ネイルハンマー

ネイルハンマーとはネイルハンマー

西洋から入ってきたハンマーの一種で、釘(ネイル)を打つためのハンマーの総称です。頭部の重心が打撃側にあるので釘を打ち込む際に手元がブレにくい造りになっています。

打撃側と逆側には、バールの様な釘抜き部がついています。同様の工具である金づちがよりも重心が打撃面に偏っているため、安定感が高く、初心者にも使いやすい構造です。

似ている道具に、仮枠ハンマーがあります。板厚が厚い木枠からの釘抜きを想定し、柄が長い造りになっています。一般的な作業であれば、ネイルハンマーの方がハンドリングしやすいため多用されています。

ネイルハンマーの使用用途

釘を打ち込む、打ち損じた釘を抜くという2通りの使い道が1本でできるため、幅広い場面で利用されます。学校での「工作」や「DIY」での作業、プロの職人にまで使われている工具です。

釘を打ち込む工具であるため、木材やプラスチックを多用した作業で使用されます。例えば「住宅建築」や「日曜大工」の場面で多用されています。

逆に「解体作業」にも力を発揮し、釘で結合している資材の分解に釘抜き部が活用されています。テコの原理を応用し、一般的な釘だけでなく又釘であったり、カスガイの引き抜きにも利用されています。

ネイルハンマーの選び方

  • 頭部形状
    打ちたい釘のサイズの3、4倍程度が丁度良い大きさです。打ち込まれるベースである石材や木材は、素材の方が柔らかい場合があります。そのため、対象より大きな槌面を持つハンマーは、釘周囲の資材を叩き、凹凸や破損などの原因となります。
  • 全長
    全長は200mm未満、200から300mm、300mm以上の大きく分けて3分類です。全長が長いほど打撃が強くなり、短いほど軽く取り扱いがしやすくなります。使用者の体型に合わせたサイズを選ぶことが大事でです。
    また、短いと収納が楽です。逆に長いと、取り扱いが難しいデメリットがあります。さらに、壁など地面から垂直な位置にある釘を対象とする場合、力の入れ方が難しく、打ち損じを誘発する可能性があります。
  • 材質(硬度)
    炭素鋼(S45C)焼入れ、炭素鋼(S-45C)ミラーポリッシュ(鏡面加工)、TPE(サーモプラスチックエラストマー)が使われています。金属であれば、焼き入れをすると、強度が上がり、耐久性もupします。
  • 打撃面の溝
    溝があるタイプとそうでないタイプがあります。溝があると、釘と接触した際に滑りにくく、打撃が釘に伝わる可能性が高まります。
    逆に溝がないと、釘が資材に食い込んだ際に、打撃面による資材への跡が残りにくい利点があります。
  • 柄の素材
    木材は、釘を強打した際に反動が少なく、手がしびれにくい良さがあります。逆に、スチールパイプは手への振動は伝わり易い反面、耐久性が高いのが特徴です。一方、グラスファイバは軽量で、手に馴染みやすくすっぽ抜けにくいため、初心者向きです。

リードペンチ

リードペンチとはリードペンチ

見た目はペンチですが、先端形状が薄板になっていることが特徴です。狭い箇所での細い線の掴みや板金細工の折り曲げ等の加工に適しています。また、くわえの部分が板状なので、掴む物を傷つけにくいです。頑丈で幅広い先端で強力に掴むことから、安定感のある作業、精密な加工に寄与します。

一方で、 通常のペンチやラジオペンチの様な切断能力はありません。

非常に細かい作業を対象とした造りになっており、先端の形状やサイズによって、細かくラインナップがそろっていることが特徴です。

リードペンチの使用用途

リードペンチは、先端が非常に薄いため、隣接する資材、部品などに干渉しません。そのため、目的の部分をスマートに掴むことができます。特に電線、鉄線線などの金属線を的確に掴む際に役立ちます。

また、平坦な形状の資材を強固に掴み加工できるため、ブリキ板等の細工に重宝されています。

さらに、傷をつけにくい特性から、模型や装飾品、精密機器なども扱うことができます。また、熱い物や汚れている物など、素手で触れない物を掴む時に活躍します。

リードペンチの選び方

強力に掴み、力を加えるといったシンプルな道具ですが、様々な工夫が施されています。

  • ローレット
    滑り止め加工のローレット付で保持力を高めた製品もあります。柔らかい資材に対し、強く掴むと縦線が生じる危険性があります。
  • 先端形状
    先までストレートな形状と先端だけ折れ曲がった形状があります。狭い場所には折れ曲がり形状が適している場合があります。
    また、先端のギザありとなしがあります。ギザありの方が滑りにくさは期待できますが、傷つけたくない対象物の場合は、ギザなし(平坦型)を選ぶと良いでしょう。
  • グリップ
    場合によって、長い時間で使用する可能性があるため、グリップは疲れにくいものを選ぶと良いでしょう。疲労軽減のために、エラストマー等の樹脂製素材を用いた製品も存在します。
  • 長期使用
    先端部の加工方法は、通常二枚合わせといわれ、本体部分と先端部分とが握手する様に接合されています。一方、硬い資材を対象として、長期間安定的に作業を可能にするために、両者をサンドイッチ型で挟み接合した三枚合わせと呼ばれる造りのリードペンチがあります。

スピードレンチ

スピードレンチとは

一般的なレンチは、対象物を確実にフィットしないと滑ってしまうため、初動に時間がかかります。スピードレンチは、爪の引っ掛かりができれば、回し始めることができるため、スピードレンチと呼ばれています。

また、レンチの中でも掴む対象となる形状や大きさに幅広く対応できるレンチです。例えば四角や六角など角が付いた形状は勿論のこと、パイプの様な円筒形状、さらには一部が欠けたボルトも掴むことができます。ウォーターポンププライヤやパイプレンチに似ていますが、両者に比べてな対象物との接触面が平であり、傷をつけにくいという利点があります。

スピードレンチの使用用途

対象物を限定しない形状で、かつ初動までの時間が短いという利点があります。そのため、配管・電材関連のボルト、ナット、パイプの「脱着」によく用いられています。

ボルト数が多い場合であったり、狭くてレンチが動かせにくい場合に、迅速にフィットし動作できるため、幅広い現場で使用されています。

さらに、建設現場などで錆びて形状が歪んだボルトの取り外し、接面が欠けて本来の形状でなくなっている物を緩めることにも適用できます。

お客さん待ちのようなスピード感が求められる工場機械設備の点検・補修にも使えます。

スピードレンチの選び方

スピードレンチは、シンプルに対象物を固定できるか?を要としています。また、使用場所によって形状も選択する必要があります。

  • 口開き寸法
    市販のスピードレンチは、最小径7mmから40mm強までの幅のラインナップが数種類あります。規定のボルト・ナットから、太径のパイプまで対象物の太さに合わせて選択します。
  • ヘッド形状
    ヘッドは、爪と爪を開くための凸部分で構成されています。狭い場所での作業では、凸部分が他の装置と干渉し、レンチが回せない場合があります。メーカーによって凸部分が改善されているものもあります。また、回した反動でナチュラルに次の動作に導くタイプもあります。長時間の作業、作業頻度が高い場合は、身体負荷低減のために、活用してください。
  • トルク
    口開き寸法に比例して、強度が増します。口開き寸法が10mm未満だと100トルク(N・m)程度、40mmを超えると、500トルク程の強さになります。対象の寸法に合わせて選択しつつ、材質の強度によってトルクを選ぶ必要があります。

打撃スパナ

打撃スパナとは

スパナの一種である打撃スパナは、ハンマーで柄を打撃して強い力をかけることができるスパナです。

ボルト・ナットが大きくなるに従い、人の力では満足した締め付けができにくくなります。通常のスパナでは動かないような、錆びついたナット類の取り外しや増し締めが必要な部位に対して使用します。

打撃スパナは、柄尻の穴にロープを通し、引っ張りながら柄尻の叩き部をハンマーで叩くようになっています。叩くことで増締めができます。

逆に、錆などで固着し硬くなってなっているナットを緩める時などに用いられます。打撃形式の工具は他に、打撃メガネレンチ等があります。ちなみに、スパナもレンチも基本的に同じ意味です。

打撃スパナの使用用途

打撃スパナや打撃メガネレンチは、大きな力が必要な場面で活躍します。よって、各種工場のボルトナットの「締結作業」に頻用されています。

また、電車や工場などの連続もしくは断続的に振動等があり、ボルトやナットが緩み易い所を、強い力で締め付ける場合にも重宝されています。 経変劣化したボルト、事故や災害などで歪が生じた箇所のボルトなどに対しても力を発揮します。

また、一方的に強い力を与えるため、相手方の材質が弱かったり、サイズが異なった場合には、部品破損につながるため、不適切です。

打撃スパナの選び方

  • スパナ型、メガネレンチ型
    両方購入はできますが、非常に強い力で叩くため、きちっと固定しておく仕様が好ましいです。その点、メガネレンチは、対象部位にしっかりはまっており、レンチ部に手をかけないため安全性が高いです。
  • 二面幅(対辺寸法)
    一般的なスパナやレンチ同様に、対象となるボルトやナットに合わせたサイズを選定する必要があります。一般的には、30~145mmのラインナップから選ぶことになります。
  • オフセット
    オフセットの有無も、一般的な選択肢の一つであり、45°で1段のものや45°+6°といった2段のものもあります。ストレートタイプのスパナでは作業性が悪い場合に適用します。
  • 打撃部
    一般的には、スパナ・レンチ部と同等の厚みです。一方で、打撃の的が絞りにくい人や力を込めて打撃する必要がある場合は、打撃ミスを減らせる箱型形状の打撃部を選ぶと良いです。
  • 材質
    クロムバナジウム鋼は、衝撃を考慮した硬度でJIS強力級スパナの2.5倍以上の強度をもつ、最も強靱なレンチです。
    ハイカーボン合金鋼は、ステンレスに比べて硬く脆いですが、安価で手に入り易いメリットがあります。
  • 表面処理:カチオン電着塗装
    錆の発生を抑えるための塗装です。打撃スパナは、打撃部の劣化や消耗が著しいため、普通の素材だと錆が誘発されやすいです。さらに脆くなると、買い替える必要が出てきてしまいます。塗装の面から、持久性を備えた工具が好ましいでしょう。

オフセットドライバー

オフセットドライバーとは

クランク形状のドライバーです。普通のドライバーだと長すぎて、まっすぐに回せない時やクリアランスの狭い場所にあるネジを回すのに非常に有効な工具です。

グリップ部がなく、クランク状に曲げられた軸を直接回します。そのため、軸部からのオフセット量が30mmほどしかない製品もあります。

キャップボルトやトルクスボルト用のドライバーとは形状が異なります。また、指先程の短さのスタッビドライバーと比べて、リーチが長く、入り組んだ構造でも刃先が届く優れものです。

類似工具として、フレキシブルドライバーがあります。この工具は、直線的でない空間で活躍しますが、締め付け力が弱いことがデメリットです。ストレートタイプのドライバーが無理な場合は、オフセットドライバーを適用します。

オフセットドライバーの使用用途

入り組んで直線的な空間が確保できない狭い場所での作業に向いています。また、単に短いだけでは足りず、力を加えてネジ回ししたい場合にも最適です。

例えば装置内部の「部品の交換」機械内部の「メンテナンス」「車両整備」などです。特に、入り組んだ構造の機械は、様々な形状のオフセットドライバーが必要になります。

工場内作業や建築現場、または線路修理などでは、通称Cチャンネルと呼ばれるリップ溝形鋼に適用することが可能です。

オフセットドライバーの選び方

〇全体形状
通常のドライバーでは届かない利点を活かし、場所によって、複数のタイプを使い分けするのが好ましいです。

  • S字型
    ごく一般的なオフセットドライバーの形式です。両頭になっており、どちらでもドライバーの役割を担います。タイプによって、両方同じ形、もしくはプラスとマイナスの組み合わせがあります。スタンダードなオフセットドライバーです。
  • Z型
    S字型がさらに角度が付いた形状になっており、一層狭い場所に対応できるようになっています。
  • 90度型(L型)
    片方のみオフセット型になっており、もう片方はまっすぐです。Z型やS字型のドライバーでは、逆側のねじ回し部分が他の物体に干渉する場合は、90度型オフセットドライバーが好ましいです。また、比較的安価であることも特長です。
  • 薄型(フラット型)
    先端のねじ込み部でも1cmの短さ(薄さ)です。グリップ部は、ほぼ板状で隙間さえあれば入り込むことが可能です。入り組んだ狭い機械内部の締め付け、ねじ外し、また、精密な部位に工具をむやみに当てないために、最小限のサイズ感になっています。
  • 先端形状
    プラス型とマイナス型があります。対象のネジ形状に合わせて選択して下さい。 また、薄型オフセットドライバーは、六角や四角形状など、バリエーションが豊富です。比較的値が張りますが、幅広く対応できるため万能です。
  • 先端マグネット
    通常のドライバーと同じで、磁性のネジを先端に密着させることができるドライバーもあります。手が入りにくく、ネジを構えることができない場所で重宝します。
  • ラチェット
    ネジ回しの空間が狭く、ひと回しした後にドライバーを上げる操作が難しい場合、また、作業性を向上させる場合は、ラチェット式が効率的です。

シメール

シメールとは

シメールとは、張線器のことで、素手で張るには限界のあるワイヤーやケーブルなどの線やロープを引っ張る工具です。

シメールは、その本体に当たります。また、クランパーは、シメールで張線するワイヤーをしっかりと掴み、張線をアシストする役割を担います。ワイヤーを掴んだ状態で、本体のハンドルを回すことで張線が可能になります。

シメールのスペックは、張線能力と掴線能力に定義されます。張線能力とは引っ張る力のことで、これが弱いと線が弛んでしまいます。掴線能力とは、対象物を掴む力のことで、この値が大きいほど太くて重い、または長い対象物を掴み続けることができます。本体についているハンドルを回すことで、人の何倍もの力でワイヤーを張ることができます。

シメールの使用用途

シメールとは、ワイヤーなどを一時的に固定するための道具です。用途としては、電設架線用、通信ケーブルなどの「張線作業」果樹園などの「棚張り」「フェンス張り」が該当します。

さらに「溶接の仮止め」「荷締め」「重量物の移動」などにも使用します。電設用シメールは、主に電力・電設・通信の「架線作業」に用いられます。園芸用シメールでは「ポールと線の架設」または「線と線の架設」に用います。 

自動車用シメールは「フレームの修正・修理」「重量物の移動」に用いられます。さらには「家起・芯出し作業」などにも使用されています。

シメールの選び方

シメール本体には、サイズや荷重範囲が異なるものがあります。クランパーにも、建築用、電設用、農園用などがあり、組合わせて使用して下さい。

  • 掴線器(カムラー)
    引っ張る線の太さと引っ張る力によって、選定してください。主に、対象や素材によって適切な種類を選ぶ必要があります。農園でのワイヤー張りなど、最も張力が弱い部類では、5kNで掴線範囲(対象の太さ)は、1mmから10mmとなります。一方、電線張りなどは最大で、100kNで32mmまでのワイヤーを対象とするカムラーがあります。
  • 張線力(耐張力)
    引っ張る力・持ち上げる力である、張線能力に当たります。主に「5kN」「10kN」「 15kN」仕様があり、引っ張る対象の強度に合わせて選択します。
  • 巻ワイヤー
    3型から5型まであります。張力の程度により分類されており、張力が弱い部類は3型、以降4型、5型と強い張力が必要な場面に適用されます。
  • 巻ベルト
    従来はワイヤーが巻かれていましたが、使用頻度が高いとワイヤーの素切れや乱巻きが発生し、安全性や作業性に支障が現れます。そこで改良された巻き方がベルト式で、ワイヤー巻きの懸念を解消してくれます。
  • 尻手
    尻手ワイヤーを引っ掛ける部位によって、形状を選択してください。一般的な形状は、鉤状のフックですが、中には、フックになっています。
  • 絶縁性
    電線など通電の危険性がある場合は、絶縁使用である必要があります。素材としては、ナイロン製やFRPと言われる強化プラスチックが適しています。主にハンドル材質、ロープ材質の選定で用いられています。

エアーチゼル

エアーチゼルとは

コンプレッサ、レギュレーターは、それらをつなぐホースの末端のピストル部に高圧のエアーを送り込む構造になっています。送られたエアーは、エアーガンの先端のシリンダを強力に往復運動させることで、先端部(チゼル)を振動させ、対象物の剥離、開封、切断などを担う装置です。圧力調整が簡単に行え、作業目的に応じた適度な力で操作が可能です。

通称、空圧工具といわれ、電動工具に比べてパワーは、同じ水準を維持しつつ、小型・軽量でハンドリングしやすい特長があります。別名では「オートチゼル」「エアーハンマー」「エアーチッパー(ペン型)」とも呼ばれています。

エアーチゼルの使用用途

強力にかつ自動でピストン運動をするチゼルを利用し「住宅建築」や「工事現場」などの本格的なシーンに用いられています。代表的な使い方は「コンクリートの破砕」「穴開け」「鉄板の切断、切削」といった「はつり作業」です。

また、各種溶接時に発生するバリ取りに時にも活躍します。特にアーク溶接時にはスパッタと言う金属粒子が発生し、溶接近傍に凸凹を形成します。こういった局所的な塊の除去に、エアーチゼルは適しています。

さらには、自動車の「板金塗装の除去」「スポット溶接の剥離」などにも力を発揮しています。

エアーチゼルの選び方

  • 本体
    細かい作業をする場合は、打撃数を示すbpmが大きい機種が適切です。逆に、資材を破壊したり、剥がしたりする場合は、打撃数の小さな型式を選択する必要があります。
    同様に、ダイナミックに効率的な作業をするためには、空気使用量が0.3m3/min程度が好ましいです。一方、本体重量が1.7kgと大きいため、長時間の作業や腕力がない女性や高齢者の使用には、軽量タイプを選ぶのが良いです。
  • チゼル部
    様々な種類のチゼル(先端)部があり、使用用途によって使い分けをします。コンクリートモルタルの破壊・解体にはポイントチゼル、タイルや塗装を剥がすためにはフラットチゼル、薄鋼板の切断にはシートメタルチゼル、リベットや小ボルト・ねじの切断にリベットチゼルなど様々なラインナップが用意されています。
  • コンプレッサー(圧縮機)
    エアーチゼルの空気消費量に合わせたコンプレッサー容量が必要です。また、室内利用を想定している場合は、静音性を重視した機種が好ましいです。また、作業場所を変更する場合や片付ける頻度が高い場合は、コンパクトで軽量型を選ぶと良いでしょう。

高周波グラインダー

高周波グラインダーとは

圧を増強する高周波発生器(インバーター電源)を接続した研磨機です。

基本的に出力が高いため、鋼材や凹凸の激しい資材面に対して適用できます。また、一般的なグラインダーは、研磨面の摩擦が高いと回転速度が落ち、研磨ムラが生じます。

しかし、高周波グラインダーは、出力電圧を一定に保持できるため、均一な研磨ができることも特長のひとつです。一般的には、ハンディタイプが主流でディスクサイズに大きな差はありません。一方で、インバーター電源の仕様によって、作業能力が大きく変わります

高周波グラインダーの使用用途

出力の高さから「大量生産ライン作業」「作業面積が大きい工事現場」などにおいて、溶接や塗布後の仕上げに利用されています。

具体的な使用例として「鉄工」「製缶」「鉄骨」「橋梁」では、溶接後のビート削りや鋼板の面取り、ステンレス溶接後のビート削り等に利用されています。橋梁補修工事では、塗料やタール落しとしても活用されています。鋳物のバリ取りにも頻用されている道具です。

高周波グラインダーの選び方

〇高周波発生器(インバーター電源)

  • 作業負荷、作業効率
    作業負荷によって、適切な出力側出力容量の設備を選択する必要があります。一般的には、3~4kVAの仕様のものを選ぶのが良いでしょう。さらに負荷をかける場合は、10kVAを超える出力容量の設備が好ましいです。
    2つ以上の高周波グラインダーを接続できる仕様もあり、インバーター1台で複数の箇所を作業することができます。作業効率と費用の面から最適な組み合わせを選ぶ必要があります。
  • 費用面
    一方で、出力容量が大きいほど費用がかかります。安価なタイプは、約10万から20万円で購入が可能です。高額な型式になると、50万円以上も必要になる物もあります。
  • 安全面、メンテナンス面
    出力が小さい方が、騒音・振動の面で好ましい場合があります。また、防塵構造である仕様を選択すると、故障回避により長期利用、メンテナンス費用の削減が期待できます。

〇グラインダー砥石

研磨・削りには大きく3種類の先端工具が存在します。鋼材やステンレスなどの金属材料には研削砥石を利用します。

さらに硬度の高い素材や「コンクリート」「石材」「ブロック」「レンガ」に対しては、ダイヤモンドカップがよく用いられます。

一方、塗装関連の面取りや表面仕上げには、研磨ディスクが適しています。また、ディスク材料には、最高使用回転数が規定されています(一般的には、80m/s)。高速グラインダーの仕様にあった物を選択する必要があります。

電子丸ノコ

電子丸ノコとは電子丸ノコ

主に木工用の資材を切断する際に用いられる切断用の機材です。構造は「チップソー」と呼ばれる円盤型のノコ刃が回転軸に装着されており、モーターにより回転する仕組みとなっています。

同様の形式に電気丸ノコがありますが、一定の動力で切断するため、負荷がかかると回転数が落ちます。一方、電子丸ノコは、負荷に関わらず一定のスピードで切断するため、切断面が綺麗です。また、電子丸ノコは、軽量性とコンパクトさに重きを置かれた設計であり、女性や高齢者でも幅広く利用できることが特徴です。

電子丸ノコの使用用途

電子丸ノコは、資材をまっすぐ切断し、さらに切断面が綺麗ということから、家具や内装工事によく用いられます。例えば引き出しの滑りやすさはこの断面が要となっています。
また、住宅の構造材といった切断精度が求められる用途に用いられています。

チップソーの材質を変えることで、幅広い素材を対象とすることができます。

プラスチックや鉄鋼は勿論のこと、サイディング材、ブロック、レンガも切断することができます。
電子丸ノコは、角度をつけた切断を行いたい時にも用いられる加工機です。

電子丸ノコの選び方

  • 基本設計
    最大切込み深さは 加工する材料に合ったサイズを選んでください。
    丸ノコの基本となるノコ刃のサイズは、165mm径です。このサイズで一般的な資材は、十分切断することが可能です。ただ、より厚みのある資材を切断する場合は、それ以上のサイズを選んで下さい。
    また、利用者の体格や作業内容に合わせて、軽さやハンドリングしやすさの目線で選択することで、疲れやすさを軽減でき、より安全に作業を行えます。
  • チップソー(ノコ刃)の材質
    材質は、幅広いラインナップがあり、用途による使い分けもバラエティが豊富です。一般的な木材を切断する場合は、安価な炭素工具鋼でも問題なく使用できます。ただ、消耗が激しいため、一般的には、超硬チップが利用されています。
    切断対象となる資材がより硬いものだと、切断砥石やダイヤモンドホイールに切り替える必要があります。
    また、刃数は、通常50個の刃先で構成されていますが、断面をさらに綺麗に仕上げたい場合には、刃数が多いタイプを使用するのが好ましいです。
  • 電源
    コード式丸ノコと充電式丸ノコがありますが、長時間使用する場合は、コード式がおすすめです。一方、リフォームなどで広い範囲を動き回る場合は、充電式が好ましいです。
  • 付帯設備
    切断とは直接関与しないものの、作業性や安全性を高める付帯設備があります。例えば切断部を照らしガイド役となるライトであったり、切りくずを吹き飛ばしてくれるブロワーです。いずれも費用は、かさみますが、効果を期待できます。

また、丸ノコタイプの電動工具は、切断時の騒音と資材や腕にかかる振動が大きいのですが、それらを抑制するタイプも出ています。

車両センサー

車両センサーとは

車両センサー

車両センサーは車両検知センサーとも呼ばれており、車両が通行したかどうかを検知して数をカウントしたり、所定の位置に駐車されている車両の数をカウントしたりすることができるセンサーです。

車両センサーを利用することで駐車場等で駐車している車両を把握し、逆走などの異常を検知できるため、管理能力が格段に向上します。また、工場や物流センターでの車両の動きの効率化にも役立っています。

車両センサーには壁掛けや埋め込み、天井取り付けタイプなどがあり、用途に応じて選択することができます。

車両センサーの使用用途

車両センサーは、自動車やトラック等の車両の通行の有無等を検知できるので、大型駐車場やコインパーキング、工場のゲート、物流センター等で利用されています。特に駐車場では、一つ一つの車両駐車位置に車両センサーを取り付けることによって、空き状況を把握することができるため近年普及してきています。

車両センサーには、車両の通行時にブザーが鳴ったり、音声で周りの通行者に知らせることが出来る製品もあり、歩行者の安全を守る役割としても利用されています。

車両センサーの原理

車両センサーは製品により検知する項目に違いがあり、原理にもいくつかの種類があります。なかでも多く利用されているタイプが、マイクロ波や赤外線、超音波等によるセンサーです。マイクロ波、赤外線、超音波等が対象物に当たって反射してきた反射波を測定し、対象となる車両の移動速度や距離、有無等を判定します。このように反射波を利用したタイプの製品では、とくに屋外で使用する際に、天候等によって多少誤作動する可能性があるものが多いです。また、検出する車両の大きさや材質によって検出範囲が変動することもあります。

他には、ループコイルセンサーと呼ばれる原理もあります。ループ状にしたケーブルのコイルの上部を金属物が通過するときに変化するインダクタンスを検知して、車両の有無を判定しています。このタイプは埋め込み式のため工事が必要です。

ループコイルセンサーと似た原理では、磁気センサーがあります。金属製の車両が通過することによる磁気の変化を検出して判定しています。