打撃スパナ

打撃スパナとは

スパナの一種である打撃スパナは、ハンマーで柄を打撃して強い力をかけることができるスパナです。

ボルト・ナットが大きくなるに従い、人の力では満足した締め付けができにくくなります。通常のスパナでは動かないような、錆びついたナット類の取り外しや増し締めが必要な部位に対して使用します。

打撃スパナは、柄尻の穴にロープを通し、引っ張りながら柄尻の叩き部をハンマーで叩くようになっています。叩くことで増締めができます。

逆に、錆などで固着し硬くなってなっているナットを緩める時などに用いられます。打撃形式の工具は他に、打撃メガネレンチ等があります。ちなみに、スパナもレンチも基本的に同じ意味です。

打撃スパナの使用用途

打撃スパナや打撃メガネレンチは、大きな力が必要な場面で活躍します。よって、各種工場のボルトナットの「締結作業」に頻用されています。

また、電車や工場などの連続もしくは断続的に振動等があり、ボルトやナットが緩み易い所を、強い力で締め付ける場合にも重宝されています。 経変劣化したボルト、事故や災害などで歪が生じた箇所のボルトなどに対しても力を発揮します。

また、一方的に強い力を与えるため、相手方の材質が弱かったり、サイズが異なった場合には、部品破損につながるため、不適切です。

打撃スパナの選び方

  • スパナ型、メガネレンチ型
    両方購入はできますが、非常に強い力で叩くため、きちっと固定しておく仕様が好ましいです。その点、メガネレンチは、対象部位にしっかりはまっており、レンチ部に手をかけないため安全性が高いです。
  • 二面幅(対辺寸法)
    一般的なスパナやレンチ同様に、対象となるボルトやナットに合わせたサイズを選定する必要があります。一般的には、30~145mmのラインナップから選ぶことになります。
  • オフセット
    オフセットの有無も、一般的な選択肢の一つであり、45°で1段のものや45°+6°といった2段のものもあります。ストレートタイプのスパナでは作業性が悪い場合に適用します。
  • 打撃部
    一般的には、スパナ・レンチ部と同等の厚みです。一方で、打撃の的が絞りにくい人や力を込めて打撃する必要がある場合は、打撃ミスを減らせる箱型形状の打撃部を選ぶと良いです。
  • 材質
    クロムバナジウム鋼は、衝撃を考慮した硬度でJIS強力級スパナの2.5倍以上の強度をもつ、最も強靱なレンチです。
    ハイカーボン合金鋼は、ステンレスに比べて硬く脆いですが、安価で手に入り易いメリットがあります。
  • 表面処理:カチオン電着塗装
    錆の発生を抑えるための塗装です。打撃スパナは、打撃部の劣化や消耗が著しいため、普通の素材だと錆が誘発されやすいです。さらに脆くなると、買い替える必要が出てきてしまいます。塗装の面から、持久性を備えた工具が好ましいでしょう。

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