人工木

人工木とは

人工木

人工木材とは、天然木材に似せて作られた工業製品のことです。

樹脂木、再生木、模擬木とも呼ばれます。天然木材よりも扱いやすく耐久性に優れ、メンテナンスも簡単なため、多くの木工製品に使用されています。人工木材は、廃材を利用したリサイクル木材やペットボトルのキャップなどで作られるリサイクルプラスチックが使われることも多く、ゴミの量を減らし、環境負荷の軽減につながります。

人工木の使用用途

エクステリア・建築外構・外装への建築化粧材として、ウッドデッキ・フェンス・ルーバーなどに幅広く使用されています。特にウッドデッキは、近年、公共工事への採用実績が増えています。

景観に調和した施工、高い耐久性、安全性に優れているため、公園などの防護柵や階段などにも使用されています。その他、人工木を使用したギターやスピーカーなども使用用途の1つです。

天然木と比べると質感や断熱性は劣りますが、人工木はさまざまな色や見た目のバリエーションがあるため、天然木に劣らない存在感を演出することが可能です。また、新たな森林伐採の必要がなく、工場で大量生産ができるため、天然木の代替品として注目されています。

人工木の特徴

長所

1. 高い耐久性
天然木よりも耐久性が高く、腐食やシロアリによる被害を受けにくいことから、ウッドデッキなどに幅広く使用されています。また、色の変化がないので見た目の品質も長期的に保つことができます。

2. 維持管理が楽
天然木のように定期的な防腐処理・防虫処理・防水処理の必要がなく、薬剤の使用による危険性もありません。日々のメンテナンスは、泥や埃といった汚れを取り除く簡単な清掃で済みます。ただし、油断しているとカビが生える場合があるので、常に湿っている場所を定期的に清掃することが必要です。

3. 施工性・加工性に優れている
市販されている木材用の金具が使用可能で、天然木同様に切断や穴あけなどの加工ができます。

4. お子様やペットがいる家庭でも安心
人工木は、製造過程で有害物質が使用されていないため、小さい子供やペットも安心です。また、天然木のようなワレやササクレがないため、怪我の心配が少ないです。

5. 好きなカラーを選べる 
人工木はカラーバリエーションが豊富なため、天然木にはない色合いで施工することが可能です。

短所 

1. 熱がこもりやすい
人工木に使用されている樹脂は、熱がこもりやすいため、夏場の日差しが強い時期は表面が熱くなりやすいです。直射日光が当たりやすい場所で使用する場合は、屋根やフードなどの対策が必要です。

2. 天然木より質感が劣る
人工木は、木粉に樹脂やプラスチックなどの素材を混ぜて作られているため、天然木と比べ香りや質感が劣ります。

3. 価格が高い
天然木と人工木の価格を比較した場合、天然木は樹木により価格に差がありますが、一般的に人工木の方が高い傾向にあります。しかし、高い耐久性やメンテナンスがほとんど必要ないことを考えると、ランニングコストがかからないというメリットがあります。

人工木の種類

人工木はメーカーや使用する原材料や配合、仕上げにより様々な種類があります。

1. 原材料による分類

木粉と樹脂を混ぜ合わせて成形したもの、木粉と樹脂 (ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂など) を混ぜ合わせたもの、それら以外の素材を使用したものなどに分類されます。

2. 配合比率による分類

樹脂にはポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂などの種類があります。木粉と樹脂の配合の違いにより、強度と質感が大きく変わります。木粉の比率が高ければ天然木に近い仕上がりになり、樹脂の配合が高ければしっかりとした強度で仕上がります。

3. 仕上げによる分類

表面や溝をギザギザに加工したリブ加工は、強度が増し滑りにくくなり、 表面を凸凹に加工したエンボス加工は、見た目が木目に近くなります。また、表面を研磨するサンディング加工は、木目に近い質感になります。仕上げの方法により、見た目や性質に違いがあります。

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