シーティングプレート

シーティングプレートとは

シーティングプレート

シーティングプレートとは、工事などで埋設、開削する際の土留めのことです。

土中に浅い溝を作り、溝の両サイドにプレートを設置したものです。プレートの間は切梁 (きりばり) により接合されており、周囲の土圧からプレートを支える役割をしています。

切梁にはハンドルが取り付けられており、プレートの間隔を変更できます。部品点数が少なく組立や解体も容易であるため、少人数でもシーティングプレートの設置が可能です。

シーティングプレートの使用用途

シーティングプレートは掘削工事が行われる様々な現場で、主に上下水道、電力などの配管の地下埋設の際に利用されます。

雨水などを放流するため、配管を地面の下に設置する工事が行われます。このとき1メートル以上の深さに配管を設置するため、掘削する溝は人の身長ほどの深さに達します。この場合には、重土圧用のシーティングプレートを使用し、切梁による支えも設置した上で配管工事を行います。

比較的浅い深さで作業する場合には、軽土圧用のシーティングプレートも使用されます。

シーティングプレートの原理

地盤を掘削する際には、周りの地盤が崩れないように支えが必要となる場合があります。止水を目的として土留が使用される場合もあります。支えとなる構造物を土留や山留と呼び、シーティングプレートは土留の一種です。

溝の深さに応じて、重圧用と軽土圧用のシーティングプレートがあります。溝の深さが浅い場合には、プレートだけで支えることができます。しかし、溝が深くなり地盤が崩壊する危険性がある場合には、重土圧用のプレートを用います。プレートの間には切梁が使用されます。

切梁は、パイプ形状で水平にプレート間に挿入され、プレートの倒壊を防ぎます。このようなプレートの利用方式はたて込み式と呼ばれ、工事現場において良く使われます。

他に地盤を支える方式として、重力式、もたれ式などがあります。この場合、コンクリート擁壁により土留がされます。山間部などで地盤が露出している場合、車道や歩道沿いにおいては、このような土留方式が用いられます。

参考文献
http://www.ryoki-japan.co.jp/rental/item12/pdf/cleaning06.pdf
https://taikou-kogyo.co.jp/y_knowledge/

シーケンス弁

シーケンス弁とは

シーケンス弁とは、主に油圧装置 (油圧により動作する装置)を用いた回路 において、油圧シリンダなどアクチュエータの作動順序を制御するために使用される圧力制御弁です。

シーケンス (英: sequence) という名前の通り、1つの液圧回路上に複数あるアクチュエータをあらかじめ設定した順序に従って作動させることを目的に使用されます。例えば、3つのシリンダが含まれる油圧回路において、シーケンス弁を使用して動作させる場合、1つ目のシリンダの動作が完了してから2番目が動作し、2番目の動作が完了してから3番目の動作を開始させます。

このように、1つの動作が完了してから次のアクチュエータを作動させる回路を構成することが可能です。

シーケンス弁の使用用途

シーケンス弁が使用される分野は、食品や半導体製造などの製造業、クレーン車、フォークリフトをはじめとした建設機械です。油圧を使用した液圧回路では、大きな力を発揮することが可能です。

油圧は工作機械や大型機械を動かすための動力源として利用されています。シーケンス弁は特に油圧を動力源とした分野において、使用されることが多いです。

代表的な使用例を以下に挙げます。

1. 製造業

 例えばプレス機においては、金型の閉鎖、金属加圧、製品の排出というように、素材の投入から排出までのプロセスが決まっています。大きな力を決められた順序で出力する制御が可能です。

2. 建設機械

特に箱型構造のジブを有する移動式クレーン車においては、ジブが伸縮する順番を制御するために使用されています。

シーケンス弁の原理

シーケンス弁は、一次側の圧力が設定値を超えたことを検知すると、出力を二次側に切り替えます。1つ目のアクチュエータ側で設定された圧力を超えると、シーケンス弁に内包されるスプールが動き、2つ目のアクチュエータ側に出力先を切り替えることが可能です。

シーケンス弁の構造は単純で、入力ポートと出力ポート、ドレンポートを有し、中には作動油など動力源を流す方向を切り替えるスプールが内蔵されています。

シーケンス弁の構造

図1. シーケンス弁の構造

シーケンス弁は、ボディ、スプール、ポート、圧力調整ネジ、ばね、チェック弁で構成されます。ポートには入力ポート、出口ポート、そしてドレンポートがあります。調整ネジで直下のばねの硬さを調節することで、動作の切り替えのタイミングを調整可能です。

ポンプから動力が供給されている間は、各アクチュエータは順序に従って動作しますが、動力の供給がなくなるとチェック弁を通して自由に流れます。

シーケンス弁の種類

図2. シーケンス弁の種類、油圧記号

シーケンス弁は、スプールを動かすための圧力の取り方で内部パイロット型と外部パイロット型に分けることができます。

  • 内部パイロット型
    パイロット圧を内部で取得します。
  • 外部パイロット型
    パイロット圧を外部から取得します。

シーケンス弁の選び方

シーケンス弁を使用する際、搭載する回路の圧力と流量が選定するうえで重要な要素です。圧力は次の動作に移るタイミングを制御したり、シリンダなどで必要な力を左右させたりします。適切な圧力設定から外れると、回路を破損させたり、意図しないタイミングで次が動作したりする可能性が高いです。

また、流量は動作させるスピードを左右させ、動作の効率に影響します。同一のシーケンス弁であっても、圧力と流量によって切り替わるタイミングは異なることに注意が必要です。スプリングの力によって一次側のポートが作動している間二次側に油が流れないように閉ざされています。

しかし、圧力が上昇していくと設定圧になる前から徐々に出力先が二次側に流れていきます。オーバーライド特性と言われ、リリーフ弁をはじめとした油圧制御弁のカタログで確認できます。

シーケンス弁のその他情報

シーケンス弁の動作順序

図3. シーケンス弁の動き

具体的な動作順序 (油圧回路の場合) は、以下の通りです。

  1. はじめは2つ目のシリンダ側は閉じられているため、動力源から1つ目のシリンダに向けて油が流れます。入力された油は1つ目のシリンダを作動させます。
  2. 1つ目のシリンダの動作が完了すると、回路の圧力が上昇します。パイロット圧によって、シーケンス弁内のスプールが押し上げられ、2つ目のアクチュエータ側へ出力を開放します。
  3. 2つ目のシリンダが動き出します。
  4. 2つ目のアクチュエータが作動します。

なお、一次側の圧力が設定圧を超えている間、二次側のスプールは解放の状態を維持します。

参考文献
http://www.housho.co.jp/publics/index/24/
https://www.hyd.daikin.co.jp/seminar/seminar_03
https://shigematsu.org/?p=22498
https://www.khi.co.jp/kpm/pdf/2atsuryoku_09.pdf
https://www.nachi-fujikoshi.co.jp/web/9902/pdf_9902-9/f-05.pdf

ショックリレー

ショックリレーとは

ショックリレーとは、装置の過負荷による故障を防止するための安全装置です。

設定した電流値を超えると接点信号が出力され、装置を停止させることが可能です。物的あるいは人的な事故を防ぐ上で、ショックリレーは重要な役割を担います。

ショックガードのように機械的な安全装置と比較して、大掛かりの装置改造が不要な点がメリットです。

ショックリレーの使用用途

ショックリレーは、コンベア類などで使用される安全装置です。以下はショックリレーの使用用途一例です。

  • 巻き取り機の過負荷保護
  • チェーンコンベアやベルトコンベアの噛み込み保護
  • クレーンにおける過負荷保護
  • 破砕機の噛み込み保護

過電流保護装置には遮断器サーマルリレーがありますが、これらはモーターや上位回路を保護するための装置です。モーター短絡による上位への波及事故や過負荷による焼損を防止します。これに対して、ショックリレーは負荷となるコンベアなどの過負荷を防止するための装置です。

チェーンコンベアや巻き取り装置では減速機付きモーターが使用されます。減速機付きモーターは負荷軸の回転速度が低速となりますが、過負荷時は強いトルクが掛かります。この強トルクによってチェーンの破断や装置の故障が発生する危険性があります。

異物の噛み込みであれば短時間で故障復帰可能ですが、チェーンの破断は即時復帰が困難です。また、切れたチェーンが反動を伴って人体にぶつかると、人身災害が発生する危険性もあります。これを防止するためにショックリレーが電流によって過トルクを直ちに検出し、モーターを停止させることが可能です。

ショックリレーの原理

ショックリレーは変流器、表示・制御部、出力部などで構成されます。

1. 変流器

変流器はモーターの電流を検出する部品です。コイル2つを鉄心などに巻いた構造で、一体型と別置の製品があります。小容量のモーターへは一体型が使用され、大容量の場合は別置が使用されます。

2. 表示・制御部

表示・制御部は電流値などを表示しつつ、パラメータを設定する部品です。パラメータの設定にはロータリースイッチなどが多く使用されます。

3. 出力部

出力部分は、過電流のデジタル信号を外部へ発信する部品です。主に電磁コイルを用いたリレー接点出力が使用されます。この接点出力によって電磁接触器などの駆動装置を停止させ、モーターへの電力を遮断します。

ショックリレーの選び方

ショックリレーは販売メーカーによって推奨容量を指定されている場合が多く、使用モーターの容量に合わせて選定します。変流器別置の場合は変流器の仕様を使用モーターの容量に合わせます。

出力信号の種類も選定することも必要です。自己保持タイプと自己復帰タイプがあり、制御回路に応じて選定します。表示部はデジタル表示とアナログ表示を選定できます。デジタル表示の方が見やすい場合がほとんどですが、アナログの方が堅牢なことが多いです。

製品によっては過負荷以外の機能を有する場合もあります。欠相や不平衡を検知して発信する製品も販売されており、必要な機能を有する製品を選定します。

ショックリレーのその他情報

ショックリレーの使い方

ショックリレーは、一般的に湿気や粉塵に弱い電子制御部品です。したがって、多くの場合は制御盤の内部に収納して使用します。制御盤内部では、DINレールなどを使用して基板へ取り付ける方法が一般的です。

制御盤内部は、モーターの電気配線や制御回路と接続します。モーターの主回路配線を変流器に巻き付け、出力端子を制御回路と接続します。ショックリレー用電源が必要な場合は、制御回路から導入するのが一般的です。

また、ショックリレーの設定も実施する必要があります。作動電流値と作動時間を最低限設定する必要があり、通常運転時の負荷電流や始動電流を確認して設定します。

ショックリレーの仕様によって異なりますが、一般的には変流器の二次電流は0~5Aが使用されます。その場合、負荷電流を見ながら作動電流を0~6A付近で設定することが多いです。作動時間は数秒~数十秒の間で設定するのが一般的です。

参考文献
https://www.tsubakimoto.jp/power-transmission/electrical-controllers/electrical/shock-relay/
https://www.mekasys.jp/series/detail/id/RS_0261

ショックガード

ショックガードとは

ショックガードとは、過負荷から機械を保護するための安全装置です。

過負荷保護装置とも呼ばれ、食品や包装の製造ラインなどで使用されます。回転する機械に取り付けられ、機械への何らかの異常により過剰のトルクが掛かり、機械が破損を防止できます。

スプロケットと呼ばれる軸の回転をチェーンとの間で伝達する歯車に取り付けられます。トルク設定ができ軸とチェーンの相対的な速度が設定値を上回ると、ショックガードが空回りする仕組みです。

ショックガードの使用用途

ショックガードは、回転機に加わる過負荷から保護する装置として、主に産業分野で使用されています。

製造ラインなどでカッターを使用する場合、カッターに高い負荷が加わると危険な事故が起こる可能性があります。カッター駆動部にショックガードを使用することで、事故に対する安全性を高めます。

また、メカニカルハンドのようなハンドリング作業を行う場合にも、小型のショックガードを組み合わせて使用されます。

ショックガードの原理

ショックガードは、ベアリングフランジ、ドライブボールなどから構成され、過剰のトルクが加わったときに効果を発揮します。

正常時、トルク伝達はドライブボールが行っています。ドライブボールはフランジに用意されたポケットとかみ合っており、フランジが正常に回転することで、軸へと伝達されます。あるいは、それとは逆向きに軸からボールを通じてフランジへと回転が伝達します。しかし、過負荷が加わった場合にはボールはフランジのポケットから外れる仕組みです。

プレートとフランジの間をすべるようにボールが動くことになり、トルクが軸からフランジへ伝達することを防止します。また、この際のトルクのしきい値はショックガードにおいて任意に設定できます。

過負荷を発生した場合には、一度回転を止めて原因を解消します。過負荷が解消された場合には、再びボールとポケットがかみ合うようになり、正常に動作します (自動復帰方式といいます) 。

参考文献
https://www.tsubakimoto.jp/power-transmission/mechanical-protectors/shock-guard/
http://www.tsubaki-yamakyu.co.jp/product/shokgard/shokgard.html

エイブル減速機

エイブル減速機とは

エイブル減速機とは、サーボモーター用減速機の商品名です。大きくは、エイブル (同心軸) シリーズ、エイブル (直交軸・中空軸) シリーズの2つのラインナップに分かれています。

静音、軽量、コンパクトさを特徴としていて、またこれらエイブル減速機の受注から納品までのリードタイムが非常に短くなるようにしていることから、同様な製品群の中では知名度のある製品の1つです。

エイブル減速機の使用用途

エイブル減速機はサーボモータ用の減速機となるなるため、使用用途もサーボモータを使用している製品です。具体的には、印刷機、ガンドリーロボット、包装機 (縦型ピロー、横型ピロー) 、ディスペンサーロボット、ターレットヘッド、ベルトコンベア、自動箱詰め機、ローダーロボットなどが挙げられています。

サーボモータは回転位置や回転速度等が制御できるモーターになるので、産業用ロボット等での使用が代表的です。その他、精密な位置決めが必要とされる半導体や液晶等の製造装置等、ファクトリーオートメーションを構成するほとんどの機器でサーボモータは使用されており、減速機もまた同時に使用されています。

エイブル減速機の原理

エイブル減速機は、サーボモータに減速機を組み合わせています。サーボモータに減速機が必要な理由は、以下のようにいくつかあります。

  • 製品に必要なトルクを実現したい場合
  • 回転数を制御したい場合

上記のような場合、減速機を使用しないと必要なトルクを得るために大きなサーボモーターが必要です。また、サーボモータの回転数を制御するために大掛かりな制御装置も欠かせません。一方で、減速機を使用すれば、小さなサーボモータでもより大きなトルクを発生させることが可能で、制御装置を使用しなくても適切な回転数を維持することができます。

この様な必要性から、サーボモータには減速機が必要です。同軸型のエイブル減速機は遊星歯車減速機で構成されています。直交軸タイプ、中空軸タイプではハイポイドギアやベベルギア、ウォームギアによって減速します。

エイブル減速機の構造

エイブル減速機は、複数のメーカーのサーボモータに取り付けられる減速機です。サーボモータと出力軸が同一直線上にある同心軸タイプの減速機には、遊星歯車列が用いられています。1組か2組の遊星歯車列を組み合わせて、求められる減速比を得ており、同一軸で構成できるのが特徴です。

遊星歯車列は3つの要素で構成されます。中心にあるサンギア (太陽ギア) 、サンギアの周りにある遊星キャリア、さらに外周にあるリングギア、またはインターナルギアの3つです。遊星キャリアには3つ以上のピニオンがあり、サンギアとリングギアの間で自転しながら公転します。遊星歯車列と呼ばれるのは、遊星キャリアの動きは惑星と同じ自転しながら公転するからです。

遊星歯車列は3つの要素のうち1つの部要素を固定し、残る2つの要素のうち1つに回転を与えると、最後に残った要素が入力した要素とは異なる回転をします。固定する要素、入力する要素、出力する要素を変えることによって、減速、増速、逆転 (減速、増速) が可能です。

遊星歯車列を複数組み合わせることによって、より多くの減速比、増速比を得ることができます。比較的コンパクトで大きなトルクに耐えることができるため、自動車の自動変速機に多く採用されてきました。エイブル変速機でも、コンパクトで大きな減速比を得るために採用されています。

エイブル減速機の種類

エイブル減速機は大きく同心軸タイプ、直交軸・中空軸タイプに分けられています。使用用途に応じて同心軸タイプは6つのシリーズ、直交軸・中空軸タイプは5つのシリーズが用意されています。いずれもさまざまなサイズ、許容トルク、減速比によって製品を選べるのが魅力です。

参考文献
https://www.nidec-shimpo.co.jp/ptm/04/
https://www.nidec-shimpo.co.jp/ptm/05/

エアテーブル

エアテーブルとは

エアテーブル

エアテーブルとはおもに作業台や生産ラインなどで使用される空気圧を利用した作業テーブルを指します。空気圧を天板部分に空いている多数の気孔を通じで送ることで資材、物資などを持ち上げて仕事の作業能率を飛躍的にアップさせる機械台です。

少ない労力で盤上の荷物や資材、紙類を送ることができるため、重量のあるものを扱う工場や製本、流通の現場では様々な規格で使用されている製品です。

小型のエアテーブルの原理を用いた用例としては、卓上ホッケー、エアホッケーなどという名称でパックを弾いて遊ぶゲームセンターの娯楽遊具が有名です。

エアテーブルの使用用途

主な使用用途は、大型なものであれば製紙工場や製本工場の作業台として高い頻度で使用されています。また物流業においては、梱包資材の選別、青果物の選別ライン、産業廃棄物の選別仕分け作業ラインなどに設置され高頻度に使用されています。

通常の作業台と空気テーブルが一体化された製品や、1台の天面において気孔からの送風を部分的にオンオフ出来る機種もあります。このような機能は主に製本する際の紙送りに重宝されています。

エアテーブルの原理

よく根菜類や球根、みかんなどの青果物を選別する時に規格毎に見合うラインから落ちていく仕組みは、この空気圧の抵抗によりそれぞれの比重別にゲートに落ちる仕組みが作られている用例です。

このような場合エアテーブルはあくまでも個体重量のみですが、光センサーと併用することで更なる細分選別が可能です。

有名な使用例では産業廃棄物や資源ゴミの仕分け選別の作業ラインでの使用です。プラスチックの再利用のための選別などはよい例です。比重分別を空気抵抗を利用し、混在プラスチックゴミからリサイクル可能資源をより分けます。

米や小麦など穀物類の選別ラインではエアテーブルを通過させることで石や金属片などの異物除去が可能です。

電気機器回路や電線スクラップなど特殊な産業廃棄物からは、やアルミ、金などを選別し再利用資源の分別に役立っています。

単純作業で使用する例では送り作業の効率化です。紙の重量と相対する空気圧を設定し台座下方から空気流を作り出し気孔から放出します。20kgの荷重を指で押し流せる程の労力と謳われます。

参考文献
http://www.ucos.co.jp/products/152/

https://www.itotec.co.jp/erc_series.html

アルミフレームユニット

アルミフレームユニットとは

アルミフレームユニット

アルミフレームユニットとは、アルミニウム合金製のフレーム材と付属部品で構成されたフレームです。

メーカーごとに規格化されたフレーム材を組み合わせることによって、比較的容易に目的のフレームユニットを作り上げることが可能です。アルミフレームユニットは、非常に多くのサイズが用意されています。

ほとんどが中空の四角形状で、それぞれの辺の部分にはアタッチメントとなる部品が取り付けられるT形の溝が形成されています。中空の四角形に溝を形成することによって、軽量でも強度を確保し、自由なレイアウトのフレームが容易に作ることが可能です。

アルミフレームユニットの使用用途

アルミフレームユニットは、企業や大学の研究開発拠点などよく用いられています。研究開発のための装置類や機械類を設置するためにアルミフレームユニットは便利です。

多くはオリジナルの設計で、見栄えなど気にしないような場合に、広く使われています。一般の方でもDIYとして軽く強度のあるフレームを作る際には、アルミフレームユニットは使いやすい材料です。

アルミフレームユニットの原理

アルミフレームユニットは軽くて強度のあるフレームが作れるように、アルミニウム合金が選ばれています。A6005C-T5などのAL-Mg-Si系合金に、T5と呼ばれる熱処理が加えられたものが多く使われています。

A6005Cはアルミニウム合金の中でも耐食性があり、溶接もできるのがメリットです。さらに、アルマイト処理を加えて耐食性や外観を向上させています。なお、A6005Cはかつては6N01という記号で表記されており、今でも使われている場合があります。

中空四角形を基本とした断面形状は、重量低減と強度の確保、さらにアタッチメントを取り付けやすくするための形状です。アルミフレームユニットなどの部材に曲げや捻りの外力が作用すると、フレームの外周部分に最も大きな応力が生じます。

この応力は断面形状を大きくするほど、低減させることができます。そこで、必要となる強度や剛性を満足できるサイズのフレーム材を選定することがフレームユニットを軽く、そしてコストも安く仕上げるために重要です。

アルミフレームユニットのその他情報

1. アルミフレームユニットの強度

アルミフレームユニットなどの構造体の強度や剛性は、材料の物性と形状で決まります。折れる、破断するといった強度は引っ張り強度や降伏点、剛性を決めるのはヤング率です。いずれも材料の物性なので、選んだアルミフレームユニットの材料ごとに決まります。

形状は設計者が使用するフレームユニットのスペースなどの環境条件の範囲内で、自由に選ぶことができます。アルミフレームユニットのような梁の部材では、断面2次モーメントも大きさが重要です。断面2次モーメントは曲げや捻りなどの変形の中心部分から、なるべく遠くに部材があると大きくなります。

これがアルミフレームユニットが中空構造になっている理由です。アルミフレームユニット部材の断面2次モーメントは、メーカーが公表しているものも多いです。フレーム全体の強度は、メーカーの設計ソフトで計算できるものもあります。

2. アルミフレームユニットの接続

アルミフレーム同士を接続する場合は、ボルトとナットによる接続に加えて、ブラケット接続やジョイント接続などがあります。一般的には、ブラケット接続を用いるケースが多いです。

ジョイント接続は専用のジョイントを使用してしっかりと固定するため、強度の高い接続にすることが可能です。また、フレームユニット全体を移動しやすくしたいときは、足元にキャスター部品を取り付ける場合もあります。

エアレス塗装機

エアレス塗装機とは

エアレス塗装機とは、塗料を圧力タンクで加圧し、高圧をかけて塗料を噴射する塗装機です。

塗料を細かいミクロの霧状に吹き付けるので、均一な厚さでムラなく広範囲の塗装に利便性を発揮します。また、凹凸表裏面やフォルムの不規則な車体など、複雑な形状の材質にもヘッドノズルのホースで自在に吹き付けできるのが利点です。

同様の原理で設計されたものとして、高圧洗浄機エアブラシなどが挙げられます。エアレス塗装機は、塗料タンクと高圧ポンプ、塗料の粘度や吐出量、ノズルの形状などにより様々な塗装効果を得られます。

エアレス塗装機の使用用途

主な使用用途としては、車両塗装、機械、機器塗装のほか、壁面の下地塗装、液体状の壁材惹き付けなどがあります。様々な塗料をタンク内に投入して、噴射可能なものであれば大体使用可能です。

また、美術工芸分野でも広範囲着色のオブジェや、ポスター、看板下地などの着色塗装や民芸品、工芸器などで美しい光沢と色艶で仕上げ加工したい場合に用いられます。

昔ながらの職人技法を模して、刷毛塗りの重ね技法そのままを、小型エアレス塗装機で再現した今様のブランド工芸品も多く見かけます。

エアレス塗装機の原理

業務用エアレス塗装機の特徴は加圧力です。機種機能の差異は、油圧 (20MPa程度) を維持したままで何m²連続で吹き付け可能かという耐久性、樹脂系溶剤 (メラミン、アクリル) など高粘度溶剤の塗料の対応可否、持ち運びの融通などで決まります。樹脂対応エアレスガンは、ノズルのクリーニングが容易であり、脱着、部品交換が簡便なことも重要です。

タンクガジェット部分に送る胴体部には、圧力計測機器が付属しており、溶剤を連続塗装する際は一定の数値を維持できているか確認しながら作業を進めていきます。送圧が不充分になるとノズルガンの放出が弱まり、作業精度に欠く場合は早めに再加圧する方が作業復帰が容易です。

また近年の集合住宅での内装リフォーム、マンションの修繕補修の需要では静音駆動のモーターを搭載しているということも大きな商用メリットになっています。日曜大工用、趣味の工芸作品作製などには、簡易式エアレス塗装機が使われています。油圧ボンベとして専用の圧力容器を本体に設置して、塗装できます。

エアレス塗装機の種類

エアレス塗装機には、業務用と簡易式の2種類があります。

1. 業務用エアレス塗装機

業務用エアレス塗装機は、高い加圧を維持しながら連続して広範囲の塗装が可能です。高粘度の樹脂系溶剤にも対応し、ノズルのクリーニングや部品交換が容易なものが求められます。また、静音駆動のモーターを搭載した機種は、集合住宅での内装リフォームなどに適しています。

2. 簡易式エアレス塗装機

簡易式エアレス塗装機は、日曜大工や趣味の工芸作品作成などに用いられます。カートリッジ式のエア缶をエアガンに装着して吹き付け作業を行います。小型で軽量なため、持ち運びに便利で、狭い場所での作業にも適しています。

エアレス塗装機の選び方

エアレス塗装機を選ぶ際は、以下の点に注意が必要です。

1. 用途に合った種類の選択

業務用か簡易式か、使用目的に合った種類を選びます。業務用は高い塗装品質と耐久力が求められる現場に適しており、簡易式は小規模な塗装作業やDIYに適しています。

2. 加圧と連続塗装の力の確認

高い加圧を維持しながらどの程度の面積を連続して塗装できるかを確認します。加圧が高いほど塗料の微粒化が進み、均一な塗装面が得られます。

3. 対応可能な塗料の確認

使用予定の塗料に対応しているかどうかを確認します。特に高粘度の樹脂系溶剤を使用する場合は注意が必要です。

4. メンテナンス性の確認

ノズルのクリーニングや部品交換が容易であるかを確認します。塗装作業では、塗料の詰まりやノズルの摩耗などが発生しやすいため、メンテナンスが簡単で交換部品の入手が容易な機種が望ましいです。

5. 静音性の確認

集合住宅での作業など、静音性が求められる場合は、静音駆動モーターを搭載した機種を選びます。騒音が問題になる現場では、作業効率よりも静音性を重視することが必要です。

エンジンポンプ

エンジンポンプとは

エンジンポンプ

エンジンポンプ (英: Engine Driven Pump) とは、内燃エンジンを動力源として使用するポンプです。

内燃エンジンを動力源として使用するため、電力供給が不安定な場所でも稼働可能です。電力供給が制限されている農村地域や建設現場、非常時の災害対応などで重要な役割を果たします。内燃エンジンは一般的に丈夫で信頼性が高く、過酷な環境条件にも耐えられます。

また、内燃エンジンのパワーを利用して大量の液体を迅速に移送できるため、急な排水や消火などに好適です。高い流量と圧力を提供できる製品も存在します。

ただし、エンジンポンプに使用する燃料と潤滑油は、指定されたタイプと量を厳守することが重要です。燃料を安全に取り扱い、漏れや火災のリスクを最小限に抑える必要があります。また、エンジンは熱源となるため、ポンプを使用する際には周囲の燃えやすい物質に対して適切な防火対策を講じることも大切です。

エンジンポンプの使用用途

エンジンポンプは、さまざまな用途で使用されるポンプです。以下は、エンジンポンプの使用用途です。

1. 消火

消防ポンプは火災現場に水供給するために使用されます。消防車にエンジンポンプが搭載されていることも多く、高圧で大量の水を供給することが可能です。消防ポンプは森林火災や自動車火災などの消防活動で不可欠であり、水によって鎮火するために使用されます。

2. 農業

農業において、エンジンポンプはさまざまな用途で使用されます。例えば、灌漑ポンプは水を農地に供給して作物を潅漑するために使用される装置です。農作物の成長と収穫量を向上させます。

また、農薬や肥料を混ぜたり散布するためのポンプも農業に不可欠です。さらに、排水ポンプは農地の排水を助け、過剰な水分を排除して作物を保護します。これらの装置にエンジンポンプが使用されることが多いです。

3. 災害対応

エンジンポンプは、災害時や非常時に非常に有用です。洪水時にエンジンポンプは急速に水を排水することが可能で、洪水被害を最小限に抑えるのに役立ちます。特に堤防や堰を補強するために使用されることも多いです。

また、災害時に断水が発生した場合、エンジンポンプは飲料水供給のために井戸や水源から水を汲み上げるのに役立ちます。災害後の清掃や衛生状態維持など、エンジンポンプは汚水の排水に使用されることも可能です。

エンジンポンプの原理

エンジンポンプは、内燃エンジンやポンプなどで構成されます。内燃エンジンの動力を利用し、液体を吸い上げたり送り出したりする仕組みです。なお、内燃エンジンはガソリンエンジンやディーゼルエンジンがあります。

このエンジンは燃料を燃やし、そのエネルギーを機械的なエネルギーに変換することが可能です。ポンプの本体はポンプヘッドやケーシング、インペラなどの部品で構成されます。インペラが回転し、ポンプヘッド内の液体を吸引します。インペラの回転によって中心から外側に向かって液体が引き寄せられ、ポンプ内に吸い込まれる仕組みです。

吸引された液体は、ポンプ内で圧力をかけられて送り出されます。インペラが液体を外側に押し出すことで、液体を圧送することが可能です。

エンジンポンプの種類

エンジンポンプは内燃エンジンの種類に応じて、主に2つの種類に分かれます。2サイクルエンジンポンプと4サイクルエンジンポンプです。

1. 2サイクルエンジンポンプ

2サイクルエンジンポンプは、2サイクルエンジンを動力源として使用するポンプです。これらのエンジンは2つの基本的な動作サイクルで構成されており、軽量でコンパクトな設計となっています。

構造が単純でメンテナンスが比較的容易であるため、軽作業やポータブルポンプとして広く使用されます。ただし、4サイクルエンジンに比べて燃費が低いこと多いです。

2. 4サイクルエンジンポンプ

4サイクルエンジンを動力源として使用するポンプです。これらのエンジンは4つの基本的な動作サイクルを持ち、吸気、圧縮、爆発、排気の各ステップがはっきり区別されています。4サイクルエンジンは、高い効率と低い排気ガス排出が特徴です。

効率的でエコロジカルな選択肢とされ、産業用途や重要なタスクに広く使用されます。ただし、構造が複雑で、定期的なメンテナンスが必要な場合も多いです。

参考文献
https://www.rakuten.ne.jp/gold/auc-bokunou/search-pump.html
https://www.ydec.co.jp/magazine/magazine_kenki/1624
https://sensprout.com/irrigation-control-system/irrigationcontrolsystem-2-pump/howtokansuipomp/
https://www.ja-e-chuo.or.jp/car/car-6950/
http://www.mohno-pump.co.jp/learning/manabiya/a2.html
https://j-net21.smrj.go.jp/development/energyeff/Q1336.html

サンダー

サンダーとは

サンダー

サンダーとは、モーターなどを動力として、回転動作で素材の表面を研磨する機器です。

サンダーの回転は偏心している場合がほとんどです。偏心とは、回転の中心が偏っていることを指します。単純な回転運動よりも複雑に動くため、より広範囲を磨くことが可能です。その上、より高い研磨効果を期待できます。

サンダーで研磨すると粉塵が舞い上がります。粉塵捕集のために、集塵機が付属する製品も販売されています。

サンダーの使用用途

サンダーは主に工事現場や生産現場で使用されますが、近年ではDIYに使用する場合もあります。どちらも素材の表面研磨に使用します。具体的な使用用途は、以下の通りです。

  • 木材切断後のバリ取り
  • 金属表面のさび落とし
  • 劣化した塗装へのケレン作業
  • 金属材料の面取り

比較的削る範囲が小さい場合は紙やすりなどを使用し、広範囲にわたる表面処理を行う際に使用されます。材料にバリや錆があると、塗装のノリが悪くなったり怪我の原因につながるためです。仕上げ処理としてサンダーを使用し、材料表面を磨きます。

サンダーの原理

サンダーには、円形の研磨用のディスクを用いて削る製品と、サンドペーパーや布製やすりなどを取り付けて研磨するオービタルサンダーがあります。オービタルサンダーは、モーターなどを動力として紙やすりが楕円軌道を描くように回転しています。また、サンドペーパーが平面に装着されているため、平らな面の研磨に最適です。

そのため、木工テーブルの表面仕上げなどに使用します。サンドペーパーが消耗した場合は、固定用クリップなどを外せば交換可能です。オービタルサンダーは使い勝手がよく、サンドペーパーからバフに付け替えることで艶出しにも応用できます。木材表面のワックスがけにも使用可能で、さまざまな用途へ応用できるのが特徴です。

サンダーの選び方

電動のサンダーは研磨作業の省力化に有効なため、さまざまな種類が販売されています。用途などに応じて正しく選定することが重要です。サンダーと一口に言っても、オービタルサンダーやランダムサンダーなどの種類があります。

オービルサンダーは研磨力が弱い反面、多くの材料に適用可能です。ランダムサンダーは機能面が充実していて作業効率も高い反面、ランニングコストが高い上に本体価格も高価です。そのため、使用用途に応じてサンダーの種類を選定していきます。

また、研磨により飛散する材料くずは清掃が必要となります。 清掃の手間を省きたい場合は集塵パック付きのサンダーが最適です。サンダーへ適用可能なサンドペーパも確認した上で選定します。ほとんどの場合は市販のサンドペーパーを使用可能ですが、中には専用のペーパーを使用するサンダーも販売されています。

サンダーのその他情報

1. サンダーの使い方

サンダーは誤った使い方をすると怪我をする恐れがあるため、正しく使用することが重要です。

  1. やすりはサンダー本体下部のパッドの大きさに合うようにカットします。
  2. やすりを挟むレバーロックを外し、カットしたやすりをパッドの下に敷いてレバーロックを行います。
  3. 装着したやすりがたるんでいる場合は固定し直し、たるみを無くします。
  4. 材料平面を研磨する場合は、本体のパッド全体を面に密着させて前後に動かしながら研磨を行います。

作業する際は、作業用手袋を着用し、両手でサンダーを持ちましょう。また、ゴーグルや保護メガネを着用すると、くずが跳ねて目に入るリスクを避けられるため、より安全です。

2. サンダーの名称由来

サンダーの名称由来については諸説あります。中でも、sanding (研磨) するための工具のためサンダーと呼ばれているとする説が有力です。ただし、どの説が正しいとも言えないのが現状です。

そもそも、ディスクグラインダーを指してサンダーと呼ばれることも多くあります。グラインダーやサンダーは互いに混同されながら、てきとうに呼ばれつつ使用されています。

参考文献
https://www.bildy.jp/mag/sander-guide/
https://www.diyna.com/wcf/wcf01-3.html