ローレットナット

ローレットナットとは

ローレットナット_図0

ローレットナット (英: Knurling Nuts, Knurled Nuts) とは、円筒形の側面にローレット加工を施したナットです。

丸ナット、グリップナット、早締めナット、化粧ナットなどとも呼ばれています。ローレット加工 (ナーリング加工) は、下記2つの金属加工方法があります。

  • ナット素材側面に加工用工具を押し当て、転造加工により細かい凸凹をつける
  • ナット素材側面に切削用工具を押し当て回転させ、切削加工により細かい凸凹をつける

ローレットナットの使用用途

ローレットナット_図1

図1. ローレットナットの使用例

ローレットナットは通常のナットと同様に、ボルトなどのオスねじと組み合わせて機械や装置の組み立てや固定に用いられます。ナットの周囲に施されたローレット加工により、工具を使用せずに手締めによりナットの締め付けが可能なことが最大の特徴です。

この特徴を活用して、主に工具が使えない、または工具を使いたくないような箇所で使用されています。ただし、ローレットナットの使用は、六角ナットのように工具で締め付ける場合と比較して強い締め付けができないため、手締めのトルクで十分な締め付けの場合に限られます。

具体的には、製薬や食品、半導体工場などで一般的に設置されるクリーンルーム内での使用です。クリーンルーム内では工具の持ち込みが制限されるほか、清浄度を保つために手袋をして作業します。そのため、作業の都度に工具を用いて作業することが難しく、手で簡単に脱着ができるローレットナットが使用されています。

ローレットナットの原理

ローレット形状の種類は平目とあや目 (綾目) があります。ローレットは、一般的に滑り止め効果を目的として用いられ、手締めでも滑り難く十分な締め付けができるように加工されています。

ローレットナットの種類

ローレットナット_図2

図2. ローレットナットの種類 (1)

ローレットナットは、下記の種類があります。

1. 形状による分類

形状の種類は、標準のストレートの円筒形と、対象物との接触面の外径が少し小さく段になっている「段付き」と、段とナット本体部分の間がくびれている「つば付き」があります。

2. 寸法による分類

同じ形状でも、高さと外径が複数種類の場合があります。

3. ねじ穴による分類

ねじ穴の種類は、ねじ穴が貫通していない「非貫通ねじ (袋ナット) 」と、貫通している「貫通ねじ」があります。

ローレットナット_図3

図3. ローレットナットの種類 (2)

4. ローレット目による分類

ローレット目の種類は、下記2種類があります。

平目
真っ直ぐな線状の目で、円周上や円周方向に対して垂直な縦溝を掘り、円周方向の回り止めや滑り止めの効果を発揮

あや目 (あや目)
斜め2方向に交差した線状の目で、円周上に掘られたひし形の溝は、円周方向や軸方向の両方への回り止めや滑り止めとして機能

5. 材質による分類

代表的な材質は、ステンレス鋼、黄銅、樹脂+黄銅などがあります。

ローレットナットの選び方

ローレットナットの選定方法は、通常のナットと同様に呼び径 (サイズ) や材質はもちろんのこと、ローレット加工の種類にも注意が必要です。

ローレット目は、円周方向に回すことに対しての滑り止め効果がありますが、より強い締め付けには、軸方向に対しても滑り止め効果がある「あや目」を選択します。ローレットナットは、手締めでの脱着が前提のため、つかみやすさ、回しやすさが重要です。

より強い締め付けが必要な場合は、ナット部分の外径が大きいものを選定します。取り付けや作業スペースが狭い場合は、ナット部分の外径が小さいものが適しており、取り付け位置が深い場合は、高さが高いものを選定します。

裏蝶番

裏蝶番とは

裏蝶番とは、扉の表側からは見えずに、裏側ないしは(掘り込み加工との併用で)扉の間に隠れている蝶番を言います。別名、隠し蝶番(丁番)と呼ばれることもあります。
ちなみに英語だとConcealed Hingesでスライドヒンジ の英訳と同じ表記になります。

裏蝶番を用いることで、見た目にも美しい筐体を実現でき、蝶番の金具が見えずに扉だけのすっきりしたデザインとなるため、家具の意匠性向上のために、多く使われている蝶番です。

裏蝶番の使用用途

裏蝶番の使用用途には、キュービクル制御盤サーバーラック配電盤などに多く使用されており、この場合は防犯上の目的があります。

また本来の家具や扉のデザインをすっきりさせ、意匠性を向上させるための用途以外に、扉や戸の重さを支えるという目的も担います。つまり重さ(荷重)に応じた強度を保つための蝶番の用途いう意味合いもあります。

よって製品によっては、超重量用裏蝶番(隠し丁番)という名目の蝶番も扱われています。

裏蝶番の原理

裏蝶番は扉の裏側ないしは扉の間に隠れている蝶番であるために、通常は多軸になっています。特に最近の建具においては、3次元での調整が主流になっています。

似たような外から見えないタイプの蝶番にスライド蝶番がありますが、スライド蝶番の場合には取り付け箇所から内側に出っ張るために、中の収納物が蝶番にあたってしまうことがあります。
一般に裏蝶番の場合には、扉に掘り込み加工を施し取り付けるために、このような収納スペースへの影響はありません。

掘り込み加工の際にはトリマーなどで家具や扉の取り付けたい箇所に裏蝶番用のくぼみをあけますが、この際の左右の取り付け位置は蝶番が開いた際の左右の蝶番の内側の寸法で決まります。この蝶番の端から扉の端までの寸法は、仕様寸法以下にする必要があります。もし指定の寸法より大きくしてしまうと、例えば扉と側板が干渉して開き切らなくなるために、取り付け(掘り込み)位置には、特に注意が必要です。

レベル調整ねじ

レベル調整ねじとは

レベル調整ねじとは機械加工などの工作時に用いる高さ調整用のボルトのことを指し、別名レベル調整ボルトとも呼ばれます。また特に機器や棚などの足部分に取り付けて水平を出す目的で使用されるレベル調節ねじのことを、アジャスターまたはアジャスターフットと呼ぶこともあります。

いずれの用途で用いる場合でも、水平位置を決めた後で位置がずれることを避けるため、ロックナットや球面座金を併用することが一般的です。これらをボルトと固定対象物との間にかませて用いることにより、ボルトのゆるみやナットの片当たりを避けて設置することが可能となります。

レベル調整ねじの使用用途

レベル調整ねじの使用用途は対象の加工物や機械装置などの高さを調整し、水平な据え付け状態とすることにあります。機械装置の水平調整や、架台上にユニットなどを設置する際の水平調節に用いる場合、通常は固定台座部分に設置したボルトにレベル調整ねじと水平出しをする装置やユニットを取り付け、調整ねじを回転させることで水平を調節します。この際に通常はスパナレンチを用いて回転・調節するため、六角の頭または胴部分がついていますが、貫通させて固定する場合など、ネジのみの構造で販売されている製品もあります。

またアジャスターフットとしての使用は非常に幅広く、様々な機械装置や什器に用いられています。身近なところでの使用用途としては、冷蔵庫などの水平調整用や、アルミラックなどの足部分での使用が挙げられます。

レベル調整ねじの選び方

レベル調整ねじの選び方としては、基本的なネジ部分のサイズや形状、耐荷重や耐腐食性といった事項はもちろんのこと、アジャスターフットについては外観のデザイン性や角度調節などの機能についても選定の際に考慮すべき項目ということが出来ます。

ネジのサイズは耐荷重にも直接的に関係する項目であるため、装置等の形状と合わせて確認が必要です。また材質については、耐荷重はもちろんのこと耐腐食性に大きく関わる項目です。食品機械や腐食性薬品などを使用するケースでは、機器等と合わせた材質を使用したり、耐食性に優れたステンレス素材の製品を用いることが一般的です。 機械装置やユニットの水平調整に用いる場合、通常はほぼ水平な台座部分に設置されるため角度調節は不要ですが、ナットや球面座金をレベル調整用の製品とすることで2°程度の傾きであれば吸収が可能となります。アジャスターフットとして用いる場合、特に傾斜のある床面に設置する際などには、角度調整機能付きのレベル調整ねじが必要となります。

ストップボルト

ストップボルトとは

ストップボルトとは金属加工をはじめとする加工作業において、加工対象となる材料(ワーク)の位置決めやストッパーとして用いられるボルトであり、ストッパーボルトとも呼ばれます。

位置決め用としてもストッパーとしても据え付け後にボルトが緩むことは極力避ける必要があるため、通常は緩み防止用のロックナットと併用して使用されます。また衝撃を受ける可能性の高い部品であるため、強度の確保に加えて材質や機構によって衝撃による破損や劣化を防ぐ工夫がなされています。

ストップボルトの使用用途

ストップボルトの使用用途としては、加工作業や機器のストッパーとしての使用に加え、リニアストッパーのボルトと併用してワークの位置決めや、耐震機器のベース間固定などにも用いられます。

特殊な仕様としては、ストップボルトにタッチスイッチを組み合わせることで、機械作動時のストッパーとして使用される製品も市販されています。この製品は本来、別付けする必要のあった2つの用途を併せ持つことが可能になり、更にタッチスイッチがストップボルトによって保護される構造となるため、激しい衝突に対する耐久性も兼ねそろえることができます。

ストップボルトの原理

ストップボルトの特徴はその用途によっても大きく異なります。ストッパーとして用いられる場合には、ボルトの頭部がストッパーとして働くため、衝撃に強い焼き入れ仕様やフラットな形状が必要となります。

衝撃を避けたい場合にはこのボルトの頭部をウレタンなどの樹脂保護仕様とすることや、ショックアブソーバを内蔵することで衝撃を吸収する機構を兼ねそろえた製品なども販売されています。

位置調整用として用いられる場合には、先端がワークなどの対象物と接するため変形や摩耗する恐れがあり、SUS304などの鋼材を用いたり硬度が高くなるように熱処理を行ったりすることで対応します。またネジ山が細かいほど正確な位置決めが可能となるため、通常は細目仕様のものが用いられます。

タッチスイッチを組み込んだ製品については、ある程度の衝突が想定されることから、一定の材料強度が必要となることに加え、装置内治具として用いられるため、装置の使用用途に合わせて耐水や耐油性を持った製品もあります。

オイルプラグ

オイルプラグとは

オイルプラグとは別名オイルキャップ、ブリーザキャップとも呼ばれ、オイルタンクの蓋として用いられるキャップを指します。

オイルタンクは石油や重油をはじめとする油類を貯蔵するためのタンクであり、ガソリンや軽油を貯蔵する自動車やバイクのエンジン、オイルタンクもこれに該当します。これらの内容物の多くは危険物であることから、引火や漏洩の無いよう厳密に管理されなくてはなりません。

オイルキャップは種類にもよりますが通常の仕様として、タンク内の圧力を逃がすような機構が備わっていることから、オイルタンク内を適切な圧力に保つことが可能です。

オイルプラグの使用用途

オイルプラグの使用用途は、その別名がオイルキャップであることからも明らかなように、オイルタンクなどの貯油槽の蓋や栓としての使用が挙げられます。

オイルタンクは内外温の変化や内容物量の増減によってタンク内の圧力が変化します。通常のオイルタンクはこれらの圧力変動に耐えるような一定の耐圧性能を有しますが、不要な圧力上昇や減圧状態はオイルタンクの破損やオイル漏洩などの様々な不具合の原因ともなり得ます。

このような不具合を未然に防ぐ目的で、通気構造を有したオイルプラグが用いられています。 具体的にオイルキャップが用いられている例としては、温度やオイルの量によってタンク内の気圧が不安定になるような箇所、圧縮空気を用いてタンク内の圧力を制御する場合などで圧力排出対策が必要な箇所、タンク内が減圧となることで液の排出が困難となるような箇所などが挙げられます。

オイルプラグの選び方

オイルプラグの選び方は、オイルタンクに適合する形状であることはもちろんですが、その他にも材質や構造について考慮する必要があります。

オイルプラグの材質は主に樹脂製ですが、爆発の危険性がある箇所などでは火災や爆発の原因となり得るスパークを発生させないような材質を用い、防爆基準に準拠した製品を使用する必要があります。また屋外に設置したタンクで使用する場合、通常の樹脂製のオイルプラグでは紫外線などによる劣化が進行しやすく、衝撃などによって破損する可能性があります。このような場合には金属製のカバーを用いたスチールカバー性や、アルミ製の製品を用いることで耐久力が向上します。

またオイルプラグは通常の密閉機構の製品に加え、内外圧の変化に対応して通気を行う機構の製品が販売されています。このような通気機構を有する製品については、常時通気状態を維持する製品、手動で通気構造と密閉構造を切り替え可能な製品、吸排気の圧力設定が可能な製品、吸気または排気のみを実施する製品など、様々な種類の製品があるため、目的と用途に対応した製品の選定が必要となります。

埋込取手

埋込取手とは

埋込取手とは機械装置の持ち手や扉、ドアといった装置や建具の操作や持ち運びに用いられる取手のうち、特に装置や建具側に埋め込まれ、さぐりを形成して用いられるものを指します。

引き出しなどに設置されるようなはめ込んで固定された形態で、材質は樹脂製のものが特に一般的ですが、ネジによって取り付けられたものや、溶接によって装置や建具と一体化した製品なども多く見られます。引き出しの例で紹介した、はめ込んで固定された埋込取手は一般的に耐荷重が低いため、このような埋込取手を搬送時の持ち手とする際には十分な注意が必要です。

埋込取手の使用用途

埋込取手の使用用途は設置する装置や建具に取手を取り付けることにより、操作や運搬といった作業を容易にすることです。またその特徴として、完全な埋込式取手は通常はめ込み式であり、扉から飛び出さないため省スペース化に寄与でき、設置場所に余裕のないケースに多く使用されます。その他にも埋め込まれた基礎部分に取手が収納され、使用時は持ち上げて使用する折り畳み式取手も埋込取手の一種といえ、壁面や床面収納などの取手として用いられています。

取手は扉のみならず、持ち運び用や押引きする際の持ち手にも用いられるため、機械類や引き出し、建具などあらゆる箇所に設置される機械要素部品です。特に埋込取手は持ち上げて使用する場合の持ち手や、引き出し、スライドなどの引っ張って開閉する扉に多く用いられるタイプの取手です。

埋込取手の選び方

埋込取手を含む取手は、設置場所によってサイズはある程度限定されますが、その他の選定方法も多岐に及び、材質、形状、ロック機構などの追加機能などが挙げられます。埋込取手の材質はアルミやスチール、ステンレスといった金属製や、プラスチックなどの樹脂製のものなど幅広く、見た目の意匠や必要な耐荷重によって選定されます。引き出しや戸棚の取手などに用いる場合、耐荷重をほとんど必要としないため、安価で加工が容易な樹脂製の製品が多く用いられます。持ち運び用の取手として埋込取手を用いる場合、材質はもちろんのこと形状も重要な選定要素といえます。通常の埋込取手は対象物に埋め込まれて設置されることから、持ち手の大きさがある程度制限され、重量物の移送には不向きな形状といえます。そのため埋込取手部分に持ち手を折り畳んで収納した折り畳み取手などを用いることで、持ち手の大きさを確保するような工夫がなされています。

その他にも引き出しなどの飛び出し防止を目的としたロック機構付きの製品や、複数人で共用して用いる箇所での感染症・汚染防止対策に抗菌機能付きの製品など、様々な機能を有した製品が販売されているため、目的や用途に応じた選定を行うことができます。

アジャストホース

アジャストホースとは

アジャストホースとは、その名の通り調節可能な長さを持つホースのことです。

通常、伸縮性のある素材 (ゴム、プラスチック、金属など) で作られており、その長さを必要に応じて変えることができます。この特性により、様々な用途で便利に使用されています。

アジャストホースの使用用途

1. 庭園の散水

アジャストホースは、庭園や花壇の散水に最適です。異なる場所への水の供給を必要に応じて調整できるため、効率的な水やりが可能です。また、ホースの長さを変えることで、広範囲から細かい部分まで均一に水をまきます。

2. 車の洗浄

車や自転車などの洗浄作業にもアジャストホースは便利です。長さを調節して、車体やタイヤを効果的に洗浄できます。また、ホースの柔軟性が複雑な車体の形状に適応するのに役立ちます。

3. プールの清掃

プールの掃除作業でアジャストホースを使用することで、プールの底や壁面を効率的に清掃できます。長さを調節することで、プールの各部位にアクセスしやすくなります。

4. 家庭内の水漏れ修理

家庭内での水漏れ修理作業においてもアジャストホースは役立ちます。狭い場所や難しい位置にあるパイプやバルブへのアクセスを容易にし、修理作業を円滑に行えます。

5. 工業用途

工業分野でもアジャストホースは広く使用されています。特に、狭いスペースでの配管作業や、長さの調節が必要な場面で活躍します。機械や装置のメンテナンス、製造ラインの組み立て作業などでも利用されるホースです。

6. 園芸用途

園芸作業においてもアジャストホースは役立ちます。植物への水やりや、肥料の散布などで、必要な長さに調節して使用できます。

アジャストホースの原理

1. 多層構造

アジャストホースは通常、複数の層から構成され、内層は水流を通すための管状の構造であり、中間層や外層は保護や耐久性を提供する役割を果たします。これにより、ホースは柔軟性と同時に耐久性も兼ね備えています。

2. 伸縮性素材

アジャストホースは、伸縮性のある素材で作られています。一般に、ゴムや特殊なポリマーが使用され、これらの素材は、引っ張られたり圧力がかかると伸び縮みする性質を持ちます。

3. 調節機構

アジャストホースは、内部に調節機構を備えています。これにより、ユーザーはホースの長さを必要に応じて調整が可能です。調節機構は通常、伸縮性のある素材を巻きつけたり、引っ張ることでホースを短くしたり伸ばしたりする仕組みです。

4. 接続部

アジャストホースの両端には、水道や噴射装置などと接続するための部品が取り付けられています。これにより、ユーザーはホースを適切な場所に簡単に接続し、水流を制御できます。

アジャストホースの種類

1. 庭園用アジャストホース

一般的なアジャストホースで、庭園作業や植物の水やりに使用されます。庭の異なる場所で必要な長さにホースを調節できるため、便利に使用が可能です。耐久性のある素材で作られており、外部の環境に耐える能力を持っています。

2. 洗車用アジャストホース

洗車作業に適したホースです。車の大きさや形状に合わせて長さを調節し、水を均一にかけることができます。また、高圧の水流にも耐えるよう設計されており、洗浄効果を最大限に引き出します。

3. 工業用アジャストホース

工業現場や建設現場などで使用されるホースです。重い機器や大きなエリアをカバーするために、長さを調節して使うことができます。強化された素材と耐圧性を備えており、厳しい環境下でも信頼性を発揮します。

4. 灌漑用アジャストホース

畑や農地の灌漑に利用されるホースです。異なる作物や地形に合わせてホースの長さを調節し、効果的な水やりを行います。耐候性が求められるため、耐久性のある素材で作られています。

5. 家庭用アジャストホース

家庭内でのさまざまな用途に適したホースです。洗濯機や掃除機の排水ホースとして使用されたり、狭いスペースで水を供給したりする際に便利です。小型で取り扱いやすい設計となっています。

ストレートコアピン

ストレートコアピンとは

ストレートコアピンとはプラスチック製品などを製造する際の成形金具の一種であるコアピンのうち、特に形状が直線状のものを指します。

射出成型用の金型は通常、切削加工によって作成されますが、この加工方法は穴あけなどの作業には適している一方で、突起形状については作業量や精度の面から作成が困難な形状といわれています。そのため金型に突起形状を設置する場合には一般的にストレートコアピンをはじめとするコアピンを使用して対応します。ストレートコアピンを用いることで、成形品に対して直線的な穴を設置することが可能となりますが、その他にも様々な形状のコアピンが知られており、代表的なものとしてインローコアピンやテーパレスコアピンなどが挙げられます。

ストレートコアピンの使用用途

ストレートコアピンは一般的にプラスチック成型品に穴やスロットを作る際に用いられます。成形品にこれらの穴やスロットが必要となるケースとしては、回転軸や受け穴、ネジ穴といった機能上必要な場合に加え、重量や面積の軽減、ガス抜き用の穴としての設置などが挙げられます。

このうち特にガス抜きが必要な場合については、特に複数の成分を含有した新しい素材を用いた場合にガスの発生が顕著なことが多く、従来のエアベントやガスベントでは微細な構造や特殊な形状の箇所では対応できないことが散見されました。

ガス抜き用のストレートコアピンは、ガス抜きが必要な箇所にコアピンを設置することで容易かつ効率的にガスを逃がすことが可能であり、更に細いピンを用いることで電子部品などの微細な形状の成形品についてもガス抜きが可能なため広く用いられています。

ストレートコアピンの原理

ストレートコアピンを成形用途に使用する場合、成形金具であるコアやキャビティに設置されます。深い穴が必要な場合には設置するコアピンの長さも長くなりますが、穴の径によっては溶融した樹脂を充填する際に樹脂の射出圧力によってコアピンが押し曲げられたり、穴がずれたりする可能性が高くなるため、非貫通穴であれば穴の長さは穴径の2倍以下とすることが望ましいとされています。貫通穴の場合には片側固定、他方支持構造であれば穴径の8倍程度まで穴の長さを伸ばすことが可能ですが、コアとキャビティの両側にコアピンを設置して突き当てることによって折損の危険性を低減できます。一方でこの構造では金具の精度が低い場合、付き合わせ不良によって穴が開かないこともあるため、注意が必要です。

ストレートコアピンを用いて作成される穴の成形は、製品の機能上必要とされる場合が大半を占めます。その一方で穴の成形は成形品の強度や剛性を低下させ、ウェルドラインをはじめとする外観不良の可能性を高め、さらに金型の作成コストを上昇させるなど、デメリットも多い構造といえます。そのため設計の時点で穴周りの構造や穴間距離を適切にとるなどの対応をとり、トラブルを回避することが重要です。

グラブスクリュー

グラブスクリューとは

グラブスクリューとは、ネジ山のついたボルトです。別名止めねじとも呼ばれており、接合、固定、組み立て、吊るし、耐荷重など、用途によって使い分けられる様々な形状があるのが特徴です。

なおボルトとは、らせん状の溝の入ったネジの一種であり、一般に8mmよりも大きい先端が尖っていない雄ネジを指します。回転させることで部材同士を締め付けて結合させる金具であり、多岐に渡る種類があり、JIS規格で規定されています。

グラブスクリューの使用用途

クラブスクリューは、一般的に木材や他の素材を固定するために使用される一種のネジです。

クラブスクリューは、その特有の形状とスレッドデザインにより、素材にしっかりと保持されるよう設計されています。通常、クラブスクリューは金属製で、一端には平らな頭部があり、もう一端には鋭い先端があることが特徴です。これにより、素材に対して力を均等に分散させ、しっかりと固定することが可能です。

様々なタイプのボルトがある中、グラブスクリューに関しては、強度や審美的な理由、またセキュリティの観点で、より特定の用途で用いられることが多いです。

1.木材の接合

クラブスクリューは、木材同士を接合するために広く使用されます。例えば、家具の組み立てや木製のフレームの製作に利用されます。耐久性が必要な場合、ステンレス鋼や亜鉛メッキなどのクラブスクリューが最適です。

2.金属と木材の接合

クラブスクリューは強固な接合を維持することができるため、金属と木材を組み合わせる場合にも活躍します。

3.一般的な修理作業

耐久性があるグラブスクリューはDIYや家具の修理作業を行う際など、日常的な修理作業に便利です。

グラブスクリューの原理

クラブスクリューの正式名称は、「六角穴付き止めねじ」もしくは「すりわり付き止めねじ」で、共にJIS規格内でその名称が規定されています。

グラブスクリューの最も大きな特徴は、ボルトに追加されているヘッド部です。

通常はボルトの直径よりも、小さな頭部があり、マイナスドライバーで回転可能なタイプや丸形のヘッドがあり、セットで対に提供されている凹型のスラストパッドに、はめ込むことで先端を大きくしたトルクの力で安定したクランプ力を維持できます。

1.材料

グラブスクリューの材料はスチールやステンレスが多いですが、全体を覆う材料が通常のネジのように、縁で露出していないために、ねじに比べてその耐食性が優れているものが一般的です。ただし特定の箇所で腐食したり、ヘッド部が例えばドライバーなどでひどく変形すると、クラブスクリュー自体を取り外せないようになってしまうため、扱いには注意が必要です。

2.特殊なねじ山

ねじ山に相当する箇所には特殊な六角形の穴がついているものもあり、これは特殊なツールでのみ回転可能です。つまり一般の消費者が、容易に解体することができないように、自動販売機や公衆トイレの仕切りなどのセキュリティを強化したい箇所で使用されています。

また、その構造上、通常のねじよりも大きいトルクで締め付け可能なため、固定強度面でも優れています。

クラブスクリューの種類

クラブスクリューには、異なる形状やサイズがあります。一般的な種類には以下のものがあります

1.パネルヘッドクラブスクリュー

フラットな頭部を持つクラブスクリューで、木材の表面に埋め込むのに最適です。

2.バグルヘッドクラブスクリュー

バグルのような頭部を持つクラブスクリューで、強力な保持力が特徴です。

クラブスクリューは、素材の種類やプロジェクトの要件に応じて適切なサイズと種類を選ぶことが重要です。主なサイズは、直径と長さで決まっていますが、通常、直径(例:#6、#8、#10)と長さ(インチまたはミリメートル)で表され、使用の際には適切なサイズを選び、プロジェクトの要件に合わせて長さを選択します。また、適切な工具を使用して正確に取り付けることも安全や耐久性の面で重要です。

クリーンフード

クリーンフードとは

クリーンフードとは、レンジ用のフード付き換気扇で、手入れが簡単で清潔に使える商品を言います。主にシステムキッチンの一つとして商品化されています。

主な新しい機能は、油のフィルタなし捕集、部品の取り外しが容易あるいは表面のフラット化、表面処理で掃除が簡単、風量の自動調節、及びDCモーターやLED照明などによる消費電力の低下などです。また、ビルトインコンロとの連動、騒音の低下、フィルタ付きの場合フィルタとファンのお湯による自動洗浄なども装備されています。

クリーンフードの使用用途

クリーンフードは、今までの換気システムの弱点であるフィルタが詰まる、汚れる、掃除がしにくい、音が大きいなどの問題を解消するため、新築の台所やリフォームへの採用が徐々に広がっています。

台所に使用するレンジフードのほかに、特殊なクリーンフードもあります。一つは病院などで使用するバイオクリーンフードと呼ばれるものです。無菌空気をフード内に送り、上半身をビニールフードで覆った患者を感染から守ります。メインフィルタはHEPAフィルタを使用し、キャスター付きで移動が容易です。

もう一つの特殊なクリーンフードは、簡易型クリーンフードで、作業台上を清浄域にするのに使用されます。清浄度はクラス100程度で、アルミニウムのフレーム枠、及び天井・壁の帯電防止塩化ビニールによって作られています。

クリーンフードの原理

クリーンフードの新しい機能の一つが、フィルタを使用しないオイルの自動捕集です。オイルスマッシャーと呼ばれる方法では、まず整流板によって吸い込み風速を加速して外に逃げようとする油煙を吸い込み、次いでファンと共に高速回転するディスクにより油煙に含まれるオイルを約90%分離し、最後に分離されたオイルをオイルトレイに回収します。

オイル捕集の他の方法は、まずウォッシュプレートや整流板で油煙内のオイルを約80%減らし、次いで油トルネード機能によりファンが停止する直前に高速回転させて溜まったオイルを吹き飛ばし、ウォッシュプレートに回収します。

いずれの方法でもディスクやウォッシュプレートを洗うのは、年1回程度、ファンを洗うのは10年に1回程度で済みます。表面コーティングされているので、洗浄は容易です。

新しい機能の他の一つは、風量の自動コントロールです。調理状況に応じてファンの回転速度を自動で変えるシステムです。高温調理時は強運転となり、強力に排煙し、低温調理時は弱運転で静かになり快適な空間が得られます。

ファンモータにDCモータを使用し、自動コントロールすることで、消費電力を大幅に低減することも行われています。