リニアシャフトとは
リニアシャフトは、直線(往復)運動を行う際にガイドとして使用される耐摩耗性に優れた高精度な丸棒です。
軸の外径ははめあいになっており、一般的にf8、g6、h5から選ぶことができます。
材質は鉄(硬質クロム処理などの表面処理)やステンレスがあり、高周波焼き入れを行うことで強固な表面状態にすることができます。
形状はストレートだけでなく、パイプや段付きをつけたり、端面にタップをあけたりD面取りやキー溝加工して使うこともあります。
リニアシャフトの使用用途
直線往復運動でのガイドとして使用します。
エアシリンダーやモーターによる直線駆動では、直線度がでないため、リニアシャフトとドライベアリングやリニアブッシュなど摺動性の高い部品とセットで使用し、動きの直線度を高めます。
万力など人の手で直線に動かす治具などでもよく使われています。
最近では、静止時の振動が極めて小さく高速移動が可能なリニアシャフトを使ったリニアシャフトモーターも発売されており、加工装置の位置精度が必要な箇所などで使われています。
リニアシャフトの原理
リニアシャフトは安価に高精度な直線駆動や静止位置精度を実現するためには欠かすことができない機械機構部品です。
標準化が進んでおり、標準品の中から選択すれば非常に安く手軽に高精度な直線運動を実現することができます。
リニアシャフトは対象物が常にこすれるため摩耗します。耐久性を高めるために、表面を強固にするために焼き入れなどを施すことが多いため、実際に購入後に追加工を使用と思っても硬くて、本格的な加工機を使わないと加工できないので注意が必要です。
同じように高精度な直線度を実現する手法としてリニアガイドがあります。リニアガイドは支持点を負荷がかかるところにおけるのに対して、リニアシャフトは負荷から離れたところに支持点があるため、強度ではリニアガイドに劣ります。高精度、高強度が必要な場合はリニアガイド、安価で簡略化したい場合はリニアシャフトと目的にあわせて使い分けするのが一般的です。
参考文献
https://www.smri.asia/jp/yskaxxel/products/1167/
https://www.aperza.com/catalog/page/12/14664/