オフセットドライバーとは
クランク形状のドライバーです。普通のドライバーだと長すぎて、まっすぐに回せない時やクリアランスの狭い場所にあるネジを回すのに非常に有効な工具です。
グリップ部がなく、クランク状に曲げられた軸を直接回します。そのため、軸部からのオフセット量が30mmほどしかない製品もあります。
キャップボルトやトルクスボルト用のドライバーとは形状が異なります。また、指先程の短さのスタッビドライバーと比べて、リーチが長く、入り組んだ構造でも刃先が届く優れものです。
類似工具として、フレキシブルドライバーがあります。この工具は、直線的でない空間で活躍しますが、締め付け力が弱いことがデメリットです。ストレートタイプのドライバーが無理な場合は、オフセットドライバーを適用します。
オフセットドライバーの使用用途
入り組んで直線的な空間が確保できない狭い場所での作業に向いています。また、単に短いだけでは足りず、力を加えてネジ回ししたい場合にも最適です。
例えば装置内部の「部品の交換」機械内部の「メンテナンス」「車両整備」などです。特に、入り組んだ構造の機械は、様々な形状のオフセットドライバーが必要になります。
工場内作業や建築現場、または線路修理などでは、通称Cチャンネルと呼ばれるリップ溝形鋼に適用することが可能です。
オフセットドライバーの選び方
〇全体形状
通常のドライバーでは届かない利点を活かし、場所によって、複数のタイプを使い分けするのが好ましいです。
- S字型
ごく一般的なオフセットドライバーの形式です。両頭になっており、どちらでもドライバーの役割を担います。タイプによって、両方同じ形、もしくはプラスとマイナスの組み合わせがあります。スタンダードなオフセットドライバーです。 - Z型
S字型がさらに角度が付いた形状になっており、一層狭い場所に対応できるようになっています。 - 90度型(L型)
片方のみオフセット型になっており、もう片方はまっすぐです。Z型やS字型のドライバーでは、逆側のねじ回し部分が他の物体に干渉する場合は、90度型オフセットドライバーが好ましいです。また、比較的安価であることも特長です。 - 薄型(フラット型)
先端のねじ込み部でも1cmの短さ(薄さ)です。グリップ部は、ほぼ板状で隙間さえあれば入り込むことが可能です。入り組んだ狭い機械内部の締め付け、ねじ外し、また、精密な部位に工具をむやみに当てないために、最小限のサイズ感になっています。 - 先端形状
プラス型とマイナス型があります。対象のネジ形状に合わせて選択して下さい。 また、薄型オフセットドライバーは、六角や四角形状など、バリエーションが豊富です。比較的値が張りますが、幅広く対応できるため万能です。 - 先端マグネット
通常のドライバーと同じで、磁性のネジを先端に密着させることができるドライバーもあります。手が入りにくく、ネジを構えることができない場所で重宝します。 - ラチェット式
ネジ回しの空間が狭く、ひと回しした後にドライバーを上げる操作が難しい場合、また、作業性を向上させる場合は、ラチェット式が効率的です。