シメールとは
シメールとは、張線器のことで、素手で張るには限界のあるワイヤーやケーブルなどの線やロープを引っ張る工具です。
シメールは、その本体に当たります。また、クランパーは、シメールで張線するワイヤーをしっかりと掴み、張線をアシストする役割を担います。ワイヤーを掴んだ状態で、本体のハンドルを回すことで張線が可能になります。
シメールのスペックは、張線能力と掴線能力に定義されます。張線能力とは引っ張る力のことで、これが弱いと線が弛んでしまいます。掴線能力とは、対象物を掴む力のことで、この値が大きいほど太くて重い、または長い対象物を掴み続けることができます。本体についているハンドルを回すことで、人の何倍もの力でワイヤーを張ることができます。
シメールの使用用途
シメールとは、ワイヤーなどを一時的に固定するための道具です。用途としては、電設架線用、通信ケーブルなどの「張線作業」果樹園などの「棚張り」「フェンス張り」が該当します。
さらに「溶接の仮止め」「荷締め」「重量物の移動」などにも使用します。電設用シメールは、主に電力・電設・通信の「架線作業」に用いられます。園芸用シメールでは「ポールと線の架設」または「線と線の架設」に用います。
自動車用シメールは「フレームの修正・修理」「重量物の移動」に用いられます。さらには「家起・芯出し作業」などにも使用されています。
シメールの選び方
シメール本体には、サイズや荷重範囲が異なるものがあります。クランパーにも、建築用、電設用、農園用などがあり、組合わせて使用して下さい。
- 掴線器(カムラー)
引っ張る線の太さと引っ張る力によって、選定してください。主に、対象や素材によって適切な種類を選ぶ必要があります。農園でのワイヤー張りなど、最も張力が弱い部類では、5kNで掴線範囲(対象の太さ)は、1mmから10mmとなります。一方、電線張りなどは最大で、100kNで32mmまでのワイヤーを対象とするカムラーがあります。 - 張線力(耐張力)
引っ張る力・持ち上げる力である、張線能力に当たります。主に「5kN」「10kN」「 15kN」仕様があり、引っ張る対象の強度に合わせて選択します。 - 巻ワイヤー
3型から5型まであります。張力の程度により分類されており、張力が弱い部類は3型、以降4型、5型と強い張力が必要な場面に適用されます。 - 巻ベルト
従来はワイヤーが巻かれていましたが、使用頻度が高いとワイヤーの素切れや乱巻きが発生し、安全性や作業性に支障が現れます。そこで改良された巻き方がベルト式で、ワイヤー巻きの懸念を解消してくれます。 - 尻手
尻手ワイヤーを引っ掛ける部位によって、形状を選択してください。一般的な形状は、鉤状のフックですが、中には、フックになっています。 - 絶縁性
電線など通電の危険性がある場合は、絶縁使用である必要があります。素材としては、ナイロン製やFRPと言われる強化プラスチックが適しています。主にハンドル材質、ロープ材質の選定で用いられています。