全てのカテゴリ
閲覧履歴
レーザーダイシング加工機についての概要、用途、原理などをご説明します。また、レーザーダイシング加工機のメーカー4社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
レーザーダイシング加工機とは、レーザーを用いてダイシング (ウェーハ上の集積回路を1つずつ切り出して、チップ化する加工) を行うことができる加工機です。
レーザーのエネルギーを利用して非接触で加工を行うため、接触加工法よりもダメージを抑えながらダイシングを行うことが可能です。
レーザーダイシング加工機で行われるダイシングとは、ウェハ上の集積回路 (IC) を切り出して、チップ化する工程です。1ウエハあたり数百~数万チップの素子を切り出す必要があり 、非常に高い加工精度が要求されます。
チップとして切り離されたウェハは更に加工され、汎用ICチップとして、一般的な電子機器のCPUやメモリー、車載ICなどに幅広く使用されます。
レーザーダイシング加工機は、このようなダイシングを行う加工機として利用されます。ダイシングにはレーザーダイシングの他に円形刃で直接ウェーハを切断するブレードダイシングもありますが、ブレードダイシングの場合、切断する際に冷却水による冷却を行ったり、切断完了後に切削屑を洗浄する必要があります。また、ブレードを接触させる接触加工法であることから、接触させた時の衝撃によってウェハの欠陥が起こるリスクや破損したダイシングブレードがウェハの汚染を引き起こす可能性などがあります。一方、レーザーダイシングは、レーザーを用いた非接触加工法であり、接触加工法における問題点を回避したい場合に有効です。
レーザーダイシング加工機は、レーザーのエネルギーを利用してダイシング加工する加工機です。動作原理は大きく分けて、「レーザーアブレーションダイシング」、「ステルスダイシング」の2種類に大別されます。
どちらについても、非接触加工法であることからブレードダイシングで発生しやすいチッピングやクラックを減らすことができます。
アブレーションダイシングでは、レーザーを用いてウェーハの一部を蒸発・昇華させることにより切断を行います。単パルスレーザーと集光レンズを併用することにより、高エネルギーのレーザーを加工対象物表面の狭い範囲に集中して照射します。加工対象物の硬さに影響されない加工であるため、加工難度が高い硬質なワークにも対応できる点がメリットです。
接触加工法であるブレードダイシングほどではないにせよ、アブレーションダイシングでは、加工の際に微細な加工屑が発生します。加工屑による不具合を防止するため、アブレーション加工前に加工対象物の加工面に水溶性樹脂をスピンコートなされることが一般的です。水溶性樹脂により加工屑の付着が防止され、加工後は純水洗浄のみで水溶性樹脂と加工屑が共に除去されます。
ステルスダイシングとは、透過性レーザーを用い、ウェハの内部にレーザーを集光させて改質層 (結晶性が乱れた層) を形成し、改質層形成後、外力を加えることにより切断を行う加工方法です。尚、ステルスダイシング/STEALTH DICINGは浜松ホトニクス株式会社の登録商標です。
ステルスダイシングでは、加工対象物に対して透過性の波長を持った単パルスレーザーが用いられ、集光レンズを通して集中的に照射されます。このとき改質層の形成と共にウェハの表面・裏面に向かって亀裂も形成され、レーザ光をスキャンすることで、亀裂を切断予定ラインに沿って繋げます。改質層形成後、テープエキスパンドを用いて外部応力を加えると、ウェハ内部の亀裂に引張応力が加わります。これによって亀裂が表裏面に伸展して切断が起き、小片化される仕組みです。
ステルスダイシングは、加工対象物の内部を加工するため、加工対象物の表裏面に傷が付かず、加工屑の発生も抑制されます。冷却水・洗浄水を必要としないドライプロセスです。MEMSなど負荷に弱い加工対象物の加工に適しており、加工幅を細くすることができることも特徴として挙げられます。
レーザーダイシング加工機は多くの製品が提供されており、多様な製品があります。動作原理別では、前述のアブレーションダイシングとステルスダイシングに大別されます。
対応するウェハサイズではΦ200mmやΦ300mmなどの種類があることが一般的です。多くの製品はフルオートマチック式であり、アブレーションダイシングのフルオート機種では、水溶性樹脂の塗布から、ダイシング、洗浄まで一連の工程を自動で行うことができます。
製品によってはウエハ厚み測長機能など、オプション機能を備えている場合もあります。Low-kグルービングやストリート上のTEG除去、Si・化合物半導体のフルカットなどの幅広いアプリケーションに対応している製品や、加工スキャン数を調整することで、様々な厚みのウェハに対応可能な製品など、製品によって様々な機能があります。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社