PPバンド

PPバンドとは

PPバンド

PPバンドとは、ポリプロピレン製の結束バンドの総称です。

荷物を配送する際にPPバンドで結束すると、運びやすくしたり底抜けを防止したりするのに役立ちます。PPバンドの多くは梱包物に使われますが、おしゃれな「かご」の材料としても使用されています。

PPバンドの使用用途

PPバンドの使用用途は、主に荷物の結束作業全般です。ガムテープのように貼るのではなく、段ボールなどの梱包物に強く巻き付けて使用されます。

PPバンドは、複数個の荷物を1つにまとめてフォークリフトに移動する際や、不用意な開梱防止に用いるなど、多様な使用用途があります。そのほか、ケーブルや配管類の結束、農業、手芸なども用途の1つです。

屋外で長期間使用する場合は、紫外線劣化に耐え得るPPバンドを検討するか、定期的な交換が必要です。

PPバンドの特徴

PPバンドは、結束バンドやケーブルタイといった一般名称のほかに、さまざまな商標名があります。PPバンドの表面は、滑りにくいようにザラザラした形状になっており、専用のバンドストッパーに通して締めるだけで、バンドが戻らない仕組みになっています。

その他、工場などでは大量の梱包物を効率よく結束するために、PPバンドを機械にセットして自動的に溶着する方法が一般的です。

長所

PPバンドの素材であるポリプロピレンは、耐水性・耐熱性を持つだけでなく、酸やアルカリにも強い性質があるため、短期間に劣化する心配はありません。また、PPバンドは破断強度が高く、手締めや機械締めで強く結束できるのも長所です。

短所

PPバンドは、長期間紫外線にさらされると劣化する性質があるため、思わぬ荷物破損事故につながらないよう注意が必要です。また、PPバンドの締め付けがゆるいと荷物からすっぽりと抜け落ちる可能性があります。

ただし、段ボールなど柔らかい荷物に対する締め付けが強すぎると、凹みや破れなどが生じやすくなります。

PPバンドの種類

PPバンドはさまざまな種類の製品が開発されています。例えば、耐候性・耐摩耗性・耐溶剤性など、性能に特徴のある製品が代表的です。

ほかにも、再結束が可能な製品や、PPバンドを回収して再加工された再生PPバンド、ヘッド部が小さく場所を取らない製品など、特徴ある製品が販売されています。

また、PPバンドにはさまざまな幅や長さがあり、透明・白・黄・黒・赤・緑・紫・ベージュなどカラーも豊富です。

PPバンドの選び方

PPバンドを選ぶ際は、梱包物の重量に応じた製品を選びます。

1. 軽梱包物用のPPバンド

人が持ち運びできる25kg程度の軽梱包物であれば、約100kgに相当する980N (ニュートン) 程度のPPバンドが適しています。ニュートンとは、引張強度の単位です。

PPバンドの厚みが薄くなるほど強度は低下するものの十分な強度があるため、軽量梱包物の場合は、厚みの違いで選ぶ必要はありません。

2. 重梱包用のPPバンド

金属や木材類など重量が100kgを超える重梱包物の場合、約250kg相当の2450N以上あるPPバンドを選んでください。また、PPバンドの厚みや幅、梱包物の輸送状況にも着目して選ぶと安全です。

輸出する梱包物には、ポリエステルとポリプロピレンを材料とした「エステルバンド (PETバンド) 」が適しています。緩みを生じやすいPPバンドとは違い、伸びにくい特徴があります。

PPバンドの使い方

PPバンドは、基本的に「機械締め」と「手締め」のいずれにも使えます。

1. 機械締め

梱包機と呼ばれる専用の機械を使うと、素早く結束できます。機械にPPバンドがセットされており、作業台に乗せた荷物にマッチするよう自動的に「バンド通し・溶着・切断」がなされます。

数多くの梱包が必要な工場や物流倉庫、重量物・長尺物などの梱包に活用されています。専用ストッパーが不要なため、複数の荷物をパレットに積み重ねることが可能です。

ハンディタイプのPPバンド結束機も販売されており、溶着によってPPバンドを結束できます。

2. 手締め

手締めする際は、PPバンドをバンドストッパーに通して結束します。人力で簡単に結束できることから、家電量販店や家具屋、個人の引っ越し時などにも活用されています。

また、手締め用の引き締め機を使うと、手で引っ張るよりも容易に梱包作業が可能となります。PPバンドを手締めで使用した後に積み重ねたい場合は、専用バンドが側面に配置されるように結束してください。

ナタ

ナタとは

ナタ

ナタとは、刃が短く厚みがあるのが特徴の刃物です。

ナタは通常の刃物に比べて刃に厚みがあり、農業や林業、アウトドアなどにおいて幅広く使用されています。また、刃が折れにくいため、薪割りや木の剪定などにも適しています。

ナタの使用用途

ナタは、農業や林業、狩猟などの山仕事において利用されることが多い刃物です。狩猟時の獲物の解体に使われる他、薪ストーブやキャンプなどでの焚き火用の薪割りにも使用されています。

また、山に入る際には、枝を落としたり、藪を払ったり、木のつるを切ったりすることも可能です。この他にも、木材の加工や雑草の刈り取り、ロープの切断など様々な場面で活躍します。

ナタの特徴

長所

ナタは切れ味が良く、様々な場面で役立ちます。また、持ち運びが容易で、アウトドアで持ち運ぶ際にも大変便利です。

用途に合った特徴のナタを選んで適切に手入れすれば、長く使用することができるため、経済面でもメリットがあります。

短所

ナタは薪などの硬い素材も簡単に割ることができるほど、鋭く頑丈な刃先が特徴です。そのため、1つ間違えると大きな事故の原因にもなりかねません。

特に振り下ろした際に刃が来る位置を常に確認し、思わぬ事故の原因にならないよう注意して使用することが大切です。

ナタの種類

1. 剣ナタ

尖った剣先が特徴のナタです。藪を払ったり、狩猟などで獲物を捌いたり、キャンプで調理したりする際など、幅広い用途で使用します。柄を握っている手が刃の方に滑って怪我をしないように、持ち手と刃の間にツバが付いているものもあります。刃が太いため、硬い薪などを割るのには適しません。

2. 腰ナタ

四角く刃渡りの長い刃が特徴のナタです。適度な重さがあるため、力を入れずに振り下ろすだけで、藪を払う他、薪割りなど力が必要な場面でも快適に作業ができます。使い勝手が良く、初心者にも扱いやすいです。

3. 海老ナタ

刃の先端の石部分が、刃先を保護するのが特徴のナタです。腰ナタなどと同様に藪を払う際や、薪割りの際に使用します。通常の薪割りでは、振り下ろした際に刃先で着地するため、刃こぼれを起こしてしまう場合があります。

その点、海老ナタは先端についた石部分が着地し刃先を保護する形状になっているため、刃こぼれしにくいのが特徴です。

4. 竹割ナタ

細身で軽い両刃が特徴で、竹を縦に割る際に使われるナタです。竹を割る以外にも、庭木の枝打ちや、キャンプなどアウトドアでの藪払いにも活躍します。

小さいサイズであれば持ち運びしやすく、大きいサイズであれば腰ナタとして使用することも可能です。

5. 片刃タイプのナタ

片刃タイプは刃が片面だけ研がれたタイプで、刃の断面がレの形になっていることが特徴です。刃が薄いため摩擦が少なく、刃がスムーズに入りやすい反面、刃が左右非対称なため真っ直ぐには入りづらく、薪割りには向きません。片面のみに刃がついているため、研磨は片面のみで完了します。

6. 両刃タイプのナタ

両刃タイプは刃が両面から研がれたタイプで、刃の断面がV字型になっていることが特徴です。刃が左右対称なため、使用する際に利き手を選ばず使用できます。薪割りや枝打ちなどの作業がしやすくい反面、手入れにあたっては両面から刃を研ぐ必要があり、片刃と比べるとややメンテナンスに労力を要します。

ナタの選び方

ナタには刃渡りや柄の材質や特徴によっても様々な種類があります。ナイフ状のタイプや細かな作業に適した小型タイプ、皮むきに便利な柄の長いタイプなどもあります。安全かつ効率的にナタを使用するためには、目的に合ったものを選ぶことが大切です。

また、片刃タイプを購入する場合は、利き手に合ったナタを選ぶようにしてください。

ナタの使い方

ナタは素手で持つことが重要です。軍手などをしてナタを振ると、しっかりと握っているつもりでもナタが手をすり抜ける場合があるからです。ナタを持たない方の手のみ、安全のため軍手や手袋を装着します。また、周囲に人がいる場所では使用を控え、ナタを振り下ろした先に自分の足などがないか、常に注意しながら作業することが大切です。

右利き用のナタは右片刃であるため対象物の右側から、左利き用のナタは左片刃であるため対象物の左側から刃を入れて使います。

リヤカー

リヤカーとは

リヤカー

リヤカーとは、自転車の後部に連結して用いることができる2輪もしくは4輪車です。

荷車の一種で、国産の自転車が普及し始めた大正初期に日本で考案されたと言われています。リヤカーの名称は、「後部の車」という意味の和製英語です。

リヤカーの使用用途

リヤカーは、農業分野において、肥料・農薬・水・農業資材・苗類・収穫物など、様々な荷物を運ぶために利用されています。自動車が入れないようなスペースが限られた区域内で運搬する際に、非常に有効です。

また、その他にも、廃品回収や屋台のベースとして活用されたり、キャンプなどのアウトドア、レジャー・ガーデニングなどの趣味に利用されたりすることもあります。さらに、震災などで分断された道路でも利用できることから、防災用として使用される場合もあります。

リヤカーの特徴

長所

リヤカーの長所は、少ない労力で荷物を運べる点にあります。収穫した農作物や土、肥料、苗など、農作業にあたっては様々なものを運ぶ機会が多く、また軽いものでも数が増えると運ぶ手間が倍増します。

リヤカーを用いることで、たくさん荷物がある場合にも少ない労力で運搬することが可能です。

短所

リヤカーは種類が豊富ですが、使用場面に合わせて適切なリヤカーを選ばなければ、かえって不便になる場合があります。例えば、大型タイプは積載量が多いのが利点ですが小回りは利かないため、小道や曲道での使用には向きません。

また、小回りが利く小型タイプは、物を高く積みすぎると横転する危険もあり、少しずつ運ぶ必要があります。このように、購入前に用途としっかり照らし合わせて検討することが大切です。

リヤカーの種類

1. 大きさ

リヤカーは大きさによって、大型、中型、小型に区分されます。大型タイプほど積載量は多くなりますが、小回りが利きやすいのは小型タイプです。

小型タイプは自転車や原付に取り付けて牽引できる製品もありますが、積載量では大型タイプに劣ります。また、中型タイプは折りたたみ式のものも多く、収納面を重視するのであれば中型タイプもおすすめです。

2. 車輪の数

リヤカーには2輪タイプと4輪タイプがあります。2輪タイプは、てこの原理を利用しているため重い荷物を簡単に運ぶことができます。また、4輪タイプよりも小回りが利くため、曲がった道や細い道で使用する場合には2輪タイプが便利です。

一方4輪タイプは、2輪タイプと比べて安定感が優れているため、果樹園での収穫作業などで使用されるケースが多いのが特徴です。 4輪タイプは2輪タイプほど小回りが利きませんが、360度回転するタイヤを備えた4輪タイプのリヤカーであれば、比較的スムーズに方向転換することができます。

3. 素材

リヤカーの素材は、鉄製の骨組み、木製の枠と底部、ゴム製のタイヤを持つタイプが一般的です。現在では、アルミ合金製のものなども普及しています。アルミ合金製のリヤカーはサビに強く軽いのが特徴で、女性など体力に自信がない方にも扱いやすいです。

4. 機能

その他の特徴的なリヤカーとしては、自転車の後ろに取り付けて牽引できる自転車用リヤカーや、折りたたみ可能で収納性に優れた折りたたみ式リヤカーなどがあります。

 

リヤカーにはサイズや素材、特徴などによって種類が豊富にあります。そのため、使用場面に合ったリヤカーを選ぶことが欠かせません。また、収納場所についても事前に検討しておくことが大切です。

なぜなら、リヤカーのサイズが大きくなればなるほど、収納に必要なスペースが大きくなるからです。近年では、折りたたみ式のリヤカーも増えてきたので、収納面スペースが限られる場合などは検討することをおすす目します。

リヤカーのその他情報

リヤカーの需要

リヤカーは荷物等の運搬に長く使用されてきました。しかし、第二次世界大戦後以降には小型トラックなどが普及したことにより、現在リヤカーの生産台数は減少傾向にあります。

しかしながら、農業・土木・建築などの分野においては、自動車が入れない場所などに入る際に、小回りの利く運搬機材として、今でもリヤカーが利用されています。

スコップ

スコップとは

スコップ

スコップとは、土砂を掘ったりすくったりする際に使用される道具です。

シャベルとも呼ばれることがありますが、​​JIS規格では明確に区別されています。具体的には、シャベルとは刃の上部が平らで足をかけることによって土などに深く押しこめるもの、スコップとは刃の上部が曲線で足をかけられない構造で先端が真っ直ぐになっているものと定義されています。

スコップの使用用途

スコップは農作業や土木作業などで使用される他に、ガーデニングなどにおいて庭の土を掘り起こしたり、庭木の植え付けや移植を行ったりする際などに利用されます。また、土や肥料を混ぜる作業も用途の1つです。

ガーデニングなど園芸用として使われるスコップは、片手で使える小型のものが多いのが特徴です。そのため、苗などを植えるのに穴を掘ったり、苗を移植したり際にも手軽に利用できます。

また 降雪のある地域において雪かきなどの作業に使用されるスコップは、スノースコップと呼ばれます。その他にもカマドや焚き火台などの灰掻きや、溝掘り作業の際に役立つこともスコップの魅力です。

スコップの特徴

長所

スコップを使うことで、一度に大量の土を掘り起こしたり、苗木の植え付けにちょうど良い穴を開けたりすることが可能です。また、スコップを使えば、手を汚すことなく作業を進めることもできます。

短所

​​JIS規格の規定によるスコップは、刃の上部に足をかけられない形状であるため、体重をかけて掘り進めることができません。そのため、広範囲の土を掘り起こしたい場合などには、足をかけることのできるシャベルを使用すると、腕の負担を軽減することができます。

スコップの種類

1. 剣型

先端が尖った形状をしているものは、剣型と呼ばれます。先端が尖っているため、固い地面や雑草などの根が張り巡らされた地面でも快適に掘り進めることができます。長く使い続けて先端が丸みを帯びてしまった場合は、研磨により鋭さを取り戻すことが可能です。

2. 角型

先端が平らな形状をしているものは、角型と呼ばれます。面積が大きいため、1度に大量の土などをすくいとって運搬するのに最適です。また、土や肥料を混ぜる作業にも重宝します。

3. 穴開き型

穴の開いた形状をしているものは、穴開き型と呼ばれます。濡れた土をすくう場合には、穴から水分を落とすことができるため便利です。また、粘性のある土を運ぶ場合でも、土がスコップに残りにくい特徴があります。穴が開いている分だけ軽量で、作業による疲労が軽減できることも長所です。

4. エンピ

縦に細長い形状をしているものは、エンピと呼ばれます。強度に優れており、深い穴が掘れるため、苗木の植え付け作業などに適しています。また、縦に細長い形状で、土を掘るときの抵抗が少なく、他のタイプと比べると穴が掘りやすいのが特徴です。

スコップの選び方

スコップには様々な種類があるため、目的に合ったものを選ぶことが大切です。外出先で使いたい場合や、車に常備したい場合などには折りたたみ式のスコップが適しています。

また、スコップは素材によっても性質が異なります。強度を重視するのであればステンレス製、軽さを重視するのであればアルミ製、雪かきなどに使用する場合はプラスチック製のものがおすすめです。

スコップの使い方

​​スコップは、主に土を掘り起こすために使います。農作業においては、土を耕したり、肥料を混ぜ込んだり、苗木を植え付けたりする際などに活躍します。大型のスコップと片手でも使える小型のスコップを使い分けることで、効率的な作業が可能です。

スコップのその他情報

スコップとシャベルの違い

スコップとシャベルの区別は地域によって異なる場合があります。一般的に、東日本では片手で使えるハンディタイプのものをシャベル、大型のものはスコップと呼びます。

一方で、西日本ではハンディタイプのものをスコップ、大型のものはシャベルと呼ぶのが一般的です。呼び名で区別することも大切ですが、購入する場合は目で見て確かめておくと確実と言えます。

電気牧柵

電気牧柵とは

電気牧柵

電気牧柵とは、電流を約1秒間に1回の頻度で柵に流して、触れた生物に電気ショックを与えるものです。

電気牧柵に人が触れると静電気のような電気を感じますが、すぐに手を離せば問題ありません。

電気牧柵の使用用途

電気牧柵は主に、家畜を外に出さないようにする場合と害獣を敷地内に入れないようにする場合に使用されます。動物は学習をするため、電気ショックを受けた動物は電気牧柵に近寄らないようになり、効果が発揮されます。

電気牧柵の特徴

長所

電気牧柵の長所として、動物が動ける範囲を管理できる点が挙げられます。野生動物であれば、畑に入らないように誘導することができますし、家畜であれば決まった放牧範囲から出ないようにすることができます。

短所

電気牧柵の短所として、コストがかかることが挙げられます。金額的なコストもありますが、使用している間は定期的に確認する必要があるため、人的なコストもかかります。

電気牧柵の選び方

電気牧柵の場合、使用目的や対象動物によって、適切な電気牧柵が異なるため、注意が必要です。電気牧柵を選定する際は、以下の点を考慮しましょう。

1. 畑の外周

人によって、持っている畑の広さは異なります。そのため、畑の外周を十分に囲うことができるワイヤーの長さが必要です。

特殊な地形をしていたり、段差があったりする場合は、それらを計算に含めて、余裕をもってワイヤーを購入するようにしましょう。電気牧柵の高さによっても、必要なワイヤーの長さが異なります。

なお、高さは電気牧柵の対象動物に応じて決定する必要があります。

2. 対象動物

電気牧柵を設置する対象動物も考慮して、電気牧柵に使用する支柱の決定をしましょう。また、電気牧柵のワイヤーを張る上で、ガイシという線を固定する器具が必要になります。

ガイシの取付位置も対象とする動物によって異なり、対象動物に最適な支柱の高さとガイシの数は以下の通りです。

イノシシ対策
イノシシの対策の場合は、立てる支柱を90cm程度にしましょう。イノシシの体の大きさから、支柱同士の間隔は20cm程度あけて、ガイシは2箇所に設置するようにします。

シカ対策
シカの対策の場合は、立てる支柱を180cm以上にしましょう。シカの体の大きさから、支柱同士の間隔は20cm~30cm程度あけて、ガイシは4箇所に設置するようにします。

サル対策
サルの対策の場合は、立てる支柱を210cm以上にしましょう。サルの体の大きさから、支柱同士の間隔は20~30cm程度あけて、ガイシは5箇所に設置するようにします。

電気牧柵のその他情報

1. 電気牧柵を設置する際の注意点

電気牧柵を設置する際は、以下の点に注意が必要です。

草がしげっていて電線に触れることはないか
草が生えて線に触れてしまうと、そこから電気が漏れてしまいます。また、柵の周辺に草を生やしたままにしておくと、動物が隠れられる場所ができてしまいます。そのため、きちんと柵の周辺の草を刈ってから設置することが大切です。

電線が地面につく高さでないか
電線が地面についてしまうと、地面に電気が吸収されてしまい、電気がうまく流れなくなります。そのため、適切な長さで柵に電線を張ることが大切です。

看板などの金属に接触していないか
金属は電気を通します。電気牧柵の近くに金属があると、誤って金属に電気が通ってしまい、事故につながる可能性もあります。金属などの電気を通すものは、電気牧柵の近くに置かないようにしましょう。

2. 使用しない時期の管理方法

電気牧柵を使用しない時期は、基本的に電気牧柵は撤去します。電気を流さず、そのまま次のシーズンまで残すという手もありますが、動物が電気牧柵を怖くないものと認識してしまう可能性があります。そうすると、電気牧柵の効果が弱くなる可能性も高くなります。

仮に、撤去するのが難しい場合は、電気を流したまま放置するようにしましょう。ただし、放置する場合は、定期的な確認が必要となります。

防鳥ネット

防鳥ネットとは

防鳥ネット

防鳥ネットとは、鳥がベランダなどの家の敷地に入らないようにネットを張って防ぐものです。

また、ゴミなどが漁られないように防鳥ネットを張る場合もあります。

防鳥ネットの使用用途

防鳥ネットの使用用途は、敷地内への鳥の侵入防止や、農業被害防止、ゴミの散乱防止などです。

農業で使用する場合、農作物の食害を防止するだけでなく、病原菌やウイルスが鶏舎へ感染しないようにする役割もあります。

防鳥ネットの特徴

長所

防鳥ネットの長所は、鳥による様々な被害を防止できることです。例えば、鳥は果樹を好んで食べるため、果樹園などでは鳥による食害を受ける場合があります。その場合、防鳥ネットを張ることで、食害を防げます。

また、家の敷地内に鳥が入って縄張りにしてしまうと、鳥のフンの被害を大きく受けます。防鳥ネットを使用して、敷地内を管理することで、清潔に保てます。

短所

防鳥ネットの短所は、必ずしも効果があるとは言い切れないことです。張った防鳥ネットで鳥に不快感を与えられない場合、防鳥ネットを張ったとしても被害を防止できないこともあります。

防鳥ネットが正しく張られていないと、鳥も入ることができることを学習してしまうため、防鳥ネットを張る最初が肝心です。

防鳥ネットの種類

防鳥ネットの種類としては、大きく分けて「ベランダ用」「ごみ捨て場用」「家庭菜園用」の3つがあります。

1. ベランダ用の防鳥ネット

ベランダ用の防鳥ネットは、目立たない色や素材であることが多いです。理由として、ベランダからの景観を損ねないようにすることが挙げられます。

また、ベランダに入ってきてしまう鳥がネットに引っかかってしまう場合もあり、鳥が引っかかりにくい太めの糸で作成された防鳥ネットも販売されています。

2. ごみ捨て場用の防鳥ネット

ごみ捨て場用の防鳥ネットは、鳥のくちばしが入らないように目が細かく作成されています。また、ゴミ捨て場全部を覆うことができるように、大きいサイズで作成されています。

特にカラスがごみ捨て場のゴミを漁ることが多く、するどいくちばしでつつくため、使用される防鳥ネットは頑丈な素材が使用されていることが多いです。

3. 家庭菜園用の防鳥ネット

家庭菜園用の防鳥ネットは、それぞれの家庭菜園のスペースに合わせられるように、多くのサイズが揃っています。大きすぎるサイズは、ネットを上手く張れず、鳥害を防げない可能性があるため、カットができる防鳥ネットを選ぶことが大切です。

防鳥ネットの選び方

防鳥ネットは使用する目的に応じて、購入する必要があります。「ネットの糸の太さ」「網目のサイズ」「色」を中心に選ぶと良いです。

1. 糸の太さ

防鳥ネットの糸の太さが太いほど、力が強い鳥に対しても対応することができます。また、鳥が引っかかりにくくなるため、絡まった鳥を処理したくない方は太い糸が無難です。

2. 網目のサイズ

防鳥ネットの網目のサイズは、対象とする鳥の種類によって決めることが多いです。例えば、カラスなどの体長が大きい鳥に関しては、網目のサイズが多少大きくても問題ありません。

しかし、スズメなどの体長が小さい鳥は、網目のサイズが小さい防鳥ネットを使用する必要があります。

3. 色

防鳥ネットは透明のものから、有色のものまで、様々な種類があります。ベランダに張る場合は、透明の方が景観を保つことができます。しかし、透明すぎると鳥が気づかずに突っ込んでくる場合があります。

そのため、ベランダに張る防鳥ネットは糸が多少太いものが望ましいです。

防鳥ネットの使い方

防鳥ネットは使用する場所によって使い方が異なります。「簡単に侵入を遮る場合」と「ベランダに張る場合」の使い方は、以下のとおりです。

1. 簡単に侵入を遮る場合

簡単に鳥の侵入を遮る場合は、何かにつるして設置することをおすすめします。例えば、カーテンレールを使って、そこに防鳥ネットを通してつるすと、簡易的な防鳥ネットカーテンが設置できます。

2. ベランダに張る場合

ベランダに張る場合、壁を傷つけないようにするために、長い突っ張り棒を使用して、防鳥ネットを通して使用することをおすすめします。賃貸の場合は物を傷つけられないため、突っ張り棒などの後から影響が出ないものを使用すると良いです。

育苗マット

育苗マットとは

育苗マット

育苗マットとは、育苗培土の代わりに用いるマットのことです。

育苗マットの上に種を播いて使用します。苗の根張りがよく均一な培養台を作れるので、品質の安定化を図れます。

育苗マットの使用用途

育苗マットは、主に水稲の苗を育てるのに使用されます。そのため、水稲育苗マットや水稲マットと呼ぶこともあります。

そのほか、寒さや根の弱い野菜や園芸植物などを育てる際にも最適です。

育苗マットの特徴

育苗マットの素材は、木材繊維をはじめとし、ビニロン繊維製不織布、ケイ酸とカルシウムを主成分とした人造鉱物繊維など、各メーカーで素材が異なります。

いずれも軽量性・通気性・保湿性・透水性に優れているのが特徴です。また、育苗マットの表面に、チッソ・リン酸・カリの肥料成分が塗布されているタイプもあります。

長所

育苗マットを使用した場合、育苗培土使用時よりも全体の重量が数割軽くなるので、育苗箱運搬労力を格段に軽減できるほか、床土がない分だけ洗浄作業が楽になります。

育苗培土使用時と比べ、かん水作業の頻度が少ない点も長所の一つです。さらに、育苗ハウスの床面にシートを張って簡易なプールを作る「プール育苗」にすると、日々のかん水作業が軽減されます。

また、育苗マットは数年間の使用に耐久性があり、継続利用による経費削減にもつながります。

短所

育苗マットの短所は、苗の生育が若干遅れ気味になるケースや、使用中の機械では十分なかん水ができないことです。また、根張りが良くなりすぎる場合があるため、苗が育った育苗マットを育苗箱から剥がす際の作業性が若干低下したり、田植え機の爪の摩耗が早まったりする可能性もあります。

育苗マットの種類

育苗マットは、1枚または1シートと称します。育苗マットの色は白系で、形状は幅279mm×長さ579mmx厚さ13mmが一般的です。重量は140g前後が多くみられます。

見た目は平らなフラット型と、種が転がらないようなクリヌキ型があり、水稲栽培ではフラット型が多く用いられています。また、「十字」「X字」形状の切れ込みが入っているタイプや切れ込みがないタイプがあるので、作物の種類によって最適な形状を選定することが大切です。

育苗マットの使い方

  1. 育苗箱に1枚ずつ育苗マットをセットしたら、シャワーでムラなくたっぷりと水をかけます。
  2. 次に、準備しておいた種もみを慣行通りムラなく播きます。
  3. 床土に培土を使用する場合よりも、若干多めに覆土してください。
  4. 緑化期は、乾燥しないようにかん水します。硬化期は、天候や苗の生育状況を観察しながら、1~2日に1回、しっかりとかん水します。
  5. 移植時には根が張っているため、かん水して苗の滑りを良くしておきます。
  6. 育苗箱から育苗マットごと取り出し、田植え機にセットして田植えをします。

実際に使用する際は、育苗マットのメーカーによっては表裏があるので、間違えないようにセットする必要があります。また、育苗マットをセットする育苗箱は中苗用ではなく、穴が少ない稚苗用の方が向いています。

育苗マットのその他情報

1. ヒータータイプの育苗マット

育苗マットには、電源ヒーター付きで保温できる室内使用タイプもあります。野菜・植物・ハーブ・花の種や苗などを寒さから守り、安定した発芽や成長をサポートできるのが特徴です。

ヒーター付き育苗マットは、根の部分を室温プラス10~15度ほど温めることができ、若芽の凍死防止や寒さに弱い園芸植物を育てる際にも役立ちます。防水性があるので水に濡れても大丈夫ですが、水中に浸して使用することはできません。

2. 育苗マットの価格

水稲農家用としての育苗マットの価格一例を挙げると、人造鉱物繊維製・300枚入りが約5万円弱です。一般用の育苗マットの価格一例として、同じく人造鉱物繊維で作られたタイプの30枚入りであれば、4,000円程度で購入できます。

3. 育苗マットを購入する前の注意点

育苗培土から育苗マットに切り替える際は、現在使用中の育苗箱や機械が、購入予定の育苗マットに対応しているか確認することが大切です。不明な点がある場合は、農機具屋や普及指導員、販売店などに相談することをおすすめします。

生分解マルチ

生分解マルチとは

生分解マルチ

生分解マルチとは、生分解性の樹脂で作られた農業マルチです。

正式名称は「生分解性マルチフィルム」で、天然素材または化学合成素材をシート状に加工して作られます。従来のマルチでは、収穫後にマルチを剥ぎ取り廃棄する必要がありました。しかしながら、生分解マルチは土壌中の微生物によって水と二酸化炭素に分解されるため、マルチを剥ぎ取る労力や手間の軽減につながる特徴があります。

生分解マルチの使用用途

生分解性マルチは、通常のマルチと同様に、雑草の防除・予防、地温の調整、病害虫の防除、用土及び肥料成分・水分の保持、土を柔らかく保つといった目的で、作物の育成時に使用されています。現在では、目的に応じてさまざまな種類の生分解マルチが製造されています。

生分解マルチの種類

1. 原料による分類

生分解マルチには、トウモロコシやサトウキビのデンプンなど植物由来の原料を用いたものと、石油由来の原料を用いたものがあります。

2. 分解速度による分類

生分解マルチには、2~3ヵ月で分解するタイプと、4~5ヵ月で分解するタイプのものがあります。栽培する作物の生育期間にあわせて、生分解マルチの分解速度を選択することが大切です。

生分解マルチの選び方

生分解マルチを選定する際は、下記のポイントを考慮する必要があります。

1. 分解速度作物にあっているか

生分解マルチは、2~3ヵ月で分解するタイプと、4~5ヵ月で分解するタイプの2種類が一般的です。作物の栽培期間中にマルチの分解が始まると、マルチとしての効果が薄れてしまいます。栽培する作物の成長速度に合った分解速度のものを選ぶことが大切です。

2. 使い切れる量か

生分解マルチは時間が経つと分解が進むため、購入後はすぐに使用するようにします。購入する際には、使い切れる量だけ都度購入するようにすることが理想的です。また一時保管する際は、雨や直射日光が当たらない、風通しのいい場所に置き、なるべく早く使用を開始するのがポイントです。

3. 費用対効果は高いか

生分解マルチは、通常のマルチと比較して価格が高いのが現状です。また生分解マルチの種類によっても価格は異なります。導入によって得られるメリットと費用を十分に検討したうえで、適切なタイミングで購入することが大切です。

生分解マルチの特徴

長所

1. 環境に優しい
従来のマルチはプラスチック製のものが多く、脱プラスチックを掲げる近年において、問題視する声も少なくありません。その点、生分解マルチは土壌中に存在する微生物によって水と二酸化炭素に分解されるため、プラスチックゴミの削減に繋がります。

2. 剥ぎ取りの労力が省ける
生分解マルチは、使用後に、トラクター等によって土に鋤き込むことで処理できるといった特徴をもちます。そのため、回収コストや廃棄処理コストがかからないという利点があります。マルチが土壌中に残らないよう手作業で取り除く作業も不要なため、作業にかかる労力や負担の軽減が可能です。

3. マルチ処理コストの削減につながる
近年では、脱プラスチックの動きに伴い、プラスチックを原料とするマルチフィルムの処理にかかるコストは年々増加傾向にあります。生分解マルチの使用においては廃プラスチックが発生しないため、廃棄にかかるコストを削減することができます。

短所

1. 価格が高い
生分解マルチはメーカーによって価格は様々ですが、従来のマルチと比較して3〜5倍の価格で販売されている場合が多く、導入コストは決して少なくありません。今後、生分解マルチの普及が進むことによって、価格が低下することが期待されています。

2. 強度が弱い
生分解性マルチは、20年以上前に市場に登場した当初と比較すると格段に強度が安定しました。しかしながら、従来のマルチと比べると、特に縦方向に裂けやすい傾向があります。展張する際には、ゆっくり張ることで亀裂を防ぐことが可能です。

3. 分解速度に気を配る必要がある
生分解マルチは、気象変化や紫外線、微生物の働き、水分などにより分解が進みます。水田の跡地など多湿傾向にある場所、また温度が高く紫外線量も多い夏場などは、分解が早く進む場合があります。また⼟壌消毒剤を使⽤した場合にも分解が早まりやすいため注意が必要です。

生分解マルチのその他情報

生分解マルチの補助金

持続可能な農業の推進を目的に、生分解マルチの購入に対して補助金を受け取ることができる自治体があります。金額や割合については自治体によって異なりますが、購入金額の1/3〜1/2程度が目安です。

生分解マルチの購入を検討する場合は、事前に自治体のHPなどで補助金の対象になるか確認しておくことがおすすめです。

液体肥料

液体肥料とは

液体肥料

液体肥料とは、栄養のある土にするために使用される肥料です。

肥料は液体だけでなく、固形や粒状など種類はさまざまです。また、液体肥料には、粉末や粒状の固体を溶かして与えるものもあります。

液体肥料の使用用途

1. プランター栽培の追肥

プランター栽培は、プランターに入る土の量が限られています。そのため、土の乾くスピードが速く、水やりの代わりに液体肥料で追肥を行うことができます。

2. 水耕栽培の追肥

水耕栽培とは、植物の根を直接水につけて育てる栽培方法です。固形肥料を使用することができないため、追肥を行う際は液体肥料を使用します。

液体肥料の特徴

長所

液体肥料の長所としては、使用方法が簡単であることが挙げられます。液体肥料は土の中への浸透が早く、均等に吸収されていくため、効率的に肥料を与えられます。

また、土への浸透・吸収時間が早く、効果が出やすいです。

短所

液体肥料の短所としては、効果が出やすい分、効果が長続きしないことが挙げられます。また、液体肥料は、液体のため菌が繁殖する可能性が高く、清潔に保つ必要があります。

液体肥料を希釈して作るときは、きれいな水を使用することが大切です。

液体肥料の種類

液体肥料の中にも様々な種類がありますが、大きく分けて3種類あります。

1. 化学液肥

化学液肥は、化学肥料を原料として作られた液体肥料で、無機肥料ともいわれています。現在、ほとんどの液体肥料は化学液肥です。

化学肥料は、土の中にいる微生物に分解されず、直接根に吸収されるため、すぐに効果を感じられます。

2. 有機液肥

有機液肥は、有機物のみを原料として作られた液体肥料です。家畜の糞や尿には、窒素やリン酸などの成分が含まれており、植物を栽培する上で必要な栄養素です。

日本では古来、家畜の糞や尿が配合された有機液肥が主流とされていました。有機物は土の中にいる微生物に分解されてから、根に吸収されていくため、効果の持続性が高いです。

3. 有機入り液肥

有機入り液肥は、化学肥料と有機物の両方を原料として含んでいます。窒素成分の0.2%以上が有機由来の窒素である液体肥料を有機入り液肥と呼びます。

液体肥料の使い方

液体肥料を与える頻度としては、大体1週間~2週間に1度です。液体肥料の量は、少なすぎても多すぎても、植物に悪い影響を与えます。

液体肥料に記載されている規定濃度や頻度を守って使用することが大切です。液体肥料の使い方は、大きく分けて3つあります。

1. 土壌散布

土壌散布は、土壌に液体肥料をまく方法です。水やりをするように散布するだけなので、非常に簡単な方法と言えます。

しかし、植物に取り込まれないまま流れ出てしまう部分があり、無駄になる量も多くなりがちです。

2. 土壌灌注

土壌散布に近い使用方法として、土壌灌注という方法があります。土壌灌注は、専門の注入器によって、特定の場所にピンポイントで肥料を与えられます。

そのため、効率よく肥料を取り込ませることが可能です。

3. 葉面散布

葉面散布は、葉の表面に吹きかける方法です。直接葉に与えるため、吸収されやすく、効率が良いです。

しかし、吸収される前に葉の上で水分が蒸発してしまい、栄養素が植物に吸収されない可能性もあります。暑い日に葉面散布する際は、十分注意が必要です。

液体肥料のその他情報

肥料に含まれる物質

肥料には、野菜や果樹・花など植物の生育に必要な栄養素がバランス良く含まれています。具体的には、チッ素やリン酸、カリウム等の物質です。

使用用途や使用目的に応じて、カルシウムやマグネシウムなどの物質が配合された肥料もあります。

  • 窒素
    窒素は、植物の成長にとても大切な栄養素です。葉を大きくするために必要で、欠乏してくると葉が黄色くなってきます。
  • リン酸
    リン酸は、花や果実を成長させます。欠乏してくると、花がで咲きづらくなる可能性があります。
  • カリウム
    カリウムは、光合成の働きを促進し、根の育成を助ける成分です。根が強くなると、葉や果実の成長を促すことにつながります。結果として、植物全体に良い影響を与えます。

捕虫器

捕虫器とは

捕虫器

捕虫器とは虫を捕らえることを目的とした機械や設備を指し、その誘因方法や捕獲方法によってさまざまな種類が知られています。もっとも代表的に使われる捕虫器として、光を利用して虫を引き寄せる光捕虫器が挙げられます。これは特定の波長の紫外線に虫が誘引される性質を利用したものであり、電源が利用可能であれば設置可能なことや、薬剤を使用しない種類のものが多いことが特徴です。その他に誘引フェロモンや殺虫・忌避成分を持つ薬剤を使用するものなどがありますが、有効範囲が限られていることから、農業用途には通常使用されません。

また誘引した虫を捕らえる方法としては、粘着シートを用いて捕獲するもの、ファンを用いて吸引するもの、電撃を用いて殺虫するものなどがあり、用途に応じて選択することができます。

捕虫器の使用用途

捕虫器の使用用途は発生した害虫を捕らえることが主ですが、そのほかにも害虫の数をモニタリングすることや、害虫を施設・設備の外側に誘因することなども可能です。とくに医薬品や化学、食品などの工場・プラントでは害虫の侵入そのものが問題となるため、捕虫器を設置することで害虫を誘因するリスクを避け、主要な設備にはあえて捕虫器を設置せずに、その前段階や工場の外周部分で捕虫・モニタリングを実施することがあります。

これに対して農業用途においては、一般的に害虫の侵入を防止し、発生した害虫を捕らえることが目的となります。このため捕虫器は通常農作物の育成場所近傍に設置することが多く、薬剤を用いない形式のものが好まれます。また捕虫器は少数の害虫捕獲やモニタリングには有効ですが、殺虫効果は薄いことから、大量に発生した害虫に対しては殺虫剤や農薬などを併用して対応することが多く見られます。