ベンチレーター

ベンチレーターとは

ベンチレーター

ベンチレーターとは、工場や倉庫、大型のビルなどの施設において、屋内と外気との間で空気を入れ替えするための装置のことです。

一般的に、ある閉鎖された空間とその外部との間の換気を果たす装置を指します。例えば、車のエアコンの吹き出し口もベンチレーターと呼ばれます。本記事で指すベンチレーターは、工場や倉庫、大型の商業施設などの建築物で使用するものです。

ベンチレーターを設置することによって、室内の熱や蒸気、悪臭、ガスを排除し、作業者の安全を維持が可能となります。このような役割を果たすために、ベンチレーターには大きく2つのタイプがあります。電源不要で自然の力を利用した自然換気システムと、内部にファンがとりつけられ、モーターを動力源とした強制換気システムの2つです。

ベンチレーターの使用用途

ベンチレーターが設置されるのは、工場や倉庫、公官庁施設、商業施設です。主にこれらの屋根に取り付けられています。官公庁や複合施設などの建物では、中庭や吹き抜けを利用した高度な自然換気システムも積極的に採用されています。

一方で大きな熱源を持つ工場など、場内での発熱が多い施設においては、ベンチレーターは熱を放出することも大切な役割です。多くの熱を放出するために、ベンチレーターには開口部が大きく、より熱負荷の大きなものに対応可能なものが採用されます。

さらに、工場の屋根一帯に取り付けたり、連結型のベンチレーターが設置されたりする場合も多いです。例えば、ゴミ処理場やガラス工場、火力発電所、鋳造工場、アルミ加工工場などが挙げられます。

ベンチレーターの原理

ベンチレーターの原理について、自然換気システムと、強制換気システムに分けて説明します。自然換気システムが導入目的とする理由は、空調使用時間の省エネルギー化と快適性です。

強制換気システムが導入されるのは、自然換気システムよりも多くの空気を移動させ、また多くの熱量を放出させたいからです。なお、自然換気の動力源は、以下の3つが挙げられます。

1. 自然換気システム

局所風力による吸引換気
建物の屋根に設置されたベンチレーターに風が当たると、ベンチレーター周囲との間に局部的な気圧差が生まれます。この圧力差によって、ベンチレーターを介して吸引換気が行われます。

温度差による重力換気
室内と室外の温度差があると、それぞれの空気の重さに差が出ます。温度の高い空気には、温度の低い空気よりも密度が低いために、相対的に軽い空気となるので、浮力が生じて上昇します。

この空気が上昇する現象を利用したものが、煙突です。煙突効果も自然換気システムのベンチレーターとして利用されています。

風による室外と室内の圧力差による通風換気
通気換気は、自然に吹く風で建物の周囲や室内に圧力差が生まれることによって行われる換気です。風が通ることによって行われる換気のため、通風換気と呼ばれます。

ベンチレーターは主に建物の屋根に設置されるので、雨や風が直接ベンチレーターへ吹き込まない構造になっています。さらに、オプションとして防虫網・防鳥網や採光窓などを取り付けられるものもあります。

2. 強制換気システム

強制換気システムでは、モーターでファンを回し、強制的に空気を移動させます。強制換気システムは工場の屋根などに取り付けられており、工場内の空気を強制的に建物の外に排出します。

工場内に熱源があり場内が高温になる環境であれば、熱を逃すのも重要な機能です。強制換気システムは、高い換気能力を得ることができますが、導入の際は部品交換や点検などメンテナンスも考慮する必要があります。

また、音が気になる環境であれば、モーターの騒音にも注意します。

ベンチレーターのその他情報

ベンチレーターの材質

ベンチレーターの材質は、ガルバリウム鋼板やステンレス、アルミ鋼板、塩ビ鋼板などさまざまです。材質を選択する際には、換気する環境によってより高耐食性、高耐候性のものが必要であるか判断することが大切です。

参考文献
https://www.sanyo-industries.co.jp/products/lighting/ventilator.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/aijsaxx/60.2/0/60.2_KJ00004442676/_pdf/-char/ja
https://core.ac.uk/download/pdf/144468322.pdf
http://www.suzukiventirator.co.jp/product/st_h.html

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です