液体肥料とは
液体肥料とは、栄養のある土にするために使用される肥料です。
肥料は液体だけでなく、固形や粒状など種類はさまざまです。また、液体肥料には、粉末や粒状の固体を溶かして与えるものもあります。
液体肥料の使用用途
1. プランター栽培の追肥
プランター栽培は、プランターに入る土の量が限られています。そのため、土の乾くスピードが速く、水やりの代わりに液体肥料で追肥を行うことができます。
2. 水耕栽培の追肥
水耕栽培とは、植物の根を直接水につけて育てる栽培方法です。固形肥料を使用することができないため、追肥を行う際は液体肥料を使用します。
液体肥料の特徴
長所
液体肥料の長所としては、使用方法が簡単であることが挙げられます。液体肥料は土の中への浸透が早く、均等に吸収されていくため、効率的に肥料を与えられます。
また、土への浸透・吸収時間が早く、効果が出やすいです。
短所
液体肥料の短所としては、効果が出やすい分、効果が長続きしないことが挙げられます。また、液体肥料は、液体のため菌が繁殖する可能性が高く、清潔に保つ必要があります。
液体肥料を希釈して作るときは、きれいな水を使用することが大切です。
液体肥料の種類
液体肥料の中にも様々な種類がありますが、大きく分けて3種類あります。
1. 化学液肥
化学液肥は、化学肥料を原料として作られた液体肥料で、無機肥料ともいわれています。現在、ほとんどの液体肥料は化学液肥です。
化学肥料は、土の中にいる微生物に分解されず、直接根に吸収されるため、すぐに効果を感じられます。
2. 有機液肥
有機液肥は、有機物のみを原料として作られた液体肥料です。家畜の糞や尿には、窒素やリン酸などの成分が含まれており、植物を栽培する上で必要な栄養素です。
日本では古来、家畜の糞や尿が配合された有機液肥が主流とされていました。有機物は土の中にいる微生物に分解されてから、根に吸収されていくため、効果の持続性が高いです。
3. 有機入り液肥
有機入り液肥は、化学肥料と有機物の両方を原料として含んでいます。窒素成分の0.2%以上が有機由来の窒素である液体肥料を有機入り液肥と呼びます。
液体肥料の使い方
液体肥料を与える頻度としては、大体1週間~2週間に1度です。液体肥料の量は、少なすぎても多すぎても、植物に悪い影響を与えます。
液体肥料に記載されている規定濃度や頻度を守って使用することが大切です。液体肥料の使い方は、大きく分けて3つあります。
1. 土壌散布
土壌散布は、土壌に液体肥料をまく方法です。水やりをするように散布するだけなので、非常に簡単な方法と言えます。
しかし、植物に取り込まれないまま流れ出てしまう部分があり、無駄になる量も多くなりがちです。
2. 土壌灌注
土壌散布に近い使用方法として、土壌灌注という方法があります。土壌灌注は、専門の注入器によって、特定の場所にピンポイントで肥料を与えられます。
そのため、効率よく肥料を取り込ませることが可能です。
3. 葉面散布
葉面散布は、葉の表面に吹きかける方法です。直接葉に与えるため、吸収されやすく、効率が良いです。
しかし、吸収される前に葉の上で水分が蒸発してしまい、栄養素が植物に吸収されない可能性もあります。暑い日に葉面散布する際は、十分注意が必要です。
液体肥料のその他情報
肥料に含まれる物質
肥料には、野菜や果樹・花など植物の生育に必要な栄養素がバランス良く含まれています。具体的には、チッ素やリン酸、カリウム等の物質です。
使用用途や使用目的に応じて、カルシウムやマグネシウムなどの物質が配合された肥料もあります。
- 窒素
窒素は、植物の成長にとても大切な栄養素です。葉を大きくするために必要で、欠乏してくると葉が黄色くなってきます。 - リン酸
リン酸は、花や果実を成長させます。欠乏してくると、花がで咲きづらくなる可能性があります。 - カリウム
カリウムは、光合成の働きを促進し、根の育成を助ける成分です。根が強くなると、葉や果実の成長を促すことにつながります。結果として、植物全体に良い影響を与えます。