埋込取手とは
埋込取手とは機械装置の持ち手や扉、ドアといった装置や建具の操作や持ち運びに用いられる取手のうち、特に装置や建具側に埋め込まれ、さぐりを形成して用いられるものを指します。
引き出しなどに設置されるようなはめ込んで固定された形態で、材質は樹脂製のものが特に一般的ですが、ネジによって取り付けられたものや、溶接によって装置や建具と一体化した製品なども多く見られます。引き出しの例で紹介した、はめ込んで固定された埋込取手は一般的に耐荷重が低いため、このような埋込取手を搬送時の持ち手とする際には十分な注意が必要です。
埋込取手の使用用途
埋込取手の使用用途は設置する装置や建具に取手を取り付けることにより、操作や運搬といった作業を容易にすることです。またその特徴として、完全な埋込式取手は通常はめ込み式であり、扉から飛び出さないため省スペース化に寄与でき、設置場所に余裕のないケースに多く使用されます。その他にも埋め込まれた基礎部分に取手が収納され、使用時は持ち上げて使用する折り畳み式取手も埋込取手の一種といえ、壁面や床面収納などの取手として用いられています。
取手は扉のみならず、持ち運び用や押引きする際の持ち手にも用いられるため、機械類や引き出し、建具などあらゆる箇所に設置される機械要素部品です。特に埋込取手は持ち上げて使用する場合の持ち手や、引き出し、スライドなどの引っ張って開閉する扉に多く用いられるタイプの取手です。
埋込取手の選び方
埋込取手を含む取手は、設置場所によってサイズはある程度限定されますが、その他の選定方法も多岐に及び、材質、形状、ロック機構などの追加機能などが挙げられます。埋込取手の材質はアルミやスチール、ステンレスといった金属製や、プラスチックなどの樹脂製のものなど幅広く、見た目の意匠や必要な耐荷重によって選定されます。引き出しや戸棚の取手などに用いる場合、耐荷重をほとんど必要としないため、安価で加工が容易な樹脂製の製品が多く用いられます。持ち運び用の取手として埋込取手を用いる場合、材質はもちろんのこと形状も重要な選定要素といえます。通常の埋込取手は対象物に埋め込まれて設置されることから、持ち手の大きさがある程度制限され、重量物の移送には不向きな形状といえます。そのため埋込取手部分に持ち手を折り畳んで収納した折り畳み取手などを用いることで、持ち手の大きさを確保するような工夫がなされています。
その他にも引き出しなどの飛び出し防止を目的としたロック機構付きの製品や、複数人で共用して用いる箇所での感染症・汚染防止対策に抗菌機能付きの製品など、様々な機能を有した製品が販売されているため、目的や用途に応じた選定を行うことができます。