ストレートコアピン

ストレートコアピンとは

ストレートコアピンとはプラスチック製品などを製造する際の成形金具の一種であるコアピンのうち、特に形状が直線状のものを指します。

射出成型用の金型は通常、切削加工によって作成されますが、この加工方法は穴あけなどの作業には適している一方で、突起形状については作業量や精度の面から作成が困難な形状といわれています。そのため金型に突起形状を設置する場合には一般的にストレートコアピンをはじめとするコアピンを使用して対応します。ストレートコアピンを用いることで、成形品に対して直線的な穴を設置することが可能となりますが、その他にも様々な形状のコアピンが知られており、代表的なものとしてインローコアピンやテーパレスコアピンなどが挙げられます。

ストレートコアピンの使用用途

ストレートコアピンは一般的にプラスチック成型品に穴やスロットを作る際に用いられます。成形品にこれらの穴やスロットが必要となるケースとしては、回転軸や受け穴、ネジ穴といった機能上必要な場合に加え、重量や面積の軽減、ガス抜き用の穴としての設置などが挙げられます。

このうち特にガス抜きが必要な場合については、特に複数の成分を含有した新しい素材を用いた場合にガスの発生が顕著なことが多く、従来のエアベントやガスベントでは微細な構造や特殊な形状の箇所では対応できないことが散見されました。

ガス抜き用のストレートコアピンは、ガス抜きが必要な箇所にコアピンを設置することで容易かつ効率的にガスを逃がすことが可能であり、更に細いピンを用いることで電子部品などの微細な形状の成形品についてもガス抜きが可能なため広く用いられています。

ストレートコアピンの原理

ストレートコアピンを成形用途に使用する場合、成形金具であるコアやキャビティに設置されます。深い穴が必要な場合には設置するコアピンの長さも長くなりますが、穴の径によっては溶融した樹脂を充填する際に樹脂の射出圧力によってコアピンが押し曲げられたり、穴がずれたりする可能性が高くなるため、非貫通穴であれば穴の長さは穴径の2倍以下とすることが望ましいとされています。貫通穴の場合には片側固定、他方支持構造であれば穴径の8倍程度まで穴の長さを伸ばすことが可能ですが、コアとキャビティの両側にコアピンを設置して突き当てることによって折損の危険性を低減できます。一方でこの構造では金具の精度が低い場合、付き合わせ不良によって穴が開かないこともあるため、注意が必要です。

ストレートコアピンを用いて作成される穴の成形は、製品の機能上必要とされる場合が大半を占めます。その一方で穴の成形は成形品の強度や剛性を低下させ、ウェルドラインをはじめとする外観不良の可能性を高め、さらに金型の作成コストを上昇させるなど、デメリットも多い構造といえます。そのため設計の時点で穴周りの構造や穴間距離を適切にとるなどの対応をとり、トラブルを回避することが重要です。

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