ジョイントボックスとは
ジョイントボックスとは、ケーブル接続の際に結線部を保護する箱です。
一般的には、電気工事に使用されています。電気設備技術基準では、通電されるケーブルの充電部が露出しないように施設することが定められています。そこで、低圧電圧で使用するケーブルの接続部は一般的に熱収縮チューブやビニールテープなどで保護します。
この接続部に人が誤って触れないように、また景観を整えるためにジョイントボックスが使用されます。
ジョイントボックスの使用用途
ジョイントボックスは一般的に電気工事で使用する部材です。以下はジョイントボックスの使用箇所一例です。
- 電線管敷設工事の中継地点
- 電線の分岐地点
- 街灯ポールの中継地点
家庭の電気配線は基本的に壁内に収納するため、ジョイントボックスを使用することは少ないです。商業施設や公共施設では、目にすることがあります。
結線部にかぶせるだけで結線部の保護ができるものや、端子付き・蓋つきのジョイントボックスもあります。
ジョイントボックスの原理
ジョイントボックスは本体や蓋、入線口などで構成されます。
1. 本体
本体には、樹脂や金属の製品があります。樹脂の場合は、塩ビが用いられることが多く、金属の場合は主に鉄が使用されます。乳白色またはネズミ色が使用され、外観と似た色のジョイントボックスを選定して目立たなくするのが基本です。金属の場合は耐食を目的に溶融亜鉛でメッキされた製品も販売されています。
2. 蓋
蓋は、本体とねじ留めした構造が一般的です。ねじは樹脂製のジョイントボックスでも鉄製ねじが使用されます。
3. 入線口
本体の側面には、四方のいずれかまたは全部にケーブルを入線するための開口が開けられます。入線口には基本的には直接配線を入れず、キャプコンや電線管を繋げて内部に配線を通します。
ジョイントボックスの種類
ジョイントボックスには、樹脂製、金属製、防爆構造、端子付き中継ボックスなどさまざまな種類があります。
1. VVF用ジョイントボックス
VVF専用のジョイントボックスです。被せるだけの簡単な製品や端子付きのジョイントボックスなどが販売されています。VVFの電線を突き刺して接続するVVF特化型のジョイントボックスで、基本的には樹脂製の製品が多いです。
2. アウトレットボックス・プルボックス
工場や屋外など、さまざまな場所で使用されるジョイントボックスです。薄鋼管やVE管などの電線管を入線口に接続して使用します。電線管を通ったケーブルの中継地点となり、内部で結線及び分岐して再び電線管を通って各所に敷設されます。
屋外で使用できる防滴型の製品や、結線や分岐を手軽に変更できるよう複数の端子が取り付けられている製品も販売されています。
3. 耐圧防爆構造のジョイントボックス
厚鋼電線管などとセットで使用されます。耐圧防爆構造は引火性ガス雰囲気などで使用され、電気による引火を防止するために密閉された構造です。主に引火が懸念される化学プラントや危険物貯蔵設備で使用されます。
頑丈な構造になっており、入線は防爆パッキン有するパッキン式ケーブルグランドで行われます。蓋などの開閉部分にもパッキンを使い密閉します。
4. 丸型露出ボックス
丸型露出ボックスは丸いジョイントボックスです。丸ボックスとも呼ばれます。リフォームや工場配線など、幅広く使用され、蓋と本体は上下2点でネジ留めする構造が一般的です。
丸型露出ボックスはJISなどで規格が定められており、プルボックスなどと比べて体積が小さいです。そのため、比較的小規模な配線接続に使用されます。四方のうち下方を入線せずに開口し、水抜き穴として使用する場合もあります。
ジョイントボックスの選び方
ジョイントボックスは種類、大きさ、色などの観点から選定します。種類は上記のように多数販売されていますが、用途に応じて選定します。一般的に決まりはないため使いやすい種類を選択しますが、防爆エリア箇所には必ず防爆構造のジョイントボックスが必要です。
プルボックスなどを選択した場合は、大小さまざまです。一般的には芯数が多いほど収納する配線接続部も多くなるため、大きいジョイントボックスを選定します。色は周囲の色と溶け込むように選定します。必要な色が販売されていない場合は、別途塗装が必要です。
参考文献
https://jp.c.misumi-ec.com/book/MRI1_E06/pdf/0933.pdf
https://www.takachi-el.co.jp/main_cat/junction_boxes
http://www.shimada-elec.co.jp/pdf/catalog/17/200701a.pdf