ダウンコンバータ

ダウンコンバータとは

ダウンコンバータとは、高い周波数の信号を低い周波数へ変換する装置のことです。

例えば、マイクロ波をミリ波へ変換して、従来からのミリ波用の計測装置を使えるようにできます。あるいは高解像度の映像を低解像度の映像へ変換するもダウンコンバータです。

ダウンコーバータによって、4K解像度の放送を従来の地上波デジタル放送用の受像機で表示させるようなことができます。

ダウンコンバータの使用用途

ダウンコンバータは、多くの技術分野で広範囲に使用されています。

1. 衛星通信

ダウンコンバータは、衛星通信で最も一般的に使用されます。衛星からの信号は非常に高い周波数で送信されるため、そのままでは多くの機器で扱うことができません。

ダウンコンバータはこれらの高周波数の信号を、より取り扱いやすい低周波数の信号に変換します。

2. テレビ・ラジオ放送

テレビやラジオの放送でも、ダウンコンバータは重要な役割を果たします。放送局から送信される信号は、一般的に高周波数で送信され、ダウンコンバータを通じて低周波数に変換し、視聴者や聴取者のデバイスで映像や音声になるようにします。

3. モバイル通信

モバイル通信でも、ダウンコンバータは不可欠です。携帯電話に使われる電波は高周波数で、これを携帯電話が理解できるように低周波数に変換する必要があります。これにより、音声通話、テキストメッセージ、インターネット接続などのモバイル通信サービスが可能となります。

4. レーダーと無線測位システム

レーダーシステムや無線測位システムでは、ダウンコンバータが、送信された高周波数の信号を解析可能な低周波数の信号に変換します。これにより、航空機の位置や速度、天候の情報など、さまざまなデータを正確に取得可能になります。

5. 新世代と従来世代の互換性

テレビがアナログ放送からデジタル放送へ変更になった際に高解像度になり従来のモニターが使えなくなるのをダウンコンバータにより継続して使えるようにしています。

 

以上のように、ダウンコンバータは、日常生活から専門的な産業まで、あらゆる場面で信号処理に不可欠な役割を果たしています。

ダウンコンバータの原理

ダウンコンバータは、基本的に「混合器」や「ミキサー」とも呼ばれる電子デバイスであり、高周波数の信号をより取り扱いやすい低周波数に変換します。

1. 混合器の役割

混合器は、ダウンコンバータの中心となる部分で、2つの入力信号を受け取ります。その1つは受信信号 (高周波数) で、もう1つは局部発振器 (LO) からの信号です。

局部発振器は一定の周波数で発振するように設計されており、この振動が混合器で受信信号と「混合」されることで、新たな周波数の信号が生成されます。

2. 信号の変換

混合器で混合されると、元の高周波数信号と局部発振器からの信号との間で「差」が生じます。具体的には、2つの信号の周波数が相殺し合うことで、新たな信号が生成されます。

この新たな信号は、「差分周波数」または「中間周波数: IF」と呼ばれ、元の高周波数よりもはるかに低い周波数になります。

3. 信号のフィルタリング

中間周波数 (IF) に変換された信号は、次にフィルタに送られます。このフィルタは、新たに生成された信号から不要な成分やノイズを除去し、必要な情報だけを残します。

これにより、新たな信号は元の情報を保持しながらも、より扱いやすく、より安定した形で利用可能となります。このように、ダウンコンバータは高周波数の信号を取り扱いやすい形に変換し、情報を維持しながら効率的に信号を処理するのが役割です。

ダウンコンバータの種類

ダウンコンバータの種類は、以下のとおりです。

1. RFダウンコンバータ

RFダウンコンバータは最も一般的なタイプで、高周波数のRF信号を低周波数の信号に変換します。これは通信、放送、レーダーシステムなどに広く使用されています。

その機能は基本的に、高周波数の信号をより取り扱いやすい中間周波数に変換して、後続の信号処理システムで扱える形にします。

2. ブロックダウンコンバータ

ブロックダウンコンバータは、主に衛星通信システムで使用されます。衛星から送られてくる非常に高い周波数の信号を、より取り扱いやすい周波数に変換します。

ブロックダウンコンバータは通常、パラボラアンテナの近くに取り付けられ、ダウンリンク信号の初期ステージでの周波数変換を担当します。

3. ダウンスキャンコンバータ

ダウンスキャンコンバータは、高解像度の映像信号を低解像度の映像信号へ変換する装置です。

ステンレスフレキ

ステンレスフレキとはステンレスフレキ

ステンレスフレキとは、材質がステンレスのフレキ管です。

特に指定がない場合は、金額面の観点から鉄製配管が用いられますが、錆を防止したい場合はステンレス管が用いられます。またステンレスの中にも種類があり、細かい用途や予算に応じて使い分ける必要があります。

フレキ管の構造としては、波付パイプの周りにブレードが巻き付いている状態です。ブレードはステンレス線を編み込んだ編成ステンレス線と呼ばれるものです。フレキ管の耐圧強度を高めるのに使います。

ステンレスフレキの使用用途

消防法ではタンクが沈下した場合や地震が起きた場合を考え、危険物配管にはステンレスフレキを取り付けて逃がしを設ける必要があると定めています。また、配管を据え付け、最後に全体を繋ぎこむ際の寸法誤差の逃がしのためにも使われます。

ステンレスの表記は、SUS (StainLess Steel) の後に数字がきます。耐薬品性が低い順に、SUS430→SUS304→SUS316→SUS316Lです。配管用途以外も含めてSUS304が一般的となっています。化学薬品や海水などを扱う場合は、更に耐薬品性のあるSUS316を用います。医薬品や化粧品などでは、SUS316Lを用いる場合が多いです。

ステンレスフレキの原理

錆は鉄が空気中の酸素と反応し酸化鉄になることが原因です。そこで、ステンレスは中にクロムが入っており、鉄より先にクロムが空気中の酸素と結合することで錆を防止します。クロムが酸化すると、表面に数ナノメートル程度の不動態膜を形成され、不動態膜は化学変化しづらいため鉄と酸素が結合するのを防ぐのが役割です。

SUS304はクロム18%、ニッケル8%が含有しており、18-8ステンレスとも呼ばれています。ニッケルは不動体膜を更に形成しやすくする効果を持ち、更にニッケルを増量し、モリブデンを追加したステンレスがSUS316です。

モリブデンの効果により不動体膜が厚くなることで耐食性を増加させます。SUS316をより強力にしたものがSUS316Lです。炭素含有量を減らしたことで溶接部分の腐食性を低下させる性能があります。

ステンレスフレキの種類

1. 一重層ステンレスフレキ

一重層ステンレスフレキは、ステンレス鋼の単層のホースで構成されています。耐食性に優れ、高い耐圧性を持つため、一般的な用途としては、蒸気、ガス、液体の配管や排気システムなどで使用が可能です。また、適度な柔軟性を持つため、曲げや振動の多い場所でも適しています。

2. 二重層ステンレスフレキ

二重層ステンレスフレキは、内側に薄いステンレス鋼のホースを被せた構造です。この内側のホースは耐食性に優れているため、高い耐久性を持ちつつ、外側のホースに比べて柔軟性があります。

そのため、振動や衝撃が多い場所での使用や、高温や高圧の環境にも適が可能です。加えて、二重層構造により、耐熱性や耐摩耗性も向上しています。

3. 波形ステンレスフレキ

波形ステンレスフレキは、波形状のホースを重ねた構造を持っています。この波形状のデザインにより、フレキシブル性が高まり、複雑な形状や曲げが必要な場所での使用が可能です。

特にエンジン部分や車両の排気システム、機械装置などで広く利用されます。また、独自のデザインにより、外観にも美しさを持たせることができます。

4. 耐震ステンレスフレキ

耐震ステンレスフレキは、地震などの振動に対応するために特別に設計されています。耐震用のゴムや金属の振動吸収材を組み合わせることで、耐震性が向上しています。建築物や橋梁、鉄道車両などの地震による構造の振動に対応する必要がある場所で利用可能です。

5. 高真空ステンレスフレキ

高真空ステンレスフレキは、超高真空環境での使用に適しています。特殊な真空環境においても、ガスの漏れを防ぐために高い気密性が求められますが、ステンレスフレキはその優れた耐圧性と気密性により、高真空システムにおいて信頼性が高いです。

参考文献
https://www.nitto-kinzoku.jp/archives/technic/sus-rust/
https://www.nitto-kinzoku.jp/archives/technic/sus316l/
https://www.nfk-jp.com/flow/

シグナルジェネレータ

シグナルジェネレータとは

シグナルジェネレータとは、電子測定で被測定回路を動作させるために使用する機器のことです。

信号源を作る役割があります。現在では、様々な波形を生成するためにデジタル技術をベースとしてシグナルジェネレータの機器設計されているのが主流です。

シグナルジェネレータで生成できるのは理想的な形だけではなく、既知の歪みの量と種類を再現し、それらを出力波形に加算することも可能です。被測定回路だけでは必要とする歪みを必要なタイミングで再現することができない場合もあります。

歪みのある信号を供給し、その応答を観察することで通常の性能範囲を超えるストレスがかかった時の耐久性を調査することができます。

シグナルジェネレータの使用用途

シグナルジェネレータは、回路の設計検証や解析、各種実験用途、さらに生産現場では製品のテスト信号として製品検査などにも使われています。製品のテスト信号として使う場合は、標準となる信号発生器を常に用意することが大切です。

これと比較しながら定期的に校正をかけて、シグナルジェネレータの出力を調整すします。シグナルジェネレータが生成する波形には、一般的に方形波や矩形波、三角波、のこぎり波、サイン波なをを基本として数十種類以上もあります。さらに、理想的な波形のみならゆがみやノイズを付加することにより、一層現実の波形に近い条件を作り出し、精度の高い設計に貢献します。

シグナルジェネレータの原理

シグナルジェネレータは、前述の通り設計した回路やシステムの検証うことで、仮想的な入力信号を疑似的に作り出し、これを機器に入力し不具合の検出を行います。

その結果を踏まえ、再度、回路の見直しを行うというトライアンドエラーのサイクルを回し機器の設計完成度を上げていきます。

1. 設計段階での検証

一般的に機器の設計は回路ブロック単位で行います。単一回路ブロックの設計終了後に検証を行う場合、入力信号が必要となりますが、設計の初期段階では、接続相手の回路が存在しません。

このような場合にシグナルジェネレータから必要な信号を作り出して、設計完了した回路に入力することで検証作業を行います。

2. 製品完成時での検証

個々の回路ブロックの設計が完了し、製品として組み上げた場合にも同様にシグナルジェネレータから生成された信号を入力して試験を行います。この際、理想的な入力信号のみでなく、実際のユーザの使用環境下において発生する可能性のある信号のゆがみやノイズを付加して検証作業を行います。

 

以上の通り、シグナルジェネレータは設計の初期段階から設計完了間際まで、更には生産時のテストに至るまで幅広い範囲で使われる測定器です。

シグナルジェネレータの種類

シグナルジェネレータは発生する電気信号の波形や周波数で以下に示す分類ができます。

1. AF発振器

AF (Audio Frequency) 発振器は、主にオーディオ帯域の信号を発生させるシグナルジェネレータです。出力周波数は数10kHz程度であり、正弦波や矩形波を出力します。低周波発振器またはRC発振器とも呼ばれる発振器です。

2. ファンクションジェネレータ

直流や正弦波のみならず、方形波や三角波などの各種波形を出力可能なシグナルジェネレータです。出力周波数は0Hz~数10MHzであり、近年はノイズやDC電圧出力を含めて波形を加算して出力することもできます。

3. RF信号発生器

RF (Radio Frequency) 信号発生器は、周波数・電力・変調などを制御した電気信号を出力することが可能なシグナルジェネレータです。数10MHz以上の周波数を出力します。

AF発振器は単一正弦波を出力可能ですが、RF信号発生器では変調と呼ばれる操作を加えることができます。EMI試験での信号源や無線機の性能試験などの用途に使用されるシグナルジェネレータです。

他にはロジック信号のパターンを出力するパターンジェネレータや目的にあった雑音を発生させる雑音発生器等があります。

参考文献
https://www.techeyesonline.com/tech-column/detail/Reference-FunctionGenerator-01/
https://ednjapan.com/edn/articles/0612/01/news149.html

オシレーター

オシレーターとは

オシレーター

オシレーターとは、電子回路を用いて持続的に交流信号を発生する回路です。

発振器もしくは発振回路とも呼ばれています。一定の周波数の正弦波を発生する回路で、抵抗 (R) とコンデンサ (C) を組み合わせたRC発振回路、水晶振動子やセラミック振動子を使った発振回路、コイル (L) とコンデンサ (C) を組み合わせてその共振を利用したLC発振回路などがあり、用途に応じて使い分けます。

オシレーターの使用用途

オシレーターは、放送機器、通信機器における送受信周波数を得るために使われます。放送では、定められた周波数の電波に変調された番組情報を送信し、受信機はその周波数の電波を受けて番組内容を再生するため、オシレーターは送受信機どちらにとっても重要な回路です。

通信の分野でも同様に一定の周波数で送信し、受信側ではその周波数に同調することで情報のやり取りが可能になります。また、マイクロプロセッサを含むデジタル回路においては、ロジック回路の同期をとるシステムクロックが重要な役目を果たしますが、システムクロックの基となる安定した周波数の発生源としてオシレーターが使われます。

さらに、電子楽器の音源でもオシレーターの信号を基に、楽器の音色を形成しています。

オシレーターの原理

オシレーターの元となる発振回路には、帯域通過フィルターとフィードバック増幅回路を組み合わせた低周波域の正弦波を出力するRC発振器と、共振現象を利用して高周波域の正弦波を出力するLC発信回路や水晶発振回路などがあります。ここでは、主に水晶発振回路について説明します。

1. 水晶振動子

水晶振動子は、電気的特性からみると損失がほとんどない純粋なリアクタンス素子です。そのリアクタンスは非常に狭い周波数範囲でのみ誘導性 (コイルの特性) を示すため、水晶振動子にコンデンサを接続すれば、その周波数範囲内で共振周波数が定まります。

LC発振器の代表的なコルピッツ発振器の構成において、コイルを水晶振動子に置き換えると、水晶振動子が誘導性となる狭い範囲内でのみ発振します。

2. セラミック振動子

水晶振動子は鉱物である水晶を高精度で加工して発振周波数を決定するため、製造コストは高くなります。そこで、比較的安価なセラミック振動子を用いたセラミック発振回路も採用されるようになりました。セラミック振動子も特定の周波数範囲で誘導性リアクタンスを示しますが、水晶振動子ほど急峻な特性ではないので、発振周波数の精度が劣ることが欠点です。

3. 時計用水晶振動子

水晶、セラミック何れも発振周波数は数百KHzから数十MHzの範囲ですが、時計用の水晶振動子として32.768KHzのものがあります。時計向けの発振回路は周波数精度が重要なので、セラミック振動子は採用されません。

オシレーターのその他情報

オシレーターの関連製品

1. 水晶振動子、セラミック振動子
振動子単体で販売されている部品で、発振回路が内蔵されている集積回路に接続して使われるものです。

2. 発信器
発振回路と水晶振動子を組み合わせた発振回路を一つのパッケージにまとめたものが部品として販売されています。用途の応じて様々な発信周波数の製品があるため、必要とする周波数のものを選択して下さい。デジタル回路のクロック用として、正弦波を方形波に変換して出力するものが主流です。

3. 周波数シンセサイザー
通信機などでは発振周波数を可変することが求められますが、水晶発振器単体では発信周波数が固定されてしまいます。そのような用途向けには、周波数シンセサイザーが対応します。

4. 信号発生器
電子計測器の一種に、周波数を可変できる信号発生器があります。低周波用にはRC発振回路を用いたもの、高周波用には周波数シンセサイザーを用いたものが主流です。

参考文献
https://engineer-education.com/crystal-resonator/
https://jp.rs-online.com/web/generalDisplay.html?id=ideas-and-advice/crystal-oscillators-guide
https://www.marutsu.co.jp/contents/shop/marutsu/mame/47.html

POEスイッチ

POEスイッチとは

POEスイッチ

POEスイッチとは、ネットワーク接続だけでなく、接続デバイスへの電力供給も可能なデバイスです。

Power over Ethernet (POE) は、ネットワークケーブル (通常はカテゴリ5以上のEthernetケーブル) を通じて電力を供給するテクノロジーを指します。POEスイッチニより、電源供給の難しい場所にあるデバイスや電源ケーブルを引きたくないデバイスの設置が可能になります。

例えば、天井に取り付けられた無線LANアクセスポイントや監視カメラなどです。POEスイッチの利点は大きく、電源配線の必要性を軽減し、インストールの柔軟性を向上させ、電源の可用性を高めることが挙げられます。そのため、ビジネス環境や大規模なネットワークインフラでの利用に適しています。

POEスイッチの使用用途

POEスイッチは、IP電話、ワイヤレスアクセスポイント、ネットワークカメラなど、POE対応機器と組み合わせて使用します。ケーブル配線が制約となる環境下では、特にメリットを享受できます。

1. オフィス内のIP電話導入

オフィス内に複数のIP電話を導入する場合、PoEスイッチとIP電話を組み合わせれば、電話機ごとに電源配線する手間が省けます。

2. ホテルやオフィスビルでのワイヤレスアクセスポイント設置

広いエリアでワイヤレス環境を提供する場合、PoEスイッチとアクセスポイントで柔軟なネットワーク設計が可能です。

3. 店舗や工場での監視カメラ設置

PoEスイッチとネットワークカメラを活用すれば、配線コストと設置工数を大幅に削減できます。

4. IoTデバイス

IoTデバイスは常に電源とネットワーク接続を必要とします。そのため、POEスイッチはスマートビルディングや自動化システムの中心的な役割を果たすことができます。

POEスイッチの原理

イーサネットケーブルには8本の信号線がありますが、そのうち4組の信号線をデータ通信用に、残りの4組の信号線を直流電力供給用に使用します。POEスイッチは、電力を供給するポートでは、送受信の信号線に加えて電力供給用の信号線に直流電圧を重畳させます。

一方、POE対応機器側では、通信用の信号と電力用の信号を分離し、電力用信号線から電力を取り出して利用するのが基本です。IEEE802.3af/at/btなどの規格により、供給電力や重畳方法、機器の検出制御などの仕様が標準化されています。POEスイッチと端末はこの規格の準拠により、相互接続性を確保しています。

このようにPOEスイッチは、データと電力を1本のLANケーブルで同時供給できるため、配線と設置工数の削減を実現可能です。ネットワーク機器の配備の自由度が向上する技術といえます。

POEスイッチの種類

POEスイッチは、特定の機器に電力を供給する能力を持つネットワークスイッチの1種です。その方法によって、主に、アクティブPOEとパッシブPOEに分けられます。

1. アクティブPOEスイッチ

アクティブPOEは、機器がPOEに対応しているかどうかを自動的に検出し、対応している場合にのみ電力を供給します。このタイプのPOEはIEEE 802.3af/at規格に準拠しており、デバイスが必要とする電力を自動的に調整します。

アクティブPOEは最大で30W (POE+規格の場合) の電力の供給が可能で、一般的なスイッチとして広く使用されています。

2. パッシブPOEスイッチ

パッシブPOEは、自動的な機器検出や電力調整機能はありません。パッシブPOEスイッチは常に特定の電圧 (通常は24Vまたは48V) を供給します。これは対応するデバイスに対してのみの使用が推奨されます。対応していないデバイスに電力を供給すると、デバイスが損傷する可能性があるからです。

 

これら2つは、それぞれの状況やニーズに対応するために使用されます。アクティブPOEは、さまざまなPOE対応デバイスをサポートし、自動的に電力供給を管理するので、より柔軟性と安全性が求められる場合に適しています。

一方、パッシブPOEは、特定の設定やデバイスに対して低コストで効率的な電力供給を提供する際に使用されます。ただし、使用するデバイスの互換性を事前に確認が重要です。

参考文献
https://www.jp.netgear.com/business/solutions/feature/PoE/

防護ふた

防護ふたとは

防護ふたとは、マンホールや溜桝 (ためます) などの立管のふたを保護するためのふたです。

配水管や汚水管の立管になっている箇所は、上端に管理や清掃のための穴が開いています。通常この穴はふたでおおわれた状態です。しかし荷重がかかるとふたが破損する恐れがあります。そこで、防護ふたをふたの上にさらにかぶせて保護しています。

防護ふたは耐荷重により区分されており、設置個所の環境に応じた選択が必要です。また、防護ふたの表面を路面と同じ高さにして路面に段差ができないようにします。

防護ふたの使用用途

家庭や事業所で発生した排水を公共の下水道へ流す前に、溜桝やピットなどの立管を通します。一度立管を通すと大きなごみが沈殿し、下水道のつまりの予防が可能です。公共の下水道にも管理用のマンホールがあり、立管が水路までつながっています。

これらの立管の上端には内部の管理や清掃のための穴が開いており、普段はふたが設置されて穴は閉じています。このふたが人や車両に踏まれて破損すると転落事故や悪臭の漏洩につながるため、ふたの上にふたを覆う防護ふたの設置が必要です。

防護ふたの原理

防護ふたは金属製のふたとプラスチックの台座により構成されています。地中に埋設されている立管のふたの上に決められた間隔をもって設置されます。

道路上を車両などが通行し防護ふたを踏みつけても、金属製のふた部分の損傷は生じずにプラスチックの台座が荷重を吸収し沈み込むこともありません。そのため下に配置されている立管のふたの損傷は生じずに、立管のふたを保護できます。

防護ふたの種類

防護ふたの種類を大きさと荷重区分、様式で解説します。

1. 防護ふたの大きさと荷重区分

金属製のふたの直径が150〜300mmの製品が多く、立管の径に応じて選択可能です。また製品ごとに耐えられる荷重が異なります。荷重区分は以下の通りです。

  • T25:25tまで耐えられます。14t以上の車両などが通過する車道での使用に適した製品です。
  • T14:14tまで耐えられます。大型車が少ない車道での使用に適した製品です。
  • T8:8tまで耐えられます。歩道や敷地内での使用に適した製品です。

選ぶ際には、設置環境に応じたものを区分の中から選択します。ふたの上に防護ふたを設置すると、防護ふたが加わる荷重に耐え、ふたの損傷が予防できます。

2. 防護ふたの様式

防護ふたは開閉方式によりロック式と袋穴式に分けられます。

ロック式
ロック式はふたを固定するための機構が備わった方式です。固定する機構は製品により異なり、マイナスドライバーで操作するキーが付いているもの、フック型のかんぬきをバールで開閉するものなどがあります。

袋穴式
袋穴式はふたを固定する機構が備わっていません。ふたと台座の接する部分に袋穴という穴があり、袋穴にバール等を差し込んでこじることで開けます。ロック式よりも操作は単純ですが、閉める時にロックをかける操作がないためふたがずれていても見落とす可能性があります。

防護ふたのその他情報

1. 防護ふたの施工手順

水道管を新たに敷設する場合や防護ふたの取り替えが必要になった場合は、業者に依頼して施工します。施工工事の手順は以下の通りです。

1. 基礎工
配管上端部の周りを掘り下げて、防護ふたを設置するスペースを作ります。基礎が沈降しないように粒度調整砕石を敷き詰め、入念に突き固めがおこなわれます。粒度調整砕石とは、岩石を破砕してふるいにかけ粒の大きさを一定に調整したものです。強度があるため道路や線路の基礎に使われます。

2. 据え付け
次に、基礎の上に台座と防護ふたを設置します。このとき傾いていると地表から荷重がかかった際に特定の部位に負担が集中し、破損の原因になります。そのため地面と水平に設置するのが基本です。地面自体が傾斜している場合は製品ごとに許容された傾斜角があるため、その範囲内に傾きが治るよう調整します。

3. 埋め戻し
最後に、粒度調整砕石やアスファルトを使い配管と防護ふたの周りを埋め戻します。

2. 防護ふた施工時の留意点

上記工程で防護ふたを設置する際には、設置後に道路との間に段差ができないものを選択します。さらに荷重により沈降しても立管のふたに接触しないように、立管のふたと防護ふたの間には15cm程度の空間が必要です。

通常、立管の上端開口部は地表より15cm以上掘り下げた場所に設けられているため、15cm程度の空間の確保は可能です。この空間を確保して、防護ふたの表面が路面と同じ高さになるよう粒度調整砕土で台座の高さを調整します。このように設置すれば、防護ふたの損傷を生じずに立管のふたを保護できます。

参考文献
https://www.kubota-chemix.co.jp/products/inspection_chambers_mini_manholes/cast_iron_covers
https://www.pmmkyo.gr.jp/manhole/small/
https://www.maezawa-k.co.jp/school/futa_sekou/
https://kubotachemix-01.actibookone.com/?cNo=60374&param=MV8xXzc=&pNo=230&detailFlg=0

マイタ

マイタとは

マイタ

マイタとは傘歯車の一種です。きのこ形をした本体の傘の部分に歯車がついており、2つのマイタが直交するように歯車を噛み合わせることで、回転運動を直交する軸へ伝達できます。

傘歯車は、傘の角度や歯の数によって様々なものがありますが、マイタには以下の特徴があります。

  • 噛み合わせる歯車どうしが同じ歯数であり、葉数の異なるものどうしは組み合わせられない。
  • 歯車どうしが直角に噛み合う。

よって、マイタは同じ回転数のまま回転方向を90°変える目的で使われます。

マイタの使用用途

シャフトの回転数を変えずに、直交するシャフトへ回転を伝える際にマイタが使われます。たとえばシャフトAとシャフトBを直角に交差させる場合を考えます。A、Bそれぞれにマイタを取り付け、歯が噛み合うように組み合わせると、シャフトAと同じ回転数でシャフトBも回転します。

直交する軸に回転運動を伝える機構は様々な産業機械に使われており、ベルトコンベアーや工作機械、車のギヤなどにはマイタが欠かせません。

マイタの原理

マイタは「傘歯車」という円錐形またはきのこ形の歯車の一種です。マイタが他の傘歯車と異なる点は、歯数比1:1、交差角度90°で使う専用になっていることです。「歯数比1:1」とは、組み合わせる歯車どうしの歯数が等しいことを意味し、マイタは歯数の異なる歯車とは組み合わせられません。さらにマイタどうしを組み合わせる際は回転軸の交差角度が90°になるように取り付けます。

マイタの回転軸には鍵穴形の穴が空いており、この穴にシャフトを貫通させます。シャフトにはキー溝(長方形や楕円形の溝)が彫られているため、マイタの鍵穴形の穴の凹み部分とキー溝を合わせ、キー(キー溝にはまる金具)を挿入して固定します。

マイタの材質はS45C(機械構造用炭素鋼)が広く使われており、焼き入れすることで歯の強度(曲げ強度・歯面強度)を上げています。「曲げ強度」が低いと歯が付け根から折れやすくなり、「歯面強度」が低いと歯が削れやすくなります。仕様書を参照し、機械装置の回転エネルギーが許容荷重以内であることを確認してください。

参考文献
https://www.khkgears.co.jp/khk_products/Miter.html
https://www.khkgears.co.jp/khkweb/search/tobiraLink.do?method=series&gearType=2&lang=ja

ラバーマグネット

ラバーマグネットとは

ラバーマグネット

ラバーマグネットとは、柔軟で薄いゴム素材に磁性材料が組み込まれた製品です。

磁石の特性と柔軟性を組み合わせており、マグネットの吸着力を有しつつ表面を傷つけずに物を固定することが可能です。ラバーマグネットは柔軟で薄い素材から作られており、曲げたり形状を変えたりすることができます。

これにより、平面素材以外にも適応させることが容易です。また、非常に軽量であり、持ち運びやすかったり、取り扱いやすかったりする点もメリットとして挙げられます。

ただし、柔軟で薄い素材から作られているため、ラバーマグネットは通常の磁石よりも耐久性に制限があります。過度な曲げや引っ張りは、破損の原因となる可能性が高いです。

ラバーマグネットの使用用途

ラバーマグネットは柔軟で加工がしやすいため、用途は多岐に渡ります。特に複雑な形状を必要とする用途に向いています。以下はラバーマグネットの使用用途です。

1. 日常生活

ラバーマグネットは家庭やオフィスの冷蔵庫や、他の磁金属表面に簡単に取り付けることができます。メモや買い物リスト、家族の写真などを表示するのに便利です。磁力が弱いため、軽量なアイテムの固定に適しています。

また、自動車用の初心者マークもラバーマグネットが使用されます。運転時の注意を啓発し、交通事故防止に寄与することが可能です。

2. 広告

ラバーマグネットにブランドロゴや連絡先情報を表記してイベントなどで配布することで、広告としての利用が可能です。小さな広告媒体として使用され、顧客の目に留まることを狙います。

3. 工場

工場でラバーマグネットを使用して作業スケジュールや注意事項を表示することで、作業効率を向上させます。メンテナンスや修理作業のガイドラインを磁金属の機械や装置に貼ることで、作業員に必要な情報を提供することが容易です。

4. 学校

学校では教室のホワイトボードや黒板にラバーマグネットを使用して、教材やスケジュールを表示することがあります。重要な情報を目に留まる位置に掲示し、生徒たちに啓発することが可能です。

ラバーマグネットの原理

ラバーマグネットは、磁性材料を柔軟なゴムまたはプラスチックの基材に組み込む仕組みです。一般的な磁石と同じく、ラバーマグネットも磁場を持つことができるようになります。

一般的な磁石は電子のスピンと軌道運動によって生じる微小な電流が原因で、物質の内部に存在する磁性が揃うことによって磁場が生じます。これによって、磁石は他の物体を引き寄せたり反発したりする原理です。

ラバーマグネットは、この磁性を持つ材料を微細な粒子としてゴムまたはプラスチックの基材に混合して作られます。用いられる磁性素材はセラミックスや希土類磁石などがあり、前者ではフェライト (酸化鉄) 、後者ではネオジムが代表的な素材です。この材料の磁性が一定の方向に整列することで、磁場を生成します。

帯状やシート状の製品があり、切断や穴開けなどの加工が容易で、形状の自由度が高いです。非常に曲げやすいため、ゴムやプラスチックと同じ感覚で使えます。

ラバーマグネットの種類

ラバーマグネットには、フェライトラバーマグネットと、ネオジムラバーマグネットの2種類があります。N極とS極が交互に配置された多極着磁が標準です。

1. フェライトラバーマグネット

フェライト磁石と呼ばれる鉄酸化バリウムまたは鉄酸化ストロンチウムなどのセラミック磁性材料を使用したラバーマグネットです。これらの磁性材料は比較的低いコストで入手可能で、一般的な磁性材料として使用されています。

フェライト磁石は一般的にネオジム磁石に比べて磁力が弱いです。ただし、ネオジムラバーマグネットよりもコストが低く、大量生産や予算に制約のあるプロジェクトに適しています。比較的耐久性があり、一般的な使用環境での摩耗に対して適しています。

2. ネオジムラバーマグネット

ネオジム鉄ホウ素磁石と呼ばれる非常に強力な磁性材料を使用して作られたラバーマグネットです。ネオジム鉄ホウ素は世界で最も強力な永久磁石材料の1つです。ラバーマグネットも非常に強力な磁力を持ち、小さなサイズでも高い吸着力を提供します。

高い磁力を持つため、より重い物体を固定する必要がある場面や、特に強力な吸着力が求められる状況に適しています。

参考文献
https://jp.misumi-ec.com/vona2/mech/M1800000000/M1805000000/M1805070000/
https://www.nihonjisyaku.co.jp/gom.php
https://www.neomag.jp/products_navi/rubber/rubber_introduction.html
http://www.shimonishi.net/magnet_kikaku/magnet_kikaku01/magnet_kikaku01_06
https://www.jishaku.co.jp/product/rubbermag/rubbermag_top.html
https://www.neomag.jp/mailmagazines/topics/letter200610.html

検知管

検知管とは

検知管

気体ごとに専用の検知管が販売されている

検知管とは測定対象のガス中に存在する化合物の濃度測定を行う道具です。硫化水素など人体に有害な気体や、水素などの可燃性が高いなどの気体の濃度を調べるときなどに利用します。気体ごとに専用の検知管が販売されており、別の化合物の測定はできません。

短期、長期用の検知管が販売されている

検知管にはある時間における気体の濃度を調べるものと長時間の平均濃度を調べるものがあります。使用方法としてはピストンで気体を引くだけなので誰でも簡単に測定することが可能です。

検知管の使用用途

製造、工事現場の環境測定で利用

検知管は操作が簡便であるため製造、工事現場で頻繁に使用されます。法律で定められた作業環境測定法にも検知管は採用されていることが多く、公的な試験にも利用されます。また可燃性ガスの濃度測定にも利用できるため、爆発、発火を未然に防ぐこともできます。

公害防止の観点からも検知管は用いられる

その他、大気中の悪臭物質の濃度測定にも検知管は利用されており、工場や製造現場付近の公害防止にも役立ちます。研究においては化学反応によって発生した気体の測定による反応解析に用いられます。

検知管の特徴

検知管は測定対象と反応させた量から濃度を求めている

検知管は測定対象のガスを管の中に注入します。検知管には測定対象の化合物と反応する物質が充填されており、その物質が反応した量を基に測定したい化合物の濃度を定量します。管の中の物質がどれだけ反応したかは物質の色の変化から判断します。定量、検出下限はそれぞれの検知管によって異なります。

危険な箇所の気体濃度を測定するときはチューブを利用

また酸素濃度が低い、もしくは有毒ガスが存在するなど、危険性が高いため気体を直接採取できない場所については遠隔採取管と呼ばれる数メートルの長さを有するチューブを利用します。

化合物に応じて専用の検知管が使われる、使用前に期限の確認は必須

なお、上記の通り検知管は測定対象の化合物と充填剤を反応させて濃度を求めているため、化合物ごとに専用の検知管が販売されています。異なる種類の検知管を用いても測定は不可能です。また検知管の充填剤は経時的に変性するため、使用時には使用期限の確認が必須です。そして実際に検知管を使用する際は比重等で気体の分布に偏りがある可能性があるため、測定したい空間において複数箇所で気体の測定を行うことを推奨します。

北川式ガス検知管

北川式ガス検知器は、検知管とガス採取器で構成された検知管であり、1947年の品質管理用の硫化水素検知管としての使用から使用されています。

この検知器においては、検知管には測定ガスと鋭敏に反応する検知剤が充てんされており、試料ガスを通気すると薬剤が特定のガスと反応して変色します。変色した先端の目盛りを読み取ることによりガス濃度を知ることができます。

この検知器を使用することにより、可燃性ガスの濃度を現場で迅速に測定でき、漏洩ガスや発生ガスによる火災、爆発の未然防止を図ることができます。

具体的な測定方法としては、まず検知管の両端をチップカッターなどで折ります。次いで検知管を装置の取付口に差し込み、その後装置のハンドルを引きます。そのまま測定箇所で一定時間待ち、ガス採取器から取り外して変色境界を読み取ります。測定ガスの濃度と変色長さとの関係が濃度目盛として検知管に印刷されており、これを読み取ることにより測定ガスの濃度を測ることができます。

各種ガス(アンモニア、酸素、二酸化探査)検知管による検知条件

アンモニアガスは、吸引回数が1回(100ml)の場合には、測定範囲が30ppm以下であり、検知限度が0.2ppm程度です。アンモニアが存在すると硫酸との間で中和反応(2NH3 + H2SO4 →(NH4)2SO4)が生じ、これにより指示薬が桃色から黄色へと変化します。

酸素は、吸引回数が1回(100ml)の場合には、測定範囲が3~6%の範囲にあり、検知限度が2%程度です。酸素が存在すると三塩化チタンとの反応(O2 + 4TiCl3(黒色)+6H2O → 4TiO2(白色)+12HCl)により酸化チタンが生成され、これにより指示薬が黒色から白色へと変化します。

二酸化炭素は、吸引回数が1回(100ml)の場合には、測定範囲が100~2000ppmの範囲にあり、検知限度が20ppm程度です。二酸化炭素が存在すると水酸化カリウムとの間で中和反応(CO2 + 2KOH → K2CO3 + H2O)が生じ、これにより指示薬が淡紅色から橙色へと変化します。

参考文献
https://www.gastec.co.jp/product/detector_tube/type/
http://www.komyokk.co.jp/kweb/kensikumi.do?je=0
https://sooki.co.jp/upload/surveying_items/pdf/maker_catalog_pdf_035320.pdf
http://www.komyokk.co.jp/kweb/kensikumi.do?je=0
https://www.gastec.co.jp/files/user/asset/pdf/detector_tube/3L.pdf https://www.gastec.co.jp/files/user/asset/pdf/detector_tube/31B.pdf https://www.gastec.co.jp/files/user/asset/pdf/detector_tube/2LC.pdf

ヒンジピン

ヒンジピンとは

ヒンジピン

ヒンジとは蝶番(チョウツガイ)丁番の別称で、主に板やドアの開閉、蓋物の番(つがい)として要になる重要な建具部品のひとつです。ヒンジピンは開閉する板材の側端にネジ固定された方の部品で、受け側の部品の穴に差し込まれて番の機能を果たします。

そのなかでも厳密に「ヒンジピン」と呼称される部品の種別は、受け側のホールに対し差し込み側の回転を持って機能しているスティックピンを差して言う呼び名になります。

ヒンジピンの使用用途

使用される箇所はドアの開閉部、縦に開閉する窓の鍵、箱などの蓋物を開閉する取り付け部品、フィットネスマシンなどを円弧に動かすピン(又はスティックバー)がそれにあたります。

油圧式のドアストッパーや、手動の押し切り(紙切断機のこと)などでもヒンジピンの丁番と同じ仕組みで部品が動いています。

また開閉が頻回な用具庫やコインロッカーの扉、機器類のカバーの開閉部品など、普通の蝶番より耐久性が必要な用途に使用されます。

ヒンジピンの原理

ヒンジピン(を含む丁番)は上品であれば、半永久的な性能を誇ります。設置接合部がスチールやステンレス、鋼鉄など耐久性に優れた固定材質だった場合、錆やゴミ詰まり意外は永続的に使用が可能です。

簡略に仕組みを解説すると「筒の中で棒が回る」というシンプルな仕様です。この原理を元にヒンジピンは様々な連結方法があり、各種用途に適合しています。

例として、事務用品の押し切り(簡易紙切断機)は「割り止め」と呼ばれる部類で稼働部と固定部それぞれを2ヶ所でボルト止めしている仕様です。最強はキー止めといわれる連結方法があります。

ほか、止め輪式、止めネジ止め式、ナット止めなどがあり各種耐用が異なります。

業務用冷蔵庫のドアや車体のドアなどにも見えない部分にヒンジピンが使用されています。車のボンネットや後部トランクなどはヒンジピンとドアキャッチが複合したような仕様です。

参考文献
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/machine_design/md02/c1235.html