モッコ

モッコとは

モッコ

モッコとは、袋状の玉掛け用具の一種で、荷物を入れて、運搬するために使う道具です。クレーンなどで吊りあげて使用します。建築や土木、農業、漁業、造園業など幅広い分野で活用されています。ベルトとシートから構成されます。ネット部分に運搬したいものを入れ、クレーンなどを使って吊り上げて移動させます。モッコには、シート自体の素材やベルトの長さ、荷重量によって異なる商品が販売されています。

モッコの使用用途

モッコが活用されている現場は建築や土木、農業、漁業など様々ですが、現場から排出された岩や土、雪、または海産物などを運搬するために使います。モッコは用途に応じて様々な種類があります。用途に応じて適切な製品を選ぶ必要があります。モッコは重心が不安定なものを載せることには向いていません。また、尖ったものや、シートを破く可能性があるものを運ぶ際には注意が必要です。雪や土壌を運搬する際、水によってモッコ本体が湿り、重くなります。そのため、防水素材でできたモッコも販売されています。

モッコの原理

モッコの主な種類には以下のものがあります。

  • ベルトモッコ
    建築や土木の分野で使用します。ポリエステルなどの素材でできているため、癖がつきません。
  • 布モッコ
    砂利・土などの細かいものを運搬する際に向いています。
  • シートモッコ
    布モッコと同様に、ワイヤーモッコなどでは運べない細かいものを運ぶのに適しています。また、傷をつけたくないものの運搬にも向いています。
  • ゴムモッコ
    ゴムで作られているため、収納・運搬の際に折り畳んでも癖がつきにくいです。安全で漏れにくいという長所があります。
  • ワイヤーモッコ
    ネット部分がワイヤーでできているため、丈夫です。尖った石や鉄クズなども安全に運ぶことができます。本体そのものの重量がありますが、水の抵抗にも耐えられるため水中での使用にも適しています。

モッコの規格には、マスク型(マスクのように、それぞれの辺が2点ずつ)、4点吊、8点吊、4点吊底抜け、4点吊メッシュなどがあります。

参考文献
https://www.moetama.biz/knowledge/basic/beginner/entry-132.html
https://www.kondotec.co.jp/digitalcatalog/#target/page_no=116

スティック砥石

スティック砥石とは

スティック砥石

スティック砥石とは、各種の工具の刃部分の研磨などをしやすくするため砥石をスティック状に加工した製品類全般を指します。滑らかなオイル原石を使用した油砥石は、アルカンサス、アルミナなどの鉱石を用いて製造され、主に傷がついては品質に影響が出る製品のバリ取りに使用されてています。

具体例としては、車の部品加工や機械部位での内径の精密仕上げ(ホーニング)に使用されており、砥石の各種ロッド番号に応じ荒さが数種類用途別に製品化されています。

スティック砥石の使用用途

船舶や飛行機、列車、自動車などのエンジン内部の軸受、シリンダ、機器全般では、列車車両の抵抗器、油圧式シリンダ、油圧ポンプなど精密さと均一さを要求される部品の仕上げ加工に様々な形状、研磨精度の製品が市販されています。研磨精度が上がれば上がるほど摩耗が少なく部品の耐久性も高くなるので高品質な製品が要求されます。

また身近なところでは100均ショップなどでDIY用品として棒状やハンディータイプに加工されたスティック砥石も利便性に富んだ加工製品です。

スティック砥石の原理

石の中でも最も硬質な素材と呼ばれるダイアモンドや立方晶窒化ホウ素など硬質鉱石を用いて超セラミックスや、鉄鋼物、ガラスなどを研磨し、用途物の内径に応じて製品が細分されています。

形状はシェル型(半円形)や円柱形にスティックを加工したものが使われています。特殊用途製品は新型新幹線や特別車両などの部品研磨に使われるスティック砥石は大型になりますが、セミオーダー、フルオーダーで受注生産され高精度の仕事をこなします。
*
精度の指標は(ヌープ度数)が高い資材研磨ほど硬さに優れた原石を用いて作られます。また磨きあげ表面はハッチ状と呼ばれる独特な加工面になりますが、この面は大変潤滑性(保油性)に優れ、部品の消耗を軽減します。

素材の比較的柔らかいスティック砥石(油砥石)は油分を含む天然鉱石もありますが、最近は超低砥粒石が主流です。シェアが最も大きい製品原石類であり、その高い耐久性がコスト低減に寄与している所以です。

参考文献
http://www.kk-mizuho.jp/products/honing_conventional.html

塩ビ管

塩ビ管とは

塩ビ管

塩ビ管とは塩化ビニル樹脂でつくられた配管資材の1つで、正確には硬質ポリ塩化ビニル管と呼ばれます。

ポリ塩化ビニルは (図1) は耐水性や耐候性、経済性、耐腐食性、難燃性などに優れています。金属管と比較し軽量で施工しやすい点も急速に普及した要因の1つです。

ただし有機溶媒に弱いことや耐熱性が低いなどのデメリットもあるため注意が必要です。塩ビ管は厚さに応じて大まかにVP管とVU管に分けられます。

VP管は管の厚みは肉厚であり、屋内外の給水管や通気管に用いられます。一方でVU管はVP管よりも薄肉であり、一般住宅の排水系統や通気用に使用されます。

ポリ塩化ビニルの構造

図1. ポリ塩化ビニルの構造

塩ビ管の使用用途

塩ビ管の主な用途は水道管や下水道管、通気管、保護管などが挙げられます。塩ビ管は耐候性や耐腐食性など長期間の使用に耐え得る特性を兼ね備え、施工性にも優れることからインフラ設備に多用されています。

衝撃性に強いHIVP管や熱に強いHT管のように種類も豊富なため、用途に応じて使い分ける必要があります。最近ではDIYの資材としても使われています。

こうした影響もあり以前まではグレー系の塩ビ管が主流でしたが、今ではホームセンター等でカラフルな塩ビ管を購入できます。

塩ビ管の原理

塩ビ管は、大きく以下の4種類に分けられ用途に応じて使い分けがされています。

1. VP管

厚肉の塩ビ管で耐圧力は1.0MPa、耐熱温度は60℃程度です。厚みがあり高圧にも耐え得ることから屋内外の排水管や給水管に使用されています。メリットとしては、平滑性が高く摩擦抵抗が小さいため内側に汚れ等が吸着しにくくなっています。

そのため、長期間にわたり使用することができメンテナンス回数を減らすことができます。

一方、直射日光には弱いため冷暗所での使用が求められます。

2. VU管

VP管と比較するとやや薄肉なため低圧力環境下で使用されます。耐圧力は0.8MPa、耐熱温度は60℃程度です。

軽量性に優れますが高圧管路用には使用できないため、一般家庭の排水設備などに使われています。

3. HIVP管 (耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管) 

耐衝撃性を有しており柔軟性がある塩ビ管で、耐圧力は1.0MPa、耐熱温度は50℃程度です。

寒冷地や外部衝撃が加わる可能性のある環境下で使用され、地震にも強い耐性を示します。

ただし、単価が高くなるため使用用途が限られます。

4. HT管 (耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管)

高い耐熱性が特徴で90℃近くまで使用可能なため給湯管に利用されます。

ポリ塩化ビニルのその他情報

ポリ塩化ビニルとその他の汎用プラスチックの相違点

代表的な汎用プラスチックの構造

図2. 代表的な汎用プラスチックの構造

ポリ塩化ビニル以外の汎用プラスチックとして、ポリスチレンポリエチレンポリプロピレンなどが挙げられます (図2) 。

これらの化合物の中で、ポリ塩化ビニルとポリスチレンは非結晶性であり、一方でポリエチレンとポリプロピレンは結晶性を有します。

さらに、これらの4化合物のうち塩ビ管の素材であるポリ塩化ビニルだけが、その構造に塩素原子を含みます。このように、ポリ塩化ビニルはその他の汎用プラスチックとは大きく異なる化学的な特徴があり、その用途も独特です。

参考文献
https://www.eslontimes.com/system/category/93/
htmlhttps://www.kubota-chemix.co.jp/blog/2016/07/24/37
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsms/54/2/54_2_221/_pdf/-char/ja

防犯用センサーライト

防犯用センサーライトとは

防犯用センサーライト

防犯用センサーライトとは、赤外線センサーなどの人感センサーを内蔵したライトです。

人を感知するとライトが点灯します。この原理を応用して玄関や庭に設置し、防犯目的で使用されています。自動で点灯・消灯するため非常に経済的であり利便性の高さが特徴です。

このような利便性の高さから防犯用途だけでなく、室内の廊下などにも使われています。センサーライトには多くの種類があるため、屋外・屋内どちらで使用するかや防水性能などを確認した上で設置することが大切です。

防犯用センサーライトの使用用途

防犯センサーライトは、主に玄関や勝手口、庭などに防犯目的で設置されています。人を感知すると自動でライトが点灯するため、泥棒の犯行を抑制できるとされています。

ただし、適切な場所にライトを設置しないと防犯効果を得られない可能性があります。具体的には、勝手口や庭などから侵入される可能性が高いため、これらの場所が最適です。

また、設置の仕方にも工夫が必要で、ライトの角度調整や防水対策も欠かせません。これらを怠ると適切な効果を得られないだけでなく、故障の原因となるため注意が必要です。

防犯用センサーライトの原理

防犯用センサーライトには赤外線センサーなどが内蔵されており、人を検知するとライトが点灯します。ライトの種類には白熱電球やLEDなどがありますが、メンテナンス性を考慮してLEDを選択する場合が多いです。ライトの点灯には動力源が必要ですが、主に3種類に分けることができます。

1. 乾電池式

配線工事なども必要なく設置場所を選ばず、簡単に設置できる点が最大のメリットです。一方で、定期的な電池の交換が必要になります。また、高温環境下では液漏れの懸念もあるのが現状です。

2. 電源式

電源式はコンセントに接続することで使用できます。停電が起きない限り使用可能ですが、コンセントが近くにない環境下では使用できません。また、雨天時にショートする可能性も高く防水対策は必須になります。

3. ソーラーパネル

ソーラーパネル式はランニングコストがかからないため、経済的かつエコです。電池やコンセントを必要とせず日中に太陽光が当たる場所であればどこでも設置できるメリットがあります。ただし、大きな防犯センサーライトの場合は工事が必要となることがあります。

防犯用センサーライトのその他情報

1. 防犯用センサーライトの防犯効果

防犯用センサーライトには、光によって泥棒の心理に動揺をさそう防犯効果があります。人に見つかることを極度に恐れるため、光が当たり目立つことを嫌います。

また、防犯用センサーライトの防犯効果は、泥棒の心理に働きかけるだけではありません。場合によっては、自分の身を守る行動が大切です。近年では、家の中に人がいることを知った上で侵入する泥棒も増えています。泥棒と鉢合わせした場合、思わぬ危害を加えられる可能性もあります。泥棒が家に近づいたことを光で知らせ、家の中にいる人が犯罪に巻き込まれる危険性を無くします。

さらに強い防犯効果を得るためには、カメラ付きの防犯用センサーライトが有効です。価格は高くなるものの、泥棒は痕跡を残したくないため、極力その家には入りたくない心理状態が生まれます。侵入された場合も、証拠映像を残す役割をもちます。

2. 防犯用センサーライトに使用する電球の特徴

防犯用センサーライトに使用する電球は、家庭内用と同じく白熱電球、ハロゲンランプ、LED電球の三種類です。屋外で使用する防犯用センサーライトの電球には、それぞれの特徴から得られるメリットがあります。

白熱電球のメリットは、価格が安いことです。しかし、寿命が短いため定期的な交換が必要です。また、虫が集まりやすいデメリットがあります。ハロゲンランプのメリットは、広範囲に光を照射するので防犯効果が高いことです。デメリットは消費電力が高いことです。寿命は白熱電球よりも長く、LED電球には劣ります。

LED電球のメリットは、少ない消費電力による寿命の長さです。デメリットは他の電球に比べて価格が高いことです。しかし、寿命が長いことから交換頻度が低く、長期的にみたときに高いコストパフォーマンスをもちます。

3種類の中で一番人気のある電球はLED電球です。防犯を強化したいのであれば、泥棒の侵入経路にのみハロゲンランプを使うのも効果的な方法です。用途に合わせて、効果を最大限発揮できる電球を選ぶことが大切です。

参考文献
https://www.arucom.ne.jp/landing_sensor/sensor_about.html
https://www.logrenove.jp/housing/equipment/4119/
https://www.arucom.ne.jp/landing_sensor/sensor_about.html
https://tokyo-chumon.com/custom_home/%E9%98%B2%E7%8A%AF/9717#:~:
https://www.alsok.co.jp/security_info/security_enq/28.html

コンテナ台車

コンテナ台車とは

コンテナ台車

コンテナ台車は、コンテナを乗せて移動させることを目的として作られた台車です。スチールキャリー、箱台車などとも呼ばれます。

コンテナを乗せる枠に四輪のキャスターがついている形が一般的です。多くの場合長さを調節できるピッチがついており、コンテナの形に合わせて伸縮できる構造になっています。

折りたたみ可能なもの、押して運ぶためのハンドルがついているもの、傾斜をつけてコンテナを乗せるものなど、その形状にはバリエーションがあります。

コンテナ台車の使用用途

物流業界や農産物の収穫などで使われるコンテナにはキャスターが付いていない場合が多く、また重量のあるものを積載することがほとんどなので、運ぶ時に大変な労力が必要です。コンテナをキャスターのついているコンテナ台車に乗せることで、移動・運搬を楽に行えます。

枠の素材は樹脂(プラスチック)製または金属製、樹脂部品と金属部品の混合などがあります。キャスターの素材や数も様々なタイプの製品が存在するので、用途や積載物の重量によって選定します。

コンテナ台車の原理

コンテナ台車は、コンテナを収めるための枠とキャスターが四隅についているシンプルな構造が基本です。枠はコンテナのサイズに合わせてその都度伸縮させ調節することができるようになっているタイプがスタンダードです。

折りたためるもの、キャスターが6輪のもの、押して運ぶためのハンドルがついているもの、コンテナを上下2段に積めるもの、荷台を傾斜状態に設定できるもの、コンテナ台車同士を連結できるもの、ネスティング保管可能なものなど、ディテールは商品によって様々です。

コンテナ台車に使用される素材も色々なものがあります。コンテナ台車自体を持って運ぶ機会の多い場合は軽量で取り回しやすいようにプラスチック・ナイロンが、乗せるコンテナおよび積載物に重量があり丈夫さが必要な場合はアルミ・ステンレス等の金属が取り入れられています。

床置きのコンテナをそのまますくい上げることのできる機能がついたコンテナカートもコンテナ台車の仲間です。

参考文献
https://www.routeboy.co.jp/

プロテクターケース

プロテクターケースとは

プロテクターケース

プロテクターケースは、精密機器や道具を保管、持ち運びする際に使用できるケースです。耐久性・密閉性ともに優れています。樹脂製の製品がほとんどです。プロテクターツールケースとも呼ばれます。ケースの上部・下部それぞれにクッションが付いており、蓋をロックすることができます。ハンドルが付いており、そのまま持ち運べます。防水・防滴加工や、気圧調整、耐衝撃機能など製品によってスペックが異なりますので、用途に応じて選ぶ必要があります。

プロテクターケースの使用用途

プロテクターケースは、精密機器や大切な道具を取り扱う、あらゆる場面で使用されています。ポータブルの分析機器・測定器から、カメラ・電子機器・スポーツ用具まで、様々なもの保管や持ち運びに使用できます。そのまま航空機輸送ができる規格の製品も販売されています。耐久性・防塵性・耐水性に優れています。爆破の衝撃にも強いとされています。また、耐熱性があるため、砂漠や極寒地でのフィールドワークなどでも使用できます。

プロテクターケースの原理

プロテクターケースに取り入れている主要な機能について説明します。これらの機能を全てのプロテクターケースが有しているわけではありません。

  • 防水・防塵
    防水、防滴、防滴加工がされている製品が多いです。それぞれの性能は国際電気標準会議(IEC)の規格に基づいています。性能によって保護内容は大きく異なるので、使用するシーンにあったものを選ぶ必要があります。
  • 気圧開放バルブ
    まれに、気圧の変化によりケースの蓋が開かなくなる場合があります。気圧開放バルブによりプロテクターケース内の気圧を調整することで簡単に蓋を開けることができます。
  • その他
    ハンドルやキャスターを取り付けて、用途に応じて使い勝手よくカスタマイズすることもできます。バックパックのようにプロテクターケースを背負えるようにする部品も販売されています。鍵を取り付けることができるものもあります。ケース内のクッションにはウレタンフォームが使われています。ウレタンフォームも別売りで販売されているので、収納したいものの形に合わせてウレタンフォームをくり抜いて使うことができます。

参考文献
https://www.askul.co.jp/p/N842441/
https://www.pelicanproducts.co.jp/protector.html
https://www.hke.jp/products/mt1/IP65.htm
https://webdesk.jsa.or.jp/common/W10K0500/index/dev/glossary_9/
https://www.monotaro.com/k/store/プロテクターツールケース/

デンデンボルト

デンデンボルトとはでんでんボルト

デンデンボルトは蝶番ボルト、ロットボルトとも呼ばれ、ボルトの頭部がリングの形状をしているボルトを指します。見た目がおもちゃのデンデン太鼓に似ていることから、デンデンボルトと呼ばれるようになったと言われています。

アイボルトとよく似た形状をしていますが、デンデンボルトの方が頭部の輪が小さく、またアイボルトのように吊り下げる用途で使用することが出来ません。

デンデンボルトの素材は鉄、ステンレス、S45C、SUS316L、SNB7、チタンなどです。

デンデンボルトの使用用途

デンデンボルトは別名蝶番ボルト、スイングボルトと呼ばれている通り、調整(アジャスター)として使われます。水平にセットして穴の部分に棒やピンを差して固定し、ネジ部がスイングする状態で使用します。

物を吊り上げる用途で使用することもできますが、これは本来の用途ではありません。吊り用ボルトではないということで、規格上でも強度は求められていません。

ちなみに吊り下げる用途で使うことはできません。穴に引っかけて物を吊る場合にはアイボルトを使用します。

デンデンボルトの原理

デンデンボルトには様々なねじ径・長さの規格があり、アジャスターの他にも軽量物を吊り下げる目的でも使える(ただしこの使い方は推奨されません)汎用性の高いボルトです。

鉄製のものが安価で手に入りやすいですが、強度の面ではステンレス製が優秀です。ただし特別デンデンボルトに強度が求められる場面は少なく、どちらかというと耐食性、衛生面で優れているためにステンレス製デンデンボルトの需要が高まっているといえるでしょう。
表面処理にはユニクロ(光沢クロメートメッキ)、三価ホワイト(三価クロムクロメート)などごく一般的なメッキが施されています。

似た形状のアイボルトは、重量物を吊り上げるという目的があるため重要保安部品として使用荷重をチェックする必要がありますが、デンデンボルトは吊り上げ・吊り下げ目的で使用しないのでそのような規格はありません。アイボルトの代用としてデンデンボルトを使用できる場面もありますが、あくまで十分に軽い物を吊り上げる場合のみであり、破断の恐れもあるので推奨されません。

参考文献
https://e-neji.info/

ムッフ

ムッフとは

支柱にクランメルやOリングを垂直に取り付ける際に使う、接続用の金具です。棒状のものをネジで締めて固定するだけの簡素な作りなので、実験内容に応じて臨機応変に組み立て・解体できるのが長所です。しかし一方で、必要以上に径の大きいムッフを選んでしまうと、ネジの締め付けが緩くなり実験器具が落下する危険性があります。固定したい棒の太さに合わせ、適切なサイズを選びましょう。

材質は亜鉛合金が一般的です。薬品耐性を求めるのであればステンレス製もありますが、やや高額です。

ムッフの使用用途

分液ろうとを固定するときや、試験管を一定の角度で保持したいときなどに、クランメルやOリングがあると便利です。そしてクランメルやOリングを支柱に固定して実験装置を組み立てるとき、必須になるのがムッフです。

ムッフには棒状の部品を通せる溝(または穴)が2つあり、互いに垂直に走っています。この溝の一方に支柱を、もう一方にクランメルの柄を通してネジで締めつければ、支柱に対し垂直にクランメルを取り付けられます。

ムッフの原理

ムッフの構造は「棒を通す溝(または穴)」と、「締め付けて固定するためのネジ」から成ります。ムッフを選ぶ際は、以下の点に留意します。

  1. 適合パイプ径
    支柱やクランメルの柄など固定するものに対し、ムッフの溝の径が小さければ当然溝に通すことができません。一方、溝の径が大きすぎるとネジの締め付けが緩くなり、実験器具が落下する危険性があります。ムッフの溝の直径は、固定する棒状部品の直径の+1cm以内が無難です。
  2. ネジが正常に動くか
    ムッフの材質は亜鉛合金が一般的です。亜鉛合金は真鍮や鉄などよりは薬品体制が強いものの、酸が付着したまま放置されていると腐食が進みます。使用前にネジの緩みやネジ山の摩耗・腐食がないか確認しておきましょう。使用後は水洗いして乾燥させておくと長持ちします。

なお、亜鉛合金より薬品耐性の高いステンレス製のムッフもありますが、亜鉛合金製に比べ2倍程度の値段がします。ドラフト内など薬品が触れやすい場所で長期間使用するのであれば、ステンレス製の方が安全でしょう。

参考文献
https://axel.as-1.co.jp/asone/s/F0050000/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=SN&gclid=Cj0KCQiAw_H-BRD-ARIsALQE_2OiQhU27UcgSAvvATyHcXYL9AkNdGndjw95XiLJUi6jJDDAGrvuiUgaAmkQEALw_wcB#

アルミ構造材

アルミ構造材とは

アルミ構造材

アルミ構造材とは、機械装置などの構造体として用いることができるように加工されたアルミニウム合金製の材料です。

製品の多くは中空の4角形の基本形状に溝形状などが形成されており、ねじや溶接などで接合しやすく、高い荷重に耐えつつ軽い構造体に仕上げられるようになっています。

アルミニウム合金は比較的加工がしやすい上、比重が小さいため、多くの分野で使用される材料です。私たちの身近なところでは、網戸や雨戸などのフレームに使われています。アルミニウム合金製のフレームは軽いので扱いやすく、取り外しも容易であることから、私たちの暮らしに重宝されています。

アルミ構造材の使用用途

アルミ構造材は産業用機械の架台、ラック、ステップなどに用いられます。また工場内の一部に安全柵を設置したり、装置全体を覆って仕切る際に、アルミ構造材を部屋の骨組みにすることも、使用用途の一例です。

産業用機械では設置場所に合わせて、フレームや搬送経路を、オーダーメイドで設置することがあります。オーダーメイドの設置をする際に、アルミ構造材を用いることによって、比較的容易に設置することが可能です。

アルミ構造材の原理

アルミ構造材は自由度が高く、軽い構造体を容易に組み立てられるよう、断面形状に工夫が凝らされています。多くの製品では中空の4角形状を基本に、溝形状などが形成されています。

中空形状は強度を確保しつつ、軽量に仕上げるためです。構造物の剛性は、材料のヤング率と断面形状によって決まります。アルミニウム合金のヤング率は鉄鋼材料の1/3程度しかありません。一方で、比重は鉄鋼材料のおよそ1/3です。つまり、形状を工夫すれば、鉄鋼材料よりも軽くて強度の高い構造体にすることが可能です。

製品によっては形状に合わせて使いやすい形状のナットや、取り付けやすいブラケット製品が用意されているものもあります。アルミ構造材には、耐食性や溶接性が求められる場合も多いです。多くのアルミ構造材の製品は、A6N01S-T5やA6063S-T5など、6000系の押出用アルミニウム合金が使われています。

アルミ構造材のその他情報

アルミフレームの強度

最近はアルミ構造材は鉄フレームの構造材の代替としても注目を集めており、ホームセンターやネットショップで気軽に購入できます。気軽に入手できる一方で、安全安心に使用するためにもアルミフレームの強度について正しく理解することが大切です。アルミフレームの強度は大きく「単体強度」「ボックス強度」の2つに分かれます。

1. 単体強度
単体強度はアルミフレーム1本で使用した場合の強度で、1番分かりやすい例として挙げられるのが物干し竿です。単体強度ではまず「たわみ量」で耐荷重が決められています。たわみ量とは、アルミフレームの中心に荷重をかけたときにどれだけ湾曲したわむかということです。

メーカーが推奨している耐荷重は、フレームの長さに対して1/1,000のたわみ以下です。例えば1mの物干し竿であれば、1mmのたわみが耐荷重となります。実際には、耐荷重より小さな荷重であれば恒久的に使用することができるというだけで、これ以上の荷重をかけてしまってもすぐに折れ曲がったりすることはありません。

次に考慮すべきは「限界荷重」です。限界荷重はアルミフレームが折れてしまうときの荷重のことで、計算値で求められた荷重です。長尺のアルミフレームに荷重をかけるとモーメントが発生するため、たわみ量も限界荷重もフレームのサイズや長さで大きく変化します。カタログなどに表形式で記載されていますが、イメージとしてはフレームが長くなればなるほど、フレームサイズが小さくなるほどたわみ量は大きくなり、同時に限界荷重も小さくなります。

2. ボックス強度
アルミフレーム1本での強度でなく、ラックや棚などのボックスの形状に組んだ場合にどれだけの荷重に耐えらえるかの指標がボックス強度です。同じアルミフレームであってもボックス構造の全体で荷重を受け止めるため、単体強度よりもボックス強度の方が基本的に高くなります。

ボックス強度を考える上で必要なパラメータは、単体強度と同様に「たわみ量」と「安全係数」の2つです。単体強度の場合と異なるのは、アルミフレーム自体に荷重を掛けるのではなく、アルミフレームによって作られる面の中心に荷重を集中した比較的に厳しい条件で算出されます。

これに加えて破壊のしやすさである「安全係数」を掛けることで、ボックス強度は表現されます。アルミフレームのボックスでは、一般的に安全計数の推奨値は4~5以上です。

アルミフレームの強度は、フレームの両端を支持した状態でフレーム長の1/1,000のたわみが発生するときの荷重を最大許容荷重として決められています。型式によって高さや幅、断面係数などの必要な値が計算できるため、メーカーのホームページやカタログで必要な強度を持つアルミフレームを簡単に探すことが可能です。

参考文献
https://www.frame-diy.com/freeframe/parts/frame/page-451/
https://jp.misumi-ec.com/special/alumiframe/tech/capacity_guideline/

断熱板

断熱板とは

断熱板

断熱板とは、主に熱伝導の遮断を目的に使われる板材です。

原料素材との合板により、熱だけでなく電気や伝音を遮断する付加価値を併せ持つ断熱板材も市販されています。断熱板は建物外部からの熱の侵入または内部からの熱の逃げを防ぐ役割を果たします。

これにより、建物内の温度を一定に保ち、エネルギーコストを削減することが可能です。また、通常は軽量で取り扱いが容易であり、建築プロジェクトやリフォーム作業において効率的な施工が実現されます。

ただし、断熱板は建物の種類や用途に合わせて選択する必要があります。断熱性能や材質、厚さなどを検討し、最適な選択をすることが重要です。断熱板の導入には初期費用がかかりますが、エネルギーコストの削減と寿命の延長を通じて、長期的には節約となる可能性があります。

断熱板の使用用途

断熱板は建築および工業分野でさまざまな用途に使用されています。以下は主な使用用途一例です。

1. 建築

屋根の内部に断熱材や断熱板を設置します。室内の温度を安定化させ、冷暖房コストを削減することが可能です。

また、屋根の外部に断熱板を取り付けることで、建物の断熱性能を向上させます。ただし、外部断熱は建物の外観に影響を与えることがあるため、デザインや施工に注意が必要です。

2. 工業

工業プロセスや施設で、高温・低温環境を制御するために断熱板が使用されます。冶金工場や食品加工施設、冷凍倉庫などがその一例です。熱を内部に閉じ込めることで、プロセスの効率性を向上させます。

3. 家電製品

冷蔵庫や冷凍庫は内部に断熱材を備えており、内部の温度を一定に保つ役割を果たしています。これにより、食品や飲料を適切に冷却または凍結し、エネルギーコストを最小限に抑えることが可能です。

また、一部の電子機器、特に高性能コンピュータや音響機器などの熱を発生する機器には断熱材が組み込まれることも多いです。機器の冷却効率を向上させ、過熱を防ぎます。

断熱板の原理

断熱板の原理は、熱伝導を阻止または減少させることに基づいています。断熱板は熱エネルギーの移動を抑制し、建物内部の温度を安定化させるために使用されます。

断熱板の主な役割は、熱伝導を抑制することです。熱伝導とは物体同士が直接接触したときに熱エネルギーが伝わる現象です。一般的に高熱伝導率を持つ材料は熱を効率的に伝え、低熱伝導率を持つ材料は熱を伝えにくい性質があります。

断熱板に使用される材質は、低熱伝導率であることが一般的です。具体的には、ポリウレタン、ポリスチレン、グラスウール、セルロースファイバーなどが使用されます。これらの材料は熱を効果的に阻止し、建物内外の温度差を最小限に抑えます。

また、一部の断熱板は熱放射を反射する特性を持っています。これにより、外部からの太陽熱を反射し、建物内部の温度上昇を抑えることが可能です。屋根や壁の外部に設置されることがあります。

断熱板の種類

断熱板はさまざまな種類があり、それぞれの特性や用途に適したものが存在します。以下は代表的な断熱板の種類です。

1. グラスウール

ガラスが材料の繊維状断熱板です。耐火性と優れた音響制御特性を持っています。一般的に壁や天井、床の断熱に使用され、さらに加工して断熱パネルとして提供されます。

2. ポリウレタンフォーム

ポリウレタンをフォーム状にした断熱板です。高い断熱性能を持つ断熱板の1つで、軽量でありながら優れた熱絶縁性を提供します。

一般的に建築物や冷凍庫、パイプラインなどのさまざまな用途に使用されます。高密度または低密度で製造され、用途に合わせて選択されることが多いです。

3. ポリカーボネート

ポリカーボネートによる板です。リフォームなどでも活用され、天窓のトップライトとして活躍します。冬場は室内の温度を逃がさず、明かり取りとして活躍しています。

4. ポリスチレンフォーム

ポリスチレンをフォーム状にした材料です。ポリスチレンフォームには発泡ポリスチレン (EPS) と押出しポリスチレン (XPS) の2つの主要なタイプがあります。

EPSは軽量で低コストで、一般的に壁や床、基礎の断熱に使用されます。XPSは高密度で耐水性と圧縮強度が高く、地下の断熱や屋根の外部に使用されることが多いです。

参考文献
https://yutakasangyo.co.jp/ih/