PPバンドとは
荷物を配送する際にPPバンドで結束すると、運びやすくしたり底抜けを防止したりするのに役立ちます。PPバンドの多くは梱包物に使われますが、おしゃれな「かご」の材料としても使用されています。
PPバンドの使用用途
PPバンドの使用用途は、主に荷物の結束作業全般です。ガムテープのように貼るのではなく、段ボールなどの梱包物に強く巻き付けて使用されます。
PPバンドは、複数個の荷物を1つにまとめてフォークリフトに移動する際や、不用意な開梱防止に用いるなど、多様な使用用途があります。そのほか、ケーブルや配管類の結束、農業、手芸なども用途の1つです。
屋外で長期間使用する場合は、紫外線劣化に耐え得るPPバンドを検討するか、定期的な交換が必要です。
PPバンドの特徴
PPバンドは、結束バンドやケーブルタイといった一般名称のほかに、さまざまな商標名があります。PPバンドの表面は、滑りにくいようにザラザラした形状になっており、専用のバンドストッパーに通して締めるだけで、バンドが戻らない仕組みになっています。
その他、工場などでは大量の梱包物を効率よく結束するために、PPバンドを機械にセットして自動的に溶着する方法が一般的です。
長所
PPバンドの素材であるポリプロピレンは、耐水性・耐熱性を持つだけでなく、酸やアルカリにも強い性質があるため、短期間に劣化する心配はありません。また、PPバンドは破断強度が高く、手締めや機械締めで強く結束できるのも長所です。
短所
PPバンドは、長期間紫外線にさらされると劣化する性質があるため、思わぬ荷物破損事故につながらないよう注意が必要です。また、PPバンドの締め付けがゆるいと荷物からすっぽりと抜け落ちる可能性があります。
ただし、段ボールなど柔らかい荷物に対する締め付けが強すぎると、凹みや破れなどが生じやすくなります。
PPバンドの種類
PPバンドはさまざまな種類の製品が開発されています。例えば、耐候性・耐摩耗性・耐溶剤性など、性能に特徴のある製品が代表的です。
ほかにも、再結束が可能な製品や、PPバンドを回収して再加工された再生PPバンド、ヘッド部が小さく場所を取らない製品など、特徴ある製品が販売されています。
また、PPバンドにはさまざまな幅や長さがあり、透明・白・黄・黒・赤・緑・紫・ベージュなどカラーも豊富です。
PPバンドの選び方
PPバンドを選ぶ際は、梱包物の重量に応じた製品を選びます。
1. 軽梱包物用のPPバンド
人が持ち運びできる25kg程度の軽梱包物であれば、約100kgに相当する980N (ニュートン) 程度のPPバンドが適しています。ニュートンとは、引張強度の単位です。
PPバンドの厚みが薄くなるほど強度は低下するものの十分な強度があるため、軽量梱包物の場合は、厚みの違いで選ぶ必要はありません。
2. 重梱包用のPPバンド
金属や木材類など重量が100kgを超える重梱包物の場合、約250kg相当の2450N以上あるPPバンドを選んでください。また、PPバンドの厚みや幅、梱包物の輸送状況にも着目して選ぶと安全です。
輸出する梱包物には、ポリエステルとポリプロピレンを材料とした「エステルバンド (PETバンド) 」が適しています。緩みを生じやすいPPバンドとは違い、伸びにくい特徴があります。
PPバンドの使い方
PPバンドは、基本的に「機械締め」と「手締め」のいずれにも使えます。
1. 機械締め
梱包機と呼ばれる専用の機械を使うと、素早く結束できます。機械にPPバンドがセットされており、作業台に乗せた荷物にマッチするよう自動的に「バンド通し・溶着・切断」がなされます。
数多くの梱包が必要な工場や物流倉庫、重量物・長尺物などの梱包に活用されています。専用ストッパーが不要なため、複数の荷物をパレットに積み重ねることが可能です。
ハンディタイプのPPバンド結束機も販売されており、溶着によってPPバンドを結束できます。
2. 手締め
手締めする際は、PPバンドをバンドストッパーに通して結束します。人力で簡単に結束できることから、家電量販店や家具屋、個人の引っ越し時などにも活用されています。
また、手締め用の引き締め機を使うと、手で引っ張るよりも容易に梱包作業が可能となります。PPバンドを手締めで使用した後に積み重ねたい場合は、専用バンドが側面に配置されるように結束してください。