に変換する必要がないため、光通信の特徴である高速性を保ったまま切替が可能になります。

光スイッチは切り替え方式の違いで大きく3種類にわけることができます。

電気的なアクチュエータに入出力素子もしくは、光学素子を搭載、動かすことで光路を切り替えるメカニカル方式、静電気など微弱な力をつかって微小な光学素子位置を制御して切り替えるMEMS方式、基板上の光導波路両側にヒータを配置し片側のヒータを加熱、導波路の左右で温度差が生まれることで導波路内の屈折率を変化させ,光の伝播経路を変更する光導波路方式があります。

光スイッチの使用用途

高速通信としてかかすことができなくなった光通信における光路切り替えやON/OFFするデバイスに活用されています。

光通信を電気信号に変換してからスイッチングを行うと、その変換からスイッチングにかかる時間がボトルネックになります。その問題を解決するのに開発されたのが光のままスイッチングを行う光スイッチです。

実際には1つの光路上のデバイス故障などで使えなくなった時に、他の経路に切り替えることで安定した光アクセス環境の提供を継続的に行うために使用されています。

光スイッチの原理

メカニカル方式は、非常に簡単な構造で、プリズムなどの光学素子をスライドさせることで切り替えを行っています。制御系が容易で損失も少なく、光路切り替えの時だけの通電で済むため低消費電力にて実現可能ですが、大規模な切り替えには向かず、小規模な切り替えで活用されています。

MEMS方式は微細加工技術の進歩により作製可能になったマイクロミラーを利用した光スイッチで2枚のミラーで反射させスイッチングします。小型で集積することができ、高速動作に対応できるため、多チャンネルに向いています。常に通電が必要ですが、それぞれの素子を動かすのに必要な電力も小さいため、消費電力を抑えることができます。

光導波路式は平面に光導波路を作成する光波回路技術により実現され、熱や光、電気などの外部からの入力で屈折率を変化させるなどにより光路を変えます。損失は大きいが平面を積み重ねることが可能で小型・集積化を行いやすいという特徴を持っています。

参考文献
https://www.fiberlabs.co.jp/tech-explan/about-switch/

差圧流量計

差圧流量計とは

差圧流量計とは、流体が管路内を通る際に生じる圧力差を利用して流量を測定する流量計です。

流体の流れる管路に取り付けられた制約構造物 (オリフィスプレートなど) を通過する際に生じる圧力差を測定することで、流量を計算します。この制約構造物は流体の速度を変化させ、その変化から流量を推定するための情報を提供します。

他の一般的な流量計に比べて比較的低コストで入手可能です。そのため、予算に制約のあるプロジェクトや用途に適しています。シンプルな構造のため耐久性があり、特に金属製の場合は高温・高圧環境にも耐えることが可能です。ただし、圧力損失が大きい場合も多いです。

また、測定範囲に制限がある場合も多く、過大な流量や過小な流量に対しては正確な測定ができない場合があります。用途に応じて適切に選定することが重要です。ダイヤフラムオリフィス、ベルヌーイの定理などを利用することで測定しています。安価で広い範囲の応用ができることが特徴で、実流校正も不要です。

差圧流量計の使用用途

差圧流量計は気体・液体・蒸気の検出を行うことが可能で、価格が安価な点が特徴です。構造も簡単で、保守が容易な点もメリットとして挙げられます。これのメリットから、以下のような用途で使用されます。

1. 環境測定

環境監視において、差圧流量計は重要な役割を果たします。一例として、工業用炉の排ガス流量測定などに使用される場合が多いです。工業用炉の排ガスは大口径の煙道で大流量となることも多いため、安価な差圧流量計が使用されます。

2. 発電所

水力発電所では、水の流量を正確に測定することが重要です。差圧流量計は、水の流量を測定するために使用されます。これにより、発電効率を最適化し、水力発電の効果的な運用を実現します。

また、火力発電所のうち、蒸気ボイラ・タービンシステムにおいても差圧流量計が使用されることが多いです。差圧流量計は蒸気発生状況監視やタービンへの供給制御に使用されます。

3. レジャー施設

温泉地や銭湯などのレジャー施設では、加温のために蒸気を使用することが多いです。この蒸気流量を検知するために、差圧流量計が使用されることがあります。蒸気流量を管理することで、ボイラー燃料の低減や最適な施設運用に貢献します。

差圧流量計の原理

差圧流量計の測定原理はベルヌーイの定理により説明することが可能です。差圧流量計は配管中にオリフィスなどの制約構造物が入れて流量測定します。制約構造物を通過する流体は速度が増加し、同時に圧力が減少する仕組みです。制約構造物の上流側と下流側のポートに取り付けられた圧力センサーによって、差圧を測定します。

差圧値は流体の速度と密接に関連しているため、流体の流量を推定することが可能です。一般的に、差圧値は流量の平方根に比例します。差圧流量計の特性や設定された係数を使用し、この差圧から実際の流体の流量を計算できます。

測定する際にオリフィス手前の流量が安定していないといけないため、比較的長い直管をオリフィス手前に設けなくてはなりません。配管直径に対して、5~10倍の直管長が必要になります。

差圧流量計の種類

差圧流量計にはさまざまな種類が存在します。以下は差圧流量計の種類一例です。

1. オリフィスプレート式流量計

オリフィスプレート流量計は、円形または楕円形の孔を持つプレートを使用して流体の流量を測定する差圧流量計です。このプレートをオリフィスプレートと呼びます。流体がオリフィスプレートを通過する際に生じる圧力差を測定し、流量を推定します。

単純な構造であり、比較的低コストで利用されることが多いです。蒸気使用量の確認や排ガス量測定などに広く使用されます。

2. ベンチュリ―メーター

ベンチュリメーターは、円錐形の制約部を持つ管状の差圧流量計です。流体がベンチュリメーターを通過する際に速度が増加し、同時に圧力が減少します。圧力差を測定することで、流量を推定することが可能です。

高い測定精度を持ち、広い範囲の流量測定に適しています。

3. ピトー管式流量計

ピトー管は、円錐形のプローブが取り付けられた管状のデバイスです。流体の速度変化により、ピトー管の先端に圧力差が生じます。

ピトー管の先端の圧力差を測定することで、流体の速度と流量を推定することが可能です。特に気体の流量測定に広く使用されます。

参考文献
https://www.tokyokeiso.co.jp/techinfo/magazine/pdf/flow2.pdf
https://www.keyence.co.jp/ss/products/process/flowmeter/type/diaphragm.jsp

質量流量計

質量流量計とは

質量流量計 (英: Mass Flow Meter) とは、液体や気体の流体中の質量流量を測定するための装置です。

流量計全体では体積を測定する体積流量計が多いですが、質量流量計は一定時間内に流れる流体の質量を直接測定することができます。質量流量計は、液体や気体の両方の流体に対して使用できる場合が多いです。

したがって、さまざまな流体の質量流量を測定するための幅広い応用用途があります。ただし、質量流量計は体積流量計と比較して高価です。また、設置や運用に一定の技術的な知識が必要な場合があります。

質量流量計の使用用途

質量流量計はさまざまな産業分野で使用されます。以下は使用用途の一例です。

1. 石油・ガス産業

石油・ガス産業では、質量流量計がさまざまな場面で使用されます。石油精製プロセスやガス処理プラントでの液体や気体の供給や混合においても、質量流量計が使用されることが多いです。処理ガスは組成や密度が変化するため、質量流量計が重宝されます。

2. 化学プラント

化学プラントでは、液体や気体の質量流量計が多く使用されます。これらのプラントでは原料の供給や混合、反応物の投入、製品の生産量の測定などが必要です。これらのプロセスでは質量比によって混合比率を検討する場合も多く、質量流量計が採用されます。

したがって、質量流量計は製品の品質管理、プロセスの効率向上、原料の使用量の最適化などに役立ちます。また、危険物の取り扱いや安全性の確保にも重要な役割を果たします。

3. 発電所

発電所では燃料供給や排ガスの流量測定に質量流量計が使用されます。石炭や天然ガスなどの燃料の正確な供給量を測定し、発電プロセスの効率を向上させることが可能です。

また、排ガスの流量測定により、環境規制の遵守や排ガスの品質管理が行われます。質量流量計は温度・圧力による影響を比較的受けずに測定することが可能です。

質量流量計の原理

質量流量計には多くの種類が販売されており、それぞれ動作原理が異なります。ただし、流体の質量に関連する物理的な変化や効果を利用するという共通した原理があります。

質量流量計は、流体の質量を直接的に測定する方法を使用する流量計です。質量は流体の物質の量を表すため、直接的な質量測定は正確な流体の量の把握につながります。

また、原理に応じて流体の物性を利用します。振動管におけるコリオリ効果では、流体の質量が振動によって生成される位相差や変位に影響を与えます。熱伝導法では流体の熱伝導率が質量流量と関連しています。

質量流量計の種類

質量流量計には非常に数多くのタイプがありますが、多く使用されるのはコリオリ式と熱式です。

1. コリオリ式流量計

コリオリ式流量計はコリオリ力を使用した流量計です。コリオリ力とは質量が回転座標上で移動した際に、移動方向と垂直の方向に発生する慣性力です。コリオリ力を測定することで、流体の質量流量を高精度に直接計測可能です。

コリオリ式流量計は複数の振動チューブを使用します。流体が振動するチューブに流れる際、コリオリ効果によって生じる力が振動に影響を与えます。流体の質量が振動の位相差や変位に関与するため、これを測定することで質量流量を計算することが可能です。

精度も応答性も高い上に流体の脈動に影響を受けない点が特徴です。また、気体または液化ガスといったほぼすべての流体の測定ができます。ただし、流量計や架台の振動に影響を受け、掃除がしにくいといった欠点があります。

2. 熱式流量計

熱式流量計は、熱の伝熱や熱膨張の原理を利用して質量流量を測定する流量計です。気体で使用されることが多いです。

熱式流量計では温度差を検出して質量流量を計算します。流体の流れによって生じる熱エネルギーの変化や伝導速度の変化を検知し、それを基に質量流量を推定することが可能です。

測定できる温度範囲が広い点が特徴であり、高温ガスの測定も実施可能です。また、熱式流量計は一般的に低い圧力損失で測定ができます。ただし、汚れに弱いといった欠点があり、オイルミストを含有した気体などの測定には不向きです。

参考文献
https://kotobank.jp/word/%E8%B3%AA%E9%87%8F%E6%B5%81%E9%87%8F%E8%A8%88-74259
https://news.aperza.jp/flowmeter/#anchor03
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jime/52/3/52_342/_pdf/-char/ja
https://www.youtube.com/watch?v=BjVjvLRF2BY&list=PL7CHH
https://www.jp.endress.com/ja/Field-instruments-overview/Flow-measurement-product-overview/Coriolis-mass-flowmeters

速度センサー

速度センサーとは

速度センサー

速度センサーは、自動車やバイク、鉄道車両、船舶、航空機といった乗り物等に搭載されており、これら各種乗り物の移動速度を検知・計測することができます。

速度センサーには車輪の角速度(単位時間あたりにどれだけ回ったか)から速度を求める方式や光や音の反射波との位相のズレ、つまり、ドップラー効果を利用したもの、空気や水といった流体との対物速度を測定するピトー管、軌道上の人工衛星から送られてくる信号を利用したGPS速度計があります。

速度センサーの使用用途

速度センサーは、前述のとおり、各種乗り物の移動速度を検知・計測する用途に使われます。

ただし、船舶の運航に関しては一般的に外力が多く、かつ複雑多岐にわたっており、港湾等においては慎重なオペレーション(操縦操作)を必要とすることから、次のとおり船舶の各部に速度センサーが装備されています。

大型船舶が接岸する際、巨大な船体による慣性を制御し接岸スピードを最適にコントロールする必要があります。

船舶接岸速度計は、船首、船尾それぞれの接岸距離、速度を計測することで接岸速度、角度などのデータを表示することによって安全な接岸を支援します。

また、特に航空機に関しては陸上を走る乗り物と異なり、地面に対する速度、「対地速度」を計測することはできず、代わりに空気に対する速度、「対気速度」をピトー管により計測します。

対気速度(翼が空気を追い越す速度)を正確に計測することは飛行継続の要素である揚力を把握する上で最も重要な指標となります。 

速度センサーの原理

船舶と航空機で用いられる速度センサーについて説明します。

船舶において対水速度を計測する場合、ドップラー効果を利用した速度センサーが用いられます。

ドップラー効果とは、音源(注:水中では電波や光は超音波に比べて著しく減衰するため、実質使用できない)とセンサーが相対的に近づくときには相対運動がないときに比べて周波数が高く感知され、またこれらが遠ざかるときには周波数が低く感知される現象を指します。

この周波数のズレ、つまり、水粒子のドップラーシフトの検知から対水速度を算出するしくみになっています。

航空機では機体に搭載されているピトー管が対気速度を計測します。

ピトー管は先端部の穴から空気を取り込み、外からの風圧と、その場所の大気圧の差を利用して対気速度を測ります。

なお、実際の旅客機ではピトー管で速度の概算を出したうえ、コンピューターなどを用いて様々な補正を加えることにより、より正確な対気速度を測ってこれを飛行に使用しています。

参考文献
https://www.tokyokeiki.jp/products/detail.html?pdid=102
https://trafficnews.jp/post/95849
https://www.honda-el.co.jp/hb/3_27.html

電磁流量計

電磁流量計とは

電磁流量計とは、電磁誘導の物理法則を使用して流体が流れる量を測定する装置です。

流量計の一種で、可動部がなく圧損が存在しないのが特徴です。ただし、測定原理上、電磁流量計の測定対象は導電性の液体に限られます。油などの絶縁性の液体や気体の測定はできません。

導電性液体であれば、液体の温度、圧力、密度、粘度、導電率の影響を受けずに測定が可能です。また、液体中に泥や微粒子などが浮遊しているスラリーや腐食性化学薬品などの流量にも測定できます。

電磁流量計の使用用途

電磁流量計は固体を含む液体や、粘度の高い液体などに適用することが可能です。そのため、あらゆる業界で使用される流量計の一つです。以下は電磁流量計の測定対象の一例です。

  • 土木工事における砂水混合物などの固体を含む流体
  • セメントミルクやモルタルの高粘度流体
  • 化学工場などにおける硫酸塩酸などの酸性液体
  • スクラバーなどにおける苛性ソーダなどの塩基性液体
  • 製紙産業におけるパルプ液や漂白剤
  • 食品産業における果汁やワインなどの飲料牛乳
  • 医療産業における薬品や血漿

上記の通り、非常に多岐に渡る分野での流量測定に使用されています。

電磁流量計の原理

電磁流量計は、ファラデーの電磁誘導の法則を利用して流量を測定します。電磁誘導とは、磁界中を移動する導体に電圧が発生する現象です。磁界とは、磁石のように磁気が発生している状態を指します。

磁界の中で導電性の物体が動くと、その速度に比例して電圧が発生します。電磁流量計はこの電圧を検知することで流量に換算します。したがって、電磁流量計は測定する液体を通す測定管、磁界を発生させる励磁コイル、電磁誘導で発生した電圧を測定する回路などで構成されます。

測定管に対して垂直の方向に磁界を発生させると、測定管を流れる導電性液体が磁界を垂直に横切ることになり、測定管と磁界の両方に垂直な方向に電圧が発生します。発生する電圧を測定することで液体の平均速度を求め、体積流量を求めることが可能です。

電磁流量計の選び方

電磁流量計は、使用液体の特徴や施工場所などから機器を選定します。具体的な選定ポイントは、以下の通りです。

1. 分離型・一体型

施工場所に応じて検出器・変換器一体型か、分離型かを選定します。設置配管が高所であったり、人が近付きにくい場合には分離型を使用します。アクセスが容易な場合には、配線工事が簡単な一体型を選択可能です。

2. 測定管

電磁流量計の測定管は、使用液体の種類によって選定します。鉄粉などの固い固体を含有する液体の流量測定ではセラミックを塗布したセラミック測定管を使用し、それ以外の場合はライニング管を使用します。

ライニング管にはゴムやPFAなどのライニング材があります。ゴムは比較的低温で使用可能です。高温の場合はPTFEやPFAのライニング管を使用します。

3. 接続方法

配管の接続方法はウェハとフランジがあります。ウェハタイプの方が安価ですが、取外・取付はフランジの方が簡単です。なお、セラミック測定管を選定する場合はウェハしか選択できません。

測定管の種類や接続方法が選定できたら、接続配管に合わせて口径も選定します。

4. 電極・アースリング材料

電極やアースリングは接液する可能性があるため、配管に流れる液体に合わせて選定します。アースリングとは、測定ノイズの除去などを目的に配管へ接続される金属リングです。水や中性液体に対してはSUS316Lなどの電極・アースリングを使用します。

アルカリ類などの場合はハステロイなどを使用します。王水などの強酸性液体の場合は、タンタルを使用することで腐食の防止が可能です。白金イリジウムは各種あらゆる酸・アルカリに強い金属ですが、高価な点がデメリットして挙げられます。

5. 通信方式

電磁流量計はDC4-20mAの電流アナログ伝送が一般的です。DC4-20mAの中でも国際的にはHART通信が広く使用されており、それ以外は各社が独自に開発した通信方式です。保守用通信機の有無などによって通信方法を選定します。

参考文献
http://ch.ce.nihon-u.ac.jp/kako/PC_HTML/Lect/pt5/5_8_cmt.html
https://www.analog.com/jp/analog-dialogue/articles/electromagnetic-flow-meters.html

熱式流量計

熱式流量計とは

熱式流量計とは、通過する流体の熱伝導特性を利用して流量を計測する流量計です。

流体の上流と下流の温度差を検知して流量を測定します。特に気体の流量測定に適した装置です。液体の流量を測定する製品もありますが、測定できるのはごく少量の流量に限られます。

汚れに弱いという短所があり、気体の中でも純粋な気体の測定に適しています。また、正確な流量測定が可能な点も特徴で、粘性のある流体や高温の流体にも適用可能です。ただし、測定対象の流体の熱伝導特性や温度変動による影響があるため、正確な測定には校正や補正が必要です。また、流体によっては温度変化が遅く、応答速度に制限がある場合もあります。

流量計には、流体の体積を測定するものと質量を測定するものがあります。体積流量を測定する種類が多い中、熱式流量計は質量流量を測定可能です。気体は温度や圧力の影響で体積が変わるため、質量流量を測定可能な熱式流量計であれば測定の精度は高くなります。

熱式流量計の使用用途

熱式流量計は、さまざまな産業や応用用途で使用されています。測定原理から、純粋な気体の測定に適していると言われます。また、測定精度も高いため、これらの特徴を利用した用途が多いです。

産業においては、工業プロセスの制御や監視に使用されます。化学プラントや半導体プラントなどの生産ラインでは、流量測定を正確に行うこと求められます。熱式流量計は流体の流量を正確に測定し、制御システムにフィードバックすることで、プロセスの安定性や効率を向上させることが可能です。

また、エネルギーの計測にも使用されることが多いです。熱交換器やボイラーなどでは、熱量計測に利用されます。熱式流量計によって正確な熱量測定が可能であり、エネルギー使用のモニタリングや効率改善が可能です。

その他にも、医療用の麻酔ガスの流量計測や清涼飲料水の製造・冷却に使用する炭酸ガスの流量計測など、多様な分野に応用されています。

熱式流量計の原理

熱式流量計は、流体の熱伝導特性を利用して流量を測定する方法です。流体が流れると、流体の温度変化が熱伝導によって生じます。熱伝導は、温度勾配によって熱エネルギーが伝わる現象です。流体の流れによって熱が運ばれる速さは、流量に比例します。

流体の流れによって熱が運ばれると、温度勾配が発生します。流量が速い場合は熱が速く運ばれ、温度勾配が小さくなります。流量が遅い場合、熱がゆっくりとしか運ばれないため、温度勾配が大きくなるのが一般的です。

熱式流量計では、流体の温度差を測定することで流量を推定します。温度差を検出するために温度センサを使用する場合が多いです。温度センサは通常、流体の流れの前後に配置されます。

熱式流量計の構造

熱式流量計は、配管、熱源、温度計によって構成されます。

1. 配管

配管は、流体が通過する管路となっている構造物です。熱式流量計は通常、配管に直接取り付けられます。配管内には流体が流れ、流量の測定が行われます。

2. 熱源

熱源は、流体に熱を供給するための部分です。一般的には電熱線やヒーターが使用されます。熱源は配管内の流体に熱エネルギーを与え、温度差を生み出します。

3. 温度計

温度計は、流体の温度を測定するためのセンサや計測装置です。通常は、配管内の温度を測定するために配管に取り付けられます。温度計は熱源の前後に配置され、流体の温度差を検出します。

熱式流量計の種類

熱式流量計は、流量の求め方によって温度差測定法と消費電力測定法の2種類があります。

1. 温度差測定方法

温度差測定法は、ヒーターの上流と下流で温度差を測定する方法です。熱源や温度計などによるシンプルな構成であり、低コストであることが多いです。少量の流体を測定する流量計に多く見られます。

2. 消費電力測定法

消費電力測定法は、温度差を一定にして消費電力を測定する方法です。上流と下流の温度差が一定となるように熱源の熱量を調整します。その消費電力から質量流量を算出することが可能です。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tsj1973/15/2/15_2_108/_pdf
https://www.tokyokeiso.co.jp/techinfo/magazine/pdf/flow9.pdf
https://www.keyence.co.jp/ss/products/process/flowmeter/type/thermal.jsp
https://www.jemima.or.jp/tech/1-01-02-11.html