塗料撹拌機とは
塗料撹拌機とは、沈降分離しやすい塗料を効率的に分酸するための機械のことです。
特に、塗料内に特殊なビーズや仕上剤が含まれている場合、同一容器内での撹拌が重要になります。理由としては、別の容器に移して撹拌すると、組成が変わり、仕上がりの差が生まれてしまうからです。
また、一斗缶のような角がある容器を使用する際には、通常の撹拌ではムラが発生し、仕上がりに差が出てしまいます。そこで。塗料撹拌機が役立ちます。塗料撹拌機は、液体が外に飛び散らないように設計された撹拌翼構造を採用しています。そのため、乾いた被膜が塗料内に戻ることを防ぎ、「ぶつ・ごみ」と呼ばれる塗料欠損を回避することが可能です。
塗料撹拌機を使用することで、塗料の品質を維持し、ムラのない美しい仕上がりを実現できます。プロの塗装作業において非常に重要な要素であり、効率的な作業を可能にするための必須アイテムです。塗料撹拌機は、塗装業界において大変重宝されている機械と言えます。
塗料撹拌機の使用用途
塗料撹拌機は、塗膜作成の作業前に使用されることが一般的です。塗膜に「あわ」と呼ばれる塗料中の発泡が原因の欠損が出ることを防ぐため、撹拌後は時間を待つことがあります。
多くの塗料撹拌機は、撹拌翼にリングがついており、容器の壁に沿わせても撹拌翼が容器に触らない設計になっています。そのため、ミキサーで撹拌しながら手動で塗料撹拌機で撹拌することで、効率的な撹拌が実現可能です。
ただし、撹拌によって温度が上がってしまうと、塗料の粘度が変化し、その後の作業性に影響が出てしまうことがあります。そのため、撹拌時には、使用法や硬化時間を考慮しながら進めることが必要です。
また、塗料撹拌機は、効率的な撹拌を実現するための重要な道具です。塗膜作成の作業前に使用することで、塗膜の品質を向上させ、ムラや発泡による欠損を防げます。ただし、撹拌による温度上昇には注意が必要であり、使用法や硬化時間を考慮して撹拌することが重要です。塗料撹拌機の適切な使用法を理解し、塗装作業を効果的に進めることが求められます。
塗料撹拌機の原理
塗料撹拌機は、回転数やトルクの調整が必要なため、エアモーター駆動式を動力として採用されることが主流です。エアモーター駆動式は、有機溶剤を使用した塗料でもスパークによる放電の危険がないため、安全に使用できます。
また、色素などの粉を塗料に混ぜる作業でも火花の危険がなく、安心して使用可能です。エアモーター駆動式は圧縮空気を利用した圧力モーターで、モーター内部に供給された圧縮空気が、ベーンと呼ばれる回転子に給気されます。
ベーンの面積差によって回転力が発生し、区切られた空間に空気が入り、回転運動が起こります。排気は空気中に放出されるため、小型で過熱しにくく、連続使用が可能な点が特徴です。
さらに、エアモーター駆動式では、動力源に油を挿す必要がないため、油が垂れて塗料を汚すことがなく、「ハジキ」という塗膜欠損を防げます。
塗料撹拌機のその他情報
1. ペイントミキサー
塗料攪拌機はペイントミキサーとも呼ばれ、各メーカーより様々な種類の製品が販売されています。ペイントミキサーは、モーターによる回転を利用して、ミキシングブレードと呼ばれるスクリュー形状のものを回して塗料などを攪拌混合します。
インパクトドライバーのドリルをミキシングブレードに交換したら使えるものもありますが、専用の設計モーターでないため、故障を防ぐためにも専用工具として購入した方がよいです。ペイントミキサーを選ぶ基準には、モーターの回転数、トルク、ミキシングブレードの形状があります。
モーターの回転数とトルクは塗料の粘度に左右されます。低粘度である下塗りや上塗り材は、高速回転 (1,000rpm程度) 、低トルクのものを、高粘度である弾性リシンやモルタルなどは低速回転 (500rpm程度) 、高トルクのものを選択します。
ミキシングブレードの形状は、攪拌したい塗料や量によって変わってきます。高粘度かつ攪拌する量が多い場合は径が大きく、上下方向に羽が伸びているものがおすすめです。一方、低粘度の場合、あまり大きいミキシングブレードを使用すると塗料が飛散する場合があるので、攪拌する塗料に合わせて選択することが大切です。
2. 塗料を攪拌する方法
塗料攪拌機を使用して塗料を攪拌するときは、その方法に注意が必要です。通常は、塗料の入った1斗缶に直接攪拌機を入れるか、作業しやすいようでかいバケツに入れてから攪拌機を入れて混合します。
塗料の入った容器が攪拌機の回転で動かないよう、両足で挟んで固定します。容器も回転すると塗料が上手く混合されず、なにより飛散したりして事故につながります。
さらに、塗料攪拌機のコードにも注意が必要です。コードをまとめない状態で攪拌すると、ミキシングブレードの軸に巻き込まれて事故につながる可能性があります。コードが巻き込まれない状態であることを確認してから攪拌するよことが大切です。
参考文献
http://meiyu-co.jp/wp-content/uploads/2016/12/airmotorrev29.pdf
http://www.taiyo-ltd.co.jp/products/pneumatic/docs/catalog_air_33.pdf