硫化水素計

硫化水素計とは

硫化水素計

硫化水素計とは、空気や水中の硫化水素濃度を測定する装置です。

硫化水素は有毒なガスで、さまざまな産業分野や環境調査などで重要なパラメータとして監視されることがあります。特に、高濃度の硫化水素には健康被害の可能性が高いです。

低濃度の硫化水素でも、眼や呼吸器系への刺激などの症状が発生する恐れがあります。硫化水素計を使用することで、作業環境中の硫化水素濃度を監視し、労働者の健康と安全を確保することが可能です。

また、大気中や水中に放出されることがあり、周囲の環境への悪影響を及ぼすことも考えられます。酸性雨の原因物質となったり、水中の生物に対して有害な影響を与えたりすることがあります。硫化水素計によって早期に異常値を検知し、環境汚染を予防することが可能です。

硫化水素計の使用用途

硫化水素計は、さまざまな産業分野や環境調査などで使用されます。主に、プロセス管理または作業環境測定に使用される用途が一般的です。

1. 石油・ガス産業

石油・ガス産業では、作業環境測定に広く使用されます。石油掘削や天然ガス生産プラントなどの作業現場では、硫化水素が発生する可能性が高いです。硫化水素計は、作業環境の安全を確保するために使用され、労働者の健康リスクを監視します。

2. 排水処理プラント・下水道施設

廃水処理プラントや下水道施設では、硫化水素が発生することがあります。硫化水素計は廃水中の硫化水素濃度を監視し、適切な処理を行うための指標に使用することが多いです。

3. 公共の場所

公共の場所や自然環境などで硫化水素の濃度を調査する場合にも、硫化水素計が使用されることがあります。湖沼や大気などのサンプルを取得し、硫化水素のレベルを測定することで環境汚染のモニタリングや環境保護活動に役立ちます。

硫化水素計の原理

硫化水素を特定の検出方法を使用して検出します。検出方法には、化学的な反応や物理的な変化を利用する製品などさまざまです。

定められた硫化水素の濃度範囲をカバーすることが可能です。一般的な範囲は数ppbから数ppmですが、特定の応用用途によって異なる場合があります。

測定方式は、連続的な監視または間欠的なサンプリングという2つの方式が一般的です。連続監視では装置が常に空気や水中の硫化水素濃度を測定し、リアルタイムでデータを提供します。間欠的なサンプリングでは特定の時間間隔でサンプルを取得し、後に分析します。

測定値はデジタル表示またはアナログ指針表示する場合が多いです。特定の濃度レベルを超えた場合に警告やアラームを発する機能も備えていることがあります。

硫化水素計の種類

硫化水素計にはいくつかの種類が存在します。以下は硫化水素計の種類一例です。

1. ポータブル硫化水素計

携帯可能な硫化水素計です。小型な製品が多く、電池やバッテリーで動作する製品がほとんどです。作業員が移動しながら濃度を監視できるため、現場の安全管理や点検に適しています。

バッテリ―型の製品であれば、充電使用が可能な場合も多いです。濃度のリアルタイム表示や警報・アラーム機能を有する製品が多いです。ガス検知器やガスモニターとも呼ばれます。

2. 固定式硫化水素計

固定式硫化水素計は固定された場所に取り付けられ、連続的に硫化水素濃度を監視する装置です。一般的には、工場やプラントの設備やパイプラインなどの特定の場所で使用されます。安全管理やプロセス制御のために使用されることが多いです。

センサと本体がケーブルで接続され、データは監視室や制御システムに送信されます。高精度の測定や多機能な監視が可能で、設定値の範囲外になると警報を発することが可能な製品が多いです。

3. 投げ込み式硫化水素計

センサー部分を投げ込んで使用する硫化水素計です。専用のハンドルまたはケーブルを持ち、センサまたは試薬を投げ込むことで使用します。硫化水素雰囲気に近づかずに使用可能な点が特徴です。

硫化水素計のその他情報

硫化水素の健康被害

10ppmは目の粘膜の刺激下限界濃度で、50ppm〜100ppmになると気道刺激、結膜炎が発症してしまいます。100ppmから200ppmで嗅覚麻痺が起きてしまい300ppmで1時間で亜急性中毒症状、600ppmで1時間で致命的中毒、1,000ppmになると即死濃度と言われています。

そのため、小型携帯用の硫化水素計は50ppmを上限にした製品が多いです。

参考文献
https://www.id.yamagata-u.ac.jp/EPC/03siryou/1hourei/19720942.pdf
http://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-43/hor1-43-5-1-0.htm
http://www.tech.nagoya-u.ac.jp/archive/h24/Vol08/hon_secur/PKAN-1-s.pdf
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb2057&dataType=1&pageNo=1
http://kikakurui.com/t8/T8205-2018-01.html

真空充填機

真空充填機とは

真空充填機

真空充填機とは、充填機の1種で、真空を利用して製品を充填する機械のことです。

特に、食品など酸化しやすいものに対して効果があります。真空充填機は、酸素を取り除いた状態で充填することにより、品質の安定化を図ることが可能です。

例えば、ジャムの瓶の蓋が固くて開けにくいとき、ジャムが真空充填されていることが要因です。瓶の中が真空状態になっているため、開封時に抵抗感が生じます。

真空充填機は食品だけでなく、化粧品や医薬品など、酸素との接触による劣化が懸念される製品にも使用されます。また、真空状態で充填することで、製品の鮮度や風味を長持ちさせる効果も期待できます。

真空充填機の使用用途

真空充填機は、主に酸化を防ぐことが目的で使用されます。真空充填機は、酸素との接触を防ぎ、酸化を抑制できるため、特に食品業界で多く利用されています。酸素が原因となる食品の劣化を防ぐことで、品質を維持し、消費者に安心な製品の提供が可能です。

また、真空充填機と同様に、窒素置換充填という方法も存在します。容器の中に窒素を封入し、酸素を追い出すことで酸化を防ぐものです。ただし、窒素を使用する分、コストが高くなるため、真空充填機が低コストで効果的な方法として好まれています。

真空充填機は、食品業界だけでなく、化粧品や医薬品など、酸素による劣化が懸念される製品にも適用されています。真空充填によって、製品の鮮度や風味、効果が維持されるため、幅広い分野での利用が期待できるでしょう。

真空充填機の原理

真空充填機の原理は、圧力差を利用して容器内に液体を充填する仕組みで成り立ちます。まず、容器内の気体を吸い込み、減圧して追い出すことで容器を真空状態にし、液体側のバルブを開き、配管側と容器側の圧力差が発生します。圧力差により、配管から容器へと液体が引き込まれる仕組みです。

真空充填の利点としては、容器の場所を取らないことが挙げられます。ただし、ピンホールと呼ばれる小さい穴が開いてしまい、中の液が漏れるリスクもあるため注意が必要です。

真空を発生させる方法は、真空ポンプとエジェクターです。真空ポンプはモーターの回転力を利用して真空状態を作り出し、偏心した場所にある回転翼やルーツ型ポンプなどが使用されます。

一方、エジェクターはベンチュリ効果を利用して真空を発生させます。エジェクター内は部分的に絞られた構造となっており、駆動流体であるエアーが高速で通過することで、部分的に真空状態が生じる原理です。

真空充填機の種類

真空充填機は主にシングルヘッド真空充填機、マルチヘッド真空充填機、ロータリー式真空充填機、重量式真空充填機の4種類があります。

1. シングルヘッド真空充填機

シングルヘッド真空充填機は、1つの充填ヘッドを持つ機械で、容器ごとに個別に真空充填が行われます。小規模な生産ラインや多品種少量生産に適しており、コンパクトな設計でスペースを節約できるのが特徴です。

2. マルチヘッド真空充填機

マルチヘッド真空充填機は、複数の充填ヘッドを持ち、同時に複数の容器に充填が行えるため、大量生産に適した機械です。充填速度が速く、生産効率が高い利点がありますが、設備投資が高くなることがデメリットです。

3. ロータリー式真空充填機

ロータリー式真空充填機は、回転するテーブル上に容器を置き、充填ヘッドが順番に充填を行う方式です。連続的な充填作業が可能で、中・大量生産に適しています。また、高速で充填できるため、生産効率が向上します。

4. 重量式真空充填機

重量式真空充填機は、容器の重さを測定しながら充填を行う機械です。充填量の精度が高く、一定量の製品を容器に充填することが可能です。特に、高粘度の液体や固形物を含む製品の充填に適しています。

参考文献
https://engineer-education.com/pump-19_vacuum-pump/
https://www.osaka-ya.com/basic/
https://www.jutenki.com/news/sinkuujyuten/
http://www.hokuto-mfg.com/product/item04.html

導電塗料

導電塗料とは

導電塗料とは、樹脂状の塗料の中に導電性を有する導電フィラーとして、金属粉末や導電性カーボンなどを混ぜ込み、導電性をもたせた塗料です。

金属粉末には、導電性が安定な銀粒子が最も多く使用されています。なお、動電塗料の導電性は100~1,000Ωが一般的です。

導電塗料の使用用途

導電塗料はさまざまな工業分野で、電磁シールドやラジオ波シールド、帯電防止および表面汚れ防止などの目的で用いられています。電子機器においては、静電気による機器の誤作動は大きな問題です。そこで、導電塗料を各種電極や電子基板、コンデンサー、絶縁物などの表面に塗布して導電性の被膜を形成し、静電気による誤作動を防止しています。

また、建築材料や樹脂、繊維などにおいても帯電は事故や作業性の低下に繋がる大きな課題です。そこで、導電塗料をこれらに塗布することで、帯電を防止しています。導電塗料はその導電性から、例えば電子基板やディスプレイといった電子部品や、紙やプラスチックなどに対する導電回路を作成する導電材料としても好適です。

なお、導電塗料は塗布した後、硬化して膜を形成するため、長時間経過しても剥がれにくく、安定した導電性を維持できるのが特徴です。また、導電材料として使用する場合も、導電塗料ははんだ付けのように高温で加熱する必要がありません。このため、熱に弱い材料の上でも導電回路を形成できるメリットがあります。

導電塗料の原理

導電塗料の主な配合は、導電体の粉末である導電フィラーとバインダーとなる樹脂塗料、溶剤です。さらには、導電フィラーと樹脂塗料のなじみをよくする調整剤、界面活性剤などを含んでいます。このため、導電フィラーの導電性が導電塗料の導電性を左右します。

この導電フィラーとしては、導電性カーボンや金属粉末がよく用いられます。しかし、塗料に透明性を求める場合には、カーボンなどの材料は適しません。そこで、塗料に透明性を持たせる場合には、酸化スズ粉末などが使用されることもあります。

なお、製造の際には、導電性塗料の導電性を均一にするために導電フィラーを塗料中に十分に分散させることが必要です。具体的には、ボールミルなどを用いて微細化および均一分散させています。

導電塗料の種類

導電塗料の導電フィラーが導電性カーボンか金属かで分類されますが、この金属にも何種類かあり、金属の種類でも分類されます。導電フィラー使用される金属として、ニッケル、銀、銀銅が挙げられます。

ニッケルは、経年劣化しにくい素材で、優れた耐熱性をもちます。銀は、導電性が最も高いとされる材料です。銀を用いた導電塗料は、一般的な樹脂のほか、ガラスポリエチレンなどにも高い密着性をもつのが特徴です。銀は酸化しやすく変色する可能性があります。銀銅素材は、ニッケルよりも高い導電性を持ちます。これも銀を含むため、変色するおそれがあることがデメリットです。

また、導電塗料には、通常の液体状のものやパテ状のもののほかに、エアゾールスプレー状のものやタッチアップペン状のものもあります。エアゾールスプレー状のものは、柔らかい素材への塗布に適しており、一般的な樹脂のほか、軟質塩ビ、木、布、紙素材などの密着性が悪い素材にも塗布が可能です。また、タッチアップペン状のものは、一般的な樹脂のほか、ガラスやポリエチレン素材の塗布に好適です。

導電塗料のその他情報

導電塗料の身近な使用例

導電塗料は、日常生活にも役立っています。例えば、テレビなどのリモコンの修理などに使用可能です。リモコンのトラブルで多いのは、ボタンの反応が悪くなる現象です。これは何らかの理由で、リモコン内部での導電性が悪くなっていることに起因します。

そのため、内部の基板とボタンの押圧により基板に接触する導電性ゴムの導電性を回復すればよく、ここに導電塗料を塗布すれば導電性が回復します。この際、導電塗料の付着を良くし、導電塗料内に空気やホコリなどが入り込んで導電性が低くならないよう、塗布する前に汚れを取り除くことが必要です。

エタノールなどを使い、基板表面と導電性ゴム表面の汚れをきちんと拭き取ります。こういった作業には、細かな部分に塗布できるタッチアップペンタイプの導電塗料が便利です。

参考文献
https://www.edog.co.jp/paints/conductivity/
https://advancedcoatings.nagasechemtex.co.jp/
https://www.iskweb.co.jp/products/functional04.html
https://ameblo.jp/fjink/entry-12452001516.html
https://fuutotto.hatenadiary.jp/entry/2017/09/22/143600

定量充填機

定量充填機とは

定量充填機

定量充填機は計量器を用いてある一定量を測り取って充填することができる充填機です。

液体の充填機や固体の充填機があります。しかし計量器を用いた重量計測を行う機構は大きく変わりません。

定量充填機には自動充填機と半自動充填機の2種類があります。自動充填機は充填容器が搬送ラインを通って流れてき、それがある位置までたどり着くと自動で充填を開始する充填機を指します。一方半自動充填機は搬送ラインから充填場所までは自動で、充填開始動作を手動で行います。

定量充填機の使用用途

定量充填機は何かを製造して販売するメーカーであれば多くが利用しています。例えば水や油などの液体です。これらはポンプやタンクからのヘッド圧を用いて充填します。

その他にもみそや餡子のような半固体のものも充填することができます。その場合タンクなどにスクリューを設け、閉塞を防ぎます。

野菜や果物といったサイズ (重さ) が不ぞろいの物はいくつかの計量器を用い、一度に複数の重量を量ります。それを決められた重さになるように選択して袋詰めを行います。

定量充填機の原理

液体の定量充填機はタンクやホッパーから充填します。タンクなどから配管をたどって充填ノズルまで液が満たされます。充填開始を行うとノズルのバルブが開いて液体が充填を始めます。決められた量になると計量器から信号が送られ、充填が停止します。

定量充填機の計量器は計量法により厳しく定められています。これは取引先への出荷量を少し少なめに充填して出荷したりすることを防いで充填量の正確さを維持するために必要です。そのため定量充填機に使用する計量器は計量証明が必要となります。これは計量機関にて検定を行って初めて発行されるものになります。

計量器はロードセルを用いていることが多いです。ロードセルは荷重による力を電気信号に変えることができます。ロードセルは金属の起歪体 (きわいたい)にストレインゲージという電気抵抗線歪計 (センサ) をはりつけ、その抵抗値の変化を測定しています。これまでのばねばかりと比べて非常に精度が良いものとなりました。

参考文献
https://www.yokogawa.co.jp/library/resources/faqs/an-ir-07-measurement-method/
https://hakari-shouten.com/help/knowhowhistory

大気圧プラズマ装置

大気圧プラズマ装置とは

大気圧プラズマ装置とは、プラズマ放電を利用して有機物や酸化物などを除去する装置です。

プラズマ発生用の反応ガスと電源のみで構成されており、減圧槽を必要としない点が特徴です。高分子材料の表面の有機膜や金属表面の酸化物を除去できるため、工業用途だけでなく学術研究などでも広く利用されています。また、小型の装置も開発されており、様々な分野で利用されています。

具体的には、医療器具の滅菌や食品加工工場での除菌、半導体製造工程での表面処理などに使われています。さらに、環境問題にも取り組んでおり、大気圧プラズマ装置を使って排ガスや廃水の浄化技術の開発が進んでいます。

大気圧プラズマ装置の使用用途

大気圧プラズマ装置は、樹脂やフィルム、高分子材料の表面を改質することが可能です。高速かつ表面に損傷を与えずに表面改質を行うことが可能です。

半導体、電子部品、プラスチック、ガラス製品などの製造に広く使用されています。具体的には、プラズマとの反応を利用した表面クリーニングや高分子表面の組成変化により、親水性の向上が期待できます。

また、ポリエチレンやポリプロピレンなどの素材でも、接着剤 (ウレタン系やエポキシ系) との接着強度を高めることが可能です。このため、自動車部品や医療機器など、接着剤の強度が求められる製品にも大気圧プラズマ装置が活用されています。

大気圧プラズマ装置の原理

大気圧プラズマ装置は、高周波パルス電源を用いてプラズマ放電を発生させ、そのプラズマ中に存在する電子やイオンなどの活性種により表面改質やクリーニングを行います。

プラズマは物質の第4の状態で、エネルギーの高い状態であり、プラズマ中では電子が原子から飛び出す電離現象が起こるため電子と残されたイオンが混在していますが、全体としては電荷分布は中性に保たれています。

大気圧プラズマ装置ではプラズマ中に存在する活性種が表面に対して化学反応を起こし、表面改質やクリーニングを行うことが可能です。例えば酸素プラズマを発生させた場合は、樹脂を構成する炭素原子と結合し、CO2として表面から脱離します。この化学反応を利用することで樹脂やフィルム、高分子材料の表面をクリーニングや改質することが可能です。

また、大気圧プラズマ装置は半導体や電子部品、プラスチック、ガラス製品の製造にも利用されます。プラズマとの反応を利用した表面クリーニングや高分子表面の組成変化により、親水性の向上や接着強度の増強などの効果が期待されます。大気圧プラズマ装置は、高温状態である熱プラズマと比較して比較的低温でプラズマを発生させることができる低温プラズマであり、高周波パルス電源を用いることでプラズマを発生させることが可能です。

大気圧プラズマ装置の種類

大気圧プラズマ装置には主にコロナ放電プラズマ装置、マイクロ波プラズマ装置、ドバプラズマ装置の3種類が存在します。

1. コロナ放電プラズマ装置

コロナ放電プラズマ装置は、高周波電源を用いて発生させるプラズマを基にした装置です。電極の間に高周波電圧をかけることで、プラズマが放電し、反応ガスとの化学反応によって表面改質やクリーニングを行います。一般的に、低温であることが特徴で、樹脂やフィルムなどの高分子材料に対して有効です。

2. マイクロ波プラズマ装置

マイクロ波プラズマ装置は、マイクロ波を利用してプラズマを発生させる装置です。反応ガスを流し込んで高周波電界をかけることで、マイクロ波が反応ガスに吸収され、プラズマが発生します。高温のプラズマを生成でき、金属やセラミックスなどの高分解能の表面改質や薄膜形成に利用されます。

3. ドバプラズマ装置

ドバプラズマ装置は、電極となる針とプレートを水平に配置した装置です。プレートには小さな穴が開いており、そこから反応ガスが流れ込みます。針とプレートの間に高電圧をかけることで、針先にコロナ放電が発生し、プラズマが生成されます。低温のプラズマを生成でき、細胞や生体組織の治療への応用が可能です。

参考文献
https://www.aqa-kyoto-plasma.com/blank
https://www.fuji.co.jp/about/plasma/
https://www.technoalpha.co.jp/products/board/diener/plasmabeam.html

 

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塗料撹拌機

塗料撹拌機とは

塗料攪拌機

塗料撹拌機とは、沈降分離しやすい塗料を効率的に分酸するための機械のことです。

特に、塗料内に特殊なビーズや仕上剤が含まれている場合、同一容器内での撹拌が重要になります。理由としては、別の容器に移して撹拌すると、組成が変わり、仕上がりの差が生まれてしまうからです。

また、一斗缶のような角がある容器を使用する際には、通常の撹拌ではムラが発生し、仕上がりに差が出てしまいます。そこで。塗料撹拌機が役立ちます。塗料撹拌機は、液体が外に飛び散らないように設計された撹拌翼構造を採用しています。そのため、乾いた被膜が塗料内に戻ることを防ぎ、「ぶつ・ごみ」と呼ばれる塗料欠損を回避することが可能です。

塗料撹拌機を使用することで、塗料の品質を維持し、ムラのない美しい仕上がりを実現できます。プロの塗装作業において非常に重要な要素であり、効率的な作業を可能にするための必須アイテムです。塗料撹拌機は、塗装業界において大変重宝されている機械と言えます。

塗料撹拌機の使用用途

塗料撹拌機は、塗膜作成の作業前に使用されることが一般的です。塗膜に「あわ」と呼ばれる塗料中の発泡が原因の欠損が出ることを防ぐため、撹拌後は時間を待つことがあります。

多くの塗料撹拌機は、撹拌翼にリングがついており、容器の壁に沿わせても撹拌翼が容器に触らない設計になっています。そのため、ミキサーで撹拌しながら手動で塗料撹拌機で撹拌することで、効率的な撹拌が実現可能です。

ただし、撹拌によって温度が上がってしまうと、塗料の粘度が変化し、その後の作業性に影響が出てしまうことがあります。そのため、撹拌時には、使用法や硬化時間を考慮しながら進めることが必要です。

また、塗料撹拌機は、効率的な撹拌を実現するための重要な道具です。塗膜作成の作業前に使用することで、塗膜の品質を向上させ、ムラや発泡による欠損を防げます。ただし、撹拌による温度上昇には注意が必要であり、使用法や硬化時間を考慮して撹拌することが重要です。塗料撹拌機の適切な使用法を理解し、塗装作業を効果的に進めることが求められます。

塗料撹拌機の原理

塗料撹拌機は、回転数やトルクの調整が必要なため、エアモーター駆動式を動力として採用されることが主流です。エアモーター駆動式は、有機溶剤を使用した塗料でもスパークによる放電の危険がないため、安全に使用できます。

また、色素などの粉を塗料に混ぜる作業でも火花の危険がなく、安心して使用可能です。エアモーター駆動式は圧縮空気を利用した圧力モーターで、モーター内部に供給された圧縮空気が、ベーンと呼ばれる回転子に給気されます。

ベーンの面積差によって回転力が発生し、区切られた空間に空気が入り、回転運動が起こります。排気は空気中に放出されるため、小型で過熱しにくく、連続使用が可能な点が特徴です。

さらに、エアモーター駆動式では、動力源に油を挿す必要がないため、油が垂れて塗料を汚すことがなく、「ハジキ」という塗膜欠損を防げます。

塗料撹拌機のその他情報

1. ペイントミキサー

塗料攪拌機はペイントミキサーとも呼ばれ、各メーカーより様々な種類の製品が販売されています。ペイントミキサーは、モーターによる回転を利用して、ミキシングブレードと呼ばれるスクリュー形状のものを回して塗料などを攪拌混合します。

インパクトドライバーのドリルをミキシングブレードに交換したら使えるものもありますが、専用の設計モーターでないため、故障を防ぐためにも専用工具として購入した方がよいです。ペイントミキサーを選ぶ基準には、モーターの回転数、トルク、ミキシングブレードの形状があります。

モーターの回転数とトルクは塗料の粘度に左右されます。低粘度である下塗りや上塗り材は、高速回転 (1,000rpm程度) 、低トルクのものを、高粘度である弾性リシンやモルタルなどは低速回転 (500rpm程度) 、高トルクのものを選択します。

ミキシングブレードの形状は、攪拌したい塗料や量によって変わってきます。高粘度かつ攪拌する量が多い場合は径が大きく、上下方向に羽が伸びているものがおすすめです。一方、低粘度の場合、あまり大きいミキシングブレードを使用すると塗料が飛散する場合があるので、攪拌する塗料に合わせて選択することが大切です。

2. 塗料を攪拌する方法

塗料攪拌機を使用して塗料を攪拌するときは、その方法に注意が必要です。通常は、塗料の入った1斗缶に直接攪拌機を入れるか、作業しやすいようでかいバケツに入れてから攪拌機を入れて混合します。

塗料の入った容器が攪拌機の回転で動かないよう、両足で挟んで固定します。容器も回転すると塗料が上手く混合されず、なにより飛散したりして事故につながります。

さらに、塗料攪拌機のコードにも注意が必要です。コードをまとめない状態で攪拌すると、ミキシングブレードの軸に巻き込まれて事故につながる可能性があります。コードが巻き込まれない状態であることを確認してから攪拌するよことが大切です。

参考文献
http://meiyu-co.jp/wp-content/uploads/2016/12/airmotorrev29.pdf
http://www.taiyo-ltd.co.jp/products/pneumatic/docs/catalog_air_33.pdf

位置検知システム

位置検知システムとは

位置検知システムとは、人や物の位置を詳細、リアルタイムに検知するシステムです。

位置検知システム方式について、屋外ではGPSなどのGNSSが活用されています。屋内では、Beacon、カメラ、超音波、赤外線、電波、RFID、Wi-fi、UWBなど様々な方式があり、用途に応じて選択する必要があります。また、それぞれの方式により特徴があり、複数の方式を組み合わせて精度を高めるシステムもあります。近年では、人や物の位置を検知することで新たなサービスなどに活用されています。 

位置検知システムの使用用途

屋内位置検知では、Beaconを活用して、工場内での作業者の所在検知・導線管理、医療機器の所在地の確認、管理備品の所在地の確認などが行われています。

カメラを活用すると画像解析により、人の位置だけでなく行動まで検出することができます。屋外位置検知では、GPSを活用して、自動車のナビゲーションや自動運転などのための自車位置検知、荷物のトラッキングなどに使われています。 

位置検知システムの原理

位置検知システムの主な原理は下記の通りです。

1. GPS

衛星システムから発進される信号を受信し、その信号の遅延より緯度や経度に変換し高精度な位置を取得します。

2. 超音波方式

発信器より超音波を発信して、検知物から跳ね返った超音波を受信し、その時間から位置を検知します。 

3. Wifi

送信元から受信元まで電波が届くまでに、建物内部などで跳ね返りながら複数の経路を通過します。この電波が複数の通路を通過するマルチパスと呼ばれる現象を用います。マルチパスの変化により、人や物体の位置を検知します。

4. BEACON

BluetoothLowEnergy(BLE)の信号強度を利用して位置検知をします。屋内に複数のビーコンを設置した場合、3点測位を用いて位置を検知することができます。

5. BLE電波角度方式

受信機を天井に設置し、専用タグまたはスマートフォンからの電波の入射角から独自のアルゴリズムで位置を特定する手法となります。

6. UWB

8GHz帯域の無線を使用し、30メートル程度の間隔で設置したセンサーのうち、最低2台のセンサーから発信されたUWB信号の到達時差と入射角度を利用して屋内位置測位を行います。

位置検知システムの特徴

長所

位置検知システムを導入することで動線管理などが出来ることもちろん、付随した効果も期待できます。 

例えば人の位置を検知することで、指定のエリアへの侵入の把握ができます。機密情報のある部屋への侵入や、事故や怪我に繋がるような危険区域への侵入を検知することができるため、セキュリティや安全面の強化に繋がります。位置検知システムと機械が連動しているシステムの場合、危険な指定エリアへの人の侵入を検知すると即時に機械を停止するといった動作も実現できます。 

また、位置検知により社員の居場所を把握していれば、万が一の災害時の避難誘導などにも役立てることができます。大勢の社員がいる中でも、1人1人の避難状況を確認でき、迅速な避難指示の対応にも繋がります。

短所

短所としては、ヒトの位置情報を管理するという点で社員側の立場としては業務中に終始監視されているようで不快感を抱く人も少なくありません。社員の理解を得るためには、把握した位置情報を元に休憩時間や1日の動作について細かく注意するようなことは避け、位置検知を行う目的や利用範囲を明確にして、社員に対してきちんと説明することが大切です。 

位置検知システムのその他情報

1. 位置検知システムの需要

位置検知システムを含む位置情報ソリューションの市場は数年前までは大きな市場ではありませんでした。しかし近年では急激に増加しており、2018年度では前年比の41.6%も増加したほどに大きく成長しています。成長理由としては、人手不足の会社も多いことからヒトやモノの位置の把握をすることで生産性を向上させたいと考える企業が多いという分析がされています。 

今後の市場としては、現在利用が高まっている製造業や病院などの分野で引き続き利用が進み、順調に進展した場合2025年には120億円まで大きくなる予測もあります。まだまだ市場としては黎明期であると言われており、位置情報ソリューションの市場の拡大はまだまだ期待されています。  

2. 製造業における位置検知システムの工程管理の活用

位置情報を活用して工場内の自動化を進める場合に作業員やオペレーターなどの人や、フォークリフトやAGVなどの車両のような工場内を動き回るものが想像つきます。 

しかし、生産効率を高めるためには、生産する部材やその製品管理を正しく行うことが必要不可欠です。つまり、”モノ”の流れを正確に追うことが必要であり、特に品種の多い製品やカスタム製品の生産工程においては、部材の入荷状況やその工程管理がキーになります。 

 特にマニュアル作業の多い組立工程や多品種製造ラインにおいて、位置情報を用いたIoT化を進めることで、バーコードスキャンの回数を減らして作業を効率化すること、間違った部材の選択といったヒューマンエラーを削減することにつなげたりすることが可能です。

資材や車両を正確にリアルタイムで追跡できなければ場所や残りの輸送時間、正確な輸送ルートについての透明性が失われ、生産ラインのダウンタイムの発生、作業員の生産性の低下、輸送時間の増加、フォークリフト・AGVなどの車両の非効率的な利用に繋がってしまいます。 

しかし、位置情報を活用することでリアルタイムに目的の部材の位置が特定できます。位置検知システムによってメタ情報を管理することで、部材の履歴情報も同時に把握することが可能です。また、工程をまたぐ際に紙に記録をつけ、手書きやバーコードスキャンで管理してた情報も、位置情報をもとに管理することにより自動で運用できるようになります。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieiej/37/3/37_180/_pdf/-char/ja
https://www.apptec.co.jp/technical_report/pdf/vol22/treport_vol_22-09.pdf
https://www.hitachihyoron.com/jp/archive/2010s/2018/02/pdf/p53-57_HY02B01.pdf
https://www.zipc.com/jp/assets/download/watchers/vol6-01.pdf
https://businessnetwork.jp/Detail/tabid/65/artid/6541/Default.aspx
https://www.acuity-inc.co.jp/solutions/system/indoor/
https://linx.jp/linx_express/412.html/

ラマン分光器

ラマン分光器とは

ラマン分光器

ラマン分光器 (英: raman spectrometer) とは、物質に光を照射したときの散乱光を測定することで、化学構造の解析や物性の評価が可能な装置です。

散乱光には様々な波長の光が含まれており、入射光と同じ波長をレイリー散乱光、異なる波長をラマン散乱光と呼びます。ラマン分光器はラマン散乱光を検出することで解析・評価を行います。

ラマン分光器の構成はレーザー光源回折格子などを用いた分光器微弱なラマン散乱光を検出するための好感度の検出器です。気体、液体、固体に依らず、ほとんどの物質の構造を前処理なしで測定することができます。

また、ラマン分光器は非接触・非破壊で分子を識別可能なため、多くの分野で利用されています。

ラマン分光器の使用用途

ラマン分光器は有機・無機材料によらず、化学構造や分子構造を分析する装置として、電池やディスプレイ、食品科学、医療・医薬品分野など非常に多くの分野で利用されます。

電池の寿命や性能、劣化状態などの解析、食品中に含まれるたんぱく質や脂質、食品色素などの定量解析を行うことが可能です。医薬品では、ラマン分光で結晶構造を調べることができるため、溶解性や効能などを判断する際に利用されます。

ラマン分光器の原理

ラマン分光器は、物質から散乱したラマン散乱光を検出することで、物質の構造や物性を評価する装置です。散乱光のもととなる光源、散乱光からラマン散乱光を取り出すための分光器、ラマン散乱光を検出するための検出器で構成されています。

1. 光源

光源には単一の波長で、光強度の高いものが用いられます。光源の線幅がせまいほど高分解能で解析できること、ラマン散乱光が微弱な信号であることが理由です。多くの場合、固体レーザーが用いられます。

2. 分光器

単一波長の光を出射するモノクロメーターや、一定幅の波長を出射するポリクロメーターが用いられます。分光器に含まれる回折格子により分光します。回折格子は微小な溝が等間隔に彫られたガラス基板で、光の回折現象を利用して分光する素子です。

3. 検出器

ラマン散乱光は微弱なため、高感度な検出器が用いられます。検出時には分光された多数の波長を同時に検出することが望ましいです。そのため、リニアイメージセンサが利用されます。

ラマン分光器のその他情報

1. 赤外分光器との比較

ラマン分光器とよく比較されるものに赤外分光器があります。両者とも分子の振動スペクトルに基づいて、化学構造の解析や物性の評価が可能な装置です。しかし、測定できるスペクトルには違いがあります。

ラマン分光器では散乱光、赤外分光器では物質の光吸収に基づいた解析を行うため、両者で測定可能なスペクトルが異なります。その他の比較した特徴を下記に示します。

ラマン分光器の特徴

  • 試料サイズが1μm程度まで可能
  • ガラス容器中の試料測定が可能
  • 水溶液での測定が可能
  • 希釈などの前処理が必要ない
  • 装置が高価
  • 測定により試料が損傷することがある

赤外分光器の特徴

  • 試料サイズが10μm程度まで可能
  • ガラス容器中の測定が不可
  • 水溶液での測定には制限あり
  • 試料の同定が容易
  • 装置が安価
  • 測定による試料の損傷が起きにくい

2. 検出対象のラマン散乱光

ラマン分光器は物質に光を当て、散乱した光を検出することで物質の解析・評価を行います。散乱光には、弾性散乱によるものと非弾性散乱によるものの2種類があります。

弾性散乱では、散乱前の光と同じ波長の散乱光が生じ、非弾性散乱では散乱前と異なる波長の散乱光が生じます。ラマン分光器で検出する光は非弾性散乱により生じたラマン散乱光です。ラマン散乱光は物質の振動準位、回転準位に基づいて生じます。

これらの準位は分子固有のエネルギー準位であるため、ラマン散乱光は分子固有のスペクトルとなります。このため、ラマン分光器はラマン散乱光を検出することで、入射光との波長のずれを測定し、分子の特定が可能です。

参考文献
https://www.horiba.com/jp/scientific/products-jp/raman-spectroscopy/what-is-raman-spectroscopy/
https://www.jasco.co.jp/jpn/technique/internet-seminar/raman/raman3.html
https://www.phototechnica.co.jp/1440/
https://www.nanophoton.jp/lecture-room/raman-spectroscopy/lesson-1-2
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsfe2000/1/2/1_2_31/_pdf
https://www.hamamatsu.com/jp/ja/applications/analytical-equipment/raman-spectrophotometer.html
https://www.an.shimadzu.co.jp/ftir/support/lib/ftirtalk/letter17/qa.htm

プリント基板加工機

プリント基板加工機とは

プリント基板加工機とは、表面が全面銅箔で覆われている基板の銅箔部を削除することで電気的に絶縁し、回路パターンが形成されます。

基板設計CADでパターン図を描き、ガーバーデータに変換します。ガーバーデータは、プリント基板加工機で用いられる、プリント基板を製造するためのデータフォーマット形式です。

ガーバーデータは、ドリルデータ、ドリルツールデータ、部品面データ、半田面データなどのデータが、それぞれのファイルに変換されます。

プリント基板加工機の使用用途

プリント基板加工機は、回路パターンを形成する加工機械です。

基板設計CADを使用して、回路パターンを設計します。基板設計CADで作成したプリント基板データをガーバーデーターとして出力します。AutoLab用加工アプリケーションであるDesignProにガーバーデータを読み込むことでプリント基板を加工することができます。

プリント基板加工機の原理

プリント基板加工機は、銅箔を切削し回路パターンを作成する特徴があります。プリン基板の製造は、ほとんどが銅溶解液によるエッチングする (溶かす) ことにより製造されています。

エッチングによる回路パターン作成は、処理工程も多く、薬品を使うため、少数のプリント基板製作には不向きです。そのため、エッチングの代用として、切削機を使ってプリント基板の表面の銅箔を削る方法としてプリント基板加工機が使われることになりました。

プリント基板加工機のその他情報

プリント基板加工機のメリットとデメリットについて

メリット

  • プリント基板にすることで、ユニバーサル基板と比較すると回路製作の信頼性が高い。
  • 試作、少数基板であれば、エッチングと比較すると短時間で作成が可能です。
  • 製作が保存できるため、複製が可能。
  • 回路パターン設計から切削制御までシームレスにソフトが連携しているため設計変更
     が簡単です。

デメリット

  • 1枚ずつ切削ので、複数枚を同時に作成できないため大量作成には向かない。
  • 設計から加工までをパソコンで行うために、ソフトの習得に時間を要する。
  • を切削するたに粉塵が出る。

参考文献
https://www.teng.miyazaki-u.ac.jp/action/action2009/tech_houkoku/pdf_data/2009_02_toyama.pdf

ブレッドボード

ブレッドボードとは

ブレッドボード

ブレッドボードとは、電子回路の実験や試作をするための板のことです。

ブレッドボードは、はんだ付けが不要で、部品やジャンパ線を差し込むだけで電気的に接続されるソルダーレスタイプが一般的です。ブレッドボードの内部には、金属端子が配線されており、特定の箇所が互いに接続されています。

回路を簡単に組み立てたり変更したりできることや、熱に弱い部品を劣化させないことが大きな利点です。ブレッドボードは、電子回路の基礎を学んだり、プロトタイプを作ったりするのに便利な道具です。

また、はんだを使用するタイプはユニバーサル基板タイプがほとんどであるため、一般的に半田を使用するタイプのブレッドボードはユニバーサル基板タイプを指します。

ブレッドボードの使用用途

ブレッドボードはその便利さから、様々な場面で活用されています。主に以下のような用途で使用されます。

1. 回路の試作

新たな電子回路を設計する際、ブレッドボード上で試作を行うことで、設計の妥当性を確認したり、問題点を見つけ出したりします。これにより、製品化する前の段階で、回路設計の改良や最適化を進めることが可能になります。

2. 教育的な目的

電子工学の学習者は、ブレッドボードを使用して基本的な電子回路を組み立てて学習します。これにより、理論だけでなく実践的な知識も身に付けることができます。また、教育現場ではブレッドボードを用いた実験が多く行われています。

3. DIYプロジェクト

ホビーで電子工作を行う人々もブレッドボードを活用します。ラジオやアラーム、LEDライトなど、自分だけのオリジナル製品を作るためにブレッドボードが有用です。

ブレッドボードの特性を活かすことで、上記のような多岐に渡る用途でその価値が発揮されます。それぞれのシーンでブレッドボードは、創造性を引き立て、技術的な挑戦をサポートしています。

ブレッドボードの原理

1. はんだ不要のタイプ

絶縁体上に、導体が縦横に並んだ構造でプリントされています。これらは穴が開いたプラスチックで覆われています。穴は導体上に開いており、穴が開いた導体上には金属ソケットが付いています。

そのため、穴から端子を差し込むとソケットに刺さり導体に導通します。端子間を接続する場合には、同導体上の別な穴から別な端子を差し込むことで、はんだ付けをしたように端子間を接続できます。

穴間隔は、DIP部品をそのまま取り付けることができるように、DIP部品の端子間隔である2.54mmが一般的です。

2. 半田を使用するタイプ (ユニバーサル基板タイプ) 

ユニバーサル基板の穴周囲にはんだ付けするための銅薄膜が貼られています。ユニバーサル基板タイプのブレッドボードは、複数個の穴が銅薄膜で繋がっています。穴に端子を刺しただけでは繋がらないため、はんだ付けが必要です。

端子間を接続する場合には、銅薄膜上の別な穴から別な端子を差し込んではんだ付けをして、端子間を接続できます。

ブレッドボードのその他情報

1. ブレッドボードのサイズ

ブレッドボードのサイズは様々ですが、蟻溝 (ありみぞ) によって結合ができるため全体の大きさは比較的自由に変えることができます。蟻溝とは、断面が逆ハの字状になった溝のことです。

溝に合う出っ張り (凸型の直方体) と結合して、外れないようにできています。しかし、メーカーによって蟻溝の位置やサイズは異なるため、型番やメーカーは揃えた方が使いやすいです。

粗悪品のブレッドボードは、蟻溝自体が緩い場合や抜き差しがしづらいものもあるため注意する必要があります。

2. ブレッドボードのメリットとデメリット

ブレッドボードを利用するメリットは、半田付けが不要なものがほとんどのため、組み立てが簡単であることと、変更や分解をする際も再利用が簡単にできることです。反対にデメリットとしては、扱える部品が限られていることや回路が複雑になると混乱するため規模が大きい回路には向いていないことが挙げられます。

3. 組立に活用する回路図と配線図

ブレッドボードに回路を組み立てる時に用いるのが、回路図や実態配線図です。回路の部品の配置や配線を描いた設計図のようなものですが、回路図と実態配線図には違いがあります。

回路図は部品や電気的接続等を記号で表現し、より専門的な図です。記号は規格として、いくつか標準化がされています。いずれかの規格に従い、正しく表現すれば、誰でも正しく同じように読むことができます。実態配線図は、部品や配線をより詳細に表現する図です。

実物の部品や全体の構造と同じように描くため、図よりも絵のような表現に近いものもあります。実態配線図の方が分かりやすく、はじめて組み立て作業をする人に向いています。一方、回路図自体が大きく複雑な構造の場合、実態配線図で表現すると複雑で分かり辛くなってしまうため、回路図の方が向いています。

組み立てる回路の構造などを考えながら、回路図を作っていく必要があります。回路図や実態配線図を描くためのエディタやソフトなども活用していくと配線ミスなどの減少に繋がります。

参考文献
https://iot.keicode.com/electronics/what-is-breadboard.php
http://www.ee.ibaraki.ac.jp/09student/Lectures/KisoDenki/BB/BB-intro.html
https://ht-deko.com/arduino/breadboard.html
http://maicommon.ciao.jp/ss/Hardware/adFunc/Diagram/index.htm
https://shimatake-web.com/entity-wiring-diagram/
http://miqn.net/introduction/216.html
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/musashino_proto/517061.html