アルミ構造材

アルミ構造材とは

アルミ構造材

アルミ構造材とは、機械装置などの構造体として用いることができるように加工されたアルミニウム合金製の材料です。

製品の多くは中空の4角形の基本形状に溝形状などが形成されており、ねじや溶接などで接合しやすく、高い荷重に耐えつつ軽い構造体に仕上げられるようになっています。

アルミニウム合金は比較的加工がしやすい上、比重が小さいため、多くの分野で使用される材料です。私たちの身近なところでは、網戸や雨戸などのフレームに使われています。アルミニウム合金製のフレームは軽いので扱いやすく、取り外しも容易であることから、私たちの暮らしに重宝されています。

アルミ構造材の使用用途

アルミ構造材は産業用機械の架台、ラック、ステップなどに用いられます。また工場内の一部に安全柵を設置したり、装置全体を覆って仕切る際に、アルミ構造材を部屋の骨組みにすることも、使用用途の一例です。

産業用機械では設置場所に合わせて、フレームや搬送経路を、オーダーメイドで設置することがあります。オーダーメイドの設置をする際に、アルミ構造材を用いることによって、比較的容易に設置することが可能です。

アルミ構造材の原理

アルミ構造材は自由度が高く、軽い構造体を容易に組み立てられるよう、断面形状に工夫が凝らされています。多くの製品では中空の4角形状を基本に、溝形状などが形成されています。

中空形状は強度を確保しつつ、軽量に仕上げるためです。構造物の剛性は、材料のヤング率と断面形状によって決まります。アルミニウム合金のヤング率は鉄鋼材料の1/3程度しかありません。一方で、比重は鉄鋼材料のおよそ1/3です。つまり、形状を工夫すれば、鉄鋼材料よりも軽くて強度の高い構造体にすることが可能です。

製品によっては形状に合わせて使いやすい形状のナットや、取り付けやすいブラケット製品が用意されているものもあります。アルミ構造材には、耐食性や溶接性が求められる場合も多いです。多くのアルミ構造材の製品は、A6N01S-T5やA6063S-T5など、6000系の押出用アルミニウム合金が使われています。

アルミ構造材のその他情報

アルミフレームの強度

最近はアルミ構造材は鉄フレームの構造材の代替としても注目を集めており、ホームセンターやネットショップで気軽に購入できます。気軽に入手できる一方で、安全安心に使用するためにもアルミフレームの強度について正しく理解することが大切です。アルミフレームの強度は大きく「単体強度」「ボックス強度」の2つに分かれます。

1. 単体強度
単体強度はアルミフレーム1本で使用した場合の強度で、1番分かりやすい例として挙げられるのが物干し竿です。単体強度ではまず「たわみ量」で耐荷重が決められています。たわみ量とは、アルミフレームの中心に荷重をかけたときにどれだけ湾曲したわむかということです。

メーカーが推奨している耐荷重は、フレームの長さに対して1/1,000のたわみ以下です。例えば1mの物干し竿であれば、1mmのたわみが耐荷重となります。実際には、耐荷重より小さな荷重であれば恒久的に使用することができるというだけで、これ以上の荷重をかけてしまってもすぐに折れ曲がったりすることはありません。

次に考慮すべきは「限界荷重」です。限界荷重はアルミフレームが折れてしまうときの荷重のことで、計算値で求められた荷重です。長尺のアルミフレームに荷重をかけるとモーメントが発生するため、たわみ量も限界荷重もフレームのサイズや長さで大きく変化します。カタログなどに表形式で記載されていますが、イメージとしてはフレームが長くなればなるほど、フレームサイズが小さくなるほどたわみ量は大きくなり、同時に限界荷重も小さくなります。

2. ボックス強度
アルミフレーム1本での強度でなく、ラックや棚などのボックスの形状に組んだ場合にどれだけの荷重に耐えらえるかの指標がボックス強度です。同じアルミフレームであってもボックス構造の全体で荷重を受け止めるため、単体強度よりもボックス強度の方が基本的に高くなります。

ボックス強度を考える上で必要なパラメータは、単体強度と同様に「たわみ量」と「安全係数」の2つです。単体強度の場合と異なるのは、アルミフレーム自体に荷重を掛けるのではなく、アルミフレームによって作られる面の中心に荷重を集中した比較的に厳しい条件で算出されます。

これに加えて破壊のしやすさである「安全係数」を掛けることで、ボックス強度は表現されます。アルミフレームのボックスでは、一般的に安全計数の推奨値は4~5以上です。

アルミフレームの強度は、フレームの両端を支持した状態でフレーム長の1/1,000のたわみが発生するときの荷重を最大許容荷重として決められています。型式によって高さや幅、断面係数などの必要な値が計算できるため、メーカーのホームページやカタログで必要な強度を持つアルミフレームを簡単に探すことが可能です。

参考文献
https://www.frame-diy.com/freeframe/parts/frame/page-451/
https://jp.misumi-ec.com/special/alumiframe/tech/capacity_guideline/

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