曲げ試験機とは
曲げ試験機とは、材料や製品の曲げに対する強度や特性を評価するための精密な装置です。
試験片を固定する治具、特定の荷重を適用するための圧子、そしてその結果の変位や反応を測定する検出器から成り立っています。単に強度のみならず、材料の挙動や性質を詳細に分析するための重要なツールです。
多くの産業や研究分野での安全性や品質確認の一環として、曲げ試験機の使用は不可欠となっています
曲げ試験機の使用用途
曲げ試験機は、製品や材料の曲げ特性を詳細に評価するための重要な機器です。その用途は多岐にわたり、様々な産業分野での安全性や品質を確認するために活用されています。
例えば、電子機器部品の頑丈さを確認するための半導体製品や基盤の試験、歯科インプラントや骨折治療具のような医療機器の耐久性を検証する場面などです。さらに、大型の試験機を利用して、鉄道のレールや建築用のコンクリート、鉄筋の強度を測定することも行われているのです。
このように、曲げ試験機は幅広い用途で要求される性能を検証するために使用されています。
曲げ試験機の原理
曲げ試験機は、試験片の曲げ特性を明らかにするための精密な装置です。主に「3点曲げ試験」と「4点曲げ試験」の2つの方法が採用されます。
1. 3点曲げ試験
3点曲げ試験は試験片の中央に単一の荷重を加え、両端を支持する方式です。これは一様な荷重分布を持たず、主に材料の曲げ加工の特性を探る工業試験に利用されます。
2. 4点曲げ試験
4点曲げ試験は2つの荷重を等距離で加え、その間の荷重分布が一様で、材料の基本的な曲げ強度を評価するのに適しています。試験中、試験片のたわみが測定され、このデータを解析して曲げ応力や曲げひずみの情報を得ることが可能です。これにより、材料や製品の品質や性能が評価されます。
曲げ試験機の原理
1. 電動式曲げ試験機
電動式の曲げ試験機は、電気モーターを利用して試験片に対する荷重を制御します。電動式の最大の特長はその精密さであり、微細な荷重の変動や繊細な測定が必要な場合には電動式が最適です。
また、電源さえあればどこでも使用可能という利点もあります。実験の再現性や連続的なデータ取得にも優れています。
2. 油圧式曲げ試験機
油圧を活用して荷重を調節するタイプの曲げ試験機です。油圧式は、特に大きな荷重が要求される試験、例えば建築材料の試験などに適しています。
その強力なパワーと頑丈さから、多くの産業現場で信頼されて使用されています。一方で、維持管理が電動式に比べてやや煩雑になることが考えられます。
3. 卓上型曲げ試験機
小型でスペースを取らない卓上型の曲げ試験機は、研究所や学校の教育現場など、限られた場所での利用を想定しています。主に小さな試験片のテストや基本的な試験に適しており、使いやすさや移動の容易さが魅力です。
4. 大型曲げ試験機
大型の試験片、例えば建設材料や大型の機械部品などの試験には、大型の曲げ試験機が要求されることが多いです。これらの試験機は、高い荷重を安定して加える能力を持っています。ただし、専用の設備や場所が必要となることもあり、設置や移動には注意が必要です。
曲げ試験機の構造
1. 試験片保持装置
曲げ試験機の中心となる部分は、試験片を確実に保持するための装置です。この保持装置は、試験片が曲げ試験中に位置を変えることなく、安定して荷重を受け止められるようにデザインされています。材質や形状に応じて、さまざまなタイプの保持具が存在します。
2. 荷重加える部分 (圧子)
圧子は試験片に直接荷重を加える部分であり、特に強度や精度が求められる部分です。材料の特性や試験方法に応じて、圧子の形状やサイズが異なることがあります。荷重の均等な加え方や、特定の点に対する集中的な力の加え方など、多様な圧子が設計されています。
3. たわみ測定装置
曲げ試験では、試験片にどれだけのたわみが生じたかを正確に測定することが重要です。このための専用の測定装置が、曲げ試験機に組み込まれています。光学的なセンサーや物理的な計測器具など、さまざまな技術が用いられており、測定の精度は機器の性能によって大きく異なります。
4. 制御ユニット
曲げ試験機の動作を制御するためのユニットです。デジタル化された最新の機器では、タッチパネルや専用のソフトウェアを使用して、試験条件の設定やデータの解析、保存が行えます。
また、安全機能やアラーム機能もこのユニットに組み込まれており、異常が発生した際には速やかに対応が可能です。
参考文献
https://shimizutech.co.jp/archives/stblog/20201015-4
https://www.keyence.co.jp/ss/products/recorder/testing-machine/material/bending.jsp