裏蝶番

裏蝶番とは

裏蝶番とは、扉の表側からは見えずに、裏側ないしは(掘り込み加工との併用で)扉の間に隠れている蝶番を言います。別名、隠し蝶番(丁番)と呼ばれることもあります。
ちなみに英語だとConcealed Hingesでスライドヒンジ の英訳と同じ表記になります。

裏蝶番を用いることで、見た目にも美しい筐体を実現でき、蝶番の金具が見えずに扉だけのすっきりしたデザインとなるため、家具の意匠性向上のために、多く使われている蝶番です。

裏蝶番の使用用途

裏蝶番の使用用途には、キュービクル制御盤サーバーラック配電盤などに多く使用されており、この場合は防犯上の目的があります。

また本来の家具や扉のデザインをすっきりさせ、意匠性を向上させるための用途以外に、扉や戸の重さを支えるという目的も担います。つまり重さ(荷重)に応じた強度を保つための蝶番の用途いう意味合いもあります。

よって製品によっては、超重量用裏蝶番(隠し丁番)という名目の蝶番も扱われています。

裏蝶番の原理

裏蝶番は扉の裏側ないしは扉の間に隠れている蝶番であるために、通常は多軸になっています。特に最近の建具においては、3次元での調整が主流になっています。

似たような外から見えないタイプの蝶番にスライド蝶番がありますが、スライド蝶番の場合には取り付け箇所から内側に出っ張るために、中の収納物が蝶番にあたってしまうことがあります。
一般に裏蝶番の場合には、扉に掘り込み加工を施し取り付けるために、このような収納スペースへの影響はありません。

掘り込み加工の際にはトリマーなどで家具や扉の取り付けたい箇所に裏蝶番用のくぼみをあけますが、この際の左右の取り付け位置は蝶番が開いた際の左右の蝶番の内側の寸法で決まります。この蝶番の端から扉の端までの寸法は、仕様寸法以下にする必要があります。もし指定の寸法より大きくしてしまうと、例えば扉と側板が干渉して開き切らなくなるために、取り付け(掘り込み)位置には、特に注意が必要です。

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