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ICP発光分光分析装置についての概要、用途、原理などをご説明します。また、ICP発光分光分析装置のメーカー8社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
監修:アメテック株式会社スペクトロ事業部
ICP発光分光分析装置とは、プラズマを利用して元素の定量分析を実施する高度な分析装置です。
ICPはInductively Coupled Plasmaを略した言葉で、日本語では高周波誘導結合プラズマと呼ばれます。高温のプラズマを使用する技術であり、元素を高い温度で励起させることが可能です。励起した元素はそれぞれの元素ごとに異なる波長で発光するため、光を検知することで定量分析する仕組みです。
ICP発光分光分析装置は非常に高感度であり、超微量の元素を検出することができます。これにより、微量成分や希少元素の検出が可能です。また、一度に複数の元素を同時に分析できるため、サンプルの分析時間を短縮することもできます。
ICP発光分光分析装置は様々な用途で使用されます。以下はその一例です。
大気・水質・土壌の調査において使用されます。大気汚染の調査としては、大気中の微量元素や有害物質の分析にICP発光分光分析が使用されます。特に産業地域や交通量の多い地域での大気汚染調査において、微量の金属や有害物質の検出が重要です。
水質調査にも活用され、水中の微量元素や汚染物質の分析にICP発光分光分析が利用されます。土壌汚染の調査においては、土壌中の微量元素や汚染物質の分析にICP発光分光分析が有用です。農地の土壌改良や土壌汚染の調査、地盤調査などに利用されます。
食品や農作物中の微量栄養素の分析にICP発光分光分析が用いられます。特に鉄分や亜鉛、マグネシウムなどの重要な栄養素の含有量を測定し、食品の栄養価を評価します。また、農作物中の農薬残留物の分析にICP発光分光分析を使用する場合も多いです。
医薬品中の微量元素や不純物の分析にICP発光分光分析が使用されます。薬品の安全性や品質を確保するために、微量の金属や有害物質も厳しく監視します。これにより、品質保証上の事故などを防止することが可能です。
半導体業界では、半導体材料中の微量不純物や元素の分析にICP発光分光分析が使用されます。半導体製造プロセスの管理や不純物の特定に有用です。高分子材料業界ではポリマー材料中の元素組成や添加物を分析し、品質管理や成分解析に活用されます。
ICP発光分光分析装置はプラズマを生成して元素を発生させることで定量分析します。
最初に、高周波の電気的エネルギーによってアルゴンなどのガスを導電性の高いプラズマ状態に変化させます。このプラズマは約 6,000℃以上の高温となることが多いです。
試料は液体形態で導入されることが多く、高温のプラズマ中に噴霧されます。このプロセスにより、試料中の元素が気化され、プラズマ中に放出されます。プラズマ中の高温の電子が試料中の原子やイオンを励起させ、これにより元素が光を放出する仕組みです。
元素が励起されると元素ごとに特有の波長で光を放出します。これらの光は光ファイバーなどの装置を介して分光器に導かれ、波長分解されます。その後、分光器は各元素の発光スペクトルを検出し、それぞれの波長での発光強度を測定することで定量分析することが可能です。
ICP発光分光分析装置を選ぶ際は、以下の要素を考慮することが重要です。
装置が対応している元素範囲を確認します。特定の元素に焦点を当てている場合や、広範な元素分析を行う場合には、装置が対応している元素に注意して選択します。対応する光の波長で表現している機器も多いです。
分光器内の雰囲気が重要です。一般的に、窒素やアルゴン雰囲気、真空雰囲気などが使用されます。装置の性能や感度、安定性に影響を与えるため、選択する装置の分光器内雰囲気も考慮する必要があります。
プラズマの出力は、分析の感度や安定性に影響します。高いプラズマ出力は高感度な分析を可能にし、安定性を向上させます。サンプルの性質や要件に合わせて、適切なプラズマ出力を選択することが重要です。
本記事はICP発光分光分析装置を製造・販売するアメテック株式会社スペクトロ事業部様に監修を頂きました。
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