エアーチゼルとは
コンプレッサ、レギュレーターは、それらをつなぐホースの末端のピストル部に高圧のエアーを送り込む構造になっています。送られたエアーは、エアーガンの先端のシリンダを強力に往復運動させることで、先端部(チゼル)を振動させ、対象物の剥離、開封、切断などを担う装置です。圧力調整が簡単に行え、作業目的に応じた適度な力で操作が可能です。
通称、空圧工具といわれ、電動工具に比べてパワーは、同じ水準を維持しつつ、小型・軽量でハンドリングしやすい特長があります。別名では「オートチゼル」「エアーハンマー」「エアーチッパー(ペン型)」とも呼ばれています。
エアーチゼルの使用用途
強力にかつ自動でピストン運動をするチゼルを利用し「住宅建築」や「工事現場」などの本格的なシーンに用いられています。代表的な使い方は「コンクリートの破砕」「穴開け」「鉄板の切断、切削」といった「はつり作業」です。
また、各種溶接時に発生するバリ取りに時にも活躍します。特にアーク溶接時にはスパッタと言う金属粒子が発生し、溶接近傍に凸凹を形成します。こういった局所的な塊の除去に、エアーチゼルは適しています。
さらには、自動車の「板金塗装の除去」「スポット溶接の剥離」などにも力を発揮しています。
エアーチゼルの選び方
- 本体
細かい作業をする場合は、打撃数を示すbpmが大きい機種が適切です。逆に、資材を破壊したり、剥がしたりする場合は、打撃数の小さな型式を選択する必要があります。
同様に、ダイナミックに効率的な作業をするためには、空気使用量が0.3m3/min程度が好ましいです。一方、本体重量が1.7kgと大きいため、長時間の作業や腕力がない女性や高齢者の使用には、軽量タイプを選ぶのが良いです。 - チゼル部
様々な種類のチゼル(先端)部があり、使用用途によって使い分けをします。コンクリートモルタルの破壊・解体にはポイントチゼル、タイルや塗装を剥がすためにはフラットチゼル、薄鋼板の切断にはシートメタルチゼル、リベットや小ボルト・ねじの切断にリベットチゼルなど様々なラインナップが用意されています。 - コンプレッサー(圧縮機)
エアーチゼルの空気消費量に合わせたコンプレッサー容量が必要です。また、室内利用を想定している場合は、静音性を重視した機種が好ましいです。また、作業場所を変更する場合や片付ける頻度が高い場合は、コンパクトで軽量型を選ぶと良いでしょう。