速度センサーとは
速度センサーは、自動車やバイク、鉄道車両、船舶、航空機といった乗り物等に搭載されており、これら各種乗り物の移動速度を検知・計測することができます。
速度センサーには車輪の角速度(単位時間あたりにどれだけ回ったか)から速度を求める方式や光や音の反射波との位相のズレ、つまり、ドップラー効果を利用したもの、空気や水といった流体との対物速度を測定するピトー管、軌道上の人工衛星から送られてくる信号を利用したGPS速度計があります。
速度センサーの使用用途
速度センサーは、前述のとおり、各種乗り物の移動速度を検知・計測する用途に使われます。
ただし、船舶の運航に関しては一般的に外力が多く、かつ複雑多岐にわたっており、港湾等においては慎重なオペレーション(操縦操作)を必要とすることから、次のとおり船舶の各部に速度センサーが装備されています。
大型船舶が接岸する際、巨大な船体による慣性を制御し接岸スピードを最適にコントロールする必要があります。
船舶接岸速度計は、船首、船尾それぞれの接岸距離、速度を計測することで接岸速度、角度などのデータを表示することによって安全な接岸を支援します。
また、特に航空機に関しては陸上を走る乗り物と異なり、地面に対する速度、「対地速度」を計測することはできず、代わりに空気に対する速度、「対気速度」をピトー管により計測します。
対気速度(翼が空気を追い越す速度)を正確に計測することは飛行継続の要素である揚力を把握する上で最も重要な指標となります。
速度センサーの原理
船舶と航空機で用いられる速度センサーについて説明します。
船舶において対水速度を計測する場合、ドップラー効果を利用した速度センサーが用いられます。
ドップラー効果とは、音源(注:水中では電波や光は超音波に比べて著しく減衰するため、実質使用できない)とセンサーが相対的に近づくときには相対運動がないときに比べて周波数が高く感知され、またこれらが遠ざかるときには周波数が低く感知される現象を指します。
この周波数のズレ、つまり、水粒子のドップラーシフトの検知から対水速度を算出するしくみになっています。
航空機では機体に搭載されているピトー管が対気速度を計測します。
ピトー管は先端部の穴から空気を取り込み、外からの風圧と、その場所の大気圧の差を利用して対気速度を測ります。
なお、実際の旅客機ではピトー管で速度の概算を出したうえ、コンピューターなどを用いて様々な補正を加えることにより、より正確な対気速度を測ってこれを飛行に使用しています。
参考文献
https://www.tokyokeiki.jp/products/detail.html?pdid=102
https://trafficnews.jp/post/95849
https://www.honda-el.co.jp/hb/3_27.html